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この章には、Cisco Industrial Ethernet(IE)3000 スイッチ(以降は スイッチ と呼びます)に関するトピックが含まれています。
この章では、スイッチ機能の概要について説明します。次の内容で構成されています。
• 「概要」
Cisco IE 3000 スイッチは、厳しい環境に対応した堅牢でセキュアなスイッチング インフラストラクチャを提供します。工場オートメーション、高度道路交通システム(ITS)、変電所など、過酷な環境での工業用イーサネット アプリケーションに適しています。
このスイッチは、Cisco IP Phone、Cisco Wireless Access Point、ワークステーションなどのオフィス ネットワーク装置や、その他のネットワーク装置(サーバ、ルータ、他のスイッチなど)に接続できます。産業環境で、プログラム可能な論理コントローラ(PLC)、ヒューマン マシン インターフェイス(HMI)、ドライブ、センサー、交通信号制御装置、および高度電子機器(IED)など、すべてのイーサネット可能な工業用通信装置を接続できます。
スイッチは、産業用ラックの DIN レール、壁、またはパネルに取り付けることができます。また、いくつかの制限はあるものの、標準的な 19 インチ ラックにも取り付けることができます。このコンポーネントは、産業環境下における過酷な温度、振動、衝撃に耐えられるように設計されています。
表 1-1 には、スイッチと拡張モジュールが説明されています。Cisco IE-3000-4TC および Cisco IE-3000-8TC はスイッチ モジュールで、Cisco IEM-3000-8TM および Cisco IEM-3000-8FM は拡張モジュールであり、これらを使用して、より多くのポートに接続できます。スイッチに拡張モジュールを接続する方法については、を参照してください。
ここでは、前面パネルについて説明します。内容は次のとおりです。
• 「LED」
スイッチの前面パネルは、ポート、LED、および電源とリレー コネクタが含まれています。図 1-1 から図 1-4 には、スイッチと拡張モジュールの前面パネルが示されています。
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図 1-3 Cisco IEM-3000-8TM モジュール
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図 1-4 Cisco IEM-3000-8FM モジュール
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全二重モードまたは半二重モードのいずれかで 10 Mb/s または 100 Mb/s で動作するように 10/100 ポートを設定できます。また、これらのポートは IEEE 802.3AB に準拠した速度の自動ネゴシエーション用に設定することもできます (デフォルト設定は自動ネゴシエーションです)。自動ネゴシエーションが設定されると、ポートは接続先装置の速度とデュプレックスの設定値を検知し、こちら側の機能を接続先に通知します。接続先装置も自動ネゴシエーション機能をサポートしていれば、スイッチ ポートは最良の接続(両側の装置がサポートしている最高回線速度、および接続先装置が全二重通信をサポートしている場合は全二重)になるようにネゴシエーションを実行し、その結果が自動的に設定されます。いずれの場合も、接続先装置との距離が 328 フィート(100 m)以内でなければなりません。100BASE-TX トラフィックではカテゴリ 5 のケーブルが必要です。10BASE-T トラフィックには、カテゴリ 3 またはカテゴリ 4 のケーブルを使用できます。
スイッチをワーク ステーション、サーバ、ルータ、および Cisco IP Phone に接続する場合、ケーブルがストレート ケーブルであることを確認します。
コマンドライン インターフェイス(CLI)で mdix auto インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用すると、Automatic Medium-Dependent Interface crossover(auto-MDIX)機能をイネーブルにすることができます。auto-MDIX 機能がイネーブルになっている場合、スイッチで銅線イーサネット接続に必要なケーブル タイプが検出され、それに応じてインターフェイスが設定されます。この機能の設定については、スイッチのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドまたはスイッチのコマンド リファレンスを参照してください。
デュアルパーパス ポートは、10/100/1000 ポートまたは SFP モジュール ポートとして設定できます。一度に 1 つのポートだけを有効にできます。両方のポートに接続されている場合は、SFP モジュール ポートが優先になります。
全二重モードまたは半二重モードのいずれかで 10 Mb/s、100 Mb/s、または 1000 Mb/s で動作するように 10/100/1000 ポートを設定できます。これらを固定 10、100、または 1000 Mb/s(ギガビット)イーサネット ポートとして設定し、デュプレックス設定を設定できます。(詳細については、スイッチのソフトウェア コンフィギュレーションを参照してください)。
ギガビット イーサネット SFP モジュールを使用して、他のスイッチへの光ファイバ接続を確立できます。これらのトランシーバ モジュールは、現地交換が可能で、SFP モジュール スロットに実装されることによって、アップリンク インターフェイスを提供します。光ファイバ SFP モジュールの接続には、LC コネクタの光ファイバ ケーブルを使用します。
これらの SFP モジュールの詳細については、使用する SFP モジュールのマニュアルまたはスイッチ ソフトウェアのリリース ノートを参照してください。
IEEE 802.3u 100BASE-FX ポートはマルチ モード ファイバ(MMF)ケーブルでの全二重の 100 Mbps 接続を提供します。これらのポートは、デュアル LC コネクタを受け入れる Small Form Factor Fixed(SFF)光ファイバ トランシーバ モジュールを使用します。ケーブルの最大長は 1.24 マイル(2 km)です。
2 つの前面パネルのコネクタを介して、スイッチに DC 電源とアラーム信号を接続します。1 つのコネクタはプライマリ DC 電源(サプライ A)とメジャー アラーム信号を提供し、2 つめのコネクタ(サプライ B)は 2 つめの電源とマイナー アラーム信号を提供します。2 個のコネクタは物理的に同じであり、前面パネルの上部左側にあります。図 1-2 を参照してください。
スイッチのアクセサリ パックには、はめ合い電源とリレー コネクタが含まれています。これらのコネクタには、DC 電源を終了するためのネジ端末とアラーム導線が含まれており、コネクタは前面パネルの電源とリレー レセプタクルをプラグ接続します。プラスの DC 電源接続には V のラベルが付けられています。その近くにマイナスの接続があり、これには RT のラベルが付けられます(図 1-5を参照)。
スイッチは単一の電源またはデュアル電源で動作します。2 つの電源装置が正常に動作している場合、より高い電圧の DC 電源からスイッチに電力が供給されます。電源の一方が故障した場合は、もう 1 つの電源がスイッチに電力を供給し続けます。
電源およびリレー コネクタには、2 つの独立したアラーム リレーのインターフェイスである、メジャー アラームとマイナー アラームも備わっています。リレーは環境、電源、およびポート ステータスのアラーム状態に応じてアクティブにすることができ、 の両方で動作し、開接点または閉接点のいずれかを使用してアラームを示すように設定できます。リレー自体は通常は開いており、電源障害が発生すると、接点が開きます。CLI から、いずれかのアラーム リレー、または両方のアラーム リレーを使用してアラーム条件を関連付けることができます。
多くの場合、アラーム リレーによってベルやライトなどの外部アラーム デバイスが制御されます。外部アラーム装置をリレーに接続するには、2 つのリレー接点を導線でつないで電気回路を構成する必要があります。電源コネクタとリレー コネクタ両方のアラームの端末には A というラベルが付けられており、極性に関係なく、デバイスを接続できます。
アラーム リレーの設定手順については、スイッチのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドを参照してください。
電源コネクタとリレー コネクタの詳細については、 付録 C「ケーブルおよびコネクタ」 を参照してください。
シスコのテクニカル サポートに連絡して、交換用電源およびリレー コネクタ(PWR-IE3000-CNCT=)を入手できます。
コンソール ポートと、付属の RJ-45-to-DB-9 アダプタ ケーブルを使用してスイッチを PC に接続できます。端末にスイッチを接続する場合は、RJ-45/DB-25 メス DTE アダプタが必要です。このアダプタが付属しているキット(部品番号 ACS-DSBUASYN=)を注文してください。コンソール ポートおよびアダプタのピン割り当てについては、を参照してください。
LED を使用して、スイッチのステータス、動作、およびパフォーマンスをモニタできます。図 1-6 から 図 1-9 は前面パネル LED を示しており、次のセクションで説明します。
すべての LED を、GUI 管理アプリケーション(スイッチが複数の場合は Network Assistant アプリケーション、スイッチが 1 台の場合はデバイス マネージャ GUI)で表示できます。CLI を使用して個々のスイッチおよびスイッチ クラスタを設定およびモニタする方法については、スイッチのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドを参照してください。
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Pwr B LED |
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Pwr A LED |
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図 1-7 Cisco IEM-3000-8TM モジュールの LED
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図 1-8 Cisco IEM-3000-8FM モジュールの LED
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Setup LED は、内部設定の Express Setup モードを示します。 表 1-2 に、LED のカラーとその意味を示します。
管理ステーショとの接続に使用可能なポートがないため、スイッチが初期設定またはリカバリの開始に失敗しました。スイッチ ポートから装置の接続を外し、Express Setup ボタンを押してください。 |
システム LED は、そのシステムに電力が供給され、正常に機能しているかどうかを示します。
表 1-3 に、システム LED のカラーとその意味を示します。
表 1-4 には、アラーム LED のカラーとその意味が示されています。
スイッチは、1 つまたは 2 つの DC 電源で動作します。各 DC 入力端子には、対応する DC 入力のステータスを表示するための LED があります。回路に電力が供給されている場合、LED はグリーンに点灯します。電力が供給されていない場合、LED の色はアラーム設定によって異なります。アラームが設定されてれば、電力が供給されていない場合に LED はレッドに点灯しますが、それ以外の場合、LED は消灯します。
スイッチがデュアル電源を使用している場合、より電圧の高い電源からスイッチに電力が供給されます。DC 電源の一方に障害が発生すると、もう一方の DC 電源からスイッチに電力が供給され、対応する電源ステータス LED がグリーンに点灯します。障害が発生した DC 電源の電源ステータス LED は、アラーム設定によりレッドに点灯するか消灯します。
表 1-5 に、電源ステータス LED のカラーとその意味を示します。
(注) 電源入力が最小有効レベルを下回った場合、電源 A および電源 B の LED は電力がスイッチに供給されていないことを表示します。電源ステータス LED は、入力電圧が有効レベルを超えた場合にだけスイッチに電力が供給されていることを表示します。この相違、つまりヒステリシスによって、電源ステータス LED は 18 V 近辺で振動しないようになります。
各 10/100 ポートには、図 1-6、図 1-7、および図 1-8 に示されているようなポート ステータス LED(ポート LED とも呼ばれる)があります。 表 1-6 に、スイッチおよび個別のポートについての LED の詳細を示します。
これらの LED は個々のポートに関する情報を表示します。 表 1-7 を参照してください。
図 1-9 に、デュアルパーパス ポートの LED を示します。各ポートは、RJ-45 コネクタを使用する 10/100/1000 ポートとして、あるいは SFP モジュールとして設定できますが、両方は同時に設定できません。LED はポートの使用状態(イーサネットまたは SFP モジュール)を示します。
LED のカラーと意味については、 表 1-6 の説明と同じです。
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このスイッチは、コンパクト フラッシュ メモリ カードをサポートしています。フラッシュ メモリ カードを使えば、再設定を行わずに障害が発生したスイッチを新しいスイッチと交換できます。フラッシュ メモリ カード用スロットは、スイッチの下部にあります。 を参照してください。
(注) コンパクト フラッシュ メモリ カードの取り付けおよび取り外しの方法の詳細については、を参照してください。
図 1-10 コンパクト フラッシュ メモリ カード スロット
(注) 交換用フラッシュ メモリ カード(部品番号:CF-IE3000=)は、シスコのテクニカル サポートに問い合わせて入手できます。
スイッチの背面パネル、モジュール、およびパワー コンバータには、DIN レールまたは壁のいずれかに設置するためのラッチがあります。図 1-11 を参照してください。ラッチを外側にスライドさせて、DIN レールに沿ってスイッチの位置を合わせ、内側にスライドさせてスイッチを DIN レールに固定します。脚部分は、壁面に取り付ける場合にスイッチを安定させます。
図 1-11 Cisco IE 3000 スイッチの背面パネル
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スイッチはオプションの AC/DC パワー コンバータとともに使用できます。パワー コンバータ(PWR-IE3000-AC)は、1 台のスイッチと最大 2 台のモジュールに 24 VDC の電力を供給できます。パワー コンバータはスイッチの側面に取り付けられ、あらかじめ組み立てられた電源ケーブルを使用してスイッチに電力を供給します。
(注) パワー コンバータ(PWR-IE3000-AC=)は、別個に販売されています。
シスコのテクニカル サポートに連絡して、交換用電源ケーブル(PWR-IE3000-CLP=)を入手できます。
パワー コンバータの取り付けおよび接続手順については、を参照してください。
図 1-12 にはパワー コンバータが示されています。
図 1-12 Cisco IE 3000 スイッチ AC/DC パワー コンバータ
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Cisco Network Assistant は、中小企業の LAN に合わせて最適化された、PC ベースのネットワーク管理 GUI アプリケーションです。ユーザはスイッチ クラスタまたはスタンドアロンのスイッチの設定および管理を GUI から行うことができます。Cisco Network Assistant は、次の URL から無料でダウンロードできます。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps5931/tsd_products_support_series_home.html
Cisco Network Assistant アプリケーションの起動については、Cisco.com にある『 Getting Started with Cisco Network Assistant 』を参照してください。
スイッチのメモリ内にあるデバイス マネージャを使用すると、個々のスタンドアロン スイッチを管理できます。この Web インターフェイスによって、設定とモニタリングをすばやく実行できます。デバイス マネージャには、Web ブラウザを介して、ネットワーク上のどこからでもアクセスできます。詳細については、スタートアップ ガイドおよびデバイス マネージャのオンライン ヘルプを参照してください。
スイッチの CLI は Cisco IOS ソフトウェアに基づいており、デスクトップ スイッチング機能をサポートするよう拡張されています。これを使用して、スイッチの設定と監視を行うことができます。CLI にアクセスするには、スイッチの管理ポートまたはコンソール ポートに管理ステーションを直接接続するか、リモート管理ステーションから Telnet を使用します。詳細については、Cisco.com にあるスイッチのコマンド リファレンスを参照してください。
CiscoWorks デバイス管理アプリケーションには、スイッチのイメージが表示されます。これを使用して、コンフィギュレーション パラメータを設定したり、スイッチの状態やパフォーマンスを確認したりすることができます。CiscoView アプリケーション(別売)は、スタンドアロン アプリケーションとして利用することも、簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)に組み込むこともできます。詳細については、CiscoView のマニュアルを参照してください。
HP OpenView または SunNet Manager などのプラットフォームが作動している SNMP 対応管理ステーションから、スイッチを管理できます。スイッチは、管理情報ベース(MIB)拡張機能の包括的なセットと 4 つの Remote Monitoring(RMON)グループをサポートしています。詳細については、Cisco.com にあるスイッチのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドおよび SNMP アプリケーションに付属のマニュアルを参照してください。
Common Industrial Protocol(CIP)管理オブジェクトがサポートされています。Cisco IE 3000 は、CIP ベースの管理ツールによって管理できます。これにより、1 つのツールで工業オートメーション システム全体を管理できます。
ネットワーク構成の概念と、スイッチを使用して専用ネットワーク セグメントを作成しギガビット イーサネットで相互接続する例については、Cisco.com にあるスイッチのソフトウェア コンフィギュレーション ガイドを参照してください。