複数のメールボックス ストアの機能
インストール時に、Cisco Unity Connection は次のものを自動的に作成します。
• ディレクトリ データベース。システム設定情報(ユーザ データ、テンプレート、サービス クラスなど)に使用されます。
• メールボックス ストア データベース。ボイス メッセージに関する情報(メッセージの送信先、送信時刻、ハードディスク上の WAV ファイルのロケーションなど)に使用されます。
• オペレーティング システム ディレクトリ。ボイス メッセージの WAV ファイルに使用されます。
必要な権限を持つ管理者は、最大 4 つまで追加のメールボックス ストアを作成できます。追加の各メールボックス ストアには、次のものが配置されます。
• 別のメールボックス ストア データベース。追加のメールボックス ストアに保存されるボイス メッセージの情報に使用されます。このデータベースは、10,000 人のユーザがそれぞれ平均約 40 件分のメッセージを保存できるサイズ(約 1.25 GB)にあらかじめ設定されています(Connection 用に現在使用されているデータベース アプリケーションは、データベースの作成後にサイズを動的に変更することができません)。
• 別のオペレーティング システム ディレクトリ。追加のメールボックス ストアに保存される WAV ファイルとその他のメッセージ添付ファイルに使用されます。
メールボックス ストア データベースは各メールボックス ストアに 1 つありますが、ディレクトリ データベースはシステム全体に 1 つしかありません。追加のメールボックス ストアを作成し、選択したユーザのメールボックスを新しいストアに移動しても、そのユーザのディレクトリ情報は、Connection がインストールされたときに作成されたディレクトリ データベースに残ります。
新しいメールボックス ストアを作成した後は、新しいストアに既存のメールボックスを移動したり、新しいストアに新しいメールボックスを作成したりすることができます。新しいストアに既存のメールボックスを移動する方法については、「メールボックス ストア間でのメールボックスの移動」を参照してください。
詳細については、次の各項を参照してください。
• 「レプリケーション」
• 「ユーザ テンプレート」
• 「メールボックス ストアの最大サイズ」
• 「複数のメールボックス ストアでのバックアップ」
レプリケーション
クラスタ内に 2 台以上の Cisco Unity Connection サーバをインストールすると、すべてのメールボックス ストアがクラスタ内のすべてのサーバにレプリケートされます。
ユーザ テンプレート
新しいユーザ アカウントを作成するときは、そのユーザ アカウントのデフォルト値として使用される設定を持つテンプレートを選択します。テンプレートには、メールボックスの作成先のメールボックス ストアを指定する設定が 1 つあります。すべてのデフォルト テンプレートは、デフォルトのメールボックス ストアにメールボックスを作成するように指定しています。新しいメールボックス ストアを作成した場合、デフォルト テンプレートおよび作成した新しいテンプレートで、この設定を変更できます。
Cisco Unity Connection の管理では、新しいテンプレートを作成するとき、またはテンプレートを編集して新しいメールボックスの作成先のメールボックス ストアを変更するときに、現在無効になっているメールボックス ストアを選択できます。ただし、テンプレートを使用してユーザ アカウントを作成するときに、ストアがその時点でも無効になっていると、ユーザ アカウントの作成に失敗します。
メールボックス ストアが 1 つ以上のテンプレートのデフォルトのメールボックス ストアになっている場合、テンプレートの設定が変更されるか、テンプレートが削除されるまで、そのメールボックス ストアを削除することはできません。
テンプレートの詳細については、『 Cisco Unity Connection ユーザの移動、追加、変更 ガイド 』の「ユーザ テンプレートの追加、修正、削除」の章を参照してください。
メールボックス ストアの最大サイズ
新しいメールボックス ストアを作成するときは、そのメールボックス ストアのボイス メッセージが占有できるディスク領域の最大サイズを指定します。最大サイズは絶対的な最大値ではありません。メールボックス ストアが指定した値に達した場合は、次のようになります。
• Connection は、その時点でもメールボックス ストアに新しいメッセージを保存します。
• 管理者は、その時点でもメールボックス ストアに新しいメールボックスを作成できます。
• 管理者は、その時点でもメールボックス ストアにメールボックスを移動できます。
ストアのサイズが、指定した最大サイズの 90% に達すると、警告がシステム ログに記録されます。
ストアのサイズが、指定した最大サイズの 100% に達すると、エラーがシステム ログに記録されます。さらに、Cisco Unity Connection の管理の[メールボックス ストアの編集(Edit Mailbox Store)]ページのステータス バーにエラーが表示されます。メールボックス ストアを、指定した最大サイズの 100% 未満に保つには、次の処理を行います。
• ハードディスク上に他の使用可能な領域がある場合は、メールボックス ストアの最大サイズを増やします。「メールボックス ストアの最大サイズの変更」を参照してください。メールボックス ストアが、営業時間外にバックアップできる最大サイズにすでに達している場合は、このオプションを選択しないでください。
• メッセージを削除してメールボックスのサイズを小さくするようユーザに依頼します。この処理によって、メールボックス ストアの合計サイズも小さくなります。
(注) ユーザがメッセージを削除しても、削除したメッセージを消去するタスクが次に実行されるまでは、削除したメッセージはメールボックス ストアから削除されません。このタスクは 30 分おきに実行されます。このスケジュールを変更することはできません。
• メッセージ エージング ポリシーまたはメールボックス サイズ使用割当量を見直し、個々のメールボックスのサイズを小さくします。この処理によって、メールボックス ストアのサイズも小さくなります。使用割当量を現在超過していないユーザが新しい値によって使用割当量を超過することを避けるため、最初にメールボックスからメッセージを削除するようユーザに依頼することをお勧めします。メッセージ エージング ポリシーとメールボックス サイズ使用割当量の詳細については、 「メールボックスのサイズの制御」 の章を参照してください。
• 追加のメールボックス ストアを作成し、一部のメールボックスをその新しいメールボックス ストアに移動します。
複数のメールボックス ストアでのバックアップ
メールボックス ストアの最大サイズを決定する際には、バックアップにかかる時間を考慮してください。障害復旧システムは、1 回のバックアップ セッションでメールボックス ストア全体および対応するデータベースをバックアップする必要があります。障害復旧システムはシステム パフォーマンスに大きな影響を及ぼすため、各メールボックス ストアは、営業時間外にバックアップできるサイズにする必要があります。デフォルトのサイズは 15 GB(G.711 のコーデックで 1,000 人のユーザが各自 30 分程度の録音を行う場合に相当)に設定してあります。このサイズのメールボックス ストアのバックアップは、1 時間あたり 3 GB の速度で約 6 時間かかります(メールボックス ストアの最大サイズには、そのメールボックス ストア内のメッセージに関する情報を格納するデータベース用の 1.25 GB は含まれません)。
注意 テープ バックアップの場合、障害復旧システムは 1 本のテープで 1 つのバックアップ セッションだけを保存できます。複数のメールボックス ストアを作成し、別々のセッションでそれらをバックアップする場合、セッションごとにテープを交換する必要があります。そのようにしないと、2 つ目のバックアップで最初のバックアップが上書きされます。
複数のメールボックス ストアをバックアップする方法の詳細については、次の該当するドキュメントを参照してください。
• Cisco Unity Connection については、『 Disaster Recovery System アドミニストレーション ガイド for Cisco Unity Connection Release 7.x 』を参照してください。このドキュメントは、
http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/connection/7x/drs_administration/guide/7xcucdrsagx.html から入手可能です。
• Cisco Unified CMBE については、『 Disaster Recovery System Administration Guide for Cisco Unified CMBE 』を参照してください。このドキュメントは、
http://www.cisco.com/en/US/products/ps7273/prod_maintenance_guides_list.html から入手可能です。
メールボックス ストアの作成
メールボックス ストアを作成する
ステップ 1 Cisco Unity Connection の管理に、システム管理者の役割を持つユーザとしてログオンします。
(注) システム管理者の役割を持っていないユーザ アカウントでは、新しいメールボックス ストアを作成することはできません。
ステップ 2 Connection の管理で、 [メッセージ ストレージ(Message Storage)] を展開し、 [メールボックス ストア(Mailbox Stores)] をクリックします。
ステップ 3 [メールボックス ストアの検索(Search Mailbox Store)]ページで、 [新規追加(Add New)] をクリックします。
ステップ 4 [新規メールボックス ストア(New Mailbox Store)]ページで、適切な設定を入力します。
(注) アスタリスク(*)の付いたフィールドは必須フィールドです。
ステップ 5 [保存(Save)] をクリックします。[メールボックス ストアの編集(Edit Mailbox Store)]ページが表示されます。
(注) 新しいメールボックス ストアのデータベースの作成には、数分かかります。
ステップ 6 プロセスが完了したかどうかを確認するには、 [メールボックス ストア(Mailbox Stores)] をクリックします。新しいメールボックス ストアが作成された後は、そのメールボックス ストアが[メールボックス ストアの検索(Search Mailbox Stores)]ページの表に表示され、[アクセスを可能にする(Access Enabled)]カラムの値が [はい(Yes)] に変わり、[ステータス(Status)]カラムの値が[メールボックス ストアの作成(Creating Mailbox Store)]から [OK] に変わります。
メールボックス ストア間でのメールボックスの移動
メールボックス ストア間でメールボックスを移動するときは、次の点に注意してください。
• メールボックスが別のメッセージ ストアに移動されても、MWI ステータスは保持されます。
• クラスタ処理が設定されている場合、メールボックスを移動するには、サーバ ステータスがプライマリのサーバにログオンする必要があります。
• 次の場合は、メールボックスの移動に失敗します。
–Cisco Unity Connection の管理に現在ログオンしている管理者に、メールボックスを移動する権限がない。
–移動元または移動先のメールボックス ストアが、バックアップ中であるなどの理由で無効になっている。
–メールボックスが無効になっている。
–移動しようとしているメールボックスのユーザがシステム ユーザである。システム メールボックスは、デフォルトのメールボックス ストアである UnityMbxDb1 から移動できません。
メールボックス ストア間でメールボックスを移動する
ステップ 1 Cisco Unity Connection の管理に、システム管理者の役割を持つユーザとしてログオンします。
(注) システム管理者の役割を持っていないユーザ アカウントでは、メールボックス ストア間でメールボックスを移動することはできません。
ステップ 2 Cisco Unity Connection の管理で、 [メッセージ ストレージ(Message Storage)] を展開し、 [メールボックス ストア メンバシップ(Mailbox Stores Membership)] をクリックします。
ステップ 3 [メンバシップ タイプの選択(Choose Membership Type)]リストで、 [ユーザ メールボックス(User Mailbox)] をクリックします。
ステップ 4 [ユーザ メールボックス検索結果(User Mailbox Search Results)]で、メールボックスの移動元のメールボックス ストアを指定します。
ステップ 5 移動するメールボックスのユーザを絞り込むための検索条件を指定し、 [検索(Find)] をクリックします。
ページの下部にある表に、指定したユーザが表示されます。
ステップ 6 メールボックスの移動先のメールボックス ストアを選択します。
ステップ 7 適切なチェックボックスをオンにして、移動するメールボックスのユーザを選択します。
ステップ 8 [選択したメールボックスの移動(Move Selected Mailboxes)] をクリックします。
メールボックス ストアの最大サイズの変更
メールボックス ストアの最大サイズを変更する
ステップ 1 Cisco Unity Connection の管理に、システム管理者の役割を持つユーザとしてログオンします。
(注) システム管理者の役割を持っていないユーザ アカウントでは、メールボックス ストアのサイズを変更することはできません。
ステップ 2 Cisco Unity Connection の管理で、 [メッセージ ストレージ(Message Storage)] を展開し、 [メールボックス ストア(Mailbox Stores)] をクリックします。
ステップ 3 [メールボックス ストアの検索(Search Mailbox Store)]ページで、メールボックス ストアの名前をクリックします。
(注) メールボックス ストアが検索結果テーブルに表示されていない場合は、ページ上部の検索フィールドに必要なパラメータを設定して、[検索(Find)]をクリックします。
ステップ 4 [メールボックス ストアの編集(Edit Mailbox Store)]ページで、 [警告前の最大サイズ(Maximum Size Before Warning)] フィールドの値を変更します。
ステップ 5 [保存(Save)] をクリックします。
メールボックス ストアの削除
Cisco Unity Connection の管理では、次のいずれかが当てはまる場合、管理者はメールボックス ストアを削除できません。
• メールボックス ストアに 1 つ以上のメールボックスが残っている。
• メールボックス ストアが 1 つ以上のテンプレートによってまだ参照されている。
• メールボックス ストアを削除しようとしている管理者が、メールボックス ストアを削除する権限を持っていない。
• 管理者が、デフォルトのメールボックス ストアである UnityMbxDb1 を削除しようとしている。
メールボックス ストアを削除する
ステップ 1 Cisco Unity Connection の管理に、システム管理者の役割を持つユーザとしてログオンします。
(注) システム管理者の役割を持っていないユーザ アカウントでは、メールボックス ストアを削除することはできません。
ステップ 2 メールボックス ストアにメールボックスがないことがわかっている場合は、ステップ 3 に進みます。わからない場合は、次の手順を実行してメールボックスを検索し、見つかった場合はそのメールボックスを他のメールボックス ストアに移動します。
a. Cisco Unity Connection の管理で、 [メッセージ ストレージ(Message Storage)] を展開し、 [メールボックス ストア メンバシップ(Mailbox Stores Membership)] をクリックします。
b. [メンバシップ タイプの選択(Choose Membership Type)]リストで、 [ユーザ メールボックス(User Mailbox)] をクリックします。
c. [ユーザ メールボックス検索結果(User Mailbox Search Results)]で、メールボックスの移動元のメールボックス ストアを指定します。
d. 移動するメールボックスのユーザを絞り込むための検索条件を指定し、 [検索(Find)] をクリックします。
ページの下部にある表に、指定したユーザが表示されます。
e. メールボックスの移動先のメールボックス ストアを選択します。
f. 適切なチェックボックスをオンにして、移動するメールボックスのユーザを選択します。
g. [選択したメールボックスの移動(Move Selected Mailboxes)] をクリックします。
ステップ 3 削除するメールボックス ストアを参照しているユーザ テンプレートがないことがわかっている場合は、ステップ 4 に進みます。わからない場合は、次の手順を実行してテンプレートを検索し、見つかった場合はそのテンプレートを他のメールボックス ストアに割り当て直します。
a. [メールボックス ストア メンバシップの検索(Search Mailbox Stores Membership)]ページの[メンバシップ タイプの選択(Choose Membership Type)]リストで、 [ユーザテンプレート(User Template)] をクリックします。
b. [ユーザ メールボックス検索結果(User Mailbox Search Results)]で、削除するメールボックス ストアを参照しているユーザ テンプレートを検索するオプションを選択し、 [検索(Find)] をクリックします。
c. テンプレートが見つかった場合は、対応するチェックボックスをオンにしてそのテンプレートを選択し、テンプレートが新たに参照するメールボックス ストアを選択してから、 [選択したテンプレートの割り当て(Assign Selected Templates)] をクリックします。
ステップ 4 Cisco Unity Connection の管理で、 [メッセージ ストレージ(Message Storage)] を展開し、 [メールボックス ストア(Mailbox Stores)] をクリックします。
ステップ 5 [メールボックス ストアの検索(Search Mailbox Store)]ページで、削除するメールボックス ストアのチェックボックスをオンにします。
(注) メールボックス ストアが検索結果テーブルに表示されていない場合は、ページ上部の検索フィールドに必要なパラメータを設定して、[検索(Find)]をクリックします。
ステップ 6 [選択項目の削除(Delete Selected)] をクリックします。
ステップ 7 [OK] をクリックして確定します。
メールボックス ストアの無効化と再有効化
各メールボックス ストアは、障害復旧システムによってバックアップされている間は自動的に無効になっています。メールボックス ストアが無効の場合は、次のようになります。
• 管理者は、新しいメールボックスをストアに作成できません。
• 管理者は、既存のメールボックスをストアに移動したり、ストアから移動したりできません。
• 無効なストアにあるメールボックスのユーザ宛ての新規メッセージは、ストアが再び有効になったときに配信できるようにキューに入れられます。
Cisco Unity Connection の管理には、メールボックス ストアを手動で無効にするオプションがありますが、そのような操作を行う理由は現在のところありません。