Unique Device Identifier の取得

Unique Device Identifier の取得機能は、この ID 情報を保存したシスコ製品から Unique Device Identifier(UDI)情報を取得および表示するための機能を提供します。

Unique Device Identifier の取得の前提条件

UDI 取得を使用するには、使用中のシスコ製品が UDI 対応である必要があります。UDI 対応のシスコ製品では、5 つの必須エンティティ MIB オブジェクトがサポートされます。5 つのエンティティ MIB v2(RFC-2737)オブジェクトは次のとおりです。

  • entPhysicalName

  • entPhysicalDescr

  • entPhysicalModelName

  • entPhysicalHardwareRev

  • entPhysicalSerialNum

show inventory コマンドが使用可能な場合がありますが、UDI 対応ではないデバイスでそのコマンドを使用しても出力が生成されない可能性があります。

Unique Device Identifier の取得に関する情報

Unique Device Identifier の概要

識別可能な各製品は、エンティティ MIB(RFC-2737)およびそのサポート ドキュメントで定義されたエンティティです。シャーシなどの一部のエンティティには、スロットのようなサブエンティティがあります。ファスト イーサネット スイッチは、スタックなどのスーパーエンティティのメンバーである可能性があります。注文可能なシスコ製品のエンティティは、そのほとんどが UDI を割り当てられて出荷されます。UDI 情報は、ラベルに印字され、ハードウェア デバイスに物理的に貼付されます。また、簡単にリモート検索できるよう、デバイス内に電子的に保存されます。

UDI は、次の要素で構成されています。

  • 製品 ID(PID)

  • バージョン ID(VID)

  • シリアル番号(SN)

PID は製品を発注するための名前で、従来は「製品名」または「部品番号」と呼ばれていました。これは、正しい交換部品を発注するために使用される ID です。

VID は製品のバージョンです。製品が改訂されるたびに、VID は増加します。VID は、製品変更の通知を管理する業界のガイドラインである、Telcordia GR-209-CORE から取得された厳格なプロセスに従って増加されます。

SN はベンダー固有の製品の通し番号です。それぞれの製造済み製品には、現場では変更できない固有のシリアル番号が工場で割り当てられます。この番号は、製品の特定のインスタンスを個々に識別するための手段です。

Unique Device Identifier の取得機能の利点

  • ネットワーク内の個別のシスコ製品を識別します。

  • シスコ製品をシンプルに、クロス プラットフォームで、一貫して識別することで、資産管理の運用経費が削減されます。

  • 交換可能な製品の PID を識別します。

  • リコールまたはリビジョン対象の製品を容易に特定できます。

  • シスコ製品のインベントリを自動化します(設備および資産管理)。

  • 修理や交換サービスのためにシスコ製品のエンタイトルメント レベルを決定するためのメカニズムを提供します。

Unique Device Identifier の取得方法

Unique Device Identifier の取得

シスコ製品の ID 情報を取得および表示するには、このタスクを実行します。

SUMMARY STEPS

  1. enable
  2. show inventory [raw ] [entity ]

DETAILED STEPS


Step 1

enable

特権 EXEC モードを開始します。パスワードを入力します(要求された場合)。

Example:


Router> enable

Step 2

show inventory [raw ] [entity ]

PID、VID、および SN が割り当てられているネットワーキング デバイスに取り付けられているすべてのシスコ製品についての情報を取得および表示するには、 show inventory コマンドを入力します。シスコ エンティティに PID が割り当てられていない場合、そのエンティティは取得または表示されません。

Example:


Router# show inventory
NAME: “Chassis”, DESCR: “12008/GRP chassis”
PID: GSR8/40           ,  VID: V01,  SN: 63915640
NAME: “slot 0”, DESCR: “GRP”
PID: GRP-B             ,  VID: V01,  SN: CAB021300R5
NAME: “slot 1”, DESCR: “4 port ATM OC3 multimode”
PID: 4OC3/ATM-MM-SC    ,  VID: V01,  SN: CAB04036GT1
NAME: “slot 3”, DESCR: “4 port 0C3 POS multimode”
PID: LC-4OC3/POS-MM    ,  VID: V01,  SN: CAB014900GU
NAME: “slot 5”, DESCR: “1 port Gigabit Ethernet”
PID: GE-GBIC-SC-B      ,  VID: V01,  SN: CAB034251NX
NAME: “slot 7”, DESCR: “GRP”
PID: GRP-B             ,  VID: V01,  SN: CAB0428AN4O
NAME: “slot 16”, DESCR: “GSR 12008 Clock Scheduler Card”
PID: GSR8-CSC/ALRM     ,  VID: V01,  SN: CAB0429AUYH
NAME: “sfslot 1”, DESCR: “GSR 12008 Switch Fabric Card”
PID: GSR8-SFC          ,  VID: V01,  SN: CAB0428ALOS
NAME: “sfslot 2”, DESCR: “GSR 12008 Switch Fabric Card”
PID: GSR8-SFC          ,  VID: V01,  SN: CAB0429AU0M
NAME: “sfslot 3”, DESCR: “GSR 12008 Switch Fabric Card”
PID: GSR8-SFC          ,  VID: V01,  SN: CAB0429ARD7
NAME: “PSslot 1”, DESCR: “GSR 12008 AC Power Supply”
PID: FWR-GSR8-AC-B     ,  VID: V01,  SN: CAB041999CW

ネットワーキング デバイスに取り付けられている特定のタイプのシスコ エンティティの UDI 情報を表示するには、entity の引数値で show inventory コマンドを入力します。この例では、モジュールの RO 引数文字列に一致するシスコ エンティティのリストが表示されます。

Example:


Router# show inventory “module RO”
NAME: ''module R0'', DESCR: ''Cisco ASR1000 Route Processor 2'' 
PID: ASR1000-RP2 ,  VID: V01,  SN: JAE13041JEX 

Note

 

raw キーワード オプションの主な目的は、show inventory コマンド自体の問題をトラブルシューティングすることです。

Example:


Router# show inventory raw
NAME: “Chassis”, DESCR: “12008/GRP chassis”
PID:                   ,  VID: V01,  SN: 63915640
NAME: “slot 0”, DESCR: “GRP”
PID:                   ,  VID: V01,  SN: CAB021300R5
NAME: “slot 1”, DESCR: “4 port ATM OC3 multimode”
PID: 4OC3/ATM-MM-SC    ,  VID: V01,  SN: CAB04036GT1
NAME: “slot 3”, DESCR: “4 port 0C3 POS multimode”
PID: LC-4OC3/POS-MM    ,  VID: V01,  SN: CAB014900GU

トラブルシューティングのヒント

この章全体では、区切り文字(d 引数)の必要なコマンドが共通して使用されます。区切り文字にはどのような文字でも使用できますが、引用符(")の使用を推奨します。これは、メッセージ自体の中でこの文字を使用することが通常はないためです。その他の一般に使用される区切り文字には、パーセント記号(%)またはスラッシュ(/)などがありますが、これらの文字は特定の Cisco IOS コマンド内で意味を持つため、推奨されません。たとえば、空きメッセージを「This terminal is idle」に設定するには、コマンド vacant-message "Thisterminalisidle" を入力します。

Unique Device Identifier の取得の設定例

UDI 取得機能の設定例はありません。show inventory コマンドの出力の表示例については、「Unique Device Identifier の取得」の項を参照してください。

その他の参考資料

このセクションでは、シスコ ネットワーキング デバイスの基本設定に関する参考資料について説明します。

関連資料

関連項目

マニュアル タイトル

Cisco IOS コマンド

『Cisco IOS Master Commands List, All Releases』

設定の基本的なコマンド

『Cisco IOS Configuration Fundamentals Command Reference』

Cisco IOS ソフトウェアの自動インストール機能を使用した初めてのネットワーキング デバイスの設定

Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Guide』の「Using AutoInstall to Remotely Configure Cisco Networking Devices」モジュール

Cisco IOS セットアップ モードを使用したネットワーキング デバイスの設定

Cisco IOS Configuration Fundamentals Configuration Guide』の「Using Setup Mode to Configure a Cisco Networking Device」モジュール

シスコのテクニカル サポート

説明

リンク

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http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html

Unique Device Identifier の取得に関する機能情報

次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/go/cfn に移動します。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
Table 1. Unique Device Identifier の取得に関する機能情報

機能名

リリース

機能情報

Unique Device Identifier の取得

Cisco IOS XE Release 2.1

この機能が導入されました。