バックアップ インターフェイスの設定
プライマリ インターフェイスがダウンしていることをルータが検出した場合、バックアップ インターフェイスはイネーブルになっています。指定された期間中にプライマリ接続が復旧した場合、バックアップ インターフェイスがディセーブルになります。
バックアップ インターフェイスがスタンバイ モードから起動した場合も、ルータはそのバックアップ インターフェイスに関する指定されたトラフィックを受信しない限り、バックアップ インターフェイスをイネーブルにしません。
表 5-1 では、ポートの指定とともに Cisco 880 および Cisco 890 シリーズ ISR のバックアップ インターフェイスを示します。これらのインターフェイスの基本設定は、「ルータの基本設定」の「WAN インターフェイスの設定」に示します。
表 5-1 モデル番号およびデータ ライン バックアップ機能
|
|
|
|
881G、886G、887G、887VG、888G |
-- |
Yes |
-- |
886、886VA、887、887V、888、888E |
Yes |
-- |
-- |
891 |
-- |
-- |
Yes |
892、892F |
Yes |
-- |
-- |
ルータでバックアップ インターフェイスを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードから、次の作業を行います。
手順の概要
1. interface type number
2. backup interface interface-type interface-number
3. exit
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
interface type number 例:
Router(config)# interface atm 0
|
バックアップ用に設定するインターフェイスのインターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 このインターフェイスは、シリアル、ISDN、または非同期の可能性があります。 この例では、ATM WAN 接続のバックアップ インターフェイスを設定しています。 |
ステップ 2 |
backup interface interface-type interface-number 例:
Router(config-if)# backup interface bri 0
|
インターフェイスをセカンダリ、つまりバックアップ インターフェイスとして割り当てます。 ここで指定できるインターフェイスは、シリアル インターフェイスまたは非同期インターフェイスです。たとえば、シリアル 0 インターフェイスのバックアップとしてシリアル 1 インターフェイスを設定できます。 この例では、ATM 0 インターフェイスのバックアップ インターフェイスとして BRI インターフェイスを設定しています。 |
ステップ 3 |
exit 例:
|
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。 |
セルラー ダイヤルオンデマンド ルーティング バックアップの設定
必要な場合にプライマリ接続をモニタし、セルラー インターフェイスでバックアップ接続を開始する場合、ルータは次のいずれかの方法を使用できます。
• バックアップ インターフェイス:スタンバイの状態のまま待機し、プライマリ インターフェイス回線プロトコルがダウンと認識されると、アップ状態になります。「バックアップ インターフェイスの設定」を参照してください。
• ダイヤラ ウォッチ:ダイヤル バックアップとルーティング機能を統合するバックアップ機能です。「ダイヤラ ウォッチを使用した DDR バックアップの設定」を参照してください。
• フローティング スタティック ルート:バックアップ インターフェイスを介する経路に、プライマリ接続のアドミニストレーティブ ディスタンスよりも大きいアドミニストレーティブ ディスタンスがあり、プライマリ インターフェイスがダウンするまで、ルーティング テーブルには存在しません。プライマリ インターフェイスがダウンすると、フローティング スタティック ルートが使用されます。「フローティング スタティック ルートを使用した DDR バックアップの設定」を参照してください。
(注) セルラー インターフェイスおよびその他の非同期シリアル インターフェイスのバックアップ インターフェイスは設定できません。
ダイヤラ ウォッチを使用した DDR バックアップの設定
ダイヤラ ウォッチを開始するには、インターフェイスを設定して Dial-on-demand Routing(DDR; ダイヤルオンデマンド ルーティング)およびバックアップを実行する必要があります。ダイヤラ マップなどの、DDR 機能の従来の DDR コンフィギュレーション コマンドを使用します。バックアップ インターフェイスでダイヤラ ウォッチをイネーブルにし、ダイヤラ リストを作成するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
手順の概要
1. configure terminal
2. interface type number
3. dialer watch group group-number
4. dialer watch-list group-number ip ip-address address-mask
5. dialer-list dialer-group protocol protocol-name {permit | deny | list access-list-number | access-group}
6. ip access-list access-list-number permit ip source address
7. interface cellular 0
8. dialer string string
または
dialer group dialer group number
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface type number
Router (config)# interface ATM0 |
インターフェイスを指定します。 |
ステップ 3 |
dialer watch-group group-number
Router(config-if)# dialer watch-group 2 |
バックアップ インターフェイスでダイヤラ ウォッチをイネーブルにします。 |
ステップ 4 |
dialer watch-list group-number ip ip-address address-mask
Router(config-if)# dialer watch-list 2 ip 10.4.0.254 255.255.0.0 |
監視されるすべての IP アドレスのリストを定義します。 |
ステップ 5 |
dialer-list dialer-group protocol protocol-name {permit | deny | list access-list-number | access-group}
Router(config)# dialer-list 2 protocol ip permit |
関係するトラフィックのダイヤラ リストを作成し、プロトコル全体に対してアクセスを許可します。 |
ステップ 6 |
ip access-list access-list-number permit ip source address
Router(config)# access list 2 permit 10.4.0.0 |
関係するトラフィックを定義します。 IP ネットワークへのトラフィック送信を回避するには、access list permit all コマンドは使用しないでください。これによって、コールが強制的に終了される場合があります。 |
ステップ 7 |
Router (config)# interface cellular 0 |
セルラー インターフェイスを指定します。 |
ステップ 8 |
dialer string string または dialer group dialer group number
Router (config-if)# dialer string cdma *** cdma *** または Router (config-if)# dialer group 2 *** gsm *** |
CDMA だけ。ダイヤラ スクリプトを指定します(chat script コマンドを使用して定義されます)。 GSM だけ。ダイヤラ リストをダイヤラ インターフェイスにマッピングします。 |
フローティング スタティック ルートを使用した DDR バックアップの設定
フローティング スタティック デフォルト ルートをセカンダリ インターフェイスで設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードから、次のコマンドを使用します。
(注) ルータで ip classless がイネーブルにされていることを確認してください。
手順の概要
1. configure terminal
2. ip route network-number network-mask { ip address | interface } [ administrative distance ] [name name]
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
configure terminal
Router# configure terminal |
端末からグローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip route network-number network-mask { ip address | interface } [ administrative distance ] [name name]
Router (config)# ip route 0.0.0.0 Dialer 2 track 234 |
指定されたインターフェイスを介して、設定されているアドミニストレーティブ ディスタンスを使用して、フローティング スタティック ルートを確立します。 プライマリ インターフェイスがダウンしたときだけバックアップ インターフェイスを使用するするよう、バックアップ インターフェイスを通したルートのアドミニストレーティブ ディスタンスをより高く設定する必要があります。 |
NAT および IPsec 設定でのバックアップとしてのセル ワイヤレス モデム
次に、GSM ネットワークまたは CDMA ネットワークで NAT および IPsec を設定したバックアップとして 3G ワイヤレス モデムを設定する方法の例を示します。
(注) 送受信速度は設定できません。実際のスループットは、セルラー ネットワーク サービスによって異なります。
Current configuration : 3433 bytes
service timestamps debug datetime msec
service timestamps log datetime msec
no service password-encryption
crypto isakmp key gsm address 128.107.241.234 *** or cdma ***
crypto ipsec transform-set gsm ah-sha-hmac esp-3des *** or cdma ***
crypto map gsm1 10 ipsec-isakmp *** or cdma1 ***
set transform-set gsm *** or cdma ***
no ip dhcp use vrf connected
ip dhcp excluded-address 10.4.0.254
ip dhcp pool gsmpool *** or cdmapool ***
network 10.4.0.0 255.255.0.0
dns-server 66.209.10.201 66.102.163.231
default-router 10.4.0.254
multilink bundle-name authenticated
chat-script gsm "" "atdt*98*1#" TIMEOUT 30 "CONNECT" *** or cdma ***
line-mode 4-wire standard
interface ATM0.1 point-to-point
backup interface Cellular0
pppoe-client dial-pool-number 2
dialer string gsm *** or cdma ***
ppp chap hostname chunahayev@wwan.ccs
ppp chap password 0 B7uhestacr
crypto map gsm1 *** or cdma1 ***
description used as default gateway address for DHCP clients
ip address 10.4.0.254 255.255.0.0
ppp authentication chap callin
ppp chap hostname cisco@dsl.com
ppp chap password 0 cisco
crypto map gsm1 *** or cdma1 ***
ip local policy route-map track-primary-if
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 Dialer2 track 234
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 Cellular0 254
ip nat inside source route-map nat2cell interface Cellular0 overload
ip nat inside source route-map nat2dsl interface Dialer2 overload
icmp-echo 209.131.36.158 source-interface Dialer2
ip sla schedule 1 life forever start-time now
access-list 2 permit 10.4.0.0 0.0.255.255
access-list 101 permit ip 10.4.0.0 0.0.255.255 any
access-list 102 permit icmp any host 209.131.36.158
access-list 103 permit ip host 166.136.225.89 128.107.0.0 0.0.255.255
access-list 103 permit ip host 75.40.113.246 128.107.0.0 0.0.255.255
dialer-list 1 protocol ip list 1
dialer-list 2 protocol ip permit
route-map track-primary-if permit 10
route-map nat2dsl permit 10
route-map nat2cell permit 10
match interface Cellular0
script dialer gsm *** or cdma ***
scheduler max-task-time 5000
コンソール ポートまたは AUX ポートを使用したダイヤル バックアップおよびリモート管理の設定
Cisco 880 シリーズ ISR などの加入者宅内機器とインターネット サービス プロバイダー(ISP)が接続されている場合、IP アドレスは動的にルータに割り当てられます。また、中央管理機能を使用して、ルータのピアによって割り当てられることもあります。プライマリ回線に障害が発生した場合にフェールオーバー ルートを提供するため、ダイヤル バックアップ機能を追加できます。Cisco 880 シリーズ ISR では、AUX ポートを使用してダイヤル バックアップおよびリモート管理を行うことができます。
図 5-1 は、リモート管理アクセスおよびプライマリ WAN 回線にバックアップを提供する場合に使用するネットワーク コンフィギュレーションを示しています。
図 5-1 補助ポートによるダイヤル バックアップおよびリモート管理
|
Cisco 880 シリーズ ルータ |
|
メイン WAN リンク。インターネット サービス プロバイダーへのプライマリ接続です。 |
|
モデム |
|
ダイヤル バックアップ(プライマリ回線がダウンした場合に Cisco 880 ルータのフェールオーバー リンクとして機能) |
|
PC |
|
リモート管理。Cisco IOS コンフィギュレーションへの変更または更新を可能にするダイヤルイン アクセスとして機能します。 |
これらのルータでダイヤル バックアップおよびリモート管理を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードから、次の作業を行います。
手順の概要
1. ip name-server server-address
2. ip dhcp pool name
3. exit
4. chat-script script-name expect-send
5. interface type number
6. exit
7. interface type number
8. dialer watch-group group-number
9. exit
10. ip nat inside source {list access-list-number } {interface type number | pool name } [overload]
11. ip route prefix mask { ip-address | interface-type interface-number [ ip-address ]}
12. access-list access-list-number { deny | permit} source [ source-wildcard ]
13. dialer watch-list group-number { ip ip-address address-mask | delay route-check initial seconds }
14. line [ aux | console | tty | vty ] line-number [ ending-line-number ]
15. modem enable
16. exit
17. line [ aux | console | tty | vty ] line-number [ ending-line-number ]
18. flowcontrol { none | software [ lock ] [ in | out ] | hardware [ in | out ]}
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
ip name-server server-address 例:
Router(config)# ip name-server 192.168.28.12
|
ISP DNS IP アドレスを入力します。 ヒント 可能な場合は、複数のサーバ アドレスを追加できます。 |
ステップ 2 |
ip dhcp pool name 例:
Router(config)# ip dhcp pool 1
|
ルータ上に DHCP アドレス プールを作成します。続いて、DHCP プール コンフィギュレーション モードを開始します。 name 引数は、ストリングまたは整数にすることができます。 DHCP アドレス プールを設定します。DHCP プール コンフィギュレーション モードで使用できるサンプル コマンドについては、「例」を参照してください。 |
ステップ 3 |
exit 例:
|
config-dhcp モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。 |
ステップ 4 |
chat-script script-name expect-send 例:
Router(config)#
chat-script Dialout ABORT ERROR ABORT BUSY ““ “AT” OK “ATDT 5555102 T” TIMEOUT 45 CONNECT \c
|
ダイヤルオンデマンド ルーティング(DDR)で使用するチャット スクリプトを設定し、モデムのダイヤリングおよびリモート システムへのログインを行うコマンドを使用します。定義されたスクリプトを使用して PSTN に接続されたモデムで通話します。 |
ステップ 5 |
interface type number 例:
Router(config)#
interface Async 1
|
非同期インターフェイスのコンフィギュレーション モードを作成および開始します。 非同期インターフェイスを設定します。非同期インターフェイス コンフィギュレーション モードで使用できるサンプル コマンドについては、「例」を参照してください。 |
ステップ 6 |
exit 例:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 7 |
interface type number 例:
Router(config)#
interface Dialer 3
|
ダイヤラ インターフェイスのコンフィギュレーション モードを作成および開始します。 |
ステップ 8 |
dialer watch-group group-number 例:
Router(config-if)#
dialer watch-group 1
|
ウォッチ リストのグループ番号を指定します。 |
ステップ 9 |
exit 例:
|
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 10 |
ip nat inside source {list access-list-number } {interface type number | pool name } [overload] 例:
Router(config)#
ip nat inside source list 101 interface Dialer 3 overload
|
内部インターフェイス上のダイナミック アドレス変換をイネーブルにします。 |
ステップ 11 |
ip route prefix mask { ip-address | interface-type interface-number [ ip-address ]} 例:
Router(config)# ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 22.0.0.2
|
ダイヤラ インターフェイスにポイントする IP ルートをデフォルト ゲートウェイとして設定します。 |
ステップ 12 |
access-list access-list-number { deny | permit} source [ source-wildcard ] 例:
Router(config)# access-list 1 permit 192.168.0.0 0.0.255.255 any
|
変換が必要なアドレスを示す拡張アクセス リストを定義します。 |
ステップ 13 |
dialerwatch-list group-number { ip ip-address address-mask | delay route-check initial seconds } 例:
Router(config)# dialer watch-list 1 ip 22.0.0.2 255.255.255.255
|
ピアへのルートが存在するかどうかにより、プライマリ リンクのステータスを評価します。アドレス 22.0.0.2 は、ISP のピア IP アドレスです。 |
ステップ 14 |
line [ aux | console | tty | vty ] line-number [ ending-line-number ] 例:
Router(config)# line console 0
|
ライン インターフェイスのコンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 15 |
modem enable 例:
Router(config-line)# modem enable
|
ポートをコンソールから AUX ポート機能に変更します。 |
ステップ 16 |
exit 例:
Router(config-line)# exit
|
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 17 |
line [ aux | console | tty | vty ] line-number [ ending-line-number ] 例:
Router(config)# line aux 0
|
補助インターフェイスのコンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 18 |
flowcontrol { none | software [ lock ] [ in | out ] | hardware [ in | out ]} 例:
Router(config)# flowcontrol hardware
|
ハードウェア信号フロー制御をイネーブルにします。 |
例
次の設定例では、ATM インターフェイスの IP アドレスを、PPP および Internet Protocol Control Protocol(IPCP; インターネット プロトコル コントロール プロトコル)アドレス ネゴシエーションおよびコンソール ポートを介したダイヤル バックアップによって指定します。
ip name-server 192.168.28.12
ip dhcp excluded-address 192.168.1.1
network 192.168.1.0 255.255.255.0
default-router 192.168.1.1
! Need to use your own correct ISP phone number.
modemcap entry MY-USER_MODEM:MSC=&F1S0=1
chat-script Dialout ABORT ERROR ABORT BUSY ““ “AT” OK “ATDT 5555102\T”
ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
! Dial backup and remote management physical interface.
ppp authentication pap callin
pppoe-client dial-pool-number 1
ppp authentication pap callin
ppp pap sent-username account password 7 pass
! Dialer backup logical interface.
dialer string 5555102 modem-script Dialout
! Remote management PC IP address.
peer default ip address 192.168.2.2
! Need to use your own ISP account and password.
ppp pap sent-username account password 7 pass
! IP NAT over Dialer interface using route-map.
ip nat inside source route-map main interface Dialer1 overload
ip nat inside source route-map secondary interface Dialer3 overload
! When primary link is up again, distance 50 will override 80 if dial backup
! has not timed out. Use multiple routes because peer IP addresses are alternated
! among them when the CPE is connected.
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 64.161.31.254 50
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 66.125.91.254 50
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 64.174.91.254 50
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 63.203.35.136 80
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 63.203.35.137 80
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 63.203.35.138 80
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 63.203.35.139 80
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 63.203.35.140 80
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 63.203.35.141 80
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 Dialer1 150
! PC IP address behind CPE.
access-list 101 permit ip 192.168.0.0 0.0.255.255 any
access-list 103 permit ip 192.168.0.0 0.0.255.255 any
! Watch multiple IP addresses because peers are alternated
! among them when the CPE is connected.
dialer watch-list 1 ip 64.161.31.254 255.255.255.255
dialer watch-list 1 ip 64.174.91.254 255.255.255.255
dialer watch-list 1 ip 64.125.91.254 255.255.255.255
! Dial backup will kick in if primary link is not available
! 5 minutes after CPE starts up.
dialer watch-list 1 delay route-check initial 300
dialer-list 1 protocol ip permit
! Direct traffic to an interface only if the dialer is assigned an IP address.
route-map secondary permit 10
! Change console to aux function.
! To enable and communicate with the external modem properly.
modem autoconfigure discovery
scheduler max-task-time 5000
ISDN S/T ポート経由でのデータ回線バックアップおよびリモート管理の設定
Cisco 880 シリーズ ルータは、リモート管理に ISDN S/T ポートを使用できます。図 5-2 および 図 5-3 は、プライマリ WAN 回線のリモート管理アクセスおよびバックアップを実現する 2 種類の典型的なネットワーク コンフィギュレーションを示します。図 5-2 の場合、ダイヤル バックアップ リンクは加入者宅内機器(CPE)のスプリッタ、デジタル加入者線アクセス マルチプレクサ(DSLAM)、およびセントラル オフィス(CO)のスプリッタを経由して ISDN 交換機に接続されます。図 5-3 では、ダイヤル バックアップ リンクは、ルータから ISDN 交換機に直接接続されます。
図 5-2 CPE スプリッタ、DSLAM、および CO スプリッタを経由するデータ回線バックアップ
|
Cisco 880 シリーズ ルータ |
|
プライマリ DSL インターフェイス、FE インターフェイス(Cisco 881 ルータ) |
|
DSLAM |
|
ISDN インターフェイス(ISDN S/T ポート)経由のダイヤル バックアップおよびリモート管理。プライマリ回線がダウンした場合にフェールオーバー リンクとして機能します。 |
|
ATM アグリゲータ |
|
ISDN スイッチ |
|
ISDN |
|
プライマリ DSL リンクがダウンした場合に、ISDN インターフェイスから管理者にリモート管理機能を提供します。Cisco IOS コンフィギュレーションへの変更または更新を可能にするダイヤルイン アクセスとして機能します。 |
|
ISDN ピア ルータ |
|
Web サーバ |
|
管理者 |
|
-- |
図 5-3 ルータから ISDN スイッチへの直接接続データ回線バックアップ
|
PC |
|
プライマリ DSL インターフェイス |
|
Cisco 880 シリーズ ISR |
|
ISDN インターフェイス(ISDN S/T ポート)経由のダイヤル バックアップおよびリモート管理。プライマリ回線がダウンした場合にフェールオーバー リンクとして機能します。 |
|
DSLAM |
|
アグリゲータ |
|
ISDN スイッチ |
|
プライマリ DSL リンクがダウンした場合に、ISDN インターフェイスから管理者にリモート管理機能を提供します。Cisco IOS コンフィギュレーションへの変更または更新を可能にするダイヤルイン アクセスとして機能します。 |
|
Web サーバ |
|
管理者 |
ルータの ISDN S/T ポート経由でダイヤル バックアップおよびリモート管理を設定するには、次の手順を実行します。
• ISDN 設定の構成
• アグリゲータおよび ISDN ピア ルータの設定
ISDN 設定の構成
(注) バックアップ インターフェイスおよびフローティング スタティック ルート方式を使用してバックアップ ISDN 回線を起動するには、対象トラフィックが存在していなければなりません。ダイヤラ ウォッチを使用してバックアップ ISDN 回線を起動する場合は、対象トラフィックが存在しなくても構いません。
バックアップ インターフェイスとして使用するルータ ISDN インターフェイスを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードから始めて次の手順を実行します。
手順の概要
1. isdn switch-type switch-type
2. interface type number
3. encapsulation encapsulation-type
4. dialer pool-member number
5. isdn switch-type switch-type
6. exit
7. interface dialer dialer-rotary-group-number
8. ip address negotiated
9. encapsulation encapsulation-type
10. dialer pool number
11. dialer string dial-string# [ : isdn-subaddress ]
12. dialer-group group-number
13. exit
14. dialer-list dialer-group protocol protocol-name { permit | deny | list access-list-number | access-group }
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
isdn switch-type switch-type 例:
Router(config)# isdn switch-type basic-net3
|
ISDN スイッチ タイプを指定します。 この例では、豪州、欧州、および英国で使用するスイッチ タイプを指定しています。サポートされている他のスイッチ タイプの詳細については、『 Cisco IOS Dial Technologies Command Reference 』を参照してください。 |
ステップ 2 |
interface type number 例:
Router(config)# interface bri 0
|
ISDN BRI のコンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
encapsulation encapsulation-type 例:
Router(config-if)# encapsulation ppp
|
BRI0 インターフェイスのカプセル化タイプを設定します。 |
ステップ 4 |
dialer pool-member number 例:
Router(config-if)# dialer pool-member 1
|
ダイヤラ プールのメンバーシップを指定します。 |
ステップ 5 |
isdn switch-type switch-type 例:
Router(config-if)# isdn switch-type basic-net3
|
ISDN スイッチ タイプを指定します。 |
ステップ 6 |
exit 例:
|
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。 |
ステップ 7 |
interface dialer dialer-rotary-group-number 例:
Router(config)# interface dialer 0
|
ダイヤラ インターフェイス(番号 0 ~ 255)を作成し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 8 |
ip address negotiated 例:
Router(config-if)# ip address negotiated
|
インターフェイスの IP アドレスを PPP/IPCP(IP Control Protocol)アドレス ネゴシエーションで取得することを指定します。ピアから IP アドレスを取得します。 |
ステップ 9 |
encapsulation encapsulation-type 例:
Router(config-if)# encapsulation ppp
|
インターフェイスのカプセル化タイプを PPP に設定します。 |
ステップ 10 |
dialer pool number 例:
Router(config-if)# dialer pool 1
|
使用するダイヤラ プールを指定します。 この例では、BRI0 の dialer pool-member 値は 1 なので、dialer pool 1 という設定により dialer 0 インターフェイスが BRI0 インターフェイスに対応付けられます。 |
ステップ 11 |
dialer string dial-string# [ : isdn-subaddress ] 例:
Router(config-if)# dialer string 384040
|
ダイヤルする電話番号を指定します。 |
ステップ 12 |
dialer-group group-number 例:
Router(config-if)# dialer group 1
|
ダイヤラ グループ(1 ~ 10)にダイヤラ インターフェイスを割り当てます。 |
ステップ 13 |
exit 例:
|
ダイヤラ 0 のインターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに切り替えます。 |
ステップ 14 |
dialer-list dialer-group protocol protocol-name { permit | deny | list access-list-number | access-group } 例:
Router(config)# dialer-list 1 protocol ip permit
|
指定したインターフェイス ダイヤラ グループ経由で転送する対象パケット用のダイヤラ リストを作成します。 この例では、dialer-list 1 が dialer-group 1 に対応します。 このコマンドの詳しい説明およびその他の設定可能なパラメータについては、『 Cisco IOS Dial Technologies Command Reference 』を参照してください。 |
アグリゲータおよび ISDN ピア ルータの設定
ISDN ピア ルータは、ISDN インターフェイスを装備し、公衆 ISDN ネットワーク経由で Cisco ルータの ISDN インターフェイスに到達可能なルータです。ISDN ピア ルータは、ATM ネットワークがダウンした場合、Cisco ルータにインターネット アクセスできるようになります。
通常、アグリゲータはシスコ ルータの ATM PVC が終端するコンセントレータ ルータです。次の設定例では、アグリゲータは、PPPoE サーバとして設定されます。
! This portion of the example configures the aggregator.
ip address 40.1.1.1 255.255.255.0
ip address 30.1.1.1 255.255.255.0
interface Virtual-Template1
ip address 22.0.0.2 255.255.255.0
peer default ip address pool adsl
ip local pool adsl 22.0.0.1
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 22.0.0.1 50
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 30.1.1.2.80
! This portion of the example configures the ISDN peer.
isdn switch-type basic-net3
ip address 30.1.1.2 255.0.0.0
description “to 836-dialbackup”
isdn switch-type basic-net3
ip address 192.168.2.2 255.255.255.0
peer default ip address pool isdn
ip local pool isdn 192.168.2.1
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 192.168.2.1
ip route 40.0.0.0 255.0.0.0 30.1.1.1
dialer-list 1 protocol ip permit!
ギガビット イーサネット フェールオーバー メディアの設定
Cisco 892F ルータには、銅線接続をサポートするギガ ビット イーサネット(GE)ポートまたはファイバ接続をサポートする Small Form-factor Pluggable(SFP)ポートがあります。ネットワークがダウンした場合に、フェールオーバー冗長性を保つようメディアを設定できます。
プライマリおよびセカンダリ フェールオーバー メディアを GE-SFP ポートに割り当てるには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の手順を実行します。
手順の概要
1. hostname name
2. enable secret password
3. interface gigabitethernet slot/port
4. media-type { sfp | rj45 } auto-failove r
5. exit
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
hostname name
Router(config)# hostname Router |
ルータ名を指定します。 |
ステップ 2 |
enable secret password
Router(config)# enable secret cr1ny5ho |
ルータへの不正なアクセスを防止するには、暗号化パスワードを指定します。 |
ステップ 3 |
interface gigabitethernet slot/port
Router(config)# interface gigabitethernet 0/1 |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
media-type {sfp | rj45} auto-failover
Router(config-if)# media-type sfp auto-failover または Router(config-if)# media-type rj45 auto-failover |
SFP のあるポートを SFP から RJ-45 への自動フェールオーバーのプライマリ メディアとして設定します。 または RJ-45 のあるポートを RJ-45 から SFP への自動フェールオーバーのプライマリ メディアとして設定します。 |
ステップ 5 |
exit
Router(config-if)# exit Router(config)# |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
Auto-Detect
Auto-Detect 機能は、media-type が設定されていない場合にイネーブルにされます。この機能により、どのメディアが接続されているか自動的に検出され、リンクが稼動します。両方のメディアが接続されている場合、最初に稼動したメディアのリンクが稼動します。
(注) Auto-Detect 機能は、1000 Base SFP だけで動作します。この機能は、100 Base SFP を検出しません。
Auto-Detect 機能を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次の手順を実行します。
手順の概要
1. interface gigabitethernet slot/port
2. no media-type
3. exit
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
interface gigabitethernet slot/port
Router(config)# interface gigabitethernet 0/1 |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no media-type
Router(config-if)# no media-type GigabitEthernet0/1: Changing media to UNKNOWN. You may need to update the speed and duplex settings for this interface. |
Auto-Detect をイネーブルにします。1000Base SFP が接続されている場合、速度とデュプレックスは自動的に 1000 および全二重に設定されます。速度とデュプレックス オプションは使用できません。RJ45 接続は、速度 1000 および全二重の場合だけ動作します。SFP が接続されていない場合、RJ45 メディアにはすべての速度およびデュプレックスが使用できます。 (注) Auto-Detect 機能は、1000Base SFP だけで動作します。この機能は 100Base SFP を検出しません。 |
ステップ 3 |
exit
Router(config-if)# exit Router(config)# |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |