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電話ポート とは、ルータの背面パネル上にある物理ポートを意味します。 電話インターフェイス とは、電話ポートに接続されたアナログ電話またはファックスを正常に作動させるためにユーザ側で設定する必要のある論理インターフェイスを意味します。
この章では、電話機能をサポートするCisco 800シリーズ ルータ(Cisco 803、804、および813ルータ)に、標準的な機能および高度な機能を設定する手順について説明します。これらのルータでサポートされるのは、プッシュホン式アナログ電話だけです。ダイヤル式電話はサポートされません。この章では、接続装置の使用方法についても説明します。
• Ringer Equivalent Number(REN)
物理特性を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードから始めて、次の作業を行います。 この手順で使用するコマンドについての詳細は、Cisco IOSマニュアルを参照してください。
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pots country ? コマンドを入力して、サポートされる国別コードの一覧を表示し、該当するコードを入力して国を指定します。国を指定することによって、電話インターフェイスの個々の物理特性に国別のデフォルト値を使用します。国別のデフォルト値を変更する必要がある場合は、この表で説明する任意指定のコマンドを使用してください。 |
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(任意)回線タイプを設定します。回線タイプ1は600 ohm、回線タイプ2は900 ohm、回線タイプ3は300または400 ohmで動作します。米国の場合、回線は通常、600 ohmで動作します(回線タイプ1)。 |
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(任意)ダイヤル方式を設定します。overlapを選択すると、ルータはダイヤルされた数字をそれぞれ個別のメッセージで伝送します。enblockを選択すると、ルータはダイヤルされたすべての数字を集めて1つのメッセージで伝送します。ダイヤル ストリングの数字の収集および伝送を中断するには、ポンド記号(#)を入力するか、またはタイマーが切れるまで数字のダイヤル入力を停止します。 |
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(任意) 呼び出し側が電話を切った場合に、ルータが接続先の装置に通知する方法を設定します。日本では通常、reversalオプションを使用します。その他のほとんどの国では、osiオプションを使用します。 |
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(任意)Pulse Code Modulation(PCM;パルス符号変調)方式を設定します。欧州では通常、alawオプションを使用します。北米では通常、ulawオプションを使用します。 |
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(任意)ダイヤル トーン、リングバック トーン、およびビジー トーンの提供元を設定します。localを選択すると、ルータがこれらのトーンを提供します。remoteを選択すると、電話スイッチがこれらのトーンを提供します。詳細については、「NET3スイッチのトーン」を参照してください。 |
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(任意)呼び出し側が電話を切ったとき、接続先の装置(電話自動応答装置など)がそれを検出できなかった場合に、所定の切断監視方式を適用するインターバルを設定できます。50~2000ミリ秒の範囲でインターバルを指定します。 |
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(任意)呼び出し側が電話を切ったとき、接続先の装置(電話自動応答装置など)がそれを検出できなかった場合に、切断後の無音インターバルを設定できます。0~10秒の範囲でインターバルを指定します。 |
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(任意)直前のコールが切断されたあと、電話ポートが呼び出し音を鳴らせるようになるまでの遅延時間(0~1000ミリ秒)を設定します。詳細については、「固有呼び出し音」を参照してください。 |
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Cisco 800シリーズ ルータは、デフォルトでは、電話スイッチがダイヤル トーン、リングバック トーン、ビジー トーンなどのトーンを提供するように設定されています。ただし、欧州で使用されるNET3スイッチは、これらのトーンを提供しません。電話スイッチの代わりにルータがこれらのトーンを提供するように設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで pots tone-source local コマンドを使用します。
(注) このコマンドは、NET3スイッチに接続されたISDN回線だけに適用されます。
pots dialing-method コマンドでenblockを指定していれば、ルータは内部ダイヤル トーンを提供します。
ルータの電話ポートに、複数の装置(アナログ電話またはファックス)を接続できます。接続できる装置の台数は、次の条件によって決まります。
ダイヤル ピアを作成して、着信コールを電話ポートにルーティングする方法を指定することができます。2つの電話ポートに対して、合計6つのダイヤル ピアを作成できます。1ポートあたりのダイヤル ピア数に制限はありません。たとえば、ポート1に6つのダイヤル ピアを作成し、ポート2にはダイヤル ピアをまったく作成しないことも可能です。
ダイヤル ピアを作成するには、グローバル コンフィギュレーション モードから始めて、次の作業を行います。
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(任意)固有呼び出し音(0~2)を設定します。詳細については、「固有呼び出し音」を参照してください。 |
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たとえば、ポート1に1台の音声装置(555-1111)を接続し、ポート2に別の音声装置(555-2222)を接続している場合、2つのダイヤル ピアを作成できます。次に、これら2つのダイヤル ピアの設定例を示します。
発信側が555-1111をダイヤルすると、そのコールはポート1にルーティングされます。発信側が555-2222をダイヤルすると、そのコールはポート2にルーティングされます。ダイヤル ピアを作成しなければ、これらの番号へのコールは両方ともポート1にルーティングされます。
(注) 1つのService Profile Identifier(SPID)に対応するすべてのISDNディレクトリ番号が、1つのポートに対応づけられていることを確認してください。たとえば、SPID 1に555-1111および555-2222が対応している場合に、555-1111をポート1、555-2222をポート2に対応づけると、ポート1とポート2で同時にコールを発信することはできません。
北米ではSPIDを使用して、加入しているサービスを識別します。SPIDのフォーマットは一般に、ISDN電話番号の後ろにいくつかの数字を付加したものです(例:40855511110101)。ISDN回線には、0、1、または2つのSPIDが割り当てられる場合があります。
ISDNディレクトリ番号および電話ポート番号にSPIDを対応づけるには、グローバル コンフィギュレーション モードで isdn spid1 および isdn spid2 コマンドを使用し、ダイヤル ピア コンフィギュレーション モード で port コマンドを使用する必要があります。 isdn spid1 コマンドおよび isdn spid2 コマンドでは、電話会社によって提供されたすべてのISDNディレクトリ番号を必ず指定してください。さらに、1つのSPIDに対応するすべてのISDNディレクトリ番号が、同じ電話ポートに対応づけられていることを確認してください。ダイヤル ピアの作成時における port コマンドの使用法については、「ダイヤル ピアの作成」を参照してください。
グローバル コンフィギュレーション モードから始めて、次の作業を行います。
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(注) isdn incoming-voice modemコマンドを入力しないと、ルータは着信ISDN音声コールを拒否します。
ここでは、高度な電話機能について説明し、その設定手順を紹介します。
ISDN音声プライオリティ機能は、ルータの電話ポートに接続された電話またはファックスへの、データ コールおよび音声コールのプライオリティを制御します。ISDN回線のエンドポイントがデータ コールのためビジーになっているときに、音声コールが着信するか、またはユーザが音声コールを発信しようとした場合、データ コールは音声プライオリティの設定に従って処理されます。
ルータは次のいずれかの方法で、データ コールを処理できます。
• 音声コールを常にデータ コールよりも優先させる(always)。これがデフォルトの設定です。
• 同じ宛先への複数のコールが存在する場合にかぎり、音声コールをデータ コールよりも優先させる(conditional)。
• どんな場合にも音声コールをデータ コールより優先させない(off)。
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isdn voice-priority local-directory-number |
1つのSPIDに複数のISDNディレクトリ番号を対応させている場合は、それらのディレクトリ番号のいずれかに設定した発信音声プライオリティが、他の番号にも適用されます。
たとえば、次のコマンドを使用すると、 isdn spid1 コマンドで指定したすべてのディレクトリ番号について、発信音声プライオリティがconditionalに設定されます。
表 6-1 に、個々のコンフィギュレーションについて、発生する可能性のあるデータ コールの状況、音声コールが着信したときの動作、およびユーザが音声コールを発信したときの動作を示します。
コールを発信しようとしたとき、データ コールを中断することができない場合、ビジー信号が聞こえるかどうかは、 pots dialing-method コマンドの設定によって異なります。overlapに設定されている場合は、受話器を持ち上げた時点でビジー信号が聞こえます。enblockに設定されている場合、最初はダイヤル トーンが聞こえますが、そのあとでビジー信号が聞こえます。
(注) ここで説明する内容は、米国におけるアナログ電話サービスだけに該当します。
一部の区域では、音声コールの料金がデータ コールよりも低く設定されています。これに該当する区域のために、Cisco 800シリーズ ルータは、着信および発信Data over Voice(DOV)コールをサポートしています。DOVコールは、ISDN回線上でVBC(音声ベアラ機能)を使用して行われるデータ コールです。
ルータはデータ コールと音声コールの違いを認識します。着信データ コールは、イーサネット ポートを通じてLANにルーティングされます。電話インターフェイスにDOVが設定されている場合、BVCを使用する着信データ コールは、イーサネット ポートを通じてLANにルーティングされます。図 6-1に、LANへのデータ コールのルーティングを示します。
着信音声コールは、アナログ電話ポートを通じてアナログ装置に転送されます(図 6-2を参照)。
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(注) ルータにDOVが設定されている場合、ISDN BRIコールはVBCを使用して行われます。この場合のデータ レートは、通常のISDN BRIデータ レートである64 kbpsではなく、56 kbpsになります。
ルータが着信DOVコールを受け付けるように設定するには、次のコマンドを使用します。
ルータがDOVコールを発信するように設定するには、次の作業を行います。
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音調(ringing cadence) とは、呼び出し音が鳴っている間隔と無音の間隔のパターンです。音調には、基本呼び出し音および固有呼び出し音の2タイプがあります。基本呼び出し音は、ルータ所在地の国によって決まります。電話ポート上に、基本呼び出し音のほかに固有呼び出し音を2種類まで設定できます。
ルータはインターフェイスに割り当てられたISDNディレクトリ番号に固有呼び出し音を対応づけるので、固有呼び出し音はダイヤル ピアを使用して設定する必要があります。ダイヤル ピアおよびその設定方法については、「ダイヤル ピアの作成」を参照してください。
(注) 一般に、電話会社はSPIDごとに1つのISDNディレクトリ番号を割り当てます。設定する固有呼び出し音ごとに、ISDNディレクトリ番号が1つ必要です。したがって、2種類の固有呼び出し音を設定する場合には、電話会社からISDNディレクトリ番号をもう1つ取得する必要があります。
音調を設定するには、ダイヤル ピアのコンフィギュレーションに次のコマンドを挿入します。
ここで、 cadence-number は、0、1、2のいずれかです。
• タイプ0は、基本呼び出し音(ルータ所在地の国によって決まっているデフォルトの呼び出し音)です。
• タイプ1は、固有呼び出し音(0.8秒オン、0.4秒オフ、0.8秒オン、4秒オフ)です。
• タイプ2は、固有呼び出し音(0.4秒オン、0.2秒オフ、0.4秒オン、0.2秒オフ、0.8秒オン、4秒オフ)です。
デフォルトでは、音調は0に設定されています(つまり、インターフェイスは基本呼び出し音を使用します)。
ダイヤル ピアのコンフィギュレーションに、次のコマンド構文を挿入することもできます。
pots distinctive-ring-guard-time milliseconds
ここで、 milliseconds には50~1000の範囲の数値を指定します。このコマンドは、直前のコールが切断されたあと、電話ポートが呼び出し音を鳴らせるようになるまでの遅延時間(ミリ秒)を設定します。デフォルトは、遅延時間なしです。
北米のユーザは、ルータの電話ポートに、アナログ電話またはファックスのほかに、発信電話番号識別装置を接続することができます。この装置は、コール発信者の電話番号を表示します。Cisco 800シリーズ ルータは、次の発信電話番号識別装置をサポートしています。
• Northwestern Bell Phone、Bell Phone
• Radio Shack Caller ID System 350
Cisco 800シリーズ ルータでは、次の装置はサポートされません。
ここでは、電話の基本的な発信方法、および加入している付加サービスの使用方法を説明します。
コールを発信するには、受話器を持ち上げ、相手先の番号をダイヤルします。
NTT(日本電信電話株式会社)のスイッチにルータを接続している場合、電話を発信する手順は、次のとおりです。
直前の数字をダイヤルしてから12秒以内に、次の数字を入力する必要があります。12秒が経過すると、不完全な番号がスイッチに送信されます。
ステップ 2 番号全体をスイッチに送信するには、次のいずれかの方法を使用します。
• 数字キーを押さずに12秒待ちます。12秒が経過すると、ルータはスイッチに番号を送信します。
(ポンド キー[#]を押すことによって起動される)End-of-Call機能を無効にするには、電話キーパッドから次のコマンドを入力します。
(注) このコマンドは、NTTスイッチに接続されたISDN回線だけに適用されます。
ダイヤルする電話番号にポンド記号(#)が含まれている場合、ポンド キーによるEnd-of-Call機能を一時的に無効にすることができます。 **98# コマンドを入力したあと、ダイヤル トーンが聞こえるまで待ち、そのあとで番号(ポンド記号も含む)を入力します。番号をスイッチに送信するには、数字キーを押さずに6秒待ちます。
• 三者通話
• コール転送
この機能を利用するには、ISDN回線契約を結ぶ時点で申し込んでおく必要があります。ISDN回線の契約方法については、 付録D「ISDN回線のプロビジョニング」 を参照してください。この機能を利用するためのルータ設定作業は不要です。
アクティブな音声コールを保留にし、別のコールを発信したあと、2つのコールを切り替えることができます。次の手順に従います。
ステップ 1 アクティブなコールを保留にし、電話のフック ボタンをすばやく1回押し(ダイヤル トーンが聞こえます)、そのあと電話キーパッドから **95# と入力します。
ステップ 3 フック ボタンをすばやく押すことにより、2つのコールの切り替えを行います。
コールを保留にしたまま受話器を置くと、呼び出し音が鳴り、保留中のコールがあることを知らせます。受話器を持ち上げれば、コールに再接続されます。
この機能を利用するには、ISDN回線契約を結ぶ時点で申し込んでおく必要があります。ISDN回線の契約方法については、 付録D「ISDN回線のプロビジョニング」 を参照してください。
コール ウェイティングは、デフォルトで有効になっています。この機能を永続的にオフにするには、 no call-waiting コマンドを使用します(ファックスでは、この機能をオフにすることが望ましい場合があります)。ルータは電話インターフェイスに割り当てられたISDNディレクトリ番号にコール ウェイティングを対応づけるので、ダイヤル ピアの設定と同時にコール ウェイティングをオフにする必要があります。ダイヤル ピアおよびその設定方法については、「ダイヤル ピアの作成」を参照してください。
個々のコールでコール ウェイティングをオフにするには、電話キーパッドから **99# を入力します。
アクティブな音声コール中に別のコールが着信すると、割り込み音が聞こえます。コールの発信者が電話を切るか、着信側でコールに応答しないかぎり、10秒間隔でこのトーンが聞こえます。この間、コールの発信者には呼び出し音が聞こえています。
割り込み音が聞こえた場合、次のいずれかを行うことができます。
現在のコールを保留にして着信コールに応答するには、電話のフック ボタンをすばやく1回押します。このボタンをもう一度押すと、現在のコールに戻ります。
この機能を利用するには、ISDN回線契約を結ぶ時点で申し込んでおく必要があります。ISDN回線の契約方法については、 付録D「ISDN回線のプロビジョニング」 を参照してください。
National ISDN-1(NI1)またはNorthern Telecom DMS-100カスタム スイッチに接続している場合、この機能をアクティブにするには、次のコマンド構文を使用しなければならない場合があります。
rangeは 0~999 の範囲で指定します。デフォルトのコードは60です。このサービスに加入する際に、電話会社がコードを提供します。提供されたコードが60以外である場合は、 isdn conference-code コマンドを使用してコードを再設定する必要があります。
提供されたコードが60の場合は、この機能を利用するためのルータ設定作業は不要です。
この機能を使用すると、自分以外の2人と同時に会話することができます。三者通話を行う手順は、次のとおりです。
ステップ 1 最初のコールを保留にし、電話のフック ボタンをすばやく1回押します。ダイヤル トーンが聞こえます。
ステップ 3 フック ボタンをすばやく押して、最初の相手をコールに参加させます。
この機能を利用するには、ISDN回線契約を結ぶ時点で申し込んでおく必要があります。ISDN回線の契約方法については、 付録D「ISDN回線のプロビジョニング」 を参照してください。
NI1またはNorthern Telecom DMS-100カスタム スイッチに接続している場合、この機能をアクティブにするには、次のコマンド構文を使用しなければならない場合があります。
rangeは 0~999 の範囲で指定します。デフォルトのコードは61です。このサービスに加入する際に、電話会社がコードを提供します。提供されたコードが61以外である場合は、 isdn transfer-code コマンドを使用してコードを再設定する必要があります。
提供されたコードが61の場合は、この機能を利用するためのルータ設定作業は不要です。
着信音声コールまたは発信音声コールを、第三者に転送することができます。コールを転送する手順は、次のとおりです。
(注) NTTスイッチに接続している場合は、発信コールを転送することはできません。
ステップ 1 最初のコールを保留にし、電話のフック ボタンをすばやく1回押します。ダイヤル トーンが聞こえます。
ステップ 3 2番目の相手に接続したまま、受話器を置きます。
受話器を置くことによって、最初の相手が2番目の相手と接続されます。ステップ 3の代わりに、フック ボタンをすばやく1回押せば、三者通話を行うことができます。
2番目の相手へのコールが失敗した場合、次のいずれかの方法で、最初の相手とのコールに戻ることができます。
受話器を置くと、呼び出し音が鳴り、最初の相手とのコールが保留中であることを知らせます。
コール フォワーディング機能を使用できるのは、スウェーデンおよびフィンランドに限られます。この機能を利用するには、ISDN回線契約を結ぶ時点で申し込んでおく必要があります。ISDN回線の契約方法については、 付録D「ISDN回線のプロビジョニング」 を参照してください。
ルータは次のコール フォワーディング機能をサポートしています。
• Call Forwarding Unconditional(CFU) ― すべての着信コールを、別の電話番号に転送します。
• Call Forwarding No Reply(CFNR) ― 一定時間内に応答されなかった着信コールを、別の電話番号に転送します。
• Call Forwarding Busy(CFB) ― ビジー信号を受け取った着信コールを、別の電話番号に転送します。
コール フォワーディング機能のアクティブ化/非アクティブ化をルータが受け入れるかどうかを電話のキーパッドから確認するには、グローバル コンフィギュレーション モードで pots country country コマンド を使用します。 country 変数は、ルータ所在地の国別コードです。 pots country ? コマンドを入力してサポートされる国別コードの一覧を表示し、該当するコードを入力して国を指定します。
CFU、CFNR、またはCFBをアクティブにする手順は、次のとおりです。
各コール フォワーディング機能に対応する番号は、電話会社によって提供されます。たとえば、408-555-2222にコールを転送するには、次のように入力します。
CFU、CFNR、またはCFBを非アクティブにする手順は、次のとおりです。
各コール フォワーディング機能に対応する番号は、電話会社によって提供されます。たとえば、コール フォワーディングを非アクティブにするには、次のように入力します。
(注) 米国では、NI1機能パッケージEZ-1でCall Forwarding Variable(CFV)機能を使用できます。電話会社が提供するアクセス コードを使用して、この機能をオンまたはオフにします。
Cisco 813ルータは、日本の電話に対応するPlain Old Telephone Service(POTS;加入電話サービス)ダイヤル機能をサポートしています。Cisco 813ルータのPOTSポートの電話番号をダイヤルするワークステーション上のダイヤル アプリケーションによって、この機能をアクティブにすることができます。ダイヤル コマンドを発行する時点で、ポートに接続された電話は、受話器が置かれている(オン フックになっている)場合もあれば、受話器が外されている(オフ フックになっている)場合もあります。電話がオン フックのとき、ルータは電話の呼び出し音を鳴らし、電話がオフ フックになるまで待ち、そのあと要求された番号をダイヤルします。コマンドが発行されたときに電話がオフ フックだった場合には、電話がダイヤル トーンを受信していれば、ルータは要求された番号をダイヤルします。
ダイヤル アプリケーションによって、使用するルータ上でPOTSダイヤル機能をアクティブにするには、そのつど、EXECモードで次のCisco IOSコマンドを入力します。
ここで、portはポート番号(1または2)、numberはダイヤルする電話番号です。
(注) ユーザがPOTSダイヤル コマンドを入力する際、ルータはDual Tone MultiFrequency(DTMF;デュアル トーン多重周波数)検出機能をオフにしません。number変数をポンド記号(#)で終了しない場合、電話キーパッドを使用してコールを完了することができます。
POTSコールの現在のステート、およびCSM(コール スイッチング モジュール)が受信した最新のイベントを表示するには、EXECモードでshow pots csmコマンドを使用します。
次に、 show pots csm コマンドの出力例を示します。
ルータ上のPOTSポートへのコールを切断するには、EXECモードで test pots port disconnect コマンドを使用します。
POTSポートとの間でやり取りされるコールのステータスを表示するには、EXECモードで次のコマンドを使用します。
このコマンドを入力すると、ダイヤル アプリケーションがポートとの間でやり取りするコールの進行状況を表す各種イベントがアクティブになります。
debugメッセージは、POTSダイヤル機能に対応する次の2種類のフォーマットのいずれかで出力されます。
• CSM_STATEは、 表 6-2 に示す、いずれかのCSMステートです。
• call idは、0x00~0xFFの範囲の16進値です。
• EVENT_FROM_ISDNは、CSMイベントです。 表 6-3 に、CSMイベントの一覧を示します。
• cesは、ISDNが使用する接続エンド ポイント サフィックスです。
• bchanは、コールが使用するチャネルです。この値が0xFFFFFFFFである場合、チャネルが割り当てられていないことを意味します。
• eventは、16進値で表され、CSMイベントに変換されます。 表 6-4 に、イベント値および対応するCSMイベントの一覧を示します。
• cause(理由種別)は、16進値で表され、コール進行イベントに割り当てられます。 表 6-5 に、理由種別値およびその定義の一覧を示します。
表 6-2 に、CSMステートの値を示します。
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表 6-3 に、CSMイベントの値を示します。
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表 6-4 に、CSMイベントに変換されるイベント値を示します。
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表 6-5 に、コール進行イベントだけに割り当てられる理由種別値を示します。
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ここでは、3種類のコール シナリオを示し、各シナリオにおけるCisco IOSコマンドの出力例を示します。 debug コマンドおよび disconnect コマンドの出力から、POTSダイヤル コール中に発生する各種イベントについて順を追って確認することができます。
このコール シナリオでは、ポート1はオン フック状態で、アプリケーション ダイヤルは4085552221を呼び出すように設定されており、遠端との接続は正常に行われています。次に、Cisco IOSコマンドの例を示します。
次の出力は、ポート1がダイヤル アプリケーションによって使用されていることを表すイベントです。
次の出力は、CSMがアプリケーションからダイヤルすべき番号を受信していることを表すイベントです。
01:58:27: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:58:27: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:58:27: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:58:27: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:58:27: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:58:27: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:58:27: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:58:27: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:58:27: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:58:27: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
次の出力は、ポート1に接続されている電話がオフ フックになっていることを表します。
01:58:39: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_OFFHOOK, call id = 0x0, port = 1
次の出力は、ルータのISDNソフトウェアがダイヤルされた番号をISDNスイッチに送信したことを表す、コール進行イベント ペアです。
01:58:40: EVENT_FROM_ISDN:dchan_idb=0x280AF38, call_id=0x8004, ces=0x1 bchan=0x0, event=0x3, cause=0x0
01:58:40: CSM_PROC_ENBLOC_DIALING: CSM_EVENT_ISDN_PROC, call id = 0x8004, port = 1
次の出力は、遠端の電話が呼び出し音を鳴らしていることを表す、コール進行イベント ペアです。
01:58:40: EVENT_FROM_ISDN:dchan_idb=0x280AF38, call_id=0x8004, ces=0x1 bchan=0xFFFFFFFF, event=0x5, cause=0x0
01:58:40: CSM_PROC_ENBLOC_DIALING: CSM_EVENT_ISDN_CALL_PROGRESSING, call id = 0x8004, port = 1
次の出力は、遠端の電話が応答したことを表す、コール接続イベント ペアです。
01:58:48: EVENT_FROM_ISDN:dchan_idb=0x280AF38, call_id=0x8004, ces=0x1 bchan=0xFFFFFFFF, event=0x4, cause=0x0
01:58:48: CSM_PROC_CONNECTING: CSM_EVENT_ISDN_CONNECTED, call id = 0x8004, port = 1
次の出力は、遠端の電話が切られ、呼び出し側の電話がISDNスイッチから帯域内トーンを受信していることを表す、コール進行イベント ペアです。
01:58:55: EVENT_FROM_ISDN:dchan_idb=0x280AF38, call_id=0x8004, ces=0x1 01:58:55: CSM_PROC_CONNECTED: CSM_EVENT_ISDN_CALL_PROGRESSING,
call id = 0x8004, port = 1
次の出力は、ポート1に接続されている電話が切られたことを表します。
01:58:57: CSM_PROC_CONNECTED: CSM_EVENT_VDEV_ONHOOK, call id = 0x8004, port = 1
01:58:57: EVENT_FROM_ISDN:dchan_idb=0x280AF38, call_id=0x8004, ces=0x1 bchan=0xFFFFFFFF, event=0x0, cause=0x0
01:58:57: CSM_PROC_NEAR_END_DISCONNECT: CSM_EVENT_ISDN_DISCONNECTED, call id = 0x8004, port = 1
このコール シナリオでは、ポート1はオン フック状態で、アプリケーション ダイヤルは4085552221を呼び出すように設定されており、宛先の番号はビジーになっています。次に、Cisco IOSコマンドの例を示します。
次の出力は、ダイヤル アプリケーションがポート1を使用していることを表します。
01:59:42: CSM_PROC_IDLE: CSM_EVENT_VDEV_APPLICATION_CALL, call id = 0x0, port = 1
次の出力は、CSMがアプリケーションからコールすべき番号を受信していることを表すイベントです。
01:59:42: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:59:42: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:59:42: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:59:42: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:59:42: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:59:42: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:59:42: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:59:42: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:59:42: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
01:59:42: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
次の出力は、ポート1に接続されている電話がオフ フックになっていることを表します。
01:59:52: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_OFFHOOK, call id = 0x0, port = 1
次の出力は、遠端の電話がビジーであることを表す、コール進行イベント ペアです。
01:59:52: EVENT_FROM_ISDN:dchan_idb=0x280AF38, call_id=0x8005, ces=0x1 bchan=0x0, event=0x3, cause=0x11
01:59:52: CSM_PROC_ENBLOC_DIALING: CSM_EVENT_ISDN_PROC, call id = 0x8005, port = 1
次の出力は、呼び出し側の電話がISDNスイッチから帯域内ビジー トーンを受信していることを表す、コール進行イベント ペアです。
01:59:58: EVENT_FROM_ISDN:dchan_idb=0x280AF38, call_id=0x8005, ces=0x1 bchan=0xFFFFFFFF, event=0x5, cause=0x0
01:59:58: CSM_PROC_ENBLOC_DIALING: CSM_EVENT_ISDN_CALL_PROGRESSING, call id = 0x8005, port = 1
次の出力は、呼び出し側の電話が切られたことを表すイベントです。
02:00:05: CSM_PROC_ENBLOC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_ONHOOK, call id = 0x8005, port = 1
02:00:05: EVENT_FROM_ISDN:dchan_idb=0x280AF38, call_id=0x8005, ces=0x1 bchan=0xFFFFFFFF, event=0x0, cause=0x0
02:00:05: CSM_PROC_NEAR_END_DISCONNECT: CSM_EVENT_ISDN_DISCONNECTED, call id = 0x8005, port = 1
このシナリオでは、ポート1はオン フック状態で、アプリケーション ダイヤルは4086661112を呼び出すように設定されており、遠端との接続は正常に行われ、 test pots disconnect コマンドでコールを終了しています。
次の出力は、コール シナリオ1で示した一連のイベントと同じ順序をたどっています。
1d03h: CSM_PROC_IDLE: CSM_EVENT_VDEV_APPLICATION_CALL, call id = 0x0, port = 1
1d03h: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
1d03h: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
1d03h: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
1d03h: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
1d03h: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
1d03h: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
1d03h: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
1d03h: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
1d03h: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
1d03h: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_DIGIT, call id = 0x0, port = 1
1d03h: CSM_PROC_APPLIC_DIALING: CSM_EVENT_VDEV_OFFHOOK, call id = 0x0, port = 1
1d03h: EVENT_FROM_ISDN:dchan_idb=0x2821F38, call_id=0x8039, ces=0x1
bchan=0x0, event=0x3, cause=0x0
1d03h: CSM_PROC_ENBLOC_DIALING: CSM_EVENT_ISDN_PROC, call id = 0x8039, port = 1
1d03h: EVENT_FROM_ISDN:dchan_idb=0x2821F38, call_id=0x8039, ces=0x1
bchan=0xFFFFFFFF, event=0x5, cause=0x0
1d03h: CSM_PROC_ENBLOC_DIALING: CSM_EVENT_ISDN_CALL_PROGRESSING, call id = 0x8039, port = 1
router# test pots 1 disconnect
電話をオン フックに戻す前に、 test pots disconnect コマンドでコールを切断しています。
1d03h: CSM_PROC_CONNECTING: CSM_EVENT_VDEV_APPLICATION_HANGUP_CALL, call id = 0x8039, port = 1
1d03h: EVENT_FROM_ISDN:dchan_idb=0x2821F38, call_id=0x8039, ces=0x1
bchan=0xFFFFFFFF, event=0x0, cause=0x0
1d03h: CSM_PROC_DISCONNECTING: CSM_EVENT_ISDN_DISCONNECTED, call id = 0x8039,
port = 1
1d03h: CSM_PROC_DISCONNECTING: CSM_EVENT_TIMEOUT, call id = 0x8039, port = 1
Cisco 813ルータは、Cisco 800シリーズ ルータの標準音声機能のほかに拡張音声機能をサポートしています。拡張音声機能は、NTTが使用するINS-NET-64スイッチと連携することを目的に開発されました。
発信電話番号に基づくコール ブロック機能を例外として、これらの機能は日本の電話に限ってサポートされます。各機能の詳細については、次のトピックを参照してください。
• ボイスワープ
• なりわけサービス
• iナンバー
Cisco 813ルータ上で拡張音声機能を利用するために必要な条件は、次のとおりです。
• NTT INS-NET-64スイッチ タイプに加入していること。
• Cisco IOSコマンドpots country jp を使用して、ルータの電話ポートを日本の規格に準拠するように設定していること。
この機能は、Cisco 813ルータのPHONE 1ポートまたはPHONE 2ポートに接続されたアナログ電話に、INS-NET-64スイッチが提供する発信電話番号を表示します。
• Cisco IOSコマンドpots country jp を使用してルータを設定していること。
(注) ナンバー ディスプレイ機能を使用できるのは、日本語表示電話に限られます。
この機能はデフォルトでは無効に設定されています。この機能を有効にするには、ダイヤル ピア コンフィギュレーション コマンド モードで、Cisco IOSのcaller-id enableコマンドを使用します。
この機能は、INS-NET-64スイッチからCisco 813ルータに提供される発信電話番号に基づいて、着信音声コールを拒否する機能です。この機能では、LDN(ローカル ディレクトリ番号)ごとに最高10個の電話番号について、その番号から発信されたコールをブロックすることができます。
• INS-NET-64スイッチ上のナンバー ディスプレイ サービスに加入していること。このサービスに加入していないにもかかわらず、ルータ上でこの機能を有効にしても、ルータは発信者の電話番号を確認せず、特定の番号からのコールをブロックすることもありません。
この機能はデフォルトでは無効に設定されています。この機能を有効にするには、ダイヤル ピア コンフィギュレーション コマンド モードで、Cisco IOSのblock-callerコマンドを使用します。
ここでnumberは、ブロックする電話番号です。ワイルドカードとしてピリオド(.)を使用し、複数の番号をブロックすることができます。たとえば、5で終わるすべての番号をブロックするには、次のように入力します。
LDNごとに最高10個の発信電話番号を入力できます。ただし、10個を超える番号を設定することはできません。ブロックする新しい番号を追加する場合は、事前に1つまたは複数の番号を削除する必要があります。
次に、4085551234という発信電話番号からのコールをブロックする場合のルータ設定例を示します。
コール ブロックを設定した発信電話番号を確認するには、show runコマンドを使用します。次に、コール ブロック設定の出力例を示します。
この機能は、外部コールに応答している間に新たな着信コールがあった場合、(割り込み音を出して)知らせる機能です。フック ボタンを押して最初のコールを保留にし、2番目のコールに応答したあと、そのコールを終了して最初のコールに戻ることができます。
Cisco 813ルータのローカル コール ウェイティング機能が標準的なISDNコール ウェイティング機能と異なる点は、この拡張音声機能を使用する場合に、電話会社のINSキャッチホン サービスに加入する必要がないという点です。この機能はISDN回線のBチャネルを使用して、電話会社からではなく、ルータ上でローカル コール ウェイティング機能をサポートします。
いずれかのIVR機能(ボイスワープ、ボイスワープ セレクト、なりわけサービスなど)を使用している場合は、この機能はサポートされません。
この機能を設定するには、Cisco IOS pots call-waitingコマンドを使用します。
コール ウェイティング機能を設定しない場合、この機能はデフォルトでremoteになります。その場合、コール保留パターンは、ルータではなく電話会社の設定に従います。
コール ウェイティングの設定を表示するには、show runコマンドまたはshow pots statusコマンドを使用します。
(注) ルータ上でローカル コール ウェイティング機能を設定していても、ルータに接続するISDN回線にISDNキャッチホン サービスが設定されている場合には、ISDNキャッチホン サービスが使用されます。ISDNキャッチホンを使用する場合、ルータ上のコール ウェイティング機能の設定は無視されます。
次の例では、ルータ上で設定されているローカル コール保留パターンに従うように、コール ウェイティングを設定しています。
NTTの仕様に従い、184という番号を先頭に付けて相手先の番号をダイヤルすると、こちら側の発信電話番号は受信側で表示されません。
INS-NET-64スイッチのボイスワープ機能は、端末装置への着信コールをすべて別の装置に転送します。ボイスワープの登録要求、開始要求、および停止要求は、LDNごとにスイッチへ送信されます。Cisco 813ルータは、PHONE 1ポートまたはPHONE 2ポートに接続された装置に関する登録要求、開始要求、および停止要求をサポートします。転送機能そのものは、INS-NET-64スイッチが実行します。
• 転送先電話番号のリストを作成し、そのうち1つをアクティブな転送先として選択する。
• コールを転送する際に、発信側、転送先の装置、またはその両方に対して通知するかどうかを指定する。
• 無応答タイマー パラメータを5~60秒の範囲(5秒刻み)で設定する。ボイスワープ機能を開始すると、この設定がコール転送を制御するようになります。
この機能を開始する段階では、常にすべてのコールを転送するか、それとも受信側装置がビジーだった場合または一定時間内に無応答だった場合に限って転送するかのどちらかを指定できます。
この機能は、登録して開始したあとで、停止することができます。
(注) Cisco 813ルータは、1つのLDNに限ってこの機能をサポートします。複数のLDNを設定している場合は、プライマリLDNのみ、この機能を使用できます。
• ボイスワープおよびナンバー ディスプレイ サービスに加入していること。
• Cisco IOSコマンドpots country jpを使用してルータを設定していること。
(注) ボイスワープ機能を有効にすると、ローカル コールおよびネットワーク コールに関するコール ウェイティング機能のサポートが無効になります。
この機能の設定は、NTTの利用者向けマニュアルを参照し、電話機のインターフェイスを使用して行います。
装置のボイスワープ登録内容を音声メッセージで確認するには、NTTの利用者向けマニュアルに記載されている、キーパッド上でのダイヤル シーケンスを使用します。この情報は、音声でのみ伝達されます。
この機能は、ボイスワープ機能の拡張版です。電話番号のリストを作成し、あらかじめ登録した電話番号からのコールだけを転送する、または登録した電話番号以外からのコールをすべて転送するように設定できます。
(注) Cisco 813ルータは、1つのLDNに限ってこの機能をサポートします。複数のLDNを設定している場合は、プライマリLDNのみ、この機能を使用できます。
• ボイスワープ セレクトおよびナンバー ディスプレイ サービスに加入していること。
• Cisco IOSコマンドpots country jpを使用してルータを設定していること。
(注) ボイスワープ セレクト機能を有効にすると、ローカル コールおよびネットワーク コールに関するコール ウェイティング機能のサポートが無効になります。
この機能の設定は、NTTの利用者向けマニュアルを参照し、電話機のインターフェイスを使用して行います。
装置のボイスワープ登録内容を音声メッセージで確認するには、NTTの利用者向けマニュアルに記載されている、キーパッド上でのダイヤル シーケンスを使用します。この情報は、音声でのみ伝達されます。
なりわけサービスは、あらかじめLDNごとに登録した電話番号のリストに基づいて、登録された電話番号からの着信コールがあった場合に、通常とは異なる呼び出し音を電話ポートに送ります。Cisco 813ルータは3種類の呼び出し音を提供します。それぞれの呼び出し音を、登録した電話番号および登録していない電話番号からのコールに対応させることができます。各LDNに一度に登録できる電話番号の数は、ルータではなくINS-NET-64スイッチによって規定されます。
LDNごとに発信電話番号のリストを使用して、この機能を登録します。また、LDNへの登録をキャンセルすることも、INS-NET-64スイッチから登録に関する情報を取得することもできます。
(注) Cisco 813ルータは、1つのLDNに限ってこの機能をサポートします。複数のLDNを設定している場合は、プライマリLDNのみ、この機能を使用できます。
• Cisco IOSコマンドpots country jpを使用してルータを設定していること。
(注) なりわけを有効にすると、ローカル コールおよびネットワーク コールに関するコール ウェイティング機能のサポートが無効になります。
この機能で使用する呼び出し音を設定するには、ダイヤル ピア コンフィギュレーション モードでregistered-caller ringコマンドを使用します。
ここで、cadenceは0、1、2のいずれかです。登録されている発信電話番号に対応するデフォルトの呼び出し音は1、登録されていない発信電話番号に対応するデフォルトの呼び出し音は0です。
ring 0(通常の呼び出し音)およびring 1(なりわけサービス用の呼び出し音)の無音/有音の間隔については、NTTの利用者向けマニュアルを参照してください。
(注) ISDN回線にiナンバーまたはダイヤルイン サービスをプロビジョニングしている場合は、Cisco IOSコマンドdestination-pattern not-providedを使用してダイヤル ピアを設定する必要があります。ポート1またはポート2のどちらでも、このダイヤル ピアを設定できます。この場合、ルータはデフォルトの呼び出し音0を使用して、音声ポート1への着信コールを転送します。詳細については、「なりわけの設定例」を参照してください。
destination-pattern not-providedコマンドを使用して複数のダイヤル ピアを設定すると、ルータは最初のダイヤル ピアだけを着信コールに使用します。
発信電話番号の登録内容を音声メッセージで確認するには、NTTの利用者向けマニュアルに記載されている、キーパッド上でのダイヤル シーケンスを使用します。この情報は、音声でのみ伝達されます。
次に、登録済み発信電話番号に対応する呼び出し音をring 2に設定する例を示します。
iナンバーおよびダイヤルイン サービスにも加入している場合は、destination-pattern not-provided コマンドを追加します。
なりわけサービスによる呼び出し音の設定を表示するには、show runコマンドを使用します。次に、なりわけ設定の出力例を示します。
迷惑電話お断り機能は、迷惑電話の直後に電話機から登録操作を行うことにより、以降同じ電話番号からの着信コールをネットワークによって拒否する機能です。登録する際に、発信者の電話番号を指定する必要はありません。また、登録後にその電話番号から通話の試みがあっても、受信側には知らされません。この機能を有効にすると、発信者には、標準的な自動応答メッセージが送られ、通話が切られることが伝えられます。この自動応答メッセージの内容については、NTTの利用者向けマニュアルを参照してください。
ブロックできる発信電話番号の数は、電話会社とのサービス契約時に決定されます。設定された数に達したあと、新しい発信電話番号をブロックするように要求すると、登録されている最も古い電話番号が廃棄(ブロック解除)され、新しい電話番号のブロックが登録されます。
迷惑電話お断り機能の有効化、キャンセル、または結果の確認は、NTTの利用者向けマニュアルに記載されている、キーパッド上でのダイヤル シーケンスを使用して行います。
(注) この機能を有効にするには、迷惑電話を切ってから60秒以内に、所定のキーパッド シーケンスをダイヤルする必要があります。登録が成功したかどうかが、音声メッセージで通知されます。
この機能を解除する場合は、最後に登録した電話番号だけ、または登録済みのすべての電話番号について、ブロックを解除できます。解除が成功したかどうかが、音声メッセージで通知されます。
1つの加入者線で複数の端末装置を使用するための機能です。加入者線およびルータ ポートの電話番号が、電話会社から割り当てられます。これらの番号への着信コールは、同じ加入者線を経由して、ターゲット ポートに接続された端末装置に送られます。
ステップ 1 BRIインターフェイス コンフィギュレーション モードでisdn i-numberコマンドを使用して、iナンバーを設定します。
ここで、numberは(NTT仕様に基づく)1~3の値であり、ldnはダイヤル ピアに設定されているローカル ディレクトリ番号です。number変数によって、いずれかのLDNにiナンバーがマッピングされます。
ステップ 2 destination-patternコマンドを使用して、ダイヤル ピア デスティネーション パターンを対応するLDNに設定します。
次に、インターフェイスBRI0に設定されている2つのLDNについて、出力例を示します。
この機能を使用すると、無鳴動着信機能(サイレント機能)付きのファックス(Smart Faxタイプ2)に認識されるサイレント ファックス トーンを着信音の代わりに送信するように、ルータ ポートを設定することができます。サイレント ファックス機能を設定すると、ファックスは無音でファックス コールに接続します。ファックスではなく電話機が接続されている場合、電話の呼び出し音は鳴りません。
電話ポートをサイレント ファックス タイプ2として設定するには、ダイヤル ピア コンフィギュレーション モードでCisco IOSの silent-fax コマンドを使用します。
次に、サイレント ファックス コールを設定する例を示します。
次に、サイレント ファックス コール設定の出力例を示します。
Cisco 800シリーズ ルータは現在、ETSI(欧州通信規格協会)Net3スイッチ タイプ対応の次のPOTS機能をサポートしています。
• 発信電話番号の提供および制限 ― デンマークおよびフィンランドで使用可能です。詳細については、「Net3スイッチ上での発信電話番号の設定」を参照してください。
• Calling Line Identification Restriction(CLIR) ― 発信コールで相手先に自分の電話番号が通知されるのを一時的に防止します。電話番号を通知したくないコールごとに、CLIRを設定する必要があります。
• コール フォワーディング ― Cisco IOSコマンドおよびDTMFコマンドを使用して有効にします。詳細については、「Net3スイッチ上でのコール フォワーディング」を参照してください。
• コール トランスファ ― 2つの呼び出し先を接続できるようにします。このサービスの要求は、アクティブな発信コールから行う必要があります。
これらの付加サービスを使用するには、次のNet3スイッチ サービスに加入する必要があります。
Net3スイッチ上で発信電話番号機能を有効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードでCisco IOSの pots country コマンドを使用して、国別コードを設定します。
(注) POTS国別コードが正しく定義されていれば、Net3スイッチ上の発信電話番号機能は常に有効です。Cisco IOS CLIを使用して発信電話番号機能を無効にすることはできません。
発信電話番号機能が有効になっているかどうかを確認するには、 show pots status コマンドを使用します。次に、このコマンドの出力例を示します。
Net3スイッチ上では、次のタイプのコール フォワーディング サービスがサポートされます(これらのサービスは、音声コールだけを対象とします)。
• CFU ― 無条件にコールを転送します。他のタイプのコール フォワーディングよりも優先されます。
• CFB ― 電話番号がビジーの場合、別の電話番号にコールを転送します。
• CFNR ― 一定時間内に応答されなかった着信コールを、別の電話番号に転送します。
一度に1つまたは複数のコール フォワーディング サービスを選択できます。ただし、優先順位は高いほうからCFU、CFB、CFNRの順になります。デフォルトでは、フォワーディング タイプは選択されていません。
(注) POTSポートにコール フォワーディングを設定した場合、そのポートにダイヤル ピアも設定されていることをルータが検知すると、コール フォワーディングはdestination-patternダイヤル ピア コマンドで定義されている電話番号についてのみ有効になります。ルータがダイヤル ピアを検出しなかった場合、またはデスティネーション パターンが定義されていない場合は、コール フォワーディングはISDN回線に割り当てられているすべての電話番号に対して有効です。
ステップ 1 コール フォワーディング方式を有効にして選択します。「コール フォワーディング方式の設定」を参照してください。
ステップ 2 選択したコール フォワーディング方式に応じて、コール フォワーディング サービスを設定します。
• ファンクショナル方式 ― 電話のキーパッドからDTMFコマンドを入力します。詳細については、「コール フォワーディング サービスの設定」を参照してください。
• キーパッド方式 ― Net3スイッチのマニュアルを参照してください。
• ファンクショナル方式を使用すると、ルータを制御できます。この方式を選択した場合は、「コール フォワーディング サービスの設定」に記載されているDTMFコマンドを使用してください。
• キーパッド方式を使用すると、Net3スイッチを制御できます。
コール フォワーディング方式を有効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードでCisco IOSの pots forwarding-method コマンドを使用します。
(注) pots forwarding-methodコマンドは、Net3スイッチ タイプだけを設定します。このコマンドは、他のスイッチ タイプには無効です。この機能は、デフォルトでは無効に設定されています。
次に、ルータを制御するようにコール フォワーディング機能を設定する例を示します。
表 6-6 に、コール フォワーディング サービスを設定するためのDTMFキーパッド コマンド シーケンスを示します。
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コール フォワーディング サービスの設定が成功した場合、DTMFコマンドの入力後にダイヤル トーンが聞こえるはずです。ビジー音が聞こえる場合は、コマンドが無効であるか、またはスイッチがこのサービスをサポートしていません。
コール フォワーディング タイプの詳細情報を表示するには、 show pots status コマンドを使用します。このステータスは、再起動時に保存されません。次に、このコマンドの出力例を示します。
ステップ 1 Net3スイッチ上でテンポラリ モードのCLIRが有効になっていることを確認します。
ステップ 2 受話器を持ち上げ、キーパッドから **31# と入力します。
ステップ 3 ダイヤル トーンを確認し、コールを発信します。
ステップ 4 相手先に電話番号を表示したくない発信コールごとに、ステップ2および3を繰り返します。
発信電話番号機能に関する問題をデバッグするには、次のコマンドを使用します。
Cisco 804および813ルータは、次の拡張音声機能をサポートしています。各機能の詳細については、次の各トピックを参照してください。
• 再ダイヤル
• コール転送
• 音量調節
Cisco 803ルータおよびCisco 804ルータは、プレフィクス ダイヤリングをサポートしています。電話番号プレフィクスを追加し、アナログ電話コールでダイヤルされた番号に関するプレフィクス フィルタを作成することができます。電話ポートを通じて電話番号がダイヤルされると、ルータはプレフィクス フィルタと照らし合わせます。一致するフィルタが見つかった場合、ダイヤルされた番号にはプレフィクスが追加されません。一致するフィルタが見つからない場合には、ルータはダイヤルされた番号にユーザ定義のプレフィクスを追加します。
ダイヤルされた電話番号に追加するプレフィクスを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードでCisco IOSの pots prefix number コマンドを使用します。
ここで、 number は1~5桁のプレフィクス番号です。一度に設定できるのは1つのプレフィクスに限られ、新しい番号を設定すると既存の番号が上書きされます。
ダイヤルされた番号と照らし合わせるプレフィクス フィルタを設定することができます。一致するフィルタが見つかった場合、ダイヤルされた番号にはプレフィクス番号が追加されません。プレフィクス フィルタを作成するには、グローバル コンフィギュレーション モードで pots prefix filter コマンドを使用します。
ここで、 number は1~8桁のプレフィクス フィルタです。ルータに最大10個のフィルタを定義できます。定義できるフィルタの最大数に達した場合、 no pots prefix filter number コマンドを使用して既存のフィルタ番号を少なくとも1つ削除しないと、新しいフィルタを設定できません。
電話ポート間のコール機能を使用すると、ルータ上の2つの電話ポート間での接続が可能になります。この音声コールはルータによって処理され、Bチャネルで処理されるデータ コールには影響を与えません。ただし、次の制約があります。
• ポート間のコール中に、着信音声コールをデータ コールよりも優先させることはできません。ルータは着信音声コールの切断メッセージをネットワークに送信します。
• ルータ上に音声プライオリティが設定されており、なおかつ2つのデータ コールが進行中のとき、ポート間で行われるコールを優先させるために、1つのデータ コールが中断されます。この制約は、overlapモードでのダイヤル時に適用されます。
• コール ウェイティングがローカルまたはスイッチ側で有効に設定されていても、ローカル電話ポートではコール ウェイティング トーンはアクティブ化されません。電話ポートどうしが交信中のとき、外部の呼び出し側にはビジー トーンが聞こえます。
表 6-7 に、電話ポート間コール機能のシナリオを示します。
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電話ポート コールがenblockモードで正常に確立されます。overlapモードでは、2つのコールの宛先が同じである場合、内部コールを正常に確立するために、データ コールのうち1つが中断されます。そうでない場合、POTS 1または2のユーザにはビジー トーンが聞こえます。 |
|||||
この機能を使用すると、電話ポート1または2で最後にダイヤルした番号を再ダイヤルすることができます。次の条件があります。
• この機能で回復できる数字は、最新の65個までに限られます。
• アスタリスク( * )で始まる機能アクセス コード、IVR番号、またはポンド( # )キーは、ルータによる保存の対象にはなりません。
表 6-8 に、再ダイヤル機能のシナリオを示します。
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コール転送機能を使用すると、1つの電話ポートからもう1つの電話ポートへ外部コールを転送できます。コール転送機能は、スイッチ側のサービスに加入していなくても使用できます。
1つの電話ポートからもう1つの電話ポートへ着信音声コールを転送するには、フック ボタンを押したあと、受話器から **0# を入力します。
表 6-9 に、コール転送機能のシナリオを示します。
音量調節機能を使用すると、POTSポートの受話器から聞こえる音量を調節できます。
各ポートについて受話器の音量を設定するには、ダイヤル ピア コンフィギュレーション モードでCisco IOSの volume コマンドを使用します。
ここで、 number は音量の設定を表す1~5の数値であり、
-12~0 dB(デシベル)に相当します。デフォルト設定値は3です。
表 6-10 に、 number 変数の値および定義を示します。
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次に、ルータの電話ポート1および2について、受話器の音量を設定する例を示します。
次に、 show running-config コマンドによる音量設定の出力例を示します。
固有呼び出し音機能を使用すると、着信コールがあったとき、発信電話番号に基づいて通常とは異なる呼び出し音を鳴らすように設定できます。3種類の呼び出し音から選択して各電話番号に対応づけることができ、ダイヤル ピアごとに最大20個の番号を保存できます。合計6つのダイヤル ピアを設定できますが、一度にアクティブにできるのは1つのダイヤル ピアだけです。
(注) 固有呼び出し音機能を使用するには、ISDNスイッチ側で特別なサービスに加入する必要はありません。ただし、ISDNスイッチ側ですでになりわけサービスが有効になっている場合には、なりわけサービスがこの機能よりも優先されます。
発信電話番号別呼び出し音機能を有効にして設定するには、ダイヤル ピア コンフィギュレーション モードで次のCisco IOSコマンドを使用します。
ここで number は、着信コールの発信電話番号です。 cadence は呼び出し音および呼び出し時間の設定値です。この機能はデフォルトでは無効に設定されています。
設定できる電話番号の最大数(ダイヤル ピアごとに20個)に到達した場合、一部の番号を無効にするには、 no caller number ring cadence コマンドを使用します。
表 6-11 に、使用できる呼び出し音の設定値を示します。
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表 6-12 に、固有呼び出し音機能のシナリオを示します。
次に、 show running-config コマンドによる固有呼び出し音機能の出力例を示します。
サブアドレス機能を使用すると、各POTSポートにISDNサブアドレスを割り当て、外部コールを直接、ダイヤルされた番号に接続できます。
POTSポートにサブアドレスを設定するには、ダイヤル ピア コンフィギュレーション モードでCisco IOSの subaddress コマンドを使用します。
ここで number は、POTSポートのサブアドレスです。設定できるサブアドレスは、ポートごとに1つだけです。デフォルトでは、サブアドレスは設定されていません。
表 6-13 に、POTSポートのサブアドレス機能のシナリオを示します。
次に、POTSポートに関するサブアドレス設定の出力例を示します。
デフォルトでは、発信電話番号機能は無効に設定されています。この機能を有効にするには、ダイヤル ピア コンフィギュレーション コマンド モードで、Cisco IOSの caller-id コマンドを使用します。
発信電話番号機能に関する問題をデバッグするには、次のコマンドを使用します。
ローカル コール フォワーディング機能を使用すると、呼び出し音が指定回数鳴るまでに着信音声コールへの応答がない場合、コールを外部電話番号に転送することができます。この機能の概要は、次のとおりです。
• 転送先の受話器が持ち上げられている場合、ルータは着信コールを別の宛先に接続します。
• タイムアウト期間内に転送先がコールに応答しない場合、ルータはコールを切断します。
• 正常に接続した後に、いずれかの側が受話器を置くと、ルータはコールを切断します。
(注) コール フォワーディング機能では、Bチャネルを使用して音声コールを転送し、発信者と転送先を接続します。Bチャネルのいずれかまたは両方がデータ コールによってビジーの場合、着信音声コールはデータ コールよりも優先されます。
ルータにローカル コール フォワーディングを設定するには、ダイヤルピア コンフィギュレーション モードから始めて、次のCisco IOSコマンドを使用します。
ここで、 number は、着信音声コールの転送先となる外部電話番号です。 number of rings は、ルータがコールを転送するまでに鳴る呼び出し音の最大数(0~7)です。この機能はデフォルトでは無効に設定されています。
表 6-14 に、ローカル コール フォワーディングのシナリオを示します。
ローカル コール フォワーディング機能の設定例を次に示します。
ローカル コール フォワーディング設定の出力例を次に示します。
Personal Handy-Phone System(PHS)Internet Access Forum Standard(PIAFS)は、移動通信システムのPHS上でデータの送受信を行うために設計された、セルラー データ通信用の標準的なエラー訂正プロトコルです。このプロトコルは、高品質なデータ伝送のための伝送制御プロシージャ(OSI基準モデルのレイヤ2に相当)も提供します。Cisco 800シリーズ ルータでは、PIAFSバージョン2.0およびバージョン2.1の両方がサポートされています。
PHSデータ通信におけるPIAFSの一般的な用途は、次のとおりです。
ユーザが電子メール メッセージを送受信できるようにします。電子メールはPHSマルチメディア通信メニューの基本的なサービスです。
Personal Digital Assistant(PDA:携帯情報端末)に保管されたデータをファックス送信できるようにします。
屋外にいても必要な情報をタイムリーに入手したいという多くのユーザの要望から、PHSにインターネット アクセス機能が組み込まれるようになりました。さらに、オフィスLANのアクセス ポイントを拡大する手段としてPHSを利用し、社内コミュニケーション用のイントラネットを形成する動きも見られます。
デジタル カメラの静止画像信号を、直接、またはPCのメディアを経由して伝送します。PHSを使用したデータ伝送サービスの1つと考えることができます。
グループウェアの普及に伴い、ワークグループがデータベースを共有して共同作業を行う例が多く見られるようになりました。モバイル通信を利用して、この共同作業環境をさらに外部のロケーションまで拡大したいというニーズがあります。PHSのデータ通信機能を使用して、これを実現することができます。
Cisco 800シリーズ ルータはPIAFS 2.2をサポートするピアからの着信PIAFSコールを受け入れ、速度可変タイプ2装置として動作します。Cisco 800シリーズ ルータは速度変更を要求することはありませんが、ピアからの速度変更要求には応答します。 表 6-15 を参照してください。
(データ リンクの発信側) |
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この表から、Cisco 800シリーズ ルータはPIAFS 2.2をサポートするすべてのピアに対して、PIAFS速度可変タイプ2装置としてのみ動作することが分かります。
この機能は、すべてのイメージにおいてデフォルトで使用可能です。ISDNスイッチ タイプがINS(NTT)に設定され、なおかつISDNインターフェイス上でPPPカプセル化が設定されている場合に、この機能が有効になります。
表 6-16 に、PIAFSのシナリオを示します。この機能は、ISDNスイッチ タイプがINS(NTT)に設定され、なおかつISDNインターフェイス上でPPPカプセル化が設定されている場合に、アクティブになります。
ルータ上のPIAFSコールのステータスを確認するには、イネーブル モードで次のコマンドを使用します。