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この章では、小規模な独立オフィスのネットワーク管理者、または在宅勤務者向けに、3種類のネットワークの設定手順を紹介します。各ネットワークについて学習したうえで、どのネットワークが自分の状況に最適かを判断してください。
3種類の基本的なネットワークを設定する前に、次の作業を行う必要があります。
ステップ 1 ISDNを使用する場合は、電話会社とISDN回線契約を結びます。ISDN回線の契約方法については、 付録D「ISDN回線のプロビジョニング」 を参照してください。
ステップ 2 ISDN回線契約を結ぶ際、電話会社から次の情報を入手しておきます。
• SPID(サービス プロファイル識別子)。SPIDの割り当ては、北米の電話会社だけが行っています。SPIDは、ISDN Bチャネルを識別する番号です。SPIDのフォーマットは一般に、ISDN電話番号の後ろに数字を付加したものです(例:40855522220101)。ISDN回線をサポートするスイッチに応じて、ISDN回線に0、1、または2個のSPIDが割り当てられる場合があります。
• ISDN LDN(ローカル ディレクトリ番号)。ルータのISDN市内電話番号です(例:4085552222、5553333)。
(注) LDNのフォーマットは、電話会社によって地域ごとに異なります。地域によっては、電話番号に市外局番を付けなければならない場合があります。LDNに市外局番を指定する必要があるかどうかは、電話会社に問い合わせてください。
ステップ 3 インターネット接続をセットアップする場合、ISP(インターネット サービス プロバイダー)から次の情報を入手しておきます。
• ISPがユーザのログイン名として割り当てたPPP(ポイントツーポイント プロトコル)クライアント名
• PPP認証のタイプ:Challenge Handshake Authentication Protocol(CHAP)またはPassword Authentication Protocol(PAP)
• IPアドレス情報:ISP ISDNインターフェイスのIPアドレスおよびサブネット マスク。パブリックIPネットワークを設定する場合はさらに、ルータのLANインターフェイスおよびWANインターフェイスに使用する登録済みIPアドレスおよびサブネット マスクも入手しておく必要があります。
ステップ 4 本社ネットワークとの接続をセットアップする場合、ルータのWANインターフェイスに関する次の情報について、本社ネットワークのネットワーク管理者と打ち合わせておき、両者間で共通の情報を使用できるようにします。
ステップ 5 IPルーティングを設定する場合は、IPネットワークのアドレス指定方式に関する情報を入手します。
図 2-1に示すネットワーク例では、Cisco 800シリーズ ルータによってプライベートIPネットワークをISPに接続しています。
図 2-1 プライベートIPネットワークのインターネットへの接続
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National ISDN-1スイッチ タイプ(B1 SPIDは40855511110101、 |
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• Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)サーバ(任意)
ルータがDHCPサーバとして動作する場合、DHCPクライアントとして設定されたワークステーションには、自動的にIPアドレスおよびサブネット マスクが割り当てられます。
• Network Address Translation(NAT;ネットワーク アドレス変換)オーバーロード
• Internet Protocol Control Protocol(IPCP)
• Dial-on-Demand Routing(DDR;ダイヤル オンデマンド ルーティング)
NATオーバーロードを設定した場合、ルータは複数のホストに1つのアドレスを使用します。IPCPを設定した場合、ルータは接続を試みる相手先のルータと自動的にネゴシエーションして、そのルータからIPアドレスを取得します。
PPP認証プロトコルとしては、CHAPまたはPAPのどちらでも使用できます。2つのプロトコルのうち、より安全性の高いCHAPの使用を推奨します。
また、ISDN回線は必要なときにだけアクティブ化され(DDR)、手動で設定された1つのルート(スタティック ルート)を使用します。DDRとスタティック ルートの併用は、複雑なルーティング トポロジーのない小規模ネットワークに適しています。
このネットワーク例の機能を設定するには、PC上でグローバル コンフィギュレーション モードから次の作業を行います。
ステップ 1 ルータ名を指定します。次の例では、ルータ名をSanJoseに設定しています。
ステップ 2 暗号化パスワードを指定します。1~25文字の英数字(大文字または小文字)にしてください。パスワードにはスペースも使用できます。先行スペースは無視されますが、後続スペースは認識されます。次の例では、パスワードを abra cadabra に設定しています。
ステップ 3 ルータが、ゼロのサブネット範囲を有効なアドレス範囲として認識するように設定します。
ステップ 4 コンソール セッション中に入力された文字列を、ルータがIPアドレスに変換しないように設定します。
ステップ 5 (任意)ルータをDHCPサーバとして設定します。DHCPリレー プール名を定義します。例:
d. イーサネット0のIPアドレスをデフォルト ゲートウェイとして指定します。例:
e. グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
ステップ 6 次の手順で、LANインターフェイスを設定します。
b. LANインターフェイスのIPアドレスおよびサブネット マスクを設定します。例:
ステップ 7 LAN上でNATを有効にします。内部ネットワーク アドレスは、インターネットに直接ルーティングされるのではなく、LAN外部でルーティング可能なアドレスに変換されます。例:
ステップ 8 次の手順で、WANインターフェイスを設定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
e. 内部ネットワーク アドレスから有効なインターネット アドレスへの変換を有効にします。
f. ダイヤラ ロータリ グループを作成します。0~255の範囲の番号を指定してください。ダイヤラ ロータリ グループは、複数の呼び出し先が必要とされる環境で役立ちます。例:
g. (北米のみ)電話会社から提供されたISDN LDNを、最初のSPIDおよび2番目のSPIDに対応づけます。SPID番号を指定することもできますし、 0 を入力してSPID番号を自動的に検出することもできます。
次の例では、SPID番号を 0 で表し、自動的に検出するように設定しています。各SPIDに対応するプライマリLDN、続いてセカンダリLDNを指定します。
(注) LDNに市外局番を指定する必要があるかどうかは、電話会社に問い合わせてください。
h. (北米のみ) SPID番号を手動で入力した場合は、BRI0インターフェイスを有効にします。
i. (北米のみ) SPID番号を自動的に検出するように設定した場合は、ISDN SPID番号およびスイッチ タイプの自動検出を有効にします。
j. (北米以外のみ)ISDNスイッチ タイプを指定します。サポートされるスイッチの一覧を表示するには、 isdn switch-type ? コマンドを入力します。
k. Cisco Discovery Protocol(CDP)を無効にします。
ステップ 9 次の手順で、前に作成したダイヤラ ロータリ グループの特性を指定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
b. ダイヤラ インターフェイスを作成します。ダイヤラ ロータリ グループを表す0~255の範囲の番号を指定してください。例:
c. IPCPを使用してインターフェイスのIPアドレスを取得することを指定します。
f. 回線がアイドルになったときに、接続を切断するまでのタイムアウト時間(秒)を指定します。
g. 1つのサイトを呼び出す場合、呼び出されるインターフェイスの電話番号を指定します。例:
h. 発信キューに収容可能な最大パケット数を10に設定します。ISDN接続がまだ存在しない場合、パケットは10個までは廃棄されずにホールド キューに収容されます。例:
i. ISDN Bチャネルの負荷スレッシュホールドを設定します。第1のISDN Bチャネルでこのレベルを超えた場合に、第2のBチャネルが起動されます。 load-threshold 変数は利用率のパーセンテージを表し、1~255の範囲の数値(255が100パーセントに相当)で指定します。例:
(注) 負荷を計算するために外向きのデータだけを使用する場合はoutbound、内向きのデータだけを使用する場合はinboundを指定します。外向きおよび内向きの負荷のうち、大きいほうを最大負荷にする場合は、eitherを指定します。
j. このインターフェイスをダイヤラ アクセス グループ1に割り当てます。
k. CHAPを設定し、CHAPホスト名およびパスワードを指定します。PAPを設定する場合は、このステップを省略して次のステップに進んでください。
このコマンドを使用すると、CHAPが有効になり、着信コールに限って認証が行われるようになります。単方向の認証を使用するのは、ISP側で双方向の認証をサポートしないシスコ社以外のルータが使用されている可能性があるからです。このような場合、SanJoseルータがISPを呼び出すとき、SanJose側では認証を行いません。ただし、ISP側がSanJoseを認証し、そのあとで接続が許可されます。
l. PAPを設定します。CHAPを設定する場合は、このステップを省略して前のステップの手順に従ってください。
このコマンドを使用すると、PAPが有効になり、着信コールに限って認証が行われるようになります。単方向の認証を使用するのは、ISP側で双方向の認証をサポートしないルータが使用されている可能性があるからです。このような場合、SanJoseルータがISPを呼び出すとき、SanJose側では認証を行いません。ただし、ISP側がSanJoseを認証し、そのあとで接続が許可されます。
m. インターフェイスに対するリモートPAPサポートを有効にします。指定するユーザ名およびパスワードが、PAP認証要求パケットで送信されます。パスワードは1~25文字の英数字(大文字および小文字)で指定してください。スペースまたはアンダースコアは使用できません。
ステップ 10 次の手順で、IPルーティング プロトコルがルートを学習する方法を設定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
b. すべてのIPアドレスがクラスレスとして取り扱われるように設定します。
c. IPルーティングを有効にし、スタティック ルートを設定します。一般にISPは、ISP側のネットワークのIPアドレスおよびサブネット マスクは提供しませんが、ユーザのルータが接続するISDNルータ インターフェイスのIPアドレスは提供します。
次の例では、ISPルータに到達するために、ルータ上のdialer 0を使用する必要があることを指定しています。dialer 0は、すでにinterface dialerコマンドを使用して設定済みです。
ステップ 11 dialer-list 1でIPルーティング プロトコルによるダイヤリングを許可することを指定します。
ステップ 12 このステップは、64 kbpsのISDNコールがサポートされていない場合にのみ実行してください。次の手順で、ISDNインターフェイスからの発信コールの特性を指定します。
a. ISDNインターフェイスからの発信コールで共有されるコンフィギュレーション パラメータのクラスを定義します。
ステップ 13 電話機、ファックス、またはモデムに接続されたCisco 800シリーズ ルータを使用する場合、次の手順で電話インターフェイスを設定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
サポートされている国別コードの一覧を表示するには、 pots country ? コマンドを使用します。
このコマンドによって、電話インターフェイスの物理特性が決まります。国を指定することによって、電話インターフェイスの個々の物理特性に国別のデフォルト値を使用します。
c. ダイヤル ピアを作成して、着信コールを電話ポートにルーティングする方法を指定します。次の例では、dial-peerタグは1、ISDN LDNは5551111、電話ポートは1、コール ウェイティングは無効に設定しています。
(注) dial-peer tag変数には、1~6の範囲の数値を指定してください。
LDNに市外局番を指定する必要があるかどうかは、電話会社に問い合わせてください。
e. 着信した音声コールを、電話ポートに接続された装置に転送するように指定します。
ステップ 14 インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。
ステップ 15 グローバル コンフィギュレーション モードで、グローバルNATコマンドを設定します。次の例では、インターフェイスBRI0に割り当てられたすべての内部ネットワーク アドレスを変換するように設定し、内部ネットワーク アドレスを含むアクセス リストを定義しています。
ステップ 16 ユーザ モードに切り替え、コンフィギュレーションを保存します。
図 2-2に示すネットワーク例では、Cisco 800シリーズ ルータによってパブリックIPネットワークをISPに接続しています。インターネット アクセスを必要とするLAN装置用に、ISPから登録済み(パブリック)IPアドレスの範囲が割り当てられています。
図 2-2 パブリックIPネットワークのインターネットへの接続
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National ISDN-1スイッチ タイプ(B1 SPIDは40855511110101、 |
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ルータがDHCPサーバとして動作する場合、DHCPクライアントとして設定されたワークステーションには、自動的にIPアドレスおよびサブネット マスクが割り当てられます。
ISPがWANインターフェイスにIPアドレスおよびサブネット マスクを割り当てていない場合は、IPCPを使用して、接続を試みる相手先のルータと自動的にネゴシエーションして、そのルータからIPアドレスを取得することができます。
PPP認証プロトコルとしては、CHAPまたはPAPのどちらでも使用できます。2つのプロトコルのうち、より安全性の高いCHAPの使用を推奨します。
また、ISDN回線は必要なときにだけアクティブ化され(DDR)、手動で設定された1つのルート(スタティック ルート)を使用します。DDRとスタティック ルートの併用は、複雑なルーティング トポロジーのない小規模ネットワークに適しています。
このネットワーク例の機能を設定するには、PC上でグローバル コンフィギュレーション モードから次の作業を行います。
ステップ 1 ルータ名を指定します。次の例では、ルータ名をSanJoseに設定しています。
ステップ 2 暗号化パスワードを指定します。1~25文字の英数字(大文字または小文字)にしてください。パスワードにはスペースも使用できます。先行スペースは無視されますが、後続スペースは認識されます。例:
ステップ 3 ルータが、ゼロのサブネット範囲を有効なアドレス範囲として認識するように設定します。
ステップ 4 コンソール セッション中に入力された文字列を、ルータがIPアドレスに変換しないように設定します。
ステップ 5 (任意)ルータをDHCPサーバとして設定します。
e. イーサネット0のIPアドレスをデフォルト ゲートウェイとして指定します。例:
f. グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
ステップ 6 次の手順で、LANインターフェイスを設定します。
b. LANインターフェイスのIPアドレスおよびサブネット マスクを設定します。次の例では、IPアドレスおよびサブネット マスクを、それぞれ10.1.1.1および255.0.0.0に設定しています。
ステップ 7 次の手順で、WANインターフェイスを設定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
e. ダイヤラ ロータリ グループを作成します。0~255の範囲の番号を指定してください。ダイヤラ ロータリ グループは、複数の呼び出し先が必要とされる環境で役立ちます。例:
f. (北米のみ)電話会社から提供されたISDN LDNを、最初のSPIDおよび2番目のSPIDに対応づけます。SPID番号を指定することもできますし、0を入力してSPID番号を自動的に検出することもできます。
次の例では、SPID番号を0で表し、自動的に検出するように設定しています。各SPIDに対応するプライマリLDN、続いてセカンダリLDNを指定します。
(注) LDNに市外局番を指定する必要があるかどうかは、電話会社に問い合わせてください。
g. (北米のみ) SPID番号を手動で入力した場合は、BRI0インターフェイスを有効にします。
h. (北米のみ) SPID番号を自動的に検出するように設定した場合は、ISDN SPID番号およびスイッチ タイプの自動検出を有効にします。
i. (北米以外のみ)ISDNスイッチ タイプを指定します。サポートされるスイッチの一覧を表示するには、 isdn switch-type ? コマンドを入力します。
ステップ 8 次の手順で、前に作成したダイヤラ ロータリ グループの特性を指定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
b. ダイヤラ ロータリ グループ リーダーを作成します。ダイヤラ ロータリ グループを表す0~255の範囲の番号を指定してください。例:
c. ISPによって提供されたWANインターフェイスのIPアドレスおよびサブネット マスクを設定します。例:
d. (任意) ISPがWANインターフェイスのIPアドレスおよびサブネット マスクを提供していない場合は、接続先のルータからIPアドレスおよびサブネット マスクを取得するようにIPCPを設定します。
g. 回線がアイドルになったときに、接続を切断するまでのタイムアウト時間(秒)を指定します。例:
h. 1つのサイトを呼び出す場合、呼び出されるインターフェイスの電話番号を指定します。長距離コールの場合は、電話番号の前に1を付けます。例:
i. 発信キューに収容可能な最大パケット数を10に設定します。ISDN接続がまだ存在しない場合、パケットは10個までは廃棄されずにホールド キューに収容されます。例:
j. ISDN Bチャネルの負荷スレッシュホールドを設定します。第1のISDN Bチャネルでこのレベルを超えた場合に、第2のBチャネルが起動されます。 load-threshold 変数は利用率のパーセンテージを表し、1~255の範囲の数値(255が100パーセントに相当)で指定します。
(注) 負荷を計算するために外向きのデータだけを使用する場合はoutbound、内向きのデータだけを使用する場合はinboundを指定します。外向きおよび内向きの負荷のうち、大きいほうを最大負荷にする場合は、eitherを指定します。
k. このインターフェイスをダイヤラ アクセス グループ1に割り当てます。
l. CHAPを有効にして、CHAPホスト名およびパスワードを指定します。PAPを設定する場合は、このステップを省略して次のステップに進んでください。
このコマンドを使用すると、CHAPが有効になり、着信コールに限って認証が行われるようになります。単方向の認証を使用するのは、ISP側で双方向の認証をサポートしないシスコ社以外のルータが使用されている可能性があるからです。このような場合、SanJoseルータがISPを呼び出すとき、SanJose側では認証を行いません。ただし、ISP側がSanJoseを認証し、そのあとで接続が許可されます。例:
m. PAPを設定します。CHAPを設定する場合は、このステップを省略して前のステップの手順に従ってください。
このコマンドを使用すると、PAPが有効になり、着信コールに限って認証が行われるようになります。単方向の認証を使用するのは、ISP側で双方向の認証をサポートしないシスコ社以外のルータが使用されている可能性があるからです。このような場合、SanJoseルータがISPを呼び出すとき、SanJoseルータはISPルータの認証を行いません。ただし、ISP側がSanJoseルータを認証し、そのあとで接続が許可されます。
n. インターフェイスに対するリモートPAPサポートを有効にします。次の例では、指定するユーザ名およびパスワード(それぞれSanJoseおよび gocisco1 )が、PAP認証要求パケットで送信されます。パスワードは1~25文字の英数字(大文字および小文字)で指定してください。スペースまたはアンダースコアは使用できません。
ステップ 9 次の手順で、IPルーティング プロトコルがルートを学習する方法を設定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
b. すべてのIPアドレスがクラスレスとして取り扱われるように設定します。
c. 宛先ネットワーク、宛先サブネット マスク、およびネクスト ホップ アドレスを入力して、スタティック ルートを設定します。次の例では、ISPルータのISDNインターフェイスのIPアドレスは192.168.1.1です。一般にISPは、ISP側のネットワークのIPアドレスおよびサブネット マスクは提供しませんが、ユーザのルータが接続するISDNインターフェイスのIPアドレスは提供します。
次の例では、ISPネットワークのIPアドレスおよびサブネット マスクを0.0.0.0および0.0.0.0に設定しています。これらのアドレスは、ユーザ側では不明だからです。
ステップ 10 dialer-list 1でIPルーティング プロトコルによるダイヤリングを許可することを指定します。
ステップ 11 このステップは、64 kbpsのISDNコールがサポートされていない場合にのみ実行してください。次の手順で、ISDNインターフェイスからの発信コールの特性を指定します。このクラスを表す一意の識別子は、56kです。
a. ISDNインターフェイスからの発信コールで共有されるコンフィギュレーション パラメータのクラスを定義します。
c. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
ステップ 12 電話機、ファックス、またはモデムに接続されたCisco 800シリーズ ルータを使用する場合、次の手順で電話インターフェイスを設定します。
このコマンドによって、電話インターフェイスの物理特性が決まります。国を指定することによって、電話インターフェイスの個々の物理特性に国別のデフォルト値を使用します。サポートされている国別コードの一覧を表示するには、 pots country ? コマンドを使用します。
b. ダイヤル ピアを作成して、着信コールを電話ポートにルーティングする方法を指定します。次の例では、dial-peerタグは1、ISDN LDNは5551111、電話ポートは1、コール ウェイティングは無効に設定しています。
(注) dial-peer tag変数には、1~6の範囲の数値を指定してください。
LDNに市外局番を指定する必要があるかどうかは、電話会社に問い合わせてください。
d. 着信した音声コールを、電話ポートに接続された装置に転送するように指定します。
e. ユーザ モードに切り替え、コンフィギュレーションを保存します。
図 2-3に示すネットワーク例では、Cisco 800シリーズ ルータともう1台のルータ(Cisco 3600ルータなど)によって、ダイヤル オンデマンドISDN回線を使用して、リモート オフィスのネットワークと本社オフィスのネットワークを接続しています。2台のルータ間のルートは、ユーザ側で設定するスタティックIPルートです。
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National ISDN-1スイッチ タイプ(B1 SPIDは40855511110101、 |
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5ESSカスタム マルチポイント スイッチ タイプ(B1 SPIDは0155533330101、B2 SPIDは0155544440101) |
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• IPルーティング(管理目的として、Telnetなどを推奨します)
ルータがDHCPサーバとして動作する場合、DHCPクライアントとして設定されたワークステーションには、自動的にIPアドレスおよびサブネット マスクが割り当てられます。
IPCPを設定した場合、ルータは接続を試みる相手先のルータと自動的にネゴシエーションして、そのルータからIPアドレスを取得します。
PPP認証プロトコルとしては、CHAPまたはPAPのどちらでも使用できます。2つのプロトコルのうち、より安全性の高いCHAPの使用を推奨します。
DDRが設定されているので、ISDN回線は必要なときにだけアクティブ化され、手動で設定された1つのルート(スタティック ルート)を使用します。スタティック ルートが設定されているので、ルータはルーティング アップデートを交換する必要がありません。その結果、ISDN回線はトラフィックで必要とされる場合にしかアクティブ化されません。
このネットワーク例の機能を設定するには、PC上でグローバル コンフィギュレーション プロンプトから次の作業を行います。
ステップ 3 ルータにダイヤルインする可能性のあるクライアントのユーザ名と、ルータおよびクライアントが共有するパスワードを指定します。本社側ルータのユーザ名およびパスワードを指定してください(この情報は、本社側ネットワーク管理者から入手してください)。例:
ステップ 4 (任意)ルータをDHCPサーバとして設定します。
d. イーサネット0のIPアドレスをデフォルト ゲートウェイとして指定します。例:
ステップ 5 次の手順で、WANインターフェイスを設定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
e. ダイヤラ ロータリ グループを作成します。0~255の範囲の番号を指定してください。ダイヤラ ロータリ グループは、複数の呼び出し先が必要とされる環境で役立ちます。例:
f. (北米のみ)電話会社から提供されたISDN LDNを、最初のSPIDおよび2番目のSPIDに対応づけます。SPID番号を指定することも、0を入力してSPID番号を自動的に検出することもできます。
次の例では、SPID番号を0で表し、自動的に検出するように設定しています。各SPIDに対応するプライマリLDN、続いてセカンダリLDNを指定します。
(注) LDNに市外局番を指定する必要があるかどうかは、電話会社に問い合わせてください。
g. (北米のみ) SPID番号を入力した場合は、BRI0インターフェイスを有効にします。
h. (北米のみ) SPID番号を自動的に検出するように設定した場合は、ISDN SPID番号およびスイッチ タイプの自動検出を有効にします。
i. (北米以外のみ)ISDNスイッチ タイプを指定します。サポートされるスイッチの一覧を表示するには、 isdn switch-type ? コマンドを入力します。
ステップ 6 次の手順で、前に作成したダイヤラ ロータリ グループの特性を指定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
b. 仮想インターフェイスを作成します。ダイヤラ ロータリ グループを表す0~255の範囲の番号を指定してください。
e. 回線がアイドルになったときに、接続を切断するまでのタイムアウト時間(秒)を指定します。例:
f. 発信キューに収容可能な最大パケット数を10に設定します。ISDN接続がまだ存在しない場合、パケットは10個までは廃棄されずにホールド キューに収容されます。例:
g. ISDN Bチャネルの負荷スレッシュホールドを設定します。第1のISDN Bチャネルでこのレベルを超えた場合に、第2のBチャネルが起動されます。 load-threshold 変数は利用率のパーセンテージを表し、1~255の範囲の数値(255が100パーセントに相当)で指定します。
(注) 負荷を計算するために外向きのデータだけを使用する場合はoutbound、内向きのデータだけを使用する場合はinboundを指定します。外向きおよび内向きの負荷のうち、大きいほうを最大負荷にする場合は、eitherを指定します。
h. このインターフェイスをダイヤラ アクセス グループ1に割り当てます。
i. CHAPを設定します。PAPを設定する場合は、このステップを省略して次のステップに進んでください。このコマンドを使用すると、CHAPが有効になり、着信コールおよび発信コールに対して認証が行われるようになります。
j. PAPを設定します。CHAPを設定する場合は、このステップを省略して前のステップの手順に従ってください。このコマンドを使用すると、PAPが有効になり、着信コールおよび発信コールに対して認証が行われるようになります。
k. マルチリンクPPPを有効にし、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
ステップ 7 このステップは、回線上で64 kbpsのISDNコールがサポートされていない場合にのみ実行してください。次の手順で、ISDNインターフェイスからの発信コールの特性を指定します。
a. ISDNインターフェイスからの発信コールで共有されるコンフィギュレーション パラメータのクラスを定義します。
c. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
ステップ 8 電話機、ファックス、またはモデムに接続されたCisco 800シリーズ ルータを使用する場合、次の手順で電話インターフェイスを設定します。
このコマンドによって、電話インターフェイスの物理特性が決まります。国を指定することによって、電話インターフェイスの個々の物理特性に国別のデフォルト値を使用します。サポートされている国別コードの一覧を表示するには、 pots country ? コマンドを使用します。
b. ダイヤル ピアを作成して、着信コールを電話ポートにルーティングする方法を指定します。次の例では、dial-peerタグは1、ISDN LDNは5551111、電話ポートは1、コール ウェイティングは無効に設定しています。
(注) LDNに市外局番を指定する必要があるかどうかは、電話会社に問い合わせてください。
d. 着信した音声コールを、電話ポートに接続された装置に転送するように指定します。
IPルーティングを設定するには、PC上で次の作業を行います。
ステップ 1 グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
ステップ 2 ルータが、ゼロのサブネット範囲を有効なアドレス範囲として認識するように設定します。
ステップ 3 コンソール セッション中に入力された文字列を、ルータがIPアドレスに変換しないように設定します。
ステップ 4 次の手順で、LANインターフェイスを設定します。
b. LANインターフェイスのIPアドレスおよびサブネット マスクを設定します。例:
ステップ 5 次の手順で、前に作成したダイヤラ ロータリ グループの特性を指定します。
a. ダイヤラ ロータリ グループのパラメータを指定します。
b. ダイヤラ グループ1に属するIPアドレスを指定します。
c. このインターフェイスにIPアドレスが割り当てられていないことを指定します。
d. ダイヤラ マップを作成して、WANインターフェイスがサイトを呼び出したりサイトからコールを受信したりできるように設定します。 次の例では、2つのBチャネルに対応するダイヤル ストリングごとに、同じコマンドを2回入力しています。どちらのコマンドでも、ネクスト ホップ アドレスは10.3.1.2、ホスト名はLosAngelesです。
ステップ 6 次の手順で、IPルーティング プロトコルがルートを学習する方法を設定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
b. すべてのIPアドレスがIPクラスレス アドレスとして取り扱われるように設定します。
c. スタティック ルートを設定します。次の例では、LosAngelesローカル ネットワークは10.2.0.0、サブネット マスクは255.255.0.0、ルータのISDNインターフェイスは10.2.0.1です。
(注) LosAngelesネットワークへのルートだけでなく、LosAngelesルータのISDNインターフェイスへのルートも設定する必要があります。LosAngelesルータへのルートは、SanJoseルータのdialer 0ポートを経由します。
ステップ 7 dialer-list 1でIPルーティング プロトコルによるダイヤリングを許可することを指定します。
このネットワーク例の機能を設定するには、PC上でグローバル コンフィギュレーション モードから次の作業を行います。ここでは、Cisco 800シリーズ ルータに接続されているルータが、Cisco IOSソフトウェアをサポートするシスコ製ルータ(例:Cisco 3600ルータ)であることを前提にしています。詳細については、もう1台のシスコ製ルータに付属のマニュアルを参照してください。
ステップ 1 ルータ名を指定します。次の例では、ルータ名をLosAngelesに設定しています。
ステップ 2 暗号化パスワードを指定します。次の例では、パスワードを abra cadabra に設定しています。
ステップ 3 ルータにダイヤルインする可能性のあるクライアントのユーザ名と、ルータおよびクライアントが共有するパスワードを指定します。次の例では、ユーザ名およびパスワードをそれぞれSanJoseおよび gocisco1 に設定しています。
ステップ 4 グローバル コンフィギュレーション モードに切り替え、次にインターフェイス コンフィギュレーション モードに切り替えます。ISDNスイッチ タイプを指定します。サポートされるスイッチの一覧を表示するには、 isdn switch-type ? コマンドを入力します。
次のように入力して、National ISDN-1(NI1)スイッチを指定します。
ステップ 5 (任意)ルータをDHCPサーバとして設定します。
d. イーサネット0のIPアドレスをデフォルト ゲートウェイとして指定します。例:
e. グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
ステップ 6 次の手順で、WANインターフェイスを設定します。
d. ダイヤラ ロータリ グループを作成します。0~255の範囲の番号を指定してください。ダイヤラ ロータリ グループは、複数の呼び出し先が必要とされる環境で役立ちます。例:
e. (北米のみ)Bチャネルに割り当てられたSPID番号を指定します。B1チャネルにはisdn spid1コマンド、B2チャネルにはisdn spid2コマンドを使用します。例:
ステップ 7 次の手順で、前に作成したダイヤラ ロータリ グループの特性を指定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
b. ダイヤラ ロータリ グループ リーダーを作成します。ダイヤラ ロータリ グループを表す0~255の範囲の番号を指定してください。
e. 回線がアイドルになったときに、接続を切断するまでのタイムアウト時間(秒)を指定します。例:
発信キューに収容可能な最大パケット数を10に設定します。次の例では、ISDN接続がまだ存在しない場合、パケットは10個までは廃棄されずにホールド キューに収容されます。
f. ISDN Bチャネルの負荷スレッシュホールドを設定します。第1のISDN Bチャネルでこのレベルを超えた場合に、第2のBチャネルが起動されます。 load 変数は利用率のパーセンテージを表し、1~255の範囲の数値(255が100%に相当)で指定します。
(注) 負荷を計算するために外向きのデータだけを使用する場合はoutbound、内向きのデータだけを使用する場合はinboundを指定します。外向きおよび内向きの負荷のうち、大きいほうを最大負荷にする場合は、eitherを指定します。
g. このインターフェイスをダイヤラ アクセス グループ1に割り当てます。ダイヤラ アクセス グループは、あとで定義します。
h. CHAPを設定します。PAPを設定する場合は、このステップを省略して、ステップiに進んでください。このコマンドを使用すると、CHAPが有効になり、着信コールおよび発信コールに対して認証が行われるようになります。
PAPを設定します。CHAPを設定する場合は、ステップgに進んでください。このコマンドを使用すると、PAPが有効になり、着信コールおよび発信コールに対して認証が行われるようになります。
IPルーティングを設定するには、もう1台のルータに接続したPC上で次の作業を行います。
ステップ 1 グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
ステップ 2 IPネットワークにサブネット0.0.0.0を指定します。
ステップ 3 IP DNSに基づく、ホスト名からアドレスへの変換を無効にします。
ステップ 4 次の手順で、LANインターフェイスを設定します。
b. LANインターフェイスのIPアドレスおよびサブネット マスクを設定します。例:
ステップ 5 次の手順で、前に作成したダイヤラ ロータリ グループの特性を指定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
b. ダイヤラ ロータリ グループのパラメータを指定します。
c. このインターフェイスのIPアドレスおよびサブネット マスクを設定します。
d. グローバル コンフィギュレーション モードでダイヤラ マップを作成して、WANインターフェイスがサイトを呼び出したりサイトからコールを受信したりできるように設定します。
次の例では、同じコマンドをBチャネルごとに1回ずつ、計2回入力しています。ネクスト ホップ アドレスは10.3.1.1、ホスト名はSanJose、ダイヤル ストリングは408555111100および408555222200です。
ステップ 6 次の手順で、IPルーティング プロトコルがルートを学習する方法を設定します。
a. グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。
b. すべてのIPアドレスがクラスレスとして取り扱われるように設定します。
c. スタティック ルートを設定します。次の例では、宛先(SanJose)ネットワークは10.1.0.0、サブネット マスクは255.255.0.0、SanJoseルータのISDNインターフェイスは10.3.1.1です。
(注) SanJoseネットワークへのルートだけでなく、SanJoseルータのISDNインターフェイスへのルートも設定する必要があります。SanJoseルータへのルートは、LosAngelesルータのdialer 0ポートを経由します。
ステップ 7 dialer-list 1でIPルーティング プロトコルによるダイヤリングを許可することを指定します。