ROMモニタの起動
ROMモニタを使用するには、コンソール ポートを介してルータに接続された端末またはPCを使用する必要があります。ルータにPCまたは端末を接続するには、ルータ付属の『 Cisco 827 Routers Hardware Installation Guide 』のインストレーションに関する章を参照してください。
次の再起動時に、ROMモニタ モードで起動するようにルータを設定する手順は、次のとおりです。
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ステップ 1 |
enable |
イネーブル パスワードが設定されている場合は、イネーブル コマンドおよびイネーブル パスワードを入力して、イネーブルEXECモードを開始します。 |
ステップ 2 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
config-reg 0x0 |
コンフィギュレーション レジスタをリセットします。 |
ステップ 4 |
exit |
グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 5 |
reload |
新しいコンフィギュレーション レジスタ値を使用して、ルータを再起動します。ルータでは引き続きROMモニタが稼働します。Cisco IOSソフトウェア システムは起動されません。 設定値が0x0の場合は、コンソールから手動でオペレーティング システムを起動する必要があります「コマンドの説明」の boot コマンドを参照してください。 ルータを再起動すると、ROMモニタ モードになります。新しい行ごとに、プロンプトの数字は増加します。 |
ワンポイント・アドバイス ルータを再起動してから60秒間は、コンフィギュレーション レジスタでBreak(システム割り込み)がオフに設定されていても、Breakが常に有効となります。再起動から60秒間のあいだにBreakキーを押すと、ROMモニタのプロンプトに割り込むことができます。
ROMMONのアップグレード担当者および理由
機能を適切に実行し、ルータを正常に稼働させるには、ROMMON(ROMモニタ)イメージを最新バージョンにアップグレードしてから、Cisco IOSイメージをダウンロードします。ROMMONイメージは、以前のリリースのCisco IOSソフトウェア イメージと後方互換性があります。
ROMMONの新バージョンの入手方法
ROMMONの新バージョンは、次のWebサイトで入手できます。Webサイトにアクセスするには、Ciscoログイン アカウントを入力する必要があります。
http://www.cisco.com/kobayashi/sw-center/sw-ios.shtml
アップグレードの実行
ROMMONイメージをアップグレードするには、ROMMONモードから始めて、次の作業を行います。
ステップ 1 CCOからROMMONイメージをダウンロードして、TFTPサーバに格納します。
ステップ 2 TFTPサーバが接続されているハブに、イーサネット ケーブルを接続します。
ステップ 3 ルータの再起動シーケンス中にTelnetコマンドbreakを送信して、シスコ製ルータをROMMONモードにします。すべてのパラメータが正しく、大文字であることを確認します。ルータがROMMONモードの場合は、次のプロンプトが表示されます。
ステップ 4 次のパラメータを設定します。
rommon 1 > IP_ADDRESS=ip_address
rommon 1 > IP_SUBNET_MASK=ip_subnet_mask
rommon 1 > DEFAULT_GATEWAY=default_gateway
rommon 1 > TFTP_SERVER=TFTP_server
rommon 1 > TFTP_FILE=TFTP_file
パラメータの意味は、次のとおりです。
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IP_ADDRESS= |
ルータのIPアドレス |
IP_SUBNET_MASK= |
ルータのサブネット マスク |
DEFAULT_GATEWAY= |
ルータのデフォルト ゲートウェイのIPアドレス |
TFTP_SERVER= |
ROMMONイメージが格納されているTFTPサーバのIPアドレス |
TFTP_FILE= |
ROMMONイメージのパスおよびファイル名 |
ステップ 5 set コマンドを使用して、パラメータ設定を確認します。パラメータおよび値を再入力して、誤りを訂正します。例:
IP_SUBNET_MASK=255.255.255.0
TFTP_SERVER=223.255.254.254
TFTP_FILE=/auto/tftpload/ROMMON/C820_RM_ALT.srec.122-1r.XE2
ステップ 6 tftpdnld -uコマンドを使用して、ROMMONイメージをアップグレードします。
(注) resetコマンドを入力して、ROMMONモードでルータをリセットするように要求される場合があります。このプロンプトが表示された場合は、ルータをリセットしてから、ステップ1~5を再実行します。
IP_SUBNET_MASK:255.255.255.0
TFTP_SERVER:223.255.254.254
TFTP_FILE:/auto/tftpload/ROMMON/C820_RM_ALT.srec.122-1r.XE2
WARNING: alternate copy of rommon exists, filename:C820_RM_ALT.srec all existing data in the alternate copy of rommon will be lost.
Do you wish to continue? y/n: [n]:
ステップ 7 yを入力して、ダウンロードを開始します。連続する感嘆符(!!!!!!)は、ダウンロード中であることを示します。ダウンロードが完了すると、ルータが再起動されます。
Cisco IOS EXECモードでの更新
ステップ 1 CCOからROMMONイメージをダウンロードして、TFTPサーバに格納します。
ステップ 2 EXECモードで、copy running-config startup-configコマンドを使用して、現在のコンフィギュレーションを保存します。
ステップ 3 copy tftp rommonコマンドを入力して、プロンプトに応答します。次の例で使用されている変数は、ご使用のルータに関する正しい値で置き換えてください。
Address or name of remote host []? IP_address_of_remote_host
Source filename []? rommon_image_source_file_name
Destination filename [rommon]? rommon_image_destination_file_name
ROMモニタ コマンド
ROMモニタ プロンプトに ? または help を入力すると、次のように、使用できるコマンドとオプションのリストが表示されます。
alias set and display aliases command
boot boot up an external process
break set/show/clear the breakpoint
confreg configuration register utility
cont continue executing a downloaded image
context display the context of a loaded image
cookie display contents of cookie PROM in hex
dev list the device table
dir list files in file system
dis display instruction stream
dnld serial download a program module
frame print out a selected stack frame
help monitor builtin command help
history monitor command history
meminfo main memory information
repeat repeat a monitor command
set display the monitor variables
stack produce a stack trace
sync write monitor environment to NVRAM
sysret print out info from last system return
tftpdnld tftp image download
unset unset a monitor variable
xmodem x/ymodem image download
コマンドは、大文字と小文字が区別されます。端末のBreakキーを押すことにより、コマンドを中止することができます。PC上で一般的な端末エミュレーション プログラムを使用している場合は、CtrlキーとBreakキーを同時に押すと、コマンドが中止します。別のタイプの端末エミュレータまたは端末エミュレーション ソフトウェアを使用している場合は、製品のマニュアルに記載されたBreakコマンドの送信方法を参照してください。
コマンドの説明
表 B-1 に、最も一般的なROMモニタ コマンド コマンドを示します。
表 B-1 最も一般的なROMモニタ コマンド
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help または ? |
使用可能な全てのROMモニタ コマンドの概要を表示します。 |
-? |
reset または i |
電源投入時のように、ルータをリセットして、初期化します。 |
dev |
次のように、ルータのブート デバイスIDがリストされます。
|
dir device : |
指定したデバイス(flashなど)上のファイルがリストされます。
File size Checksum File name
2835276 bytes (0x2b434c) 0x2073 c806-oy6-mz
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ROMモニタ ブート コマンドの詳細については、『Cisco IOS Configuration Guide』および『Cisco IOS Command Referenc e 』を参照してください。 |
b |
フラッシュ メモリ内の最初のイメージをブートします。 |
b flash:[ filename ] |
フラッシュ メモリの最初のパーティションからイメージを直接ブートします。ファイル名を入力しないと、フラッシュ内の最初のイメージがブートされます。 |
TFTPダウンロードによる障害の回復
ルータに新しいソフトウェアをロードするには、通常、Cisco IOSソフトウェア CLI(コマンドライン インターフェイス)から copy tftp flash イネーブルEXECコマンドを実行します。ただし、ルータがCisco IOSソフトウェアをブートできない場合は、ROMモニタ モード中に新しいソフトウェアをロードすることができます。
ここでは、リモートTFTPサーバからルータのフラッシュ メモリにCisco IOSソフトウェア イメージをロードする方法について説明します。 tftpdnld コマンドを実行すると、ルータに新しいソフトウェア イメージをダウンロードする前にフラッシュ メモリ内のすべての既存データが消去されるため、このコマンドは障害回復の場合のみ使用してください。
tftpdnldコマンドの変数
ここでは、ROMモニタ モードで設定できるシステム変数、およびTFTPダウンロード プロセス中に使用されるシステム変数について説明します。必須変数とオプション変数があります。
(注) ここに記載されたコマンドは大文字と小文字の区別があり、表記どおり正確に入力する必要があります。
必須変数
tftpdnld コマンドを使用する前に、次のコマンドを使用して、次に示す変数を設定する必要があります。
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ルータのIPアドレス |
IP_ADDRESS=ip_address |
ルータのサブネット マスク |
IP_SUBNET_MASK=ip_address |
ルータのデフォルト ゲートウェイのIPアドレス |
DEFAULT_GATEWAY=ip_address |
ソフトウェアのダウンロード元となるTFTPサーバのIPアドレス |
TFTP_SERVER=ip_address |
ルータにダウンロードするファイル名 |
TFTP_FILE=filename |
オプション変数
tftpdnld コマンドを使用する前に、次のコマンドを使用して、次に示す変数を設定する必要があります。
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ファイル ダウンロードの進行状況の表示方法を設定します。 0 ― 進行状況は表示されません。 1 ― ファイル ダウンロードが進行中であることを示す感嘆符(!!!)が表示されます。これがデフォルトの設定です。 2 ― ファイル ダウンロード プロセス中に、次のような詳細な進行状況が表示されます。 • Initializing interface. • Interface link state up. • ARPing for 1.4.0.1 • ARP reply for 1.4.0.1 received. MAC address 00:00:0c:07:ac:01 |
TFTP_VERBOSE= setting |
ルータがARPおよびTFTPダウンロードを試行する回数です。デフォルトの設定は7です。 |
TFTP_RETRY_COUNT= retry_times |
ダウンロード プロセスがタイムアウトするまでの時間(秒)です。デフォルト値は7,200秒(120分)です。 |
TFTP_TIMEOUT= time |
ルータがダウンロード イメージにチェックサム テストを実行するかどうかを指定します。 1 ― チェックサム テストを実行します。 0 ― チェックサム テストを実行しません。 |
TFTP_CHECKSUM= setting |
フラッシュ メモリにイメージを書き込まない場合のTFTPダウンロード コマンドの使用法
ROMモニタ モードで新しいファイルをダウンロードする手順は、次のとおりです。
ステップ 1 適切なコマンドを使用して、上記のすべての必須変数およびオプション変数を入力します。
ステップ 2 次のように、 tftpdnld コマンドを入力します。
(注) -r変数はオプションです。この変数を入力すると、新しいソフトウェアがダウンロードされ、ブートされますが、ソフトウェアはフラッシュ メモリに保存されません。次回にreloadを入力した場合は、フラッシュ メモリ内のイメージを使用することができます。
次のような出力が表示されます。
IP_SUBNET_MASK: 255.255.0.0
TFTP_SERVER: 223.255.254.254
Invoke this command for disaster recovery only.
WARNING: all existing data in all partitions on flash will be lost!
Do you wish to continue? y/n: [n]:
ステップ 3 継続する場合は、出力内の質問に対して y を入力します。
Do you wish to continue? y/n: [n]:y
ルータは新しいファイルのダウンロードを開始します。
Ctrl-C または Break を入力して、転送を停止してから、フラッシュ メモリを消去します。
コンフィギュレーション レジスタ
Virtual Configuration Register(VCR;仮想コンフィギュレーション レジスタ)はNVRAM(不揮発性RAM)内にあり、他のシスコ製ルータと同じ機能を持ちます。仮想コンフィギュレーション レジスタの設定は、ROMモニタまたはオペレーティングシステム ソフトウェアから表示したり、変更することができます。ROMモニタ内でコンフィギュレーション レジスタを変更するには、レジスタ値を16進形式で入力するか、ROMモニタ プロンプトを使用して各ビットを設定します。
コンフィギュレーション レジスタの手動変更
ROMモニタから仮想コンフィギュレーション コマンドを手動で変更するには、 confreg コマンドを入力し、続けて新しいレジスタ値を16進数で入力します(次の例を参照)。
rommon 1 > confreg 0x2101
You must reset or power cycle for new config to take effect
指定値は、常に16進数として解釈されます。新しい仮想コンフィギュレーション レジスタ値はNVRAMに書き込まれますが、ルータをリセットするか再起動しない限り、無効です。
プロンプトを使用したコンフィギュレーション レジスタの変更
引数を指定しないで confreg を入力すると、仮想コンフィギュレーション レジスタの内容が表示され、各ビットの意味と、設定を変更するかどうかを問い合わせるプロンプトが表示されます。
いずれの場合も、新しい仮想コンフィギュレーション レジスタ値はNVRAMに書き込まれますが、ルータをリセットするか再起動しない限り、無効です。
次に、confregコマンドの入力例を示します。
do you wish to change the configuration? y/n [n]: y
enable “diagnostic mode”? y/n [n]: y
enable “use net in IP bcast address”? y/n [n]:
enable “load rom after netboot fails”? y/n [n]:
enable “use all zero broadcast”? y/n [n]:
enable “break/abort has effect”? y/n [n]:
enable “ignore system config info”? y/n [n]:
change console baud rate? y/n [n]: y
enter rate: 0 = 9600, 1 = 4800, 2 = 1200, 3 = 2400 [0]: 0
change the boot characteristics? y/n [n]: y
1 = the boot helper image
do you wish to change the configuration? y/n [n]:
You must reset or power cycle for new config to take effect
コンソール ダウンロード
ROMモニタ機能であるコンソール ダウンロードを使用すると、ルータ コンソール ポートを介して、ソフトウェア イメージまたはコンフィギュレーション ファイルをダウンロードすることができます。この機能を実行するPCに、Cisco IOSイメージが格納されていることを確認してください。ダウンロードされたファイルは、ミニフラッシュ メモリ モジュールまたはメイン メモリに保存されて実行されます(イメージ ファイルの場合のみ)。
TFTPサーバにアクセスできない場合は、コンソール ダウンロードを使用してください。
(注) コンソール ポートを介してソフトウェア イメージまたはコンフィギュレーション ファイルをルータにダウンロードする場合は、ROM monitorコマンドを使用する必要があります。
(注) PCを使用して、ルータ コンソール ポートを介して115,200 bpsの速度でCisco IOSイメージをダウンロードする場合は、PCのシリアル ポートに16550 Universal Asynchronous Transmitter/Receiver(UART)が使用されていることを確認してください。PCのシリアル ポートに16550 UARTが使用されていない場合は、コンソール ポートを介してCisco IOSイメージをダウンロードするときに、38,400以下の速度を使用することをお勧めします。
コマンドの説明
xmodem コンソール ダウンロード コマンドの構文および説明を、次に示します。
xmodem [-cyrx] destination_file_name
c |
(任意)パケット検証に16ビットCyclic Redundancy Check(CRC;巡回冗長検査)(CRC-16)エラー チェックを使用して、ダウンロードを実行します。デフォルトは8ビットCRCです。 |
y |
(任意)Ymodemプロトコルを使用してダウンロードを実行するように、ルータを実行します。デフォルトはXmodemプロトコルです。これらのプロトコルは、次の点が異なります。 • Xmodemは128ブロック転送サイズをサポートします。Ymodemは1024ブロック転送サイズをサポートします。 • Ymodemは、各パケットの検証にCRC-16エラー チェックを使用します。ソフトウェアのダウンロード元装置によって、Xmodemがこの機能に対応するかどうかが決まります。 |
r |
(任意)イメージはDRAMにロードされ、実行されます。デフォルトでは、イメージはフラッシュ メモリにロードされます。 |
x |
(任意)イメージはDRAMにロードされますが、実行されません。 |
destination_ file_name |
システム イメージ ファイルまたはシステム コンフィギュレーション ファイルの名前です。ルータにコンフィギュレーション ファイル名を認識させるには、ファイル名を router_confg にする必要があります。 |
次の手順に従って、Xmodemを実行します。
ステップ 1 Xmodemを実行するローカル ドライブに、イメージ ファイルを移動します。
ステップ 2 xmodemコマンドを入力します。
エラー レポート
ROMモニタ コンソール ダウンロードでは、コンソールを使用してデータ転送を実行するため、データ転送が終了した場合のみ、エラー メッセージがコンソールに表示されます。
データ転送中にエラーが発生すると、転送は終了し、エラー メッセージが表示されます。ボーレートがデフォルト レートから変更されている場合は、エラー メッセージのあとに、コンフィギュレーション レジスタで指定されたボーレートに端末を戻すように伝えるメッセージが表示されます。
debugコマンド
ROMモニタ デバッグ コマンドを使用するのは、通常、Cisco IOSソフトウェアがクラッシュしたり、中断された場合のみです。デバッグ コマンドの入力時にCisco IOSクラッシュ情報が得られない場合は、次のエラーメッセージが表示されます。
"xxx: kernel context state is invalid, cannot proceed."
ROMモニタ デバッグ コマンドは次のとおりです。
• stack または k ― スタック トレースが生成されます。次に例を示します。
Frame 00: FP = 0x80005ea8 PC = 0x801111b0
Frame 01: FP = 0x80005eb4 PC = 0x80113694
Frame 02: FP = 0x80005f74 PC = 0x8010eb44
Frame 03: FP = 0x80005f9c PC = 0x80008118
Frame 04: FP = 0x80005fac PC = 0x80008064
Frame 05: FP = 0x80005fc4 PC = 0xfff03d70
• context ― プロセッサのコンテキストが表示されます。次に例を示します。
CPU context of the most recent exception:
PC = 0x801111b0 MSR = 0x00009032 CR = 0x53000035 LR = 0x80113694
CTR = 0x801065e4 XER = 0xa0006d36 DAR = 0xffffffff DSISR = 0xffffffff
DEC = 0xffffffff TBU = 0xffffffff TBL = 0xffffffff IMMR = 0xffffffff
R0 = 0x00000000 R1 = 0x80005ea8 R2 = 0xffffffff R3 = 0x00000000
R4 = 0x8fab0d76 R5 = 0x80657d00 R6 = 0x80570000 R7 = 0x80570000
R8 = 0x00000000 R9 = 0x80570000 R10 = 0x0000954c R11 = 0x00000000
R12 = 0x00000080 R13 = 0xffffffff R14 = 0xffffffff R15 = 0xffffffff
R16 = 0xffffffff R17 = 0xffffffff R18 = 0xffffffff R19 = 0xffffffff
R20 = 0xffffffff R21 = 0xffffffff R22 = 0xffffffff R23 = 0xffffffff
R24 = 0xffffffff R25 = 0xffffffff R26 = 0xffffffff R27 = 0xffffffff
R28 = 0xffffffff R29 = 0xffffffff R30 = 0xffffffff R31 = 0xffffffff
• frame ― 個々のスタック フレームが表示されます。
• sysret ― 最後に起動したシステム イメージからの戻り情報が表示されます。この情報には、イメージの停止理由、8フレームまでのスタックダンプ、例外が生じている場合の例外発生アドレスが含まれています。次に例を示します。
count: 19, reason: user break
pc:0x801111b0, error address: 0x801111b0
FP: 0x80005ea8, PC: 0x801111b0
FP: 0x80005eb4, PC: 0x80113694
FP: 0x80005f74, PC: 0x8010eb44
FP: 0x80005f9c, PC: 0x80008118
FP: 0x80005fac, PC: 0x80008064
FP: 0x80005fc4, PC: 0xfff03d70
FP: 0x80005ffc, PC: 0x00000000
FP: 0x00000000, PC: 0x00000000
• meminfo ― メインメモリのサイズ(バイト)、開始アドレス、および使用可能範囲、パケット メモリの開始ポイントとサイズ、NVRAMのサイズが表示されます。次に例を示します。
Available main memory starts at 0x10000, size 40896KB
IO (packet) memory size: 5 percent of main memory.
Cisco IOSソフトウェアのコンソール ダウンロードによる障害回復
ROMモニタ機能であるコンソール ダウンロードを使用すると、ルータ コンソール ポートを介して、ソフトウェア イメージまたはコンフィギュレーション ファイルをダウンロードすることができます。この機能を実行するPCに、Cisco IOSイメージが格納されていることを確認してください。ダウンロードされたファイルは、ミニフラッシュ メモリ モジュールまたはメイン メモリに保存されて実行されます(イメージ ファイルの場合のみ)。
TFTPサーバにアクセスできない場合は、コンソール ダウンロードを使用してください。
(注) コンソール ポートを介してソフトウェア イメージまたはコンフィギュレーション ファイルをルータにダウンロードする場合は、rom monitorコマンドを使用する必要があります。
(注) PCを使用して、ルータ コンソール ポートを介して115,200bpsの速度でCisco IOSイメージをダウンロードする場合は、PCのシリアル ポートに16550 UARTが使用されていることを確認してください。PCのシリアル ポートに16550 UARTが使用されていない場合は、コンソール ポートを介してCisco IOSイメージをダウンロードするときに、38,400以下の速度を使用することをお勧めします。
コマンドの説明
xmodemコンソール ダウンロード コマンドの構文および説明を、次に示します。
xmodem [-cyrx] destination_file_name
c |
(任意)パケット検証にCRC-16エラー チェックを使用して、ダウンロードを実行します。デフォルトは8ビットCRCです。 |
y |
(任意)Ymodemプロトコルを使用してダウンロードを実行するように、ルータを実行します。デフォルトはXmodemプロトコルです。これらのプロトコルは、次の点が異なります。 • Xmodemは128ブロック転送サイズをサポートします。Ymodemは1024ブロック転送サイズをサポートします。 • Ymodemは、各パケットの検証にCRC-16エラー チェックを使用します。ソフトウェアのダウンロード元装置によって、Xmodemがこの機能に対応するかどうかが決まります。 |
r |
(任意)イメージはDRAMにロードされ、実行されます。デフォルトでは、イメージはフラッシュ メモリにロードされます。 |
x |
(任意)イメージはDRAMにロードされますが、実行されません。 |
destination_ file_name |
システム イメージ ファイルまたはシステム コンフィギュレーション ファイルの名前です。ルータにコンフィギュレーション ファイル名を認識させるには、ファイル名を router_confg にする必要があります。 |
次の手順に従って、Xmodemを実行します。
1. Xmodemを実行するローカル ドライブに、イメージ ファイルを移動します。
2. xmodemコマンドを入力します。
エラー レポート
ROMモニタ コンソール ダウンロードでは、コンソールを使用してデータ転送を実行するため、データ転送が終了した場合のみ、エラー メッセージがコンソールに表示されます。
データ転送中にエラーが発生すると、転送は終了し、エラー メッセージが表示されます。ボーレートがデフォルト レートから変更されている場合は、エラー メッセージのあとに、コンフィギュレーション レジスタで指定されたボーレートに端末を戻すように伝えるメッセージが表示されます。
debugコマンド
ROMモニタ デバッグ コマンドを使用するのは、通常、Cisco IOSソフトウェアがクラッシュしたり、中断された場合のみです。デバッグ コマンドの入力時にCisco IOSクラッシュ情報が得られない場合は、次のエラーメッセージが表示されます。
“xxx:kernel context state is invalid, cannot proceed.”
ROMモニタ デバッグ コマンドは次のとおりです。
• stackまたはk ― スタック トレースが生成されます。次に例を示します。
Frame 00: FP = 0x80005ea8 PC = 0x801111b0
Frame 01: FP = 0x80005eb4 PC = 0x80113694
Frame 02: FP = 0x80005f74 PC = 0x8010eb44
Frame 03: FP = 0x80005f9c PC = 0x80008118
Frame 04: FP = 0x80005fac PC = 0x80008064
Frame 05: FP = 0x80005fc4 PC = 0xfff03d70
• context ― プロセッサのコンテキストが表示されます。次に例を示します。
CPU context of the most recent exception:
PC = 0x801111b0 MSR = 0x00009032 CR = 0x53000035 LR =
CTR = 0x801065e4 XER = 0xa0006d36 DAR = 0xffffffff DSISR =
DEC = 0xffffffff TBU = 0xffffffff TBL = 0xffffffff IMMR =
RO = 0x00000000 R1 = 0x80005ea8 R2 = oxffffffff R3 =
R4 = 0x8fab0d76 R5 = 0x80657d00 R6 = 0x80570000 R7 =
R8 = 0x00000000 R9 = 0x80570000 R10 =0x0000954c R11=
R12 = 0x00000080 R13 = 0xffffffff R14 = 0xffffffff R15 =
R16 = 0xffffffff R17 = 0xffffffff R18 = 0xffffffff R19 =
R20 = 0xffffffff R21 = 0xffffffff R22 = 0xffffffff R23 =
R24 = 0xffffffff R25 = 0xffffffff R26 = 0xffffffff R27 =
R28 = 0xffffffff R29 = 0xffffffff R30 = 0xffffffff R31 =
• frame ― 個々のスタック フレームが表示されます。
• sysret ― 最後に起動したシステム イメージからの戻り情報が表示されます。この情報には、イメージの停止理由、8フレームまでのスタックダンプ、例外が生じている場合の例外発生アドレスが含まれています。次に例を示します。
count: 19, reason: user break
pc:0x801111b0, error address: 0x801111b0
FP = 0x80005ea8 PC = 0x801111b0
FP = 0x80005eb4 PC = 0x80113694
FP = 0x80005f74 PC = 0x8010eb44
FP = 0x80005f9c PC = 0x80008118
FP = 0x80005fac PC = 0x80008064
FP = 0x80005fc4 PC = 0xfff03d70
FP = 0x80005ffc PC = 0x00000000
FP = 0x00000000 PC = 0x00000000
• meminfo ― メインメモリのサイズ(バイト)、開始アドレス、および使用可能範囲、パケット メモリの開始ポイントとサイズ、NVRAMのサイズが表示されます。次に例を示します。
Available main memory starts at 0x10000, size 40896KB
IO (packet) memory size: 5 percent of main memory.
ROMモニタの終了
ルータの起動時または再ロード時にCisco IOSイメージをフラッシュ メモリから起動させるには、コンフィギュレーション レジスタ値を0x2~0xFに設定する必要があります。
次に、コンフィギュレーション レジスタをリセットして、ルータがフラッシュ メモリに格納されたCisco IOSイメージを起動するように設定する例を示します。
You must reset or power cycle for new config to take effect
ルータは、フラッシュ メモリ内のCisco IOSイメージを起動します。次回にルータをリセットするか、またはいったん電源を切ってから再投入すると、コンフィギュレーション レジスタは0x2101に変更されます。