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機器を設置する前に、無線サイトの調査を推奨します。サイトの調査では、干渉、フレネル ゾーン、 または物流の問題などの問題を明らかにします。適切なサイト調査には、メッシュ リンクの一時的なセットアップや、アンテナの計算が正確かどうかを判別する測定などが含まれます。穴を開けたり、ケーブルを設置したり、機器を取り付けたりする前に、それが正しい場所かどうかを確認します。
(注) |
電源が準備できていないときは、Unrestricted Power Supply(UPS)を使用してメッシュ リンクに一時的に電源を入れることを推奨します。 |
WLAN システムを屋外に設置するのは、屋内にワイヤレスを配置する場合とは異なるスキル セットが必要です。天候による災害、雷、物理的セキュリティ、その地域の規制などを考慮に入れなければなりません。
メッシュ リンクの適合が成功するかどうかを判別する際には、そのメッシュ リンクに対し、どの無線データ レートでどのくらい遠くまでの伝送を期待しているのかを定義してください。ワイヤレス ルーティングの計算にはデータ レートが直接は含まれないため、同じメッシュ全体を通して同じデータ レートを使用することを推奨します。
リンクが成功するかどうかを判別する際には、そのリンクに対し、どの無線データ レートでどのくらい遠くまでの伝送を期待しているのかを定義する必要があります。非常に近い、1 キロメートル以内のリンクは、 クリアなライン オブ サイト(LOS)(障害物のないパス)があれば容易に到達できます。
メッシュ電波は 5 GHz 帯域で非常に高い周波数であるため電波波長が小さく、電力が同じであれば、低い周波数の電波ほど電波は遠くへ行きません。この高い周波数範囲によって、メッシュはライセンス不要の使用に対して理想的なものになっています。高ゲイン アンテナを使用して電波を特定の方向にしっかり電波を向かせない限り、電波が遠くまで届かないためです。
この高ゲイン アンテナ設定は、RAP を MAP に接続する場合にだけ推奨します。メッシュ リンクが 1 マイル(1.6 km)に限定されているため、メッシュの動作を最適化するのに、全方向性アンテナが使用されます。地球の屈曲は 9.6 km(6 マイル)ごとに変化するため、ライン オブ サイトの計算には影響しません。
フリー スペース パスのロスとライン オブ サイトの他に、天候によってもメッシュ リンクの質は低下する場合があります。雨、雪、霧、多湿条件はライン オブ サイトに若干の障害となったり影響を与えたりし、メッシュ リンクにはほとんど影響しないような小さなロスをもたらします(レイン フェードやフェード マージンと呼ばれることもあります)。安定したメッシュ リンクを確立したのであれば、天候が問題になることはありませんが、リンクが開始できないほど弱い場合は、悪天候でパフォーマンスが低下したりリンクのロスが引き起こされたりします。
理想的にはライン オブ サイトが必要ですが、何も見えないような吹雪ではライン オブ サイトが認められません。また、嵐で雨や雪が問題になるかもしれない一方、その逆の天気によって別の条件が引き起こされる可能性も多々あります。たとえば、アンテナはおそらくマスト パイプ上にあり、嵐がマスト パイプまたはアンテナ構造に吹き付けていて、その揺れによってリンクが行ったり来たりしたり、アンテナの上に氷や雪の大きな塊ができたりします。
フレネル ゾーンは、トランスミッタとレシーバの間の目に見えるライン オブ サイト周辺の虚楕円です。無線信号はフリー スペースを通って目的の場所に到達するため、フレネル エリアに障害物を検出して信号の質が低下することがあります。最高のパフォーマンスと範囲は、フレネル エリアに障害物がない場合に達成されます。フレネル ゾーン、フリー スペース ロス、アンテナ ゲイン、ケーブル ロス、データ レート、リンク距離、トランスミッタ電源、レシーバ感度、およびその他の変動要因は、メッシュ リンクがどのくらい遠くまで行くかを判別する役割を持ちます。図 1 に示すように、フレネル エリアの 60 ~70 パーセントに障害物がなければ、リンクを確立できます。
図 2 は、障害物のあるフレネル ゾーンを示しています。
パス沿いの特定の距離におけるフレネル ゾーンの半径(フィート)は、次の方程式で計算できます。
通常、最初のフレネル ゾーンの 60 % のクリアランスが推奨されるため、上の公式を 60 % のフレネル ゾーン クリアランスで表すと、次のようになります。
0.60 F1= 43.3 x (d/4 x f) の平方根
図 3 は、ワイヤレス信号のフレネル ゾーンにある障害物の除去を示しています。
可能な最小周波数 4.9 GHz におけるフレネル ゾーンの最大サイズの概算を求める場合、最小値は周波数ドメインによって異なります。記載している最小の数値は、米国の Public Safety のために割り当てられた使用可能帯域で、1 マイルの最大距離の場合、クリアランス要件のフレネル ゾーンは、9.78 フィート = 43.3 x 平方根 (1/(4*4.9)) です。このクリアランスは、ほとんどのソリューションで比較的簡単に達成できます。たいていの配置では、距離は 1 マイル(1.6 km)より短く、周波数は 4.9 GHz より大きいと想定され、フレネル ゾーンはより小さくなります。すべてのメッシュ配置では、フレネル ゾーンを設計の一部として考慮する必要がありますが、ほとんどの場合、フレネル クリアランス要件が問題になることはないと考えられます。
メッシュ バックホールは、そのメッシュ内のすべてのノードに同じ 802.11a チャネルを使用しますが、これによって WLAN バックホール環境に隠しノードができることがあります。
図 1 は、次の 3 つの MAP を示します。
MAP Y と MAP Z にとって、MAP X が RAP に戻るルートの場合、MAP X と MAP Z の両方が同時に MAP Y にトラフィックを送信する可能性があります。RF 環境のため、MAP Y は MAP X と MAP Z の両方からのトラフィックが見えますが、MAP X と MAP Z は互いが見えません。これは、キャリア検知多重アクセス(CSMA)メカニズムでは、MAP X と MAP Z が同じ時間ウィンドウ中に送信するのを止められないことを意味します。これらのフレームのどちらかが 1 つの MAP に向かうと、フレーム間のコリジョンによって破損し、再送信が必要になります。
すべての WLAN で何らかの時点で隠しノード コリジョンが生じる可能性がありますが、MAP の修正された特性によって、重負荷や大きなパケット ストリームなどのトラフィック条件では、隠しノードのコリジョンがメッシュ WLAN バックホールの永続的な機能になります。
メッシュ アクセス ポイントは同じバックホール チャネルを共有するため、隠しノードと露出ノードは、ワイヤレス メッシュ ネットワークに付きものの問題になっています。Cisco メッシュ ソリューションでは、ネットワークのパフォーマンス全体に影響するこれら 2 つの問題を、できるだけ多く探し出して軽減しています。たとえば、AP1500 には少なくとも 2 つの無線があります。1 つは 5 GHz チャネルのバックホール アクセス用で、もう 1 つは、2.4 GHz クライアント アクセス用です。さらに、Radio Resource Management(RRM)機能は、2.4-GHz 無線で動作しますが、これによって、Cell Breathing と自動チャネル変更が可能であり、メッシュ ネットワーク内のコリジョン ドメインを効果的に削減できます。
この他にも、これら 2 つの問題をさらに軽減するためのソリューションがあります。コリジョンを減らして高負荷条件での安定性を向上させるため、802.11 MAC では、コリジョン発生が認識されたときに指数関数バックオフ アルゴリズムが使用され、競合ノードが指数関数的にバックオフしてパケットを再送信します。理論上、ノードが再試行すればするほど、コリジョンの可能性は小さくなります。実際には、競合するステーションが 2 つだけあって、隠しステーションにはなっていなければ、コリジョンはおそらく、ほんの 3 回も再試行するだけで、無視できるものになるでしょう。もっと多くの競合ステーションがある場合には、コリジョンが増加すると考えられます。そのため、同じコリジョン ドメインに数多くの競合ステーションがある場合、再試行制限回数を多くし、最大コンテンション ウィンドウを大きくする必要があります。さらに、ネットワーク内に隠しノードがある場合には、コリジョンは指数関数的には減らないものと考えられます。この場合、隠しノードの問題を軽減するために、RTS/CTS 交換が使用できます。
MAP に対して優先される親を設定できます。この機能を使用すると、細かい制御が可能になり、メッシュ環境でリニア トポロジを適用できます。AWPP を省略し、優先される親への移行を強制できます。
(Cisco Controller) > config mesh parent preferred AP_name MAC
(注) |
優先される親を設定する場合、目的の親に対して実際のメッシュ ネイバーの MAC アドレスを指定してください。この MAC アドレスはベース無線の MAC アドレスで、最後の文字が f になります。たとえば、ベース無線の MAC アドレスが 00:24:13:0f:92:00 の場合、優先される親として 00:24:13:0f:92:0f を指定する必要があります。これが、メッシュ ネイバー関係に使用される実際の MAC アドレスです。 |
次に、MAP1SB アクセス ポイントの優先される親を設定する例を示します。00:24:13:0f:92:00 は、優先される親の MAC アドレスです。
(Cisco Controller) > config mesh parent preferred MAP1SB 00:24:13:0f:92:0f
コントローラの GUI を使用して優先される親を設定する手順は、次のとおりです。
[Wireless] > [Access Points] > [AP_NAME] > [Mesh] を選択します。
[Preferred Parent] テキスト ボックスに優先される親の MAC アドレスを入力します。
(注) |
[Preferred Parent] の値をクリアするには、[Preferred Parent] テキスト ボックスで何も入力しないでください。 |
[Apply] をクリックします。
(注) |
優先される親が入力されると、その他のメッシュ設定は、同時に設定できません。変更を適用してから 90 秒間待ってから、他のメッシュの変更を行えます。 |
(Cisco Controller) > config mesh parent preferred AP_name none
子 AP の優先親として設定された AP に関する情報を取得するには、次のコマンドを入力します。
(Cisco Controller) > show ap config general AP_name
次に、MAP1SB アクセス ポイントの設定情報を取得する例を示します。00:24:13:0f:92:00 は優先親の MAC アドレスです。
(Cisco Controller) > show ap config general MAP1 Cisco AP Identifier.............................. 9 Cisco AP Name.................................... MAP1 Country code..................................... US - United States Regulatory Domain allowed by Country............. 802.11bg:-A 802.11a:-A AP Country code.................................. US - United States AP Regulatory Domain............................. 802.11bg:-A 802.11a:-A Switch Port Number .............................. 1 MAC Address...................................... 12:12:12:12:12:12 IP Address Configuration......................... DHCP IP Address....................................... 209.165.200.225 IP NetMask....................................... 255.255.255.224 CAPWAP Path MTU.................................. 1485 Domain........................................... Name Server...................................... Telnet State..................................... Disabled Ssh State........................................ Disabled Cisco AP Location................................ default location Cisco AP Group Name.............................. default-group Primary Cisco Switch Name........................ 4404 Primary Cisco Switch IP Address.................. 209.165.200.230 Secondary Cisco Switch Name...................... Secondary Cisco Switch IP Address................ Not Configured Tertiary Cisco Switch Name....................... 4404 Tertiary Cisco Switch IP Address................. 3.3.3.3 Administrative State ............................ ADMIN_ENABLED Operation State ................................. REGISTERED Mirroring Mode .................................. Disabled AP Mode ......................................... Local Public Safety ................................... Global: Disabled, Local: Disabled AP subMode ...................................... WIPS Remote AP Debug ................................. Disabled S/W Version .................................... 5.1.0.0 Boot Version ................................... 12.4.10.0 Mini IOS Version ................................ 0.0.0.0 Stats Reporting Period .......................... 180 LED State........................................ Enabled PoE Pre-Standard Switch.......................... Enabled PoE Power Injector MAC Addr...................... Disabled Power Type/Mode.................................. PoE/Low Power (degraded mode) Number Of Slots.................................. 2 AP Model......................................... AIR-LAP1252AG-A-K9 IOS Version...................................... 12.4(10:0) Reset Button..................................... Enabled AP Serial Number................................. serial_number AP Certificate Type.............................. Manufacture Installed Management Frame Protection Validation........... Enabled (Global MFP Disabled) AP User Mode..................................... CUSTOMIZED AP username..................................... maria AP Dot1x User Mode............................... Not Configured AP Dot1x username............................... Not Configured Cisco AP system logging host..................... 255.255.255.255 AP Up Time....................................... 4 days, 06 h 17 m 22 s AP LWAPP Up Time................................. 4 days, 06 h 15 m 00 s Join Date and Time............................... Mon Mar 3 06:19:47 2008 Ethernet Port Duplex............................. Auto Ethernet Port Speed.............................. Auto AP Link Latency.................................. Enabled Current Delay................................... 0 ms Maximum Delay................................... 240 ms Minimum Delay................................... 0 ms Last updated (based on AP Up Time).............. 4 days, 06 h 17 m 20 s Rogue Detection.................................. Enabled AP TCP MSS Adjust................................ Disabled Mesh preferred parent............................ 00:24:13:0f:92:00
隠しノードの干渉以外に、同一チャネルの干渉もパフォーマンスに影響する可能性があります。同一チャネルの干渉は、同じチャネルの隣接する無線がローカル メッシュ ネットワークのパフォーマンスに干渉するときに発生します。この干渉は、CSMA によるコリジョンまたは過度の遅延という形で現れます。いずれの場合でも、メッシュ ネットワークのパフォーマンスが低下します。適切なチャネル管理をすれば、ワイヤレス メッシュ ネットワーク上の同一チャネルの干渉は最小化できます。
この項では、それぞれのドメインでの準拠条件を守るために、都心もしくは郊外の地域で、最大のワイヤレス LAN カバレッジについて考慮する必要のある項目についてまとめています。
RAP と MAP の比率は開始点です。一般的な計画用に、現在の比率は RAP ごとに 20 MAP になっています。
非音声ネットワークでのセル計画と距離について、次の値を推奨します。
AP 間の距離:各メッシュ アクセス ポイント間に 2000 フィート(609.6 m)以下の間隔をあけることを推奨します。バックホール上でメッシュ ネットワークを拡張する(クライアント アクセスなし)場合、セルの半径には 1000 フィート(304.8 m)を使用してください。
2.4 GHz の場合、ローカル アクセス セル サイズの半径は 600 フィート(182.88 m)です。1 つのセル サイズはおよそ 1.310 x 106 で、1 平方マイルは 25 セルに相当します。(図 3および図 4を参照)。
前の項で説明したように、セル半径 600 フィートおよび AP 間の距離 1200 フィートを推奨します。通常、AP 間の距離は AP からクライアントまでの距離の 2 倍にすることを推奨します。つまり、AP 間の距離を半分にすると、おおよそのセル半径になります。
AP1550 シリーズは、802.11n 機能を備えているため、比較的優れた範囲とキャパシティを備えています。ダウンストリームの ClientLink(ビーム形成)、アップストリームの MRC による高いレシーバ感度、複数のトランスミッタ ストリームといった利点に加え、チャネル結合などの 802.11n の利点もあります。1552 アクセス ポイントは、比較的大容量のセルを提供できます。
(注) |
リンク バジェットは国のドメインによって異なります。この項では、最も広く分散し、大きなドメインである -A と -E を考慮して説明します。 |
2.4 および 5 GHz 帯域の AP1572 シリーズと AP1552 シリーズのリンク バジェットの比較(-A ドメイン)
表 1を参照してください。
2412 ~ 2462 MHz |
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802.11b/g/n |
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20 MHz |
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3SS | |||
最大 144 Mbps1 |
3SS で最大 216 Mbps 2SS で 144 Mbps |
最大 216 Mbps |
|
28 dBm、複合2 |
30 dBm |
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54 Mbps で -75 dBm |
6 Mbps で -93 dBm 54 Mbps で -81 dBm 216 Mbps で -76 dBm |
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4 |
|||
MRC |
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0.5 dB |
5 GHz 帯域については、表 2 を参照してください。
Cisco 1572(-B ドメイン) |
|||
---|---|---|---|
5.280 ~ 5.320 GHz 5.500 ~ 5.560 GHz 5.680 ~ 5.700 GHz 5.745 ~ 5.825 GHz |
5.180 ~ 5.240 GHz 5.260 ~ 5.320 GHz 5.500 ~ 5.560 GHz 5.680 ~ 5.720 GHz 5.745 ~ 5.825 GHz |
||
802.11a/n/ac |
|||
20 MHz、40 MHz |
20 MHz、40 MHz、80 MHz |
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2 |
3 |
||
最大 300 Mbps |
最大 1.3 Gbps |
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30 dBm |
|||
6 Mbps で –92 dBm 54 Mbps で -72 dBm 300 Mbps で -68 dBm |
6 Mbps で –92 dBm 54 Mbps で –80 dBm 1300 Mbps で -60 dBm |
5 GHz では、40 MHz チャネルを形成する 20 MHz チャネル ボンディングが使用可能です。これにより、データ レートを 300 Mbps まで増加できます。
前の項で説明したように、パス損失指数(PLE)とリンク バジェットの時間帯は連動します。完全なクリア パスの場合、PLE は 2.0 です。AP 間の場合、AP からクライアントまでよりクリアランスが大きくなります。AP 間では、PLE を 2.3 とすることができます。これは両方の AP の高さが約 10 m と見なすことができるためで、ライン オブ サイトが適切であることを意味します(ただし、フレネル ゾーン クリアランスはありません)。
AP からクライアントまでの場合、クライアントは 1 m 高いだけなので、PLE は 2.5 以上必要です。そのため、フレネル ゾーン クリアランスが小さくなります。これは 2.4 GHz および 5 GHz の両帯域に該当します。
5 GHz をメッシュのバックホールとして使用するので、-A ドメインの 5 GHz の AP 間リンク バジェットについて考えてみましょう。範囲を予測するためにレガシー データ レートを 9 Mbps とします(表 3を参照)。
(注) |
これは、屋外 802.11n AP の最も低いデータ レートで、シスコの ClientLink(レガシー クライアントのビーム形成)の利点があります。ClientLink は、ダウンリンク方向に最大 4 dB のゲインを提供します。 |
9 dB のフェード マージンを前提としています。これは、「ワイヤレス メッシュの制約」の項で必要な SNR 値を計算するための前提条件と矛盾しています。
この項では、各帯域のシステム ゲイン値によって AP からどの程度クライアントを離すことができるかがわかるように、AP からクライアントまでのリンク バジェット分析について説明します。この分析では、アップストリームおよびダウンストリームのシステム ゲインに焦点を当てます。リンクのアップストリームとダウンストリームのバランスが取れていることが理想ですが、実際にはバランスが取れない場合があります。一般には、AP のアンテナ ゲインおよび Tx 電力はクライアントより高くなります。しかし、一部の規制ドメインでは異なる EIRP 制限が必要なため、これが逆になることがあります。そのため、AP からクライアントまでの距離を計算する場合、アップストリームとダウンストリームの低い方を使用します。これが決定要素になるためです。たとえば、ダウンストリームのゲインがアップストリームより高い場合、アップストリームのシステム ゲインによりクライアントだけが AP に接続できるため、セル サイズの決定にはアップストリームを使用する必要があります。
規制ドメインの Tx EIRP および Rx 感度の値によって、アップストリームとダウンストリームのどちらのシステム ゲインが低いかを判断します。セル サイズは、ダウンストリームではなくアップストリームに基づいて決定する必要があります。
使用可能なクライアントのほとんどが 2.4 GHz クライアントであるため、2.4 GHz AP に焦点を当てます。
2.4 GHz の AP からクライアントまでのリンク バジェットでは、クライアントの Tx 電力が 20 dB、アンテナ ゲインが 0 dBi とします(表 4を参照)。-A ドメインでは、2.4 および 5 GHz 帯域の EIRP 制限は 36 dBm です。
-A ドメインでは、2.4 GHz 帯域の AP からクライアントまでのリンク バジェットはアップストリームによって制限されます。つまり、アップストリームのシステム ゲインの方が低く、そのため決定要素はアップストリームになります。
各種 AP1552 モデルの 2.4 GHz の AP からクライアントまでのセル サイズは、次の 2 つの小さい方を使用して決定することができます。
使用可能なクライアントのほとんどが 2.4 GHz クライアントであるため、セル サイズに 2.4 GHz の値を考慮することを推奨します(表 5を参照)。
AP 間距離については、AP からクライアントまでの距離の 2 倍にすることができます(表 6を参照)。
これらの推奨値を使用すると、健全なセルを実現できる可能性が高くなります。
(注) |
5 GHz クライアントの場合、周波数が高くなるに従い減衰が高くなるため、セル半径が比較的小さくなります。2.4 GHz 帯域のリンク バジェットは、5 GHz よりほぼ 13 dB 優れています。 |
2.4 および 5 GHz 帯域の AP1520 シリーズと AP1552 シリーズのリンク バジェットの比較(-E ドメイン)
-E ドメインでは、EIRP 制限がかなり低くなります。EIRP 制限は 2.4 Ghz で 20 dBm、5 GHz で 30 dBm です。
5 GHz をメッシュのバックホールに使用するため、5 GHz の場合を考えてみましょう。範囲を予測するためにレガシー データ レートを 9 Mbps とします。
(注) |
AP 間 RF リンク バジェット、5.6 GHz:9 Mbps(-E ドメイン) |
内蔵アンテナを搭載した AP1552 モデル(1552C/I)のシステム ゲインは、AP 間距離が 1543 フィートの 5 GHz バックホールの AP1522 と同じです。
AP からクライアントまでのリンク バジェット分析(-E ドメイン)
この項では、2.4 GHz 帯域の AP からクライアントまでのリンク バジェット分析について説明します。この分析では、アップストリームおよびダウンストリームのシステム ゲインに焦点を当てます。リンクのアップストリームとダウンストリームのバランスが取れていることが理想ですが、実際にはバランスが取れない場合があります。そのため、セル半径の決定要素はアップストリームとダウンストリームの低い方になります。
2.4 GHz の AP からクライアントまでのリンク バジェットでは、クライアントの Tx 電力が 20 dB、アンテナ ゲインが 0 dBi とします。
-E ドメインでは、EIRP 制限は 2.4 GHz 帯域で 20 dBm、5 GHz 帯域で 30 dBm です。
-E ドメインでは、2.4 GHz 帯域の AP からクライアントまでのリンク バジェットはダウンストリームによって制限されます。そのため、ダウンストリームのシステム ゲインが低くなります。したがって、決定要素はダウンストリームになります。
各種 AP1552 モデルの 2.4 GHz の AP からクライアントまでのセル サイズは、次の 2 つの小さい方を使用して決定することができます。
使用可能なクライアントのほとんどが 2.4 GHz クライアントであるため、セル サイズに 2.4 GHz の値を考慮することを推奨します(表 9を参照)。
AP 間距離については、AP からクライアントまでの距離の 2 倍にすることができます(表 10を参照)。
(注) |
一覧表示された規制ドメインの送信電力および EIRP の制限内に収まるよう範囲カルキュレータが編集されています。この制限を超える場合があります。取り付けは、取り付ける地域の法律に従って行う必要があります。
効果的なパフォーマンスを実現するために、外部アンテナ モデルに対してすべてのアンテナ ポートを使用する必要があります。使用しない場合は、レンジが大幅に減少します。
範囲カルキュレータを使用する場合に、規制ドメイン、選択されたアンテナ(またはアンテナ ゲイン)、および選択されたデータ レートに基づいて、利用可能な電力レベルが変わります。パラメータの変更後にすべてのパラメータを確認する必要があります。
デフォルトで利用可能な 2 つとは異なるアンテナを選択できます。高ゲイン アンテナを入力し、EIRP 制限を超える電力を選択した場合は、警告が表示され、範囲が 0 になります。
図 1 に示した RAP は、開始点に過ぎません。ゴールは、RAP のロケーションを RF アンテナの設計と組み合わせて使用し、セルのコア内で MAP に適切な RF リンクを確立することです。これは、RAP の物理的なロケーションをセルの端にでき、指向性アンテナが、セルのセンターへのリンクの確立に使用されることを意味します。そのため、図 1 に示すように、RAP の有線ネットワークのロケーションが、複数のセルの RAP に対するホストの役割をする可能性があります。
基本のセルの構成が決まれば、そのセルを複製して、もっと広いエリアをカバーできるようにできます。セルを複製する際は、すべてのセルに同じバックホール チャネルを使用するか、セルごとにバックホール チャネルを変えるかを決める必要があります。図 2 の例では、セルごとにさまざまなバックホール チャネル(B2、C2、および D2)が選択され、セル間の共同チャネル干渉を減らしています。
さまざまなチャネルを選択すると、より早いメッシュ コンバージェンスが犠牲になり、セル境界の共同チャネル干渉が減ります。MAP は seek モードにフォール バックして隣接セルのネイバーを検出する必要があるためです。高トラフィック密度のエリアで、共同チャネル干渉は、RAP の周辺に最大の影響を与えます。RAP が 1 つのロケーションでクラスタ化されている場合、別のチャネル戦略によって最適なパフォーマンスが得られると考えられ、また、RAP がセル間で分散している場合には、同じチャネルを使用しても、パフォーマンスはほとんど低下しないと考えられます。
複数のセルをレイアウトする際には、標準の WLAN 計画に似たチャネル計画を使用し、チャネルのオーバーラップを回避してください(図 3を参照)。
メッシュが RAP 接続のロスをカバーするよう拡張されている場合には、できれば、チャネル計画でチャネル オーバーラップを最小にする必要もあります(図 4を参照)。
次の推奨値は、複数の AP1500 を同じタワーにコロケーションする際に必要なアンテナ セパレーションを決めるためのガイドラインとしてください。アンテナ、伝送パワー、およびチャネル間隔の推奨最小区切りについて記載しています。
適切な間隔をあけたりアンテナを選択するのは、アンテナの放射パターンやフリー スペース パス損失、隣接または代替隣接のチャネル レシーバ拒否によって十分な切り分けをするのが目的で、コロケーションされた複数のユニットが独立して動作するためです。CCA ホールドオフによるスループット低下や、受信ノイズ フロアの増加によるレシーブ感度の低下をごくわずかに抑えることが重要です。
アンテナのプロキシミティ要件に従う必要がありますが、この要件は隣接および代替隣接のチャネル使用によって異なります。
コロケーションされた 2 つの AP1500 が、チャネル 149(5745 MHz)とチャネル 152(5765 MHz)のような隣接チャネルで動作している場合、2 つの AP1500 の間の最小垂直距離は 40 フィート(12.192 m)です(この要件は 8 dBi の全方向性アンテナまたは 17 dBi の高ゲイン指向性パッチ アンテナを搭載したメッシュ アクセス ポイントに適用されます)。
コロケーションされた 2 つの AP1500 が、5.5 dBi 全方向性アンテナ付きのチャネル 1、6、または 11(2412 ~ 2437 MHz)で動作している場合、最小垂直距離は 8 フィート(2.438 m)です。
コロケーションされた 2 つの AP1500 が、チャネル 149(5745 MHz)とチャネル 157(5785 MHz)のような代替隣接チャネルで動作している場合、2 つの AP1500 の間の最小垂直距離は 10 フィート(3.048 m)です(この要件は 8 dBi の全方向性アンテナまたは 17 dBi の高ゲイン指向性パッチ アンテナを搭載したメッシュ アクセス ポイントに適用されます)。
コロケーションされた 2 つの AP1500 が、5.5 dBi 全方向性アンテナ付きの代替隣接チャネル 1 と 11(2412 MHz と 2462 MHz)で動作している場合、最小垂直距離は 2 フィート(0.609 m)です。
要約すると、5 GHz アンテナの切り離しによって、メッシュ アクセス ポイントのスペーシング要件が決まります。また、アンテナのプロキシミティを遵守する必要がありますが、これは隣接および代替隣接のチャネル使用によって異なります。
次の屋内メッシュ ネットワークの考慮事項に注意してください。
Quality of Service(QoS)は、ローカルの 2.4 GHz クライアント アクセス無線、および 5 GHz でサポートされます。
シスコは、アクセス ポイントとクライアントの間のコール アドミッション制御(CAC)を提供する CCXv4 クライアントの静的 CAC もサポートします。
音声ネットワーク上のクライアント アクセスの RF 考慮事項:
無線リソース管理(RRM)を使用して、802.11b/g/n 無線に、推奨される RSSI、PER、SNR、CU、セル カバレッジ、およびカバレッジ ホールの設定を実装できます(RRM は 802.11a/n 無線では使用できません)。
(注) |
指向性アンテナを使用していて、AP 間の距離が 250 フィート(76.2 m)を超えている場合でも、シームレスなローミングのために AP 間の距離を 250 フィート以下にすることを推奨します。 |
表 1 は、2.4 GHz 帯域と 5 GHz 帯域の比較です。
2.4 GHz 帯域の伝搬特性は、5 GHz より優れていますが、2.4 GHz はライセンス不要の帯域で、今日まで歴史的に、5 GHz より多くのノイズや干渉に影響されてきました。さらに、2.4 GHz にはバックホール チャネルが 3 つしかないため、共同チャネル干渉の原因となります。そのため、同程度のキャパシティを得る最良の方法は、システム ゲイン(つまり、伝送パワー、アンテナ ゲイン、レシーブ感度、およびパス ロス)を削減して、もっと小さいセルを作成することです。セルを小さくすると、1 平方マイルあたりのアクセス ポイント数を増やす(アクセス ポイント密度を増やす)必要があります。
2.4 GHz の方が波長が大きく、障害物に対する通過能力が大きいと言えます。また、2.4 GHz のデータ レートの方が小さく、他方の終端に信号が届く成功率が高くなります。
1550/1570 シリーズ アクセス ポイントは、CleanAir のチップセットを含み、CleanAir の完全サポートを可能にします。
メッシュの CleanAir は 2.4 GHz 無線に実装でき、無線周波数(RF)を検出、位置を特定、分類、緩和すると同時にクライアントに完全な 802.11n/ac データ レートを提供します。これにより、キャリア クラス管理およびカスタマー エクスペリエンスを実現し、展開されたロケーションのスペクトルを制御できます。屋外プラットフォームの CleanAir 対応 RRM テクノロジーは、2.4 GHz 無線の Wi-Fi および非 Wi-Fi 干渉を検出し、定量化して、緩和します。ブリッジ モードで動作するアクセス ポイントは、2.4 GHz のクライアント アクセス モードの CleanAir をサポートします。
ブリッジ(メッシュ)モード AP:CleanAir 対応のアクセス ポイントでは、2.4 GHz 帯域の完全な CleanAir 機能と 5 GHz 無線での CleanAir Advisor を提供します。これは、ブリッジ モードで動作するすべてのアクセス ポイントに適用されます。
Wi-Fi 無線との緊密なシリコン統合により、CleanAir ハードウェアは、接続されているクライアントのスループットを損なわずに、現在サービスが提供されているチャネルでトラフィック間のリッスンを行うことができます。つまり、クライアント トラフィックを中断しないライン レートの検出です。
ブリッジ モードのアクセス ポイントは、WiFi 干渉源からの干渉を緩和できる 2.4 GHz 帯域の無線リソース管理(RRM)をサポートします。RRM は、ブリッジ モード RAP に子 MAP がない場合は、5 GHz 帯域でのみ使用できます。
CleanAir メッシュ AP は、各帯域の 1 つのチャネルだけを連続してスキャンします。通常の構成密度では、同じチャネルに多数のアクセス ポイントが存在する必要があります。また、RRM がチャネル選択を処理すると仮定すると、各チャネルには少なくとも 1 つのアクセス ポイントが必要です。2.4 GHz では、アクセス ポイントには少なくとも 3 つの分類ポイントを確保するための十分な密度があります。狭帯域変調(単一周波数上またはその周囲で動作)を使用する干渉源は、その周波数空間を共有するアクセス ポイントだけに検出されます。干渉が周波数ホッピング タイプ(複数の周波数を使用、一般に全帯域を含む)の場合、帯域内での動作をヒアリングできるすべてのアクセス ポイントで検出されます。
モニタ モード AP(MMAP):CleanAir モニタ モード AP は専用で、クライアント トラフィックを処理しません。モニタ モードでは、すべての帯域チャネルが定期的にスキャンされます。モニタ モードは、ブリッジ(メッシュ)モードのアクセス ポイントでは使用できません。これは、メッシュ環境ではアクセス ポイントはバックホールで相互に通信も行うためです。メッシュ AP(MAP)がモニタ モードの場合は、メッシュ動作は行いません。
ローカル モード AP:屋外アクセス ポイントがローカル モードで動作している場合、2.4 GHz と 5 GHz チャネルの両方で完全な CleanAir および RRM を実行することができます。主にプライマリ チャネルをスキャンしますが、定期的にオフチャネルになって残りのスペクトラムをスキャンします。拡張ローカル モード(ELM)wIPS の検出は、1532、1550、または 1570 では使用できません。
Spectrum Expert Connect モード(任意)(SE Connect):SE Connect AP は、CleanAir AP をローカル アプリケーションのリモート スペクトル センサーとして使用するためにローカル ホストで実行されている Cisco Spectrum Expert アプリケーションの接続を可能にする専用スペクトル センサーとして設定されます。このモードでは、FFT プロット、詳細な測定値などの未加工スペクトル データを表示できます。このモードは、リモート トラブルシューティング専用です。
PMAC とマージ現象はローカル モードの第 2 世代アクセス ポイントの現象と似ています。PMAC はデバイス分類の一部として計算され、Interference Device Record(IDR)に含まれます。各 AP は個別に PMAC を生成します。各レポートで PMAC は異なりますが(少なくともデバイスの測定された RSSI は各 AP で異なる可能性があります)、よく似ています。PMAC を比較および評価する機能をマージと呼びます。PMAC はカスタマー インターフェイスには表示されません。マージの結果だけがクラスタ ID の形式で使用できます。
同じデバイスが複数の AP によって検出されることがあります。すべての PMAC および IDR がコントローラ上で分析され、デバイス クラスタと呼ばれるレポートが生成され、デバイスを検出する AP およびデバイスを最も強いとしてヒアリングする AP を示すデバイス クラスタが表示されます。
このマージ空間プロキシミティでは、RF プロキシミティ(RF ネイバー関係)が同時に動作します。同様の IDR が 6 つあり、5 つが近隣の AP、残りの 1 つが離れた AP からの場合、同じ干渉源である可能性はありません。そのため、これらをすべて考慮してクラスタが形成されます。MSE とコントローラは、まず RF ネイバー リストを使用してマージの空間プロキシミティを確立します。
PMAC コンバージェンスおよびマージは次の要素に依存します。
したがって、メッシュ内の 2.4 GHz の RRM もマージを決定する際に重要な役割を担います。マージを行う可能性がある場合は、AP は RF ネイバーにする必要があります。RF ネイバー リストを参照し、マージに IDR の空間関係を考慮します。
メッシュにはモニタ モードがないため、コントローラのマージがコントローラで行われます。MSE がある場合は、コントローラのマージ結果はすべての裏付け IDR と共に MSE に転送されます。
複数の WLC(屋外での展開の場合など)では、マージは MSE で行われます。MSE は高度なマージを行い、干渉源のロケーションおよび履歴情報を抽出します。コントローラのマージ干渉源ではロケーションは行われません。ロケーションは MSE で行われます。
PMAC シグニチャ マージ後、デバイスをヒアリングできる AP およびクラスタの中央にする AP を特定できます。上記の図に示されている値は選択した帯域に関連しています。AP のラベル R は AP が RAP であることを示し、AP 間の線はメッシュ関係を示します。
CleanAir には、主な軽減機能が 2 つあります。両機能とも CleanAir によってのみ収集可能な情報を直接利用します。この 2 つの機能は、Event Driven Radio Resource Management(EDRRM)と Persistence Device Avoidance(PDA)です。メッシュ ネットワークでは、これらの機能は 2.4 GHz 帯域の非メッシュ ネットワークの場合とまったく同様に動作します。
(注) |
EDRRM と PDA はグリーンフィールド導入でだけ使用でき、デフォルトでオフに設定されています。 |
CleanAir は、Wi-Fi ネットワークの通常の動作に影響を与えないパッシブなテクノロジーです。CleanAir 導入とメッシュ導入には本質的な違いはありません。
非 Wi-Fi デバイスの特定には考慮すべき多くの変動要因があります。精度は、電力、デューティ サイクル、およびデバイスをヒアリングするチャネルの数によって向上します。高い電力、高いデューティ サイクル、および複数のチャネルに影響を与えるデバイスはネットワークへの干渉に対して重大であると見なされるため、これは便利です。
(注) |
非 Wi-Fi デバイスのロケーションの精度は保証されません。 |
コンシューマ エレクトロニクスの世界には多くの変動要因があり、意図しない電気干渉もあります。現在のクライアントまたはタグのロケーション精度モデルから導出した精度の予測は、非 Wi-Fi ロケーションや CleanAir 機能には適用されません。
ほとんどの導入では、2.4 GHz 帯域内の同じチャネルに少なくとも 3 つの AP が隣接しているカバレッジ エリアを持つことは困難です。最小限の密度があるロケーションでは、ロケーション分解能がサポートされない可能性がありますが、アクティブなユーザ チャネルは保護されます。
導入に関する考慮事項は、必要なキャパシティに対するネットワークの計画、および CleanAir 機能をサポートするための適切なコンポーネントおよびネットワーク パスの配置によって異なります。RF プロキシミティ、および RF ネイバー関係の重要性は十分に理解する必要があります。また、PMAC とマージ プロセスに留意することも重要です。ネットワークの RF 設計が適切でなければ、ネイバー関係に影響し、その結果 CleanAir のパフォーマンスに影響します。
CleanAir の AP 密度に関する推奨事項は、通常のメッシュ AP の配置の場合と同じです。
屋外におけるロケーション分解能は最も近い AP に対してです。デバイスは物理的にそのデバイスに最も近い AP の近くに位置しています。最も近い AP Resolution を仮定することを推奨します。
1552 AP と 1572 AP(CleanAir)で構成されるインストールで少数の 1530 AP(非 CleanAir)を配置することもできます。この配置では、各アクセス ポイントが互いに完全に相互運用可能なためクライアントとカバレッジの観点から作業できます。CleanAir の完全な機能性は、CleanAir がイネーブルになっているすべてのアクセス ポイントによって決まります。検出は影響を受けることがあり、緩和は推奨されません。
CleanAir AP のアクティブにサービスを提供しているクライアントは、サービスを提供している割り当てられたチャネルのみモニタできます。近くに複数のアクセス ポイントを提供しているクライアントがあるエリアでは、CleanAir のアクセス ポイントによってサービスが提供されているチャネルは CleanAir 機能を促進できます。従来の非 CleanAir アクセス ポイントは RRM に依存して干渉の問題を緩和しますが、CleanAir アクセス ポイントがシステム レベルに対して行うようなタイプと重大度はレポートしません。
混合システムの詳細については、http://www.cisco.com/en/US/products/ps10315/products_tech_note09186a0080b4bdc1.shtmlを参照してください。
バックホール無線で CleanAir が有効な場合、CleanAir Advisor が始動します。CleanAir Advisor では、電波品質の指標(AQI)および干渉検出(IDR)というレポートが生成されますが、これらのレポートはコントローラにのみ表示されます。イベント駆動型 RRM(ED-RRM)で実行されるアクションはありません。CleanAir Advisor は、ブリッジ モードの 1552 アクセス ポイントの 5 GHz バックホール無線のみに存在します。他のすべての AP モードでは、1552 アクセス ポイントの 5 GHz バックホール無線は CleanAir モードで動作します。
システムの CleanAir 機能をイネーブルにするには、まず、[Wireless] > [802.11a/b] > [CleanAir] を選択してコントローラで CleanAir をイネーブルにする必要があります。CleanAir はデフォルトでディセーブルですが、CleanAir は AP インターフェイスではデフォルトでイネーブルです。
デフォルトのレポート インターバルが 15 分であるため、CleanAir をイネーブルにした後、電波品質情報がシステムに伝搬されるまで 15 分かかります。ただし、[Monitor] > [Access Points] > [802.11a/n] または [802.11b/n] を選択することで、無線の CleanAir 詳細レベルで結果を即座に確認できます。
CleanAir システムには CleanAir AP およびリリース 7.0 以降のリリースを実行しているコントローラが必要です。Cisco Prime Infrastructure を追加すると、表示を強化し、システム内で追加の情報を相互に関連付けることができます。MSE を追加すると、使用可能な機能がさらに増え、特定の干渉デバイスの履歴と場所が表示されます。CleanAir AP がライセンスであるため、CleanAir 機能の使用には追加ライセンスは必要ありません。Prime Infrastructure の追加は基本ライセンスで行うことができます。システムに MSE を追加するには、Prime Infrastructure Plus ライセンス、および MSE の Context-Aware ライセンスを選択する必要があります。
MSE での干渉ロケーションのために、各干渉デバイスは Context-Aware 内のロケーション ターゲットとしてカウントされます。100 の永久 Interferer ライセンスが MSE に組み込まれています。Interferer ライセンスは各 CleanAir AP の 5 つのライセンスのそれぞれのステージで、CleanAir AP が検出されるたびに開かれます。このプロセスは AP1552 に適用されます。干渉デバイスは、ライセンス数の観点からはクライアントやタグと同じです。追跡対象の干渉デバイスはクライアントやタグよりはるかに少なくする必要があるため、使用可能なシート数のごく一部のみ使用します。ユーザは、コントローラの設定メニューから検出および検索する干渉デバイスのタイプを制御できます。
Cisco Context-Aware ライセンスは、ターゲットの種類(クライアント、タグ、干渉)で管理および制限することができ、ユーザがライセンスの使用方法を完全に制御できます。
(注) |
各干渉デバイスは、コンテキスト認識型サービス(CAS)ライセンスが 1 つ必要です。 |
Bluetooth デバイスの数が多すぎる場合、それらのデバイスによって多数の CAS ライセンスが利用される可能性があるので、Bluetooth デバイスの追跡をオフにすることを推奨します。
モビリティ グループを使用すると、ピアに対する各コントローラがコントローラの境界を越えたシームレスなローミングを互いにサポートできます。AP は、CAPWAP Join プロセス後にモビリティ グループの他のメンバの IP アドレスを学習します。コントローラは、最大 24 台のコントローラを含めることができる単一のモビリティ グループのメンバにすることができます。モビリティは、72 台のコントローラ間でサポートされます。モビリティ リストには最大 72 のメンバ(WLC)、およびクライアントのハンドオフに参加している同じモビリティ グループ(またはドメイン)内の最大 24 のメンバを登録できます。クライアントの IP アドレスは、同じモビリティ ドメイン内で更新する必要はありません。この機能を使用する場合、IP アドレスの更新はコントローラベースのアーキテクチャでは無意味です。
モビリティ グループ内の他の CAPWAP コントローラから CAPWAP コントローラまでの距離と、RAP からの CAPWAP コントローラの距離については、企業内の CAPWAP WLAN の配置と同様に考慮する必要があります。
CAPWAP コントローラを集中させると、オペレーション的に利点がありますが、その利点は、CAPWAP AP へのリンクのスピードおよびキャパシティ、およびこれらのメッシュ アクセス ポイントを使用している WLAN クライアントのトラフィック プロファイルに対するトレード オフとなります。
WLAN クライアント トラフィックを、インターネットやデータセンターなどの特定のサイトに集中させたい場合は、これらのトラフィック フォーカル ポイントと同じサイトにコントローラを集中させると、トラフィックの効率を犠牲にしなくても操作上の利点を享受できます。
WLAN クライアント トラフィックが、よりピアツーピアの場合、分散されたコントローラ モデルの方が適している可能性があります。WLAN トラフィックの大多数は、そのエリアのクライアントで、他のロケーションに向かう比較的少量のトラフィックを伴う傾向があります。数多くのピアツーピア アプリケーションが遅延やパケット損失に影響されやすい場合、ピア間のトラフィックが最も効率のよいパスを通過するようにする必要があります。
大部分の配置に、クライアント サーバ トラフィックとピアツーピア トラフィックが混ざっている場合、CAPWAP コントローラのハイブリッド モデルが使用されていると考えられ、ネットワーク内の戦略的なロケーションに置かれたコントローラのクラスタと共に Points of Presence(PoP)が作成されます。
ワイヤレス メッシュ ネットワークで使用される CAPWAP モデルは、キャンパス ネットワーク向けに設計されています。つまり、CAPWAP メッシュ アクセス ポイントと CAPWAP コントローラ間のネットワークは高速で低遅延であると考えられています。
「セルの計画と距離」セクションでは、1 平方マイルのワイヤレス メッシュ セルが作成され、組み込まれました。このワイヤレス メッシュ セルは、携帯電話ネットワークの作成に使用されるセルに似た特性を持ちます。より大きなアベイラビリティやキャパシティに対して、同じ物理エリアをカバーするために、(定義された最大セル サイズより)小さいセルが作成される可能性があるからです。このプロセスは、セルに RAP を追加することで行われます。より大きなメッシュ配置と同様、同じチャネルで RAP を使用するか(図 1を参照)、または別のチャネルに置いた RAP を使用するか(図 2を参照)を決める必要があります。エリアへの RAP の追加により、そのエリアのキャパシティと回復力が増大します。
複数の RAP が配置される場合は、それらの RAP を配置する目的を考慮する必要があります。ハードウェア ダイバーシティを提供するために RAP を配置するのであれば、メッシュが 1 つの RAP から別の RAP へ転送する場合に、プライマリの RAP がコンバージェンス時間を最小にできるよう、同じチャネルに追加の RAP を配置する必要があります。RAP ハードウェア ダイバーシティを計画する場合は、RAP 制限ごとに 32 MAP を検討します。
キャパシティを第一に追加するために追加の RAP が配置される場合、バックホール チャネルの干渉を最小限にするために、追加の RAP が近隣の RAP と異なるチャネルに配置される必要があります。
チャネル計画や RAP セル スプリットを介して、異なるチャネルに 2 番めの RAP を追加しても、コリジョン ドメインが減ります。チャネル計画では、コリジョンの確率を最小限にするため、同じコリジョン ドメイン内のメッシュ ノードに異なる非オーバーラップ チャネルを割り当てます。RAP セル スプリットは単純ですが、コリジョン ドメインを減らすのに効果的な方法です。メッシュ ネットワークで全方向性アンテナと共に 1 つの RAP を配置する代わりに、方向性アンテナと共に 2 つ以上の RAP を配置できます。これらの RAP は互いに一緒に用いられ、異なる周波数チャネルで動作します。このプロセスにより、大きなコリジョン ドメインが個別に動作する複数の小さなコリジョン ドメインに分割されます。
メッシュ アクセス ポイントのブリッジ機能が複数の RAP と共に使用される場合、これらの RAP はすべて同じサブネット上になければならず、継続したサブネットがブリッジ クライアントに提供されるようにする必要があります。
異なるサブネット上の複数の RAP と共にメッシュを構築し、異なるサブネット上の別の RAP に MAP をフェールオーバーする必要がある場合、MAP コンバージェンス時間が増加します。このプロセスが起こらないようにする 1 つの方法として、サブネット境界で区切られているネットワークのセグメントに異なる BGN を使用する方法があります。
屋内メッシュ アクセス ポイントと屋外メッシュ アクセス ポイントとの完全な相互運用性がサポートされています。これは、屋外から屋内にカバレッジを持ち込むのに役立ちます。屋内メッシュ アクセス ポイントは屋内でのみ使用することを推奨します。屋内メッシュ アクセス ポイントは、以下で説明されているような限られた状況でのみ屋外に配置してください。
モビリティ グループは、屋外メッシュ ネットワークと屋内 WLAN ネットワークの間で共有できます。1 台のコントローラで、屋内と屋外のメッシュ アクセス ポイントを同時に制御することもできます。同じ WLAN が屋内と屋外の両方のメッシュ アクセス ポイントからブロードキャストされます。