メモリしきい値通知

メモリしきい値通知機能を使用すると、重要な通知のためにメモリを予約し、使用可能なメモリが指定したしきい値を下回ると通知を行うようルータを設定できます。

メモリしきい値通知について

メモリしきい値通知機能は、空きメモリが設定されたしきい値を下回っていることを示す通知を送信する方法と、重要な通知を行うために十分なメモリが使用できるようにメモリを予約する方法の 2 つの方法でルータ上のメモリ不足状態を軽減します。メモリしきい値通知機能を実装するには、次の概念を理解しておく必要があります。

メモリしきい値通知

メモリしきい値通知機能を使用すると、重要な通知のためにメモリを予約し、使用可能なメモリが指定したしきい値を下回ると通知を行うようルータを設定できます。

メモリ予約

重要な動作のメモリ予約によって、イベント ロギングなどの管理プロセスがルータ メモリが少なくなっても機能を続行できるようにします。

メモリしきい値通知の定義方法

空きメモリ不足しきい値の設定

空きメモリ不足しきい値を設定するには、次の作業を実行します。

SUMMARY STEPS

  1. enable
  2. configure terminal
  3. memory free low-watermark [processor threshold

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

enable

Example:


Router> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

Step 2

configure terminal

Example:


Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

Step 3

memory free low-watermark [processor threshold

Example:


Router(config)# memory free low-watermark processor 20000 

空きプロセッサ メモリのしきい値を KB 単位で指定します。メモリしきい値に使用できる値を表示するには、次のコマンドを入力します。

  • memory free low-watermark processor ?

重要な通知のためのメモリの予約

ルータがプロセスによって過負荷になると、使用可能なメモリの量が重要な通知を行うのに十分でないレベルまで落ち込む場合があります。ルータが重要な通知を行う際に使用するメモリ領域を予約するには、次の手順を実行します。

SUMMARY STEPS

  1. enable
  2. configure terminal
  3. memory reserve critical kilobytes

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

enable

Example:


Router> enable

特権 EXEC モードを有効にします。

  • パスワードを入力します(要求された場合)。

Step 2

configure terminal

Example:


Router# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

Step 3

memory reserve critical kilobytes

Example:


Router(config)# memory reserve critical 1000 

ルータが重要な通知を行えるよう、キロバイトで指定したメモリの量を予約します。

  • 重要な通知のために予約できるメモリの量は、使用可能なメモリ合計の 25% 以上にはできません。

メモリしきい値通知の設定例

空きメモリ不足しきい値の設定:例

空きプロセッサメモリのしきい値

次の例では、空きプロセッサ メモリ 20000 KB を、ルータが通知を行うしきい値に指定します。


Router(config)# memory free low-watermark processor 20000

使用可能な空きメモリが指定したしきい値を下回ると、ルータが次のような通知メッセージを送信します。


000029: *Aug 12 22:31:19.559: %SYS-4-FREEMEMLOW: Free Memory has dropped below 20000k
Pool: Processor  Free: 66814056  freemem_lwm: 204800000

使用可能な空きメモリがしきい値を 5 % 上回ると、ルータが次のような通知メッセージを送信します。


000032: *Aug 12 22:33:29.411: %SYS-5-FREEMEMRECOVER: Free Memory has recovered 20000k
Pool: Processor  Free: 66813960  freemem_lwm: 0

重要な通知のためのメモリの予約:例

次の例では、重要な通知用にメモリを 1000 KB 予約します。


Router# memory reserved critical 1000

Note


重要な通知のために予約できるメモリの量は、使用可能なメモリ合計の 25% 以上にはできません。


その他の参考資料

CPU しきい値処理通知機能の詳細情報については、次の関連資料を参照してください。

関連資料

関連項目

マニュアル タイトル

SNMP トラップ

『Configuration Fundamentals Command Reference』

標準

標準

タイトル

この機能では、新しい規格または変更された規格はサポートされていません。また、既存の規格に対するサポートに変更はありません。

--

MIB

MIB

MIB のリンク

CISCO-PROCESS-MIB

選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、およびフィーチャ セットに関する MIB を探してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。

http://www.cisco.com/go/mibs

RFC

RFC

タイトル

この機能では、新しい RFC または変更された RFC はサポートされていません。また、既存の RFC に対するサポートに変更はありません。

--

シスコのテクニカル サポート

説明

リンク

右の URL にアクセスして、シスコのテクニカル サポートを最大限に活用してください。これらのリソースは、ソフトウェアをインストールして設定したり、シスコの製品やテクノロジーに関する技術的問題を解決したりするために使用してください。この Web サイト上のツールにアクセスする際は、Cisco.com のログイン ID およびパスワードが必要です。

http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html

メモリしきい値通知の機能情報

次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。

プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/go/cfn に移動します。Cisco.com のアカウントは必要ありません。
Table 1. メモリしきい値通知の機能情報

機能名

リリース

機能情報

メモリしきい値通知

Cisco IOS XE リリース 2.1

この機能は、Cisco ASR 1000 シリーズのアグリゲーション サービス ルータで導入されました。