Cisco Unified SRST へのボイスメールの統合について
Cisco Unified SRST は、Cisco Unified Communications Manager のフォールバック時に Cisco Unity と他のボイスメール システムからのボイスメール メッセージを送受信できます。WAN がダウンしたとき、BRI または PRI を介して Cisco Unified SRST システムにアクセスするボイスメール システムでは、ISDN シグナリングが使用されます(図11 を参照)。Foreign Exchange Office(FXO)または Foreign Exchange Station(FXS)を介してアクセスするシステムは PSTN に接続し、インバンド Dual Tone Multifrequency(DTMF)シグナリングを使用します(図12 を参照)。
図11 BRI または PRI を使用する Cisco Unified Communications Manager のフォールバック
図12 PSTN を使用する Cisco Unified Communications Manager のフォールバック
両方の設定では、電話機のメッセージ ボタンをアクティブの状態に保つことができ、ビジーまたは無応答の番号へのコールを、ダイヤルされた番号のメールボックスに転送できます。
ビジー信号に達するコール、無応答のコール、およびメッセージ ボタンが押されて発生したコールは、ボイスメール システムに転送されます。これを行うためには、ダイヤル ピアからボイスメール システムへのアクセスを設定し、ビジー コールと無応答コールのため、およびメッセージ ボタンのためにボイスメール システムへのルーティングを確立する必要があります。
FXO または FXS を介してボイスメール システムのアクセスが行われる場合、正しいボイスメール システムのメールボックスにアクセスできるように、ボイスメール システムに対する指示(DTMF パターン)を設定する必要があります。BRI または PRI を介してボイスメール システムのアクセスが行われる場合、ボイスメール システムは発信側の電話機のメールボックスに直接ログインできるため、指示は必要ありません。
Cisco Unified SRST へのボイスメールの統合方法
ここでは、次の作業について説明します。
• 「ボイスメールへのダイレクト アクセスの設定」(必須)
• 「メッセージ ボタンの設定」(必須)
• 「Cisco Unified Communications Manager ゲートウェイへのリダイレクト」(BRI または PRI の場合は必須)
• 「ボイスメールへのコール転送の設定」(FXO または FXS の場合は必須)
• 「MWI の設定」(オプション)
ボイスメールへのダイレクト アクセスの設定
FXO または FXS アクセスを使用してボイスメール メッセージにアクセスするには、ボイスメール システムの番号と一致する宛先パターンが設定された、POTS ダイヤル ピアが必要です。また、ボイスメール システムのアクセスが行われるポートにダイヤル ピアを関連付ける必要があります。
両方の一連の設定は、global コンフィギュレーション モードと dial-peer コンフィギュレーション モードで実行されます。以下の要約手順および詳細手順には、この作業を実行するのに必要な基本的なコマンドだけが含まれます。特定のダイヤル ピア設定で、追加のコマンドが必要になる場合があります。
要約手順
1. dial-peer voice tag { pots | voatm | vofr | voip }
2. destination-pattern [ + ] string [ T ]
3. port { slot-number / subunit-number / port | slot / port : ds0-group-no }
4. forward-digits { num-digit | all | extra }
5. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
dial-peer voice tag { pots | voatm | vofr | voip }
Router(config)#
dial-peer voice 1002 pots
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(FXO/FXS および BRI/PRI)特定のダイヤル ピアを定義し、音声カプセル化の方法を指定し、dial-peer コンフィギュレーション モードを開始します。 dial-peer コマンドは、個々のルータに対して異なる構文を提供します。この例は、Cisco 3600 シリーズ ルータの構文です。 • tag :特定のダイヤル ピアを定義する数字。範囲は 1 ~ 2147483647 です。 • pots :IP バックボーンで VoIP カプセル化を使用する POTS ダイヤル ピアであることを示します。 • voatm :ATM バックボーン ネットワークでリアルタイム AAL5 音声カプセル化を使用する VoATM ダイヤル ピアであることを指定します。 • vofr :フレームリレー バックボーン ネットワークで FRF.11 カプセル化を使用する VoFR ダイヤル ピアであることを指定します。 • voip :POTS ネットワークで音声カプセル化を使用する VoIP ダイヤル ピアであることを示します。 |
ステップ 2 |
destination-pattern [
+ ]
string
[
T ]
Router(config-dial-peer)# destination-pattern 1100T
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(FXO/FXS および BRI/PRI)ダイヤル ピアにプレフィックスまたは完全な E.164 電話番号(ダイヤル プランに応じて)を使用することを指定します。 • + :(オプション)E.164 標準番号を示す文字。 • string : 表12 を参照してください。 • T :(オプション)destination-pattern 値が可変長ダイヤル文字列であることを示す制御文字。 |
ステップ 3 |
port
{
slot-number
/
subunit-number
/
port |
slot
/
port
:
ds0-group-no }
Router(config-dial-peer)# port 1/1/1
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(FXO/FXS および BRI/PRI)Cisco 3600 シリーズ ルータの特定の音声ポートにダイヤル ピアを関連付けます。 • slot-number :音声インターフェイス カード(VIC)が設置されたルータのスロット番号。有効なエントリは 0 ~ 3 です。設置先のスロットによって異なります。 • subunit-number :音声ポートがある VIC のサブユニット。有効なエントリは 0 または 1 です。 • port :音声ポート番号。有効なエントリは 0 および 1 です。 • ds0-group-no :DS0 グループ番号を指定します。定義される各 DS0 グループ番号は、別個の音声ポートで表されます。これにより、デジタル T1/E1 カードの個々の DS0 を定義できます。 |
ステップ 4 |
forward-digits { num-digit | all | extra }
Router(config-dial-peer)#
forward-digits all
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(FXO または FXS のオプション)音声コールに転送する数字を指定します。 • num-digit :転送する桁数。桁数が宛先の電話番号より長い場合、宛先番号の長さが使用されます。範囲は 0 ~ 32 です。この値を 0 に設定すると、 no forward-digits コマンドを入力するのと同じことになります。 • all :すべての数字を転送します。 all を入力した場合、宛先パターンのすべての長さが使用されます。 • extra :ダイヤルした数字列がダイヤル ピアの宛先パターンの長さより長い場合、右揃えした追加の数字が転送されます。ただし、ダイヤル ピアの宛先パターンが可変長で、「T」の文字(たとえば、T、123T、123...T)で終わる場合、追加の数字は転送されません。 |
ステップ 5 |
exit
Router(config-dial-peer)#
exit
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(FXO/FXS および BRI/PRI)dial-peer コンフィギュレーション モードを終了します。 |
表12 destination-pattern コマンドの string 引数の有効エントリ
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0 ~ 9 の数字 |
-- |
A ~ D の文字 |
-- |
アスタリスク(*)およびポンド記号(#) |
標準の押しボタン式ダイヤル パッドに表示されます。 |
カンマ(,) |
数字の間にポーズを挿入します。 |
ピリオド(.) |
入力された任意の数字と一致します(この文字は、ワイルドカードとして使用されます)。 |
パーセント記号(%) |
先行する数字が 0 回またはそれ以上の回数発生することを示します。ワイルドカードの使用方法と類似しています。 |
プラス記号(+) |
先行する数字が 1 回以上発生することを示します。
(注) 数字列として使用されるプラス記号は、E.164 標準番号であることを示すために数字列の前に使用することができるプラス記号とは異なります。
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曲折アクセント記号(^) |
文字列の先頭との一致を示します。 パターンを示すカッコ ( ( ) ) は、標準の表現ルールと同じ内容になります。 |
ドル記号($) |
入力文字列の末尾のヌル文字列と一致します。 |
バックスラッシュ記号(\) |
単一文字の前に置かれ、その文字と一致します。特に意味を持たない単一文字に対して使用できます(その文字に一致します)。 |
疑問符(?) |
先行する数字が 0 回または 1 回発生することを示します。 |
角カッコ([ ]) |
範囲を示します。範囲は、角カッコに囲まれた一連の文字です。範囲では 0 ~ 9 の数字だけを使用できます。 |
例
次の FXO と FXS の例では、1102 という POTS ダイヤル ピアを設定し、ダイヤル ピア 1102 をボイスメール内線の 1101 と照合して、ボイスメール システムが接続された音声ポート 1/1/1 にダイヤル ピア 1102 を割り当てます。他のダイヤル ピアは、ボイスメールへのダイレクト アクセス用に設定されます。
dial-peer voice 1102 pots
dial-peer voice 1103 pots
dial-peer voice 1104 pots
次の例では、1102 という名前の POTS ダイヤル ピアが、ポート 2/0:23 から 1101 に直接アクセスするように設定します。
clock source line primary
pri-group timeslots 21-24
no logging event link-status
isdn switch-type primary-net5
isdn incoming-voice voice
dial-peer voice 1102 pots
destination-pattern 1101T
メッセージ ボタンの設定
Cisco Unified Communications Manager のフォールバック時に Cisco Unified SRST ルータに接続された Cisco Unified IP Phone のメッセージ ボタンをアクティブにするには、ボイスメール システムで短縮ダイヤル番号をプログラミングする必要があります。短縮ダイヤル番号は、Cisco Unified Communications Manager のフォールバック時に、Cisco Unified SRST ルータに接続された電話機のメッセージ ボタンが押されたときにダイヤルされます。また、自動転送を設定して、ビジーおよび無応答の番号へのコールがボイスメール番号に送信されるようにする必要があります。
この設定は、FXO/FXS および BRI/PRI に必要です。
要約手順
1. call-manager-fallback
2. voicemail phone-number
3. call-forward busy directory-number
4. call-forward noan directory-number timeout seconds
5. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
call-manager-fallback
Router(config)# call-manager-fallback |
call-manager-fallback コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
voicemail phone-number
Router(config-cm-fallback)#
voicemail 5550100
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Cisco Unified IP Phone のメッセージ ボタンが押されたときにダイヤルされる電話番号を設定します。 • phone-number :メッセージを取得するための短縮ダイヤル番号として設定される電話番号。 |
ステップ 3 |
call-forward busy
directory-number
Router(config-cm-fallback)# call-forward busy 2000
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Cisco IP Phone が通話中の場合に別の番号に自動転送するように設定します。 • directory-number :選択された電話番号。完全修飾 E.164 番号を表します。この番号には、内線電話番号の右揃えの数字に対応する「.」ワイルドカード文字を含めることができます。 |
ステップ 4 |
call-forward noan
directory-number
timeout
seconds
Router(config-cm-fallback)# call-forward noan 2000 timeout 10
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Cisco IP Phone からの応答が受信されない場合に別の番号に自動転送するように設定します。 • directory-number :選択された電話番号。完全修飾 E.164 番号を表します。この番号には、内線電話番号の右揃えの数字に対応する「.」ワイルドカード文字を含めることができます。 • timeout seconds :コールを別の電話機に自動転送するまでの待機時間を秒単位で設定します。 seconds の範囲は 3 ~ 60000 です。 |
ステップ 5 |
exit
Router(config-cm-fallback)# exit |
call-manager-fallback コンフィギュレーション モードを終了します。 |
例
次の例では、Cisco Unified SRST ルータに接続されている Cisco Unified IP Phone でメッセージ ボタンが押されたときに発行される短縮ダイヤル番号として 1101 を指定します。すべてのビジー コールおよび無応答のコールは、ボイスメール番号(1101)に転送されるように設定されます。
call-forward noan 1101 timeout 3
Cisco Unified Communications Manager ゲートウェイへのリダイレクト
(注) BRI または PRI アクセスを使用するボイスメール システムでは、次の作業が必要です。
Cisco Unified SRST では、個人メッセージを取得するためのメッセージ ボタンがサポートされていますが、ビジーおよび無応答の番号へのコールを自動的にボイスメール システムに転送することもできます。BRI または PRI アクセスを使用するボイスメール システムは、直接発信側の電話機のメールボックスにログインできます。これを実現するためには、Cisco Unified Communications Manager のいくつかの設定が推奨されます。ご使用のボイスメール システムが Redirected Dialed Number Identification Service(RDNIS)をサポートしている場合、Cisco Unified Communications Manager への発信 SETUP メッセージに RDNIS を含め、設定済みのデバイスおよびアプリケーションに対して送受信された、最後にリダイレクトされた番号と最初にダイヤルされた番号を宣言する必要があります。
ステップ 1 Cisco Unified Communications Manager の任意のページで、Device および Gateway をクリックします。
ステップ 2 Find and List Gateways ページで、Find をクリックします。
ステップ 3 Find and List Gateways ページで、デバイス名を選択します。
ステップ 4 Gateway Configuration ページで、 Redirecting Number IE Delivery - Outgoing をオンにします。
ボイスメールへのコール転送の設定
(注) FXO または FXS アクセスを使用するボイスメール システムでは、次の作業が必要です。
Cisco Unified SRST では、個人メッセージを取得するためのメッセージ ボタンがサポートされていますが、ビジーまたは無応答の番号へのコールを自動的にボイスメール システムに転送することもできます。転送されたコールは、ボイスメール システムのほとんどすべての場所にルーティングできます。通常、コールは、発信者がメッセージを残すことができる着信番号のメールボックス内の場所に転送されます。
DTMF ディジット パターンを使用したコール ルーティング指示
転送されたコールが正しいボイスメールボックスに送信されるようにするには、Cisco Unified SRST コールルーティング指示が必要です。これらの指示は、特定のボイスメールの場所への到達にボイスメール システムが必要とするダイヤル シーケンスに一致するパターンで設定された DTMF ディジットで構成されます。たとえば、発信者が次の内容を実行してメッセージを残すように、ボイスメール システムを設計することができます。
1. セントラル ボイスメール番号(1101)をダイヤルして、# を押します。
2. 内線番号(6000)をダイヤルして、# を押します。
3. 2 をダイヤルして、内線番号のメールボックスにメッセージを残すためのメニュー オプションを選択します。
ビジーまたは無応答の番号へのコールを Cisco Unified SRST が内線 6000 のメールボックスに転送するためには、1101#6000#2 のシーケンスを発行するように Cisco Unified SRST がプログラミングされている必要があります。図13 に示すように、この処理は voicemail および pattern コマンドで実行されます。
図13 Cisco Unified SRST でボイスメール ダイヤル シーケンス 1101#6000#2 が設定される方法
図13 に示す pattern コマンドの # cgn #2、# cdn #2、および # fdn #2 の部分が、DTMF ディジット パターンです。これらのパターンは、タグとトークンで構成されています。タグは、DTMF トーンを表す文字のセットです。トークンは、ボイスメールにコール転送された着信コールの状態を表す 3 つのコマンド キーワード( cgn 、 cdn 、および fdn )で構成されます。
タグは、DTMF トーン セット(A ~ D、0 ~ 9、# および *)で最大 3 つの文字にすることができます。ボイスメール システムは、制限された DTMF トーン セットを使用できます。たとえば、Cisco Unity は A ~ D を除くすべての DTMF トーンを使用します。トーンは、複数の方法で定義できます。たとえば、星(*)をトークンの前に単独で置くと、「後続のトークン番号をダイヤルする」という意味になります。星(*)をトークンの末尾に置くと、トークン番号の末尾を表します。アスタリスクが他のタグ文字間にある場合は、* をダイヤルするという意味になります。タグの使用方法は、ボイスメール システムで DTMF トーンが定義されている方法によって異なります。
トークンは、自動転送チェーンのどの電話番号をそのパターンで使用するかを Cisco Unified SRST に伝達します。図14 に示すように、ボイスメール転送時に発生する可能性のある 3 つのコール状態に対応する、3 つのトークン タイプがあります。
図14 番号がトークンから抽出される方法
タグとトークンのセット、またはパターンが、ボイスメール システムをアクティブにするための条件は、次のとおりです。
• ユーザが電話機のメッセージ ボタンを押す場合( pattern direct コマンド)
• 内線がビジーな状態の内線への接続を試み、コールがボイスメールに転送される場合( pattern ext-to-ext busy コマンド)
• 内線が内線への接続に失敗し、コールがボイスメールに転送される場合( pattern ext-to-ext no-answer コマンド)
• 外部トランク コールがビジーな状態の内線に到達し、コールがボイスメールに転送される場合( pattern trunk-to-ext busy コマンド)
• 外部トランク コールが無応答の内線に到達し、コールがボイスメールに転送される場合( pattern trunk-to-ext no-answer コマンド)
要約手順
1. vm-integration
2. pattern direct tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
3. pattern ext-to-ext busy tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
4. pattern ext-to-ext no-answer tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
5. pattern trunk-to-ext busy tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
6. pattern trunk-to-ext no-answer tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }]
[ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
詳細手順
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ステップ 1 |
vm-integration
Router(config)# vm-integration
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ボイスメール統合モードを開始して、DTMF およびアナログ ボイスメール システムとのボイスメール統合を可能にします。 |
ステップ 2 |
pattern direct tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-int)# pattern direct 2 CGN * |
ユーザが電話機のメッセージ ボタンを押したときに、ボイスメール システムをアクティブにするために必要な DTMF ディジット パターンを設定します。 • tag1 :長さが DTMF ディジット 4 桁未満の英数字文字列。英数字の文字列は、4 つの文字(A、B、C、および D)、2 つの記号(* および #)、および 10 個の数字(0 ~ 9)の組み合せで構成されます。タグ番号は、ボイスメール システムの統合ファイルで、発信番号、着信番号、転送番号のいずれかの直前に定義された番号と一致します。 • tag2 および tag3 :(オプション) tag1 を参照してください。 • last-tag : tag1 を参照してください。このタグは、パターンの最後を示します。 • CGN :ボイスメール システムに送信される発信番号(CGN)情報 • CDN :ボイスメール システムに送信される着信番号(CDN)情報 • FDN :ボイスメール システムに送信される転送番号(FDN)情報 |
ステップ 3 |
pattern ext-to-ext busy tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-int)# pattern ext-to-ext busy 7 FDN * CGN * |
内線がビジーな内線への接続を試み、コールがボイスメールに転送されたときに、ボイスメール システムをアクティブにするのに必要な DTMF ディジット パターンの転送を設定します。引数とキーワードの情報については、 を参照してください。 |
ステップ 4 |
pattern ext-to-ext no-answer tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-int)# pattern ext-to-ext no-answer 5 FDN * CGN * |
内線が内線への接続に失敗し、コールがボイスメールに転送されたときに、ボイスメール システムをアクティブにするのに必要な DTMF ディジット パターンの転送を設定します。 引数とキーワードの情報については、 を参照してください。 |
ステップ 5 |
pattern trunk-to-ext busy tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-int)# pattern trunk-to-ext busy 6 FDN * CGN * |
外部トランク コールがビジーな内線に到達し、コールがボイスメールに転送されたときに、ボイスメール システムをアクティブにするのに必要な DTMF ディジット パターンの転送を設定します。引数とキーワードの情報については、 を参照してください。 |
ステップ 6 |
pattern trunk-to-ext no-answer tag1 { CGN | CDN | FDN } [ tag2 { CGN | CDN | FDN }] [ tag3 { CGN | CDN | FDN }] [ last-tag ]
Router(config-vm-int)# pattern trunk-to-ext no-answer 4 FDN * CGN * |
外部トランク コールが無応答の内線に到達し、コールがボイスメールに転送されたときに、ボイスメール システムをアクティブにするのに必要な DTMF ディジット パターンの転送を設定します。引数とキーワードの情報については、 を参照してください。 |
例
次の設定では、ボイスメール番号が 1101 で、3001 がメッセージ ボタン付き電話機の場合、3001 メッセージ ボタンが押されると 1101*3001 が自動的にダイヤルされるようになります。このような状況では、3001 が発信番号または着信コール番号と見なされます。
次の設定では、3001 が 3006 をコールし、3006 が応答しない場合、SRST ルータが 3001 をボイスメール システム(1101)に転送し、DTMF パターン # 3006 #2 がボイスメール システムに送信されます。このパターンは、ボイスメールボックス番号 3006(3006 のボイスメールボックス)を選択することを目的にしています。このパターンが送信されるようにするには、3001 が転送番号である必要があります。
pattern ext-to-ext no-answer # FDN #2
次の設定では、3006 がビジーな状態で、3001 が 3006 をコールし、SRST ルータが 3001 をボイスメール システム(1101)に転送し、DTMF パターン # 3006 #2 がボイスメール システムに送信されます。このパターンは、ボイスメールボックス番号 3006(3006 のボイスメールボックス)を選択することを目的にしています。このパターンが送信されるようにするには、3001 が転送番号である必要があります。
pattern ext-to-ext busy # FDN #2
MWI の設定
Message Waiting Indication(MWI)リレー メカニズムは、リモート ボイスメール メッセージ システムに誰かがボイスメール メッセージを残した後に開始します。MWI リレーは、1 つの Cisco Unity Voice Mail システムを複数の Cisco Unified SRST ルータで共有する場合に必要です。SRST ルータは、MWI に対して SIP Subscribe および Notify 方式を使用します。SIP MWI、Subscribe 方式、および Notify 方式の詳細については、『 Configuring Cisco IOS SIP Configuration Guide 』を参照してください。SIP MWI リレー サーバである SRST ルータは、SIP ノーティファイヤとして動作します。他のリモート ルータは、SIP 登録者として動作します。
要約手順
1. call-manager-fallback
2. mwi relay
3. mwi reg-e164
4. exit
5. sip-ua
6. mwi-server { ipv4: destination-address | dns: host-name } [ expires seconds ] [port port ]
[ transport { tcp | udp }] [ unsolicited ]
7. exit
詳細手順
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ステップ 1 |
call-manager-fallback
Router(config)# call-manager-fallback |
call-manager-fallback コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
mwi relay
Router(config-cm-fallback)# mwi relay |
SRST ルータがリモート Cisco IP Phone に MWI 情報をリレーするようにします。 |
ステップ 3 |
mwi reg-e164
Router(config-cm-fallback)# mwi reg-e164 |
SIP プロキシまたはレジストラを使用した内線番号ではなく、E.164 番号を登録します。 |
ステップ 4 |
exit
Router(config-cm-fallback)# exit |
call-manager-fallback コンフィギュレーション モードを終了します。 |
ステップ 5 |
sip-ua
Router(config)# sip-ua |
SIP user-agent コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 6 |
mwi-server { ipv4: destination - address | dns : host - name } [ expires seconds ] [ port port ] [ transport { tcp | udp }] [ unsolicited ]
Router(config-sip-ua)# mwi-server ipv4:10.0.2.254 |
音声ゲートウェイまたはユーザ エージェントのボイスメール サーバの設定値を設定します。SIP ベースの MWI サーバの IP アドレスとポートは、ボイスメール サーバと同じ LAN にある必要があります。MWI サーバは、Cisco Unified SRST ルータです。キーワードと引数は、次のとおりです。 • ipv4: destination-address :ボイスメール サーバの IP アドレス。 • dns: host-name :ボイスメール サーバの名前を解決するドメイン名サーバを収容するホスト デバイス。引数には、ターゲット アドレスに関連付けられた完全なホスト名が含まれている必要があります(例: dns:test.cisco.com )。 • expires seconds :サブスクリプションの有効期限(秒単位)。範囲は 1 ~ 999999 です。デフォルトは、3600 です。 • port port :ボイスメール サーバ上のポート番号。デフォルトは、5060 です。 • transport :ボイスメール サーバへの転送プロトコル。有効値は tcp および udp です。デフォルトは UDP です。 • unsolicited :メールボックス ステータスが変わったときに、ボイスメール サーバが音声ゲートウェイまたは UA に SIP 通知メッセージを送信するように要求します。MWI サービスに対する音声ゲートウェイ登録の要件を削除します。 |
ステップ 7 |
exit
Router(config-sip-ua)# exit |
SIP user-agent コンフィギュレーション モードを終了します。 |
設定例
ここでは、次の設定例を示します。
• 「ローカル ボイスメール システムの設定(FXO および FXS):例」
• 「セントラル ロケーションのボイスメール システムの設定(FXO および FXS):例」
• 「FXO および FXS を介したボイスメール アクセスの設定:例」
• 「BRI および PRI を介したボイスメール アクセスの設定:例」
ローカル ボイスメール システムの設定(FXO および FXS):例
次の例の「Dial-Peer Configuration for Integration of Voice-Mail with Cisco Unified SRST」セクションは、ローカル ボイスメール システムの従来型のダイヤル ピア設定を示しています。「Cisco Unified SRST Voice-Mail Integration Pattern Configuration」セクションは、使用しているボイスメール システムの設定に適合している必要があります。
! Dial-Peer Configuration for Integration of Voice-Mail with Cisco Unified SRST
destination-pattern 14011
destination-pattern 14011
destination-pattern 14011
destination-pattern 14011
! Cisco Unified SRST configuration
ip source-address 1.4.214.104 port 2000
call-forward noan 14011 timeout 3
! Cisco Unified SRST Voice-Mail Integration Pattern Configuration
pattern ext-to-ext no-answer 5 FDN * CGN *
pattern ext-to-ext busy 7 FDN * CGN *
pattern trunk-to-ext no-answer 4 FDN * CGN *
pattern trunk-to-ext busy 6 FDN * CGN *
セントラル ロケーションのボイスメール システムの設定(FXO および FXS):例
例の「Dial-Peer Configuration for Integration of Voice-Mail with Cisco Unified SRST in Central Location」セクションは、セントラル ボイスメール システムの従来型のダイヤル ピア設定を示しています。「Cisco Unified SRST Voice-Mail Integration Pattern Configuration」セクションは、使用しているボイスメール システムの設定に適合している必要があります。
(注) MWI 統合は、セントラル ロケーションのボイスメール システムへの PSTN アクセスではサポートされていません。
! Dial-Peer Configuration for Integration of Voice-Mail with Cisco Unified SRST in Central
destination-pattern 14011
! Cisco Unified SRST configuration
ip source-address 1.4.214.104 port 2000
call-forward noan 14011 timeout 3
! Cisco Unified SRST Voice-Mail Integration Pattern Configuration
pattern ext-to-ext no-answer 5 FDN * CGN *
pattern ext-to-ext busy 7 FDN * CGN *
pattern trunk-to-ext no-answer 4 FDN * CGN *
pattern trunk-to-ext busy 6 FDN * CGN *
FXO および FXS を介したボイスメール アクセスの設定:例
次の例は、無応答のコールをボイスメールに転送するように Cisco Unified SRST ルータを設定する方法を示しています。この例では、ボイスメール番号は 1101 で、ボイスメール システムは FXS 音声ポート 1/1/1 に接続され、ボイスメールボックスの番号は 3001、3002、および 3006 です。
dial-peer voice 1102 pots
destination-pattern 1101T
ip source-address 1.6.0.199 port 2000
call-forward noan 1101 timeout 3
pattern ext-to-ext no-answer # FDN #2
pattern ext-to-ext busy # FDN #2
pattern trunk-to-ext no-answer # FDN #2
pattern trunk-to-ext busy # FDN #2
BRI および PRI を介したボイスメール アクセスの設定:例
次の例は、無応答のコールをボイスメールに転送するように Cisco Unified SRST ルータを設定する方法を示しています。この例では、ボイスメール番号は 1101 で、ボイスメール システムは BRI または PRI 音声ポートに接続され、ボイスメールボックスの番号は 3001、3002、および 3006 です。
clock source line primary
pri-group timeslots 21-24
no logging event link-status
isdn switch-type primary-net5
isdn incoming-voice voice
dial-peer voice 1102 pots
destination-pattern 1101T
ip source-address 1.6.0.199 port 2000
call-forward noan 1101 timeout 3