この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、トラブルシューティングに関する問題として、次の内容について説明します。
• 「問題の診断」
前面パネルにある LED からは、スイッチのトラブルシューティングに役立つ情報が得られます。LED の状態を確認することで、電源投入時自己診断テスト(POST)のエラー、ポートの接続問題、およびスイッチ全体のパフォーマンスを把握できます。ブラウザ インターフェイス、コマンドライン インターフェイス(CLI)、Cisco Intelligence Engine 2100(IE2100)シリーズ Configuration Registrar、または Simple Network Management Protocol(SNMP)ワークステーションから統計情報を取得できます。詳細については、ソフトウェア コンフィギュレーション ガイド、スイッチ コマンド リファレンス、あるいは IE2100 または SNMP アプリケーションに付属しているマニュアルを参照してください。
スイッチの電源を入れると、POST が開始され、スイッチの正常動作を確認するためのテストが実行されます。スイッチで POST が終了するまで数分かかります。
POST は、システム、アラーム、Setup、Pwr A、および Pwr B の各 LED を 1 回繰り返す LED テストから開始します。POST が進められている間、システム LED がグリーンに点滅し、他のすべての LED はオフのままになります。POST が正常に終了すると、システム LED がグリーンの点灯に変わり、その他の LED は正常な動作状態を表示します。スイッチが POST に失敗すると、システム LED が赤色に変わります。
(注) POST エラーは通常、修復不能です。スイッチが POST に失敗した場合は、シスコのテクニカル サポート担当者にお問い合わせください。
コンソール ポートに接続された端末がある場合、POST ステータスとテスト結果を端末に表示できます。端末に文字化けした文字が表示される場合は、端末エミュレーション ソフトウェアを秒あたり 9600 bps に変更する必要が生じることがあります。端末への結果の表示についての詳細は、を参照してください。
警告 スイッチまたはネットワーク上の装置に電源が入った状態でコンソール ケーブルを接続したり、接続を取り外したりすると、電気アークが発生する可能性があります。これは、危険な場所への設置中に爆発を引き起こす原因となります。電源が入っていないか、またはそのエリアが危険でないことを確認してから、作業を進めてください。
スイッチの動作を確認するには、設置前に危険ではない場所で POST を実施してください。ステートメント 1065
スイッチを直接操作できる場合は、ポート LED に表示されているスイッチの情報を確認してください。LED のカラーと意味については、を参照してください。
ケーブルにわずかな損傷や障害がないことを常に確認してください。物理層の接続に問題がないように見えるケーブルでも、配線やコネクタのごくわずかな損傷が原因でパケットが破損することがあります。ポートに多数のパケット エラーがあったり、ポートが継続的にフラップしたりする(リンクを失って再取得する)場合は、次を行ってください。
• 銅線ケーブルまたは光ファイバ ケーブルを、問題がないことがわかっているケーブルに交換します。
• ケーブル コネクタで破損または欠落したピンがないかを確認します。
• 発信元と宛先の間のパッチ パネルの接続やメディア コンバータには問題がないことを確認します。可能な場合は、パッチ パネルをバイパスするか、故障しているメディア コンバータ(光ファイバ/銅線)を除去します。
正しいケーブル タイプが接続に使用されていることを確認してください。
• イーサネットの場合、10 Mb/s UTP 接続にはカテゴリ 3 の銅線ケーブルを使用します。
10/100 または 10/100/1000 Mbps 接続には、カテゴリ 5、カテゴリ 5e、またはカテゴリ 6 の UTP を使用します。
距離やポート タイプに適したケーブルであることを確認します。接続先装置の両方のポートが一致しており、同じ符号化方式、光周波数、およびファイバ タイプを使用していることを確認します。ケーブルの詳細については、を参照してください。
銅線のストレート ケーブルを使用すべきところにクロス ケーブルが使用されていたり、クロス ケーブルを使用すべきところにストレート ケーブルが使用されていたりしないかを確認します。スイッチの Auto-MDIX を有効にするか、ケーブルを交換します。推奨イーサネット ケーブルについては、 を参照してください。
両側のリンクが確立されていることを確認します。配線の 1 本が切れていたり、ポートの 1 つがシャットダウンしていたりすると、片側ではリンクが確立されていても反対側では確立されていない可能性があります。
リンク LED の表示は、ケーブルに問題がないことを保証するものではありません。ケーブルに物理的な圧力がかかり、最低限のレベルで機能している場合もあります。ポートのリンク LED が点灯しない場合は、次のことを行ってください。
• ケーブルをスイッチから外して、問題のない装置に接続します。
• ケーブルの両端が正しいポートに接続されていることを確認します。
• 正しいケーブル タイプが使用されていることを確認します。詳細については、を参照してください。
• 接続不良がないことを確認します。完全に接続されているように見えても、そうでないことがあります。ケーブルをいったん外して、接続し直してください。
スイッチには、シスコ製 SFP モジュールだけを使用してください。各シスコ製モジュールには、セキュリティ情報が符号化されたシリアル EEPROM が組み込まれています。この符号化によって、シスコはそのモジュールがスイッチの要件を満たしているかどうかを識別し、検証できます。次のことを確認してください。
• SFP モジュールが不良または不適切でないことを確認します。疑わしい SFP モジュールを故障していないことがわかっているモジュールに交換します。モジュールが使用するプラットフォームでサポートされていることを確認します。(Cisco.com にあるスイッチのリリース ノートに、スイッチがサポートする SFP モジュールの一覧が示されています)。
• show interfaces 特権 EXEC コマンドを使用して、ポートまたはモジュールが error-disabled、disabled、または shutdown のステータスになっていないかを確認します。必要に応じて、ポートを再度イネーブルにします。
ポートがディセーブルになっているため、ポートが接続できない場合があります。何らかの理由でポートやインターフェイスがディセーブルになっていないか、または電源がオフになっていないか確認してください。リンクのいずれか一方のポートまたはインターフェイスが手動でシャット ダウンされていると、そのポートを再度イネーブルにしなければリンクはアクティブになりません。 show interfaces 特権 EXEC コマンドを使用して、接続の両側でポートまたはインターフェイスが errdisable、disabled、または shutdown のステータスになっていないかを確認します。必要に応じて、ポートまたはインターフェイスを再度イネーブルにします。
ping を使用して段階的にエンド デバイスをテストします。最初は直接接続されているスイッチから始め、接続できない原因となっている箇所を突き止めるまで、ポートごと、インターフェイスごと、トランクごとに段階的にさかのぼって調べます。各スイッチの Content-Addressable Memory(CAM)テーブル内に、エンド デバイスの MAC アドレスが存在していることを確認します。
スパニングツリー プロトコル(STP)にループが発生すると重大なパフォーマンス上の問題が引き起こされ、その状況がポートやインターフェイスの問題のように見えることがあります。ループが発生すると、スイッチの帯域幅が同じフレームで何度も繰り返して消費されることにより、正規のトラフィックに使用される余地がほとんどなくなります。
ループは、単方向リンクが原因で発生します。単方向リンクは、スイッチが送信したトラフィックをネイバーが受信し、そのネイバーからのトラフィックをスイッチが受信していない場合に発生します。破損した光ファイバ ケーブル、その他のケーブル配線、またはポートの問題によって、この単方向通信が引き起こされる可能性があります。
単方向リンクの問題は見つけることは困難ですが、スイッチで単方向リンク検出(UDLD)をイネーブルにすると問題の特定に役立ちます。UDLD は、ノーマル(デフォルト)とアグレッシブの 2 つの動作モードをサポートしています。ノーマル モードでは、UDLD は、光ファイバ接続において誤って接続されたインターフェイスによる単一方向リンクを検出します。アグレッシブ モードでは、UDLD はまた、光ファイバおよびツイスト ペア リンクの単一方向トラフィックによる単一方向リンク、および光ファイバ リンクにおいて誤って接続されたインターフェイスによる単一方向リンクを検出します。スイッチで UDLD をイネーブルにする方法については、このリリースのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドの「Configuring UDLD」章のセクション「Understanding UDLD」を参照してください。
ポートの統計情報に、アライメント エラー、Frame Check Sequence(FCS; フレーム チェック シーケンス)、またはレイト コリジョン エラーが大量に表示される場合は、速度またはデュプレックス設定の不一致を示していることがあります。
速度およびデュプレックスに関連したよくある問題は、スイッチ間、スイッチとルータの間、またはスイッチとワーク ステーションもしくはサーバの間におけるデュプレックス設定の不一致です。これは速度およびデュプレックスを手動で設定した場合や、2 台の装置間における自動ネゴシエーションの問題が原因となることがあります。不一致は次の条件で発生します。
• 手動で設定した速度またはデュプレックスのパラメータが、接続ポート上で手動で設定された速度またはデュプレックスのパラメータと異なっている場合。
• ポートを自動ネゴシエーションに設定したが、接続先ポートは自動ネゴシエーションを使用しない全二重に設定されている場合。
スイッチのパフォーマンスを最大限に引き出してリンクを確保するには、次のいずれかの注意事項に従って、デュプレックスおよび速度の設定を変更してください。
• 速度とデュプレックスの両方について、両方のポートで自動ネゴシエーションを実行させます。
• 接続の両側でポートの速度とデュプレックスのパラメータを手動で設定します。
• 接続先装置が自動ネゴシエーションを実行しない場合は、2 つのポートのデュプレックス設定を一致させます。速度パラメータは、接続先のポートが自動ネゴシエーションを実行しない場合でも自動調整が可能です。
スイッチとサードパーティ製ネットワーク インターフェイス カード(NIC)間で問題が発生する場合があります。スイッチのポートおよびインターフェイスは、デフォルトで自動ネゴシエーションに設定されています。一般的にはラップトップ コンピュータやその他の装置も自動ネゴシエーションに設定されていますが、それでも自動ネゴシエーションの問題が発生することがあります。
自動ネゴシエーションの問題をトラブルシューティングする場合は、接続の両側で手動設定を試してください。手動設定を行っても問題が解決しない場合は、NIC のファームウェアやソフトウェアに問題がある可能性があります。その場合、NIC の製造元からドライバの最新バージョンを入手し、アップグレードして問題を解決してください。
ポート統計情報に、過剰な FCS、レイト コリジョン、またはアライメント エラーが示されている場合は、スイッチから接続先の装置までのケーブル長が推奨ガイドラインに従っていることを確認してください。ケーブル接続の注意事項については、を参照してください。
スイッチを出荷時のデフォルト設定に戻す手順について説明します。次のような理由から、スイッチをリセットする場合があります。
• スイッチをネットワークに設置したが、誤った IP アドレスを割り当てたため、スイッチに接続できない。
• すべての設定をスイッチからクリアし、新しい IP アドレスを割り当てる必要がある。
スイッチのパスワードをリセットするには、次の手順を実行します。
2. スイッチの電源を入れて、同時に、すべてのシステム LED が点灯するまで、Express Setup ボタンを押し続けます。
3. Express Setup ボタンを放すと、スイッチは起動を続行します。
スイッチの再起動後、Express Setup を続行してください。
これで、このスイッチは未設定のスイッチと同様に動作します。スイッチに付属のスタートアップ ガイドに説明されている Express Setup の使用方法に従ってスイッチを設定できます。また、 付録 D「CLI ベースのセットアップ プログラムによるスイッチの設定」 に説明されている CLI セットアップ手順に従ってスイッチを設定することもできます。
システム管理者は、パスワード回復機能をイネーブルまたはディセーブルにできます。パスワード回復がディセーブルの場合、紛失したり、忘れたパスワードを回復するには、スイッチの設定を完全にクリアする以外に方法がありません。この手順については、「スイッチの IP アドレスと設定をクリアする方法」を参照してください。
スイッチのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドには、パスワード回復機能のイネーブル化およびディセーブル化の詳細と、パスワードを回復する手順が記載されています。
シスコのテクニカル サポートに連絡する場合は、スイッチのシリアル番号が必要です。スイッチまたはモジュールのシリアル番号の位置については、図 3-1 と図 3-2 を参照してください。 show version 特権 EXEC コマンドを使用して、スイッチのシリアル番号を確認することもできます。
図 3-1 Cisco IE-3000-4TC および Cisco IE-3000-8TC スイッチのシリアル番号の位置
図 3-2 Cisco IEM-3000-8TM および Cisco IEM-3000-8FM モジュールのシリアル番号の位置