スタティック IP ユニキャスト ルーティングの設定
この章では、スイッチに IP Version 4(IPv4)スタティック IP ユニキャスト ルーティングを設定する方法について説明します。スタティック ルーティングは、スイッチ仮想インターフェイス(SVI)でのみサポートされており、物理インターフェイスではサポートされていません。スイッチでは、ルーティング プロトコルはサポートされていません。
スタティック IP ユニキャスト ルーティングの制約事項
• SDM テンプレートがスタティック ルーティングをサポートするように変更されていない場合、デフォルトではスタティック IP ルーティングはスイッチ上でディセーブルです。
• この機能を使用するには、スイッチが LAN Base イメージを実行している必要があります。
スタティック IP ユニキャスト ルーティングの設定に関する情報
(注) スイッチにルーティング パラメータを設定する場合、使用できるユニキャスト ルート数が最大となるようにシステム リソースを割り当てるには、sdm prefer lanbase-routing グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用し、ルーティング テンプレートにスイッチング データベース管理(SDM)機能を設定します。 SDM テンプレートの詳細については、「SDM テンプレートの設定」、またはこのリリースのコマンド リファレンスの sdm prefer コマンドを参照してください。
IP ルーティング
一部のネットワーク環境で、VLAN(仮想 LAN)は各ネットワークまたはサブネットワークに関連付けられています。IP ネットワークで、各サブネットワークは 1 つの VLAN に対応しています。VLAN を設定すると、ブロードキャスト ドメインのサイズを制御し、ローカル トラフィックをローカル内にとどめることができます。ただし、異なる VLAN 内のネットワーク デバイスが相互に通信するには、VLAN 間でトラフィックをルーティング(VLAN 間ルーティング)するレイヤ 3 デバイスが必要です。VLAN 間ルーティングでは、適切な宛先 VLAN にトラフィックをルーティングするため、1 つまたは複数のルータを設定します。
図 41-1 に基本的なルーティング トポロジを示します。スイッチ A は VLAN 10 内、スイッチ B は VLAN 20 内にあります。ルータには各 VLAN のインターフェイスが備わっています。
図 41-1 ルーティング トポロジの例
VLAN 10 内のホスト A が VLAN 10 内のホスト B と通信する場合、ホスト A はホスト B 宛にアドレス指定されたパケットを送信します。スイッチ A はパケットをルータに送信せず、ホスト B に直接転送します。
ホスト A から VLAN 20 内のホスト C にパケットを送信する場合、スイッチ A はパケットをルータに転送し、ルータは VLAN 10 インターフェイスでトラフィックを受信します。ルータはルーティング テーブルを使用して正しい発信インターフェイスを判別し、VLAN 20 インターフェイスを経由してパケットをスイッチ B に送信します。スイッチ B はパケットを受信し、ホスト C に転送します。
スイッチ A と B でスタティック ルーティングをイネーブルにすると、パケットをルーティングするためのルータ デバイスは必要なくなります。
ルーティング タイプ
ルータおよびレイヤ 3 スイッチは、次の方法でパケットをルーティングできます。
• 宛先がルータにとって不明であるトラフィックをデフォルトの出口または宛先に送信するには、デフォルト ルーティングを使用します。
• パケットが事前に設定されたポートから単一のパスを通り、ネットワークの内部または外部に転送されるようにするには、スタティック ルートを使用します。
• ルーティング プロトコルによるルートの動的な計算。
スイッチは、スタティック ルートとデフォルト ルートをサポートします。ルーティング プロトコルはサポートされません。
スタティック IP ユニキャスト ルーティングの設定方法
ルーティングを設定する手順
この手順では、特定のインターフェイスをスイッチ仮想インターフェイス(SVI)にする必要があります。これは、 interface vlan vlan_id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して作成された VLAN インターフェイスであり、デフォルトではレイヤ 3 インターフェイスです。ルーティングが発生するすべてのレイヤ 3 インターフェイスに、IP アドレスを割り当てる必要があります。「IP アドレスの SVI への割り当て」を参照してください。
(注) スイッチでは、16 のスタティック ルート(ユーザ設定のルートとデフォルト ルートを含む)と、管理インターフェイスの直接接続されたルートとデフォルト ルートがサポートされています。スイッチには、各 SVI に割り当てられた IP アドレスを指定できます。ルーティングをイネーブルにする前に、sdm prefer lanbase-routing グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力して、スイッチをリロードします。
ルーティングを設定する手順は次のとおりです。
• VLAN インターフェイスをサポートするために、スイッチで VLAN を作成および設定し、レイヤ 2 インターフェイスに VLAN メンバーシップを割り当てます。詳細については、「VLAN の設定」を参照してください。
• レイヤ 3 インターフェイス(SVI)および物理ルーテッド ポート(スイッチポートなし)を設定します。
• レイヤ 3 インターフェイスに IP アドレスを割り当てます。
• スタティック ルートを設定します。
IP ユニキャスト ルーティングのイネーブル化
デフォルトで、スイッチはレイヤ 2 スイッチング モード、IP ルーティングはディセーブルとなっています。スイッチのレイヤ 3 機能を使用するには、IP ルーティングをイネーブルにします。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip routing |
IP ルーティングをイネーブルにします。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
IP アドレスの SVI への割り当て
IP ルーティングを設定するには、IP アドレスをレイヤ 3 ネットワーク インターフェイスに割り当てる必要があります。これにより、IP を使用するインターフェイスでホストとの通信が可能になります。IP ルーティングはデフォルトでディセーブルであり、IP アドレスは SVI に割り当てられていません。
IP アドレスは、IP パケットの宛先を特定します。一部の IP アドレスは特殊な目的のために予約されていて、ホスト、サブネット、またはネットワーク アドレスには使用できません。RFC 1166『Internet Numbers』には、これらの IP アドレスに関する公式の説明が記載されています。
インターフェイスには、1 つのプライマリ IP アドレスを設定できます。サブネット マスクは、IP アドレスのネットワーク番号を表すビットを特定します。
この作業では、SVI に IP アドレスおよびネットワーク マスクを割り当てる例を示します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface vlan vlan_id |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するレイヤ 3 VLAN を指定します。 |
ステップ 3 |
ip address ip-address subnet-mask |
IP アドレスおよび IP サブネット マスクを設定します。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
スタティック ユニキャスト ルートの設定
スタティック ユニキャスト ルートは、特定のパスを通過して送信元と宛先間でパケットを送受信するユーザ定義のルートです。ルータが特定の宛先へのルートを構築できない場合、スタティック ルートは重要で、到達不能なすべてのパケットが送信される最終ゲートウェイを指定する場合に有効です。
スタティック ルートを削除するには、 no ip route prefix mask { address | interface } グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。ユーザによって削除されるまで、スタティック ルートはスイッチに保持されます。
インターフェイスがダウンすると、ダウンしたインターフェイスを経由するすべてのスタティック ルートが IP ルーティング テーブルから削除されます。転送ルータのアドレスとして指定されたアドレスへ向かう有効なネクスト ホップがスタティック ルート内に見つからない場合は、IP ルーティング テーブルからそのスタティック ルートも削除されます。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip route prefix mask { address | interface } [ distance ] |
スタティック ルートを確立します。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
IP ネットワークのモニタリングおよびメンテナンス
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show interfaces [ interface-id ] |
すべてのインターフェイスまたは指定されたインターフェイスの管理ステータスおよび動作ステータスを表示します。 |
IP ユニキャスト ルーティング の設定に関する追加情報
ここでは、スイッチ管理に関する参考資料について説明します。
関連資料
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Cisco IE 2000 コマンド |
『 Cisco IE 2000 Switch Command Reference , Release 15.0(1)EY』 |
Cisco IOS 基本コマンド |
『Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference』 |
Cisco IOS IP アドレス コマンド |
『Cisco IOS IP Command Reference, Volume 1 of 3: Addressing and Services, Release 15.0』 |
Cisco IP ルーティング設定 |
『Cisco IOS IP Routing Configuration Guides, Release 15.0』 |
SDM テンプレート設定 |
「SDM テンプレートの設定」 |
標準
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この機能でサポートされる新規の標準または変更された標準はありません。また、既存の標準のサポートは変更されていません。 |
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RFC
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この機能によりサポートされた新規 RFC または改訂 RFC はありません。またこの機能による既存 RFC のサポートに変更はありません。 |
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