ALI データのアップロードのトラブルシューティング
定期的に、ALI データを書き出し、サービス プロバイダーに送信する必要があります。ALI データは、ローカル ネットワークから正しい PSAP に緊急コールをルーティングし、緊急コールの位置に関する情報を PSAP に提供するために使用されます。
Cisco Emergency Responder(Emergency Responder)では、多様な NENA 形式で ALI データを書き出すことができます。使用すべき形式については、サービス プロバイダーにお問い合わせください。
アップロード プロセス時に、一部の ALI データ レコードが正しくアップロードされないことがあります。お使いのサービス プロバイダーは、エラーのリストを提供できなければなりません。また、サービス プロバイダーのデータ アップロード ソフトウェアの使用時に、エラーが表示されることがあります。ユーザは誤りのあるレコードを修正し、ALI データの書き出しファイルを再送信する必要があります。レコードを修正するには、場合によってはエラーのレコードを手動で編集する必要があります。
ここでは、ALI データ レコードを修正するための一般的な手順と、多様な NENE 形式ファイルの編集方法について説明します。
• 「ALI データ レコードの修正」
• 「NENA 2.0 および 2.1 ファイル形式の編集」
• 「NENA 3.0 ファイル形式」
ALI データ レコードの修正
ALI レコードをサービス プロバイダーにアップロードするときに表示されることがあるデータ エラーを修正するには、次の手順を実行します。
はじめる前に
NENA またはサービス プロバイダーから、NENA Doc 02-010『 Recommended Formats and Protocols for Data Exchange 』を入手してください。この文書で、さまざまな NENA 形式が詳細に説明されています。
手順
ステップ 1 エラー レポートをよく読み、発生した問題について判断します。
ステップ 2 Emergency Responder Web インターフェイスで、失敗した ERL/ALI レコードのエラーに含まれていたフィールドを変更します。たとえば、[Street Suffix] の短縮表記が受け入れられなかった場合、受け入れられる表記に変更します。すべての変更を保存します。
ステップ 3 もう一度 ALI データを書き出します(オンライン ヘルプを参照)。
ステップ 4 エラー状態のレコードが新規のレコードだった場合、レコードのデータベース関数を変更する必要があります。Cisco Emergency Responder はすでにこれらのレコードを書き出した後なので、Emergency Responder では新規の挿入ではなく更新としてラベル付けされます。ただし、これらのレコードはアップロード時に失敗したため、サービス プロバイダーのデータベースでは新規と見なされます。
テキスト エディタで ALI 書き出しファイルを開き、修正するレコードの関数コードを変更します。書式設定や他の余計な文字を追加しないエディタを使用してください。ファイルの編集の詳細については、次の項を参照してください。
• 「NENA 2.0 および 2.1 ファイル形式の編集」
• 「NENA 3.0 ファイル形式」
ステップ 5 編集したファイルをサービス プロバイダーに送信します。
NENA 2.0 および 2.1 ファイル形式の編集
NENA 2.0 および 2.1 ファイル形式には次の特徴があります。
• レコードは固定長です。
• フィールドは特定の順序です。
• 使用しないフィールドはスペースを入力して埋めます。
• レコードの末尾にはアスタリスク(*)が示されます。
NENA Doc 02-010『 Recommended Formats and Protocols for Data Exchange 』を使用して、各フィールドのバイト位置と長さを判断します。ファイルを編集する場合、レコード長を長くしないでください。追加した余計なスペースは削除します。アイテムの長さがフィールドの長さ未満の場合、フィールドにスペースをパディングします。フィールドに応じて、右側または左側にパディングします。
ファイルには 1 つのヘッダーと 1 つのトレーラー レコードが含まれます。これらのレコードの間に ALI データ レコードが含まれます。
表 11-1 に、編集することが多いフィールドについて説明します。他のフィールドを変更するには、Cisco Emergency Responder Web インターフェイスを使用する必要があります。
表 11-1 NENA 2.0 および 2.1 の一般的なフィールド
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Function Code |
位置: バイト 1。 長さ: 1 文字。 説明: レコードのデータベース関数。次のいずれかです。 • I :新しい ALI レコードを挿入します • C :既存のレコードを変更します。C を使用するには、レコードのアップロードに 1 回は成功している必要があります。アップロードに成功したことがないレコードを修正する場合、C を I に変更します。 • D :レコードを削除します。Emergency Responder は、Emergency Responder 設定から ALI を削除した後に作成される書き出しファイルに、削除レコードを 1 回生成します。このレコードを再生成する必要がある場合は、以前の書き出しファイルからカット アンド ペーストし、レコード カウントを調整するか、Emergency Responder で ALI を再作成して保存し、そのデータを書き出してから ALI を削除し、もう一度データを書き出します。 |
Cycle Counter(シーケンス番号) |
位置: バイト 62 ~ 67。 長さ: 6 文字。 説明: サービス プロバイダーに送信するファイルのシーケンス番号(1、2、3 など)。番号は右寄せにし、先頭にスペースを付加します。サービス プロバイダーによっては、このフィールドを無視することがあります。 |
Record count |
位置: トレーラー レコードのバイト 62 ~ 70。 長さ: 9 文字。 説明: サービス プロバイダーに送信するファイルに含まれるレコードの合計数(1、2、3 など)。数値は右寄せにし、先頭にスペースを付加します。 |
NENA 3.0 ファイル形式
NENA 3.0 ファイル形式には次の特徴があります。
• レコードは可変長です。
• フィールドはタグとデータの組み合わせであり、任意の順序にすることができます。
• 使用しないフィールドは含まれません。タグの有無は次の影響があります。
– タグを含めない場合、その要素の前の値が何であっても、その値は未変更のままです。
– タグの値が空の場合、その要素の前の値は削除されます。
– タグに空ではない値が含まれる場合、要素の値はその新しい値に変更されます。
• タグはバーティカル バー(|)で区切られます。
• レコードの末尾は事前に定義した文字で示されます。
各フィールドのタグ名と値を決定するには、NENA Doc 02-010『 Recommended Formats and Protocols for Data Exchange 』を参照してください。値がフィールドの最大長を超えないようにしてください。余計なスペースをパディングする必要はありません。
ファイルには 1 つのヘッダーと 1 つのトレーラー レコードが含まれます。これらのレコードの間に ALI データ レコードが含まれます。
表 11-2 に、編集することが多いフィールドについて説明します。他のフィールドを変更するには、Emergency Responder Web インターフェイスを使用する必要があります。
表 11-2 NENA 3.0 の一般的なフィールド
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Function Code |
タグ: FOC。 説明: レコードのデータベース関数。次のいずれかです。 • I :新しい ALI レコードを挿入します(FOCI)。 • C :既存のレコードを変更します(FOCC)。C を使用するには、レコードのアップロードに 1 回は成功している必要があります。アップロードに成功したことがないレコードを修正する場合、C を I に変更します。 • D :レコードを削除します(FOCD)。Emergency Responder は、Emergency Responder 設定から ALI を削除した後に作成される書き出しファイルに、削除レコードを 1 回生成します。このレコードを再生成する必要がある場合は、以前の書き出しファイルからカット アンド ペーストし、レコード カウントを調整するか、Emergency Responder で ALI を再作成して保存し、そのデータを書き出してから ALI を削除し、もう一度データを書き出します。 |
Cycle Counter(シーケンス番号) |
タグ: CYC。 説明: サービス プロバイダーに送信するファイルのシーケンス番号(CYC1、CYC2 など)。サービス プロバイダーによっては、このフィールドを無視することがあります。 |
Record count |
タグ: ヘッダー レコードとトレーラー レコードの REC。 説明: サービス プロバイダーに送信するファイルに含まれるレコードの合計数(REC1、REC2 など)。 |