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この章では、次の項でシリアル インターフェイス管理の設定について説明します。
• 「設定例」
Cisco 819 サービス統合型ルータ(ISR)では、同期(デフォルト)および非同期のシリアル インターフェイス プロトコルがサポートされます。
Cisco 819 ISR のシリアル インターフェイスを設定すると、WAN アクセス、レガシー プロトコル転送、コンソール サーバおよびダイヤル アクセス サーバなどのアプリケーションをイネーブルにすることができます。また、リモート ネットワーク管理、外部ダイヤル モデム アクセス、低密度 WAN アグリゲーション、レガシー プロトコル転送および高ポート密度のサポートをイネーブルにします。
シリアル インターフェイスを使用して、リモート サイトの WAN アクセスを提供できます。最大 8 Mbps のシリアル速度のサポートの場合、低密度および中密度の WAN アグリゲーションに理想的です。
シリアルおよび同期/非同期ポートは、TCP/IP ネットワーク全体での理想的なレガシー トラフィックの転送に適していて、ネットワーク コンバージェンスを容易にします。Cisco IOSR ソフトウェアでサポートされるレガシー プロトコルには、次のものが含まれます。
Cisco 819 ISR では Cisco Smart Serial コネクタを使用します。サポートされているケーブルを 表 8-1 に示します。
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プライマリ インターフェイスがダウンしていることをルータが検出した場合、バックアップ インターフェイスはイネーブルになっています。指定された期間中にプライマリ接続が復旧した場合、バックアップ インターフェイスがディセーブルになります。
バックアップ インターフェイスがスタンバイ モードから起動した場合も、ルータはそのバックアップ インターフェイスに関する指定されたトラフィックを受信しない限り、バックアップ インターフェイスをイネーブルにしません。
シリアル インターフェイスを設定するには、次の概念を理解しておく必要があります。
Cisco ハイレベル データリンク コントローラ(HDLC)は、HDLC を使用して、同期シリアル リンクでデータを送信するためのシスコ独自のプロトコルです。また、Cisco HDLC は、シリアル リンクのキープアライブを維持するシリアル ライン アドレス解決プロトコル(SLARP)と呼ばれる単純な制御プロトコルも提供します。Cisco HDLC は、効率的なパケットの説明およびエラー制御を行う、オープン システム インターコネクション(OSI)スタックのレイヤ 2(データリンク)におけるデフォルトのデータ カプセル化のデフォルト プロトコルです。
(注) Cisco HDLC は、シリアル インターフェイスのデフォルトのカプセル化タイプです。
シリアル インターフェイスでのカプセル化が HDLC から他のカプセル化タイプに変更されると、主要なインターフェイスに設定されたシリアル サブインターフェイスは、新しく変更されたカプセル化を引き継ぎますが、削除されません。
Cisco HDLC は、キープアライブを使用してリンク ステートをモニタリングします(「キープアライブ タイマー」を参照)。
PPP は、同期シリアル リンクでデータを送信するために使用される標準プロトコルです。また、PPP は、リンクのプロパティをネゴシエートするリンク制御プロトコル(LCP)も提供します。LCP は、エコー要求および応答を使用して、リンクの継続的なアベイラビリティをモニタリングします。
(注) インターフェイスに PPP カプセル化が設定されている場合、リンクがダウンしたと宣言され、エコー応答(ECHOREP)を受信せずに 5 回のエコー要求(ECHOREQ)パケットが送信された後、完全な LCP ネゴシエーションが再開されます。
PPP は、リンク上で動作するデータ プロトコルのプロパティをネゴシエートする、次のネットワーク制御プロトコル(NCP)を提供します。
• IP のプロパティをネゴシエートする IP コントロール プロトコル(IPCP)
• MPLS のプロパティをネゴシエートするマルチプロトコル ラベル スイッチング コントロール プロセッサ(MPLSCP)
• CDP のプロパティをネゴシエートする Cisco Discovery Protocol コントロール プロセッサ(CDPCP)
• IP バージョン 6(IPv6)のプロパティをネゴシエートする IPv6CP
• OSI のプロパティをネゴシエートするオープン システム インターコネクション コントロール プロセッサ(OSICP)
PPP は、キープアライブを使用してリンク ステートをモニタリングします(「キープアライブ タイマー」を参照)。
PPP は次の認証プロトコルをサポートします。これらのプロトコルでは、接続によるデータ トラフィックのフローを許可する前にそのアイデンティティを証明するために、リモート デバイスが必要です。
• チャレンジ ハンドシェイク認証プロトコル(CHAP):CHAP は、リモート デバイスにチャレンジ メッセージを送信します。リモート デバイスは、共有秘密を使用してチャレンジの値を暗号化し、暗号化された値とその名前を応答メッセージでローカル ルータに戻します。ローカル ルータは、リモート デバイスの名前をローカル ユーザ名またはリモート セキュリティ サーバ データベース内に保存された関連秘密に一致させようとします。保存された秘密を使用して、元のチャレンジを暗号化し、暗号化された値が一致していることを確認します。
• マイクロソフト チャレンジ ハンドシェイク認証プロトコル(MS-CHAP):MS-CHAP は CHAP の Microsoft バージョンです。CHAP の標準バージョンと同様に、MS-CHAP は PPP 認証に使用されます。この場合、認証は、Microsoft Windows NT または Microsoft Windows 95 を使用するパーソナル コンピュータとネットワーク アクセス サーバとして機能する Cisco ルータまたはアクセス サーバの間で行われます。
• パスワード認証プロトコル(PAP):PAP 認証では、ローカル ユーザ名データベース内またはリモート セキュリティ サーバ データベース内の一致するエントリに照らし合わせてチェックする名前とパスワードを送信するために、リモート デバイスが必要です。
シリアル インターフェイスで CHAP、MS-CHAP、および PAP をイネーブルにするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ppp authentication コマンドを使用します。
(注) PPP 認証をイネーブル化またはディセーブル化しても、ローカル ルータがリモート デバイスに対して自身を認証しようとすることには変わりありません。
マルチリンク PPP(MLPPP)は、Cisco 819 ISR シリアル インターフェイスでサポートされています。MLPPP は、複数の物理リンクを 1 つの論理リンクに組み合わせる方式を提供します。MLPPP の実装によって、複数の PPP シリアル インターフェイスが 1 つのマルチリンク インターフェイスにまとめられます。MLPPP は、複数の PPP リンクでデータグラムの断片化、再編成、および配列を行います。
MLPPP は、QoS を除く PPP シリアル インターフェイスでサポートされる同じ機能を提供します。また、次の追加機能も提供します。
• 128 バイト、256 バイト、および 512 バイトのフラグメント サイズ
• 失われたフラグメントの検出タイムアウト期間(80 ms)
シスコ キープアライブは、リンク ステートをモニタリングする場合に便利です。キープアライブは、キープアライブ タイマーの値によって決定される頻度で、定期的にピアに送信され、ピアから受信されます。受け入れ可能なキープアライブがピアから受信されない場合、リンクはダウン状態に移行します。ピアから受け入れ可能なキープアライブが受信されるか、キープアライブがディセーブルになると、リンクはすぐにアップ状態に移行します。
(注) keepalive コマンドは、HDLC または PPP カプセル化を使用するシリアル インターフェイスに適用されます。フレーム リレー カプセル化を使用するシリアル インターフェイスには適用されません。
各カプセル化タイプでは、ピアによって無視される特定の数のキープアライブがシリアル インターフェイスのダウン状態への移行をトリガーします。HDLC カプセル化の場合、無視されるキープアライブが 3 つあると、インターフェイスがダウン状態になります。PPP カプセル化の場合、無視されるキープアライブが 5 つあると、インターフェイスがダウン状態になります。ECHOREQ パケットは、LCP ネゴシエーションが完了した場合(LCP が開いている場合など)に限り、送信されます。
LCP が ECHOREQ パケットをピアに送信する頻度を設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで keepalive コマンドを使用します。システムを 10 秒のデフォルト キープアライブ インターバルに戻すには、 keepalive コマンドを no キーワードとともに使用します。キープアライブをディセーブルにするには、 keepalive disable コマンドを使用します。PPP と Cisco HDLC では、0 のキープアライブはキープアライブをディセーブルにし、 show running-config コマンド出力では、 keepalive disable として報告されます。
LCP がピアで動作していて、ECHOREQ パケットを受信すると、キープアライブがピアでイネーブルかどうかに関係なく、ECHOREP パケットで応答します。
キープアライブは、2 つのピアの間で独立しています。一方のピアの端ではキープアライブをイネーブルにし、もう一方の端ではディセーブルにすることができます。キープアライブがローカルでディセーブルの場合でも、LCP は受信する ECHOREQ パケットに ECHOREP パケットで応答します。同様に、LCP は、それぞれの端のキープアライブの期間が異なる場合でも機能します。
シリアル インターフェイスでフレーム リレー カプセル化がイネーブルの場合、インターフェイスの設定は階層型になっており、次の要素で構成されます。
• シリアル メイン インターフェイスは、物理インターフェイスおよびポートで構成されます。Cisco HDLC および PPP カプセル化接続をサポートするシリアル インターフェイスを使用していない場合、シリアル メイン インターフェイスの下に相手先固定接続(PVC)があるサブインターフェイスを設定する必要があります。フレーム リレー接続は、PVC でのみサポートされます。
• シリアル サブインターフェイスは、シリアル メイン インターフェイスの下に設定されます。シリアル サブインターフェイスは、シリアル サブインターフェイスの下に PVC を設定するまで、トラフィックをアクティブに伝送しません。レイヤ 3 の設定は、一般的にサブインターフェイス上で行われます。
• シリアル インターフェイスでのカプセル化が HDLC から他のカプセル化タイプに変更されると、主要なインターフェイスに設定されたシリアル サブインターフェイスは、新しく変更されたカプセル化を引き継ぎますが、削除されません。
• ポイントツーポイント PVC は、シリアル サブインターフェイスの下に設定されます。メイン インターフェイスの下に PVC を直接設定できません。1 つのサブインターフェイスに対して 1 つのポイントツーポイント PVC を設定できます。PVC はあらかじめ定義された回線パスを使用し、パスが中断されるとエラーが発生します。PVC は、どちらかの設定から回線を削除しない限り、アクティブな状態に保たれます。シリアル PVC での接続は、フレーム リレー カプセル化だけをサポートします。
(注) 親インターフェイスの管理状態は、サブインターフェイスとその PVC の状態を決定します。親インターフェイスまたはサブインターフェイスの管理状態が変わると、その親インターフェイスまたはサブインターフェイスの下に設定されたすべての子 PVC の管理状態も変わります。
シリアル インターフェイスにフレーム リレー カプセル化を設定するには、 encapsulation (Frame Relay VC-bundle) コマンドを使用します。
フレーム リレー インターフェイスは、次の 2 つのタイプのカプセル化フレームをサポートします。
PVC に Cisco または IETF カプセル化を設定するには、PVC コンフィギュレーション モードで encap コマンドを使用します。PVC にカプセル化のタイプが明示的に設定されていない場合、その PVC は、メイン シリアル インターフェイスからカプセル化のタイプを引き継ぎます。
(注) Cisco カプセル化は、MPLS に設定されたシリアル メイン インターフェイスで必要です。IETF カプセル化は、MPLS ではサポートされていません。
インターフェイスにフレーム リレーのカプセル化を設定する前に、そのインターフェイスから以前のレイヤ 3 のすべての設定が除去されていることを確認する必要があります。たとえば、メイン インターフェイスの下に直接設定されている IP アドレスがないことを確認する必要があります。IP アドレスが直接設定されていると、メイン インターフェイスの下で行われたフレーム リレー設定が実行できなくなります。
ローカル管理インターフェイス(LMI)プロトコルは、PVC の追加、削除、およびステータスをモニタリングします。また、LMI は、フレーム リレー UNI インターフェイスを形成するリンクの完全性を確認します。デフォルトでは、 cisco LMI はすべての PVC でイネーブルです。
LMI のタイプが cisco (デフォルトの LMI タイプ)である場合、1 つのインターフェイスでサポートできる PVC の最大数は、メイン インターフェイスの MTU サイズに関連しています。カードまたは SPA でサポートされる PVC の最大数を計算するには、次の公式を使用します。
(注) シリアル インターフェイスでの mtu コマンドのデフォルト設定は、1504 バイトです。したがって、cisco LMI が設定されたシリアル インターフェイスでサポートされる PVC のデフォルト数は、186 です。
同期シリアル インターフェイスは、さまざまなシリアル インターフェイス カードまたはシステムでサポートされています。このインターフェイスは、T1(1.544 Mbps)と E1(2.048 Mbps)の速度での全二重方式の動作をサポートします。
同期シリアル インターフェイスを設定するには、次の項で説明する作業を実行します。一覧内の各作業は、必須と任意に分けています。
• 「同期シリアル インターフェイスの指定」(必須)
• 「同期シリアル カプセル化の指定」(任意)
• 「PPP の設定」(任意)
• 「Cisco 819 ISR での同期シリアル ポート アダプタの半二重と Bisync の設定」(任意)
• 「HDLC データの圧縮の設定」(任意)
• 「NRZI ライン コーディング フォーマットの使用」(任意)
• 「内部クロックのイネーブル化」(任意)
• 「送信クロック信号の反転」(任意)
• 「送信遅延の設定」(任意)
• 「DTR 信号パルシングの設定」(任意)
• 「回線アップ/ダウン インジケータとしての DCD の無視と DSR のモニタリング」(任意)
• 「シリアル ネットワーク インターフェイス モジュールのタイミングの指定」(任意)
この章で説明する設定作業の例については、「設定例」を参照してください。
同期シリアル インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始するには、グローバル コンフィギュレーション モードで次のいずれかのコマンドを使用します。
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デフォルトでは、同期シリアル回線は、ウィンドウイングまたは再送信を行わずにハイレベル データ リンク制御(HDLC)の同期フレーム構成およびエラー検出機能を提供する HDLC シリアル カプセル化方式を使用します。同期シリアル インターフェイスは、次のカプセル化方式をサポートします。
• Cisco Bisync Serial Tunnel(BSTUN)
カプセル化方式を定義するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config-if)# encapsulation { hdlc | frame-relay | ppp | sdlc-primary | sdlc-secondary | smds | stun | x25 | bstun } |
(注) フレーム リレー カプセル化には、physical-layer async コマンドを使用できません。
カプセル化の方式は、Cisco IOS ソフトウェアで設定するプロトコルまたはアプリケーションのタイプに応じて設定されます。
• PPP については、「Configuring Media-Independent PPP and Multilink PPP」で説明しています。
• その他のカプセル化方式は、プロトコルまたはアプリケーションについて説明するそれぞれの文書および章で定義されています。また、シリアル カプセル化については、『Cisco IOS Interface and Hardware Component Command Reference』の encapsulation コマンドの箇所で説明しています。
デフォルトでは、同期インターフェイスは全二重方式で動作します。半二重モードの SDLC インターフェイスを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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バイナリ同期通信(Bisync)は、半二重プロトコルです。各ブロックの送信は明示的に確認されます。同期送信に関連する問題を回避するには、プライマリおよびセカンダリ ステーションの暗黙のロールがあります。ブロック レシーブ タイムアウトの期間内にセカンダリからの応答がない場合、プライマリは最後のブロックを再び送信します。
全二重方式のシリアル インターフェイスを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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PPP を設定するには、「Configuring Media-Independent PPP and Multilink PPP」を参照してください。
Cisco 819 ISR の同期シリアル ポート アダプタは、半二重と Bisync をサポートします。Bisync は、半二重アプリケーションのための文字指向のデータリンク層プロトコルです。半二重モードでは、データは一度に 1 つの方向に送信されます。方向は送信要求(RST)およびクリア ツー センド(CTS)制御回線のハンドシェイクによって制御されます。これらについては、「Bisync の設定」で説明しています。
Cisco 819 ISR の同期シリアル ポート アダプタの Bisync 機能を設定するには、「Block Serial Tunneling (BSTUN) Overview」を参照してください。ここに挙げたすべてのコマンドは、Cisco 891 ISR の同期シリアル ポート アダプタに適用されます。インターフェイス 番号 を指定するすべてのコマンド構文は、Cisco 891 ISR の スロット/ポート 構文をサポートします。
HDLC カプセル化を使用するシリアル インターフェイスでは、ポイントツーポイント ソフトウェア圧縮を設定できます。損失のないデータ圧縮によって、HDLC フレームのサイズが減少します。使用される圧縮アルゴリズムは、Stacker(LZS)アルゴリズムです。
圧縮はソフトウェアで行われ、システム パフォーマンスに大いに影響を与える可能性があります。CPU ロードが 65% を超える場合、圧縮をディセーブルにすることを推奨します。CPU ロードを表示するには、 show process cpu EXEC コマンドを使用します。
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NonReturn-to-Zero(NRZ)および NonReturn-to-Zero Inverted(NRZI)フォーマットは、Cisco 819 シリアル ポートでサポートされます。
NRZ と NRZI は、一部の環境でのシリアル接続で必要なライン コーディング フォーマットです。NRZ 符号化が最も一般的です。NRZI 符号化は、主に IBM 環境での EIA/TIA-232 接続で使用されます。
すべてのシリアル インターフェイスのデフォルト設定は、NRZ フォーマットです。デフォルトは no nrzi-encoding です。
NRZI フォーマットをイネーブルにするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のいずれかのコマンドを使用します。
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DTE が送信クロックを戻さない場合、ルータで次のインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、内部で生成されたクロックをシリアル インターフェイスでイネーブルにします。
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長いケーブルまたは TxC 信号(送信エコー クロック回線、TXCE または SCTE クロックとしても知られています)を送信していないケーブルを使用するシステムは、速い伝送速度で動作する場合に、エラー率が高くなる可能性があります。たとえば、PA-8T および PA-4T+ 同期シリアル ポート アダプタのインターフェイスが多数のエラー パケットを報告している場合、位相偏移が問題である可能性があります。クロック信号を反転させると、この偏移を修正できます。クロック信号を反転させるには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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T1/E1 インターフェイスを使用しない UIO シリアル インターフェイスの RX クロックのフェーズを反転させます。 |
シリアル インターフェイスで、一部のホストが受信するよりも速くバックツーバック データ パケットを送信できます。パケット送信後の最小デッドタイムを指定し、この条件を除去できます。この設定は、MCI および SCI インターフェイス カードのシリアル インターフェイスと HSSI または MIP で使用できます。インターフェイス コンフィギュレーション モードで、システムに応じて次のいずれかのコマンドを使用します。
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すべてのシリアル インターフェイスにパルシング専用トークン リング(DTR)信号を設定できます。シリアル回線プロトコルがダウンした場合(同期ずれなどの原因による)、インターフェイス ハードウェアはリセットされ、DTR 信号は少なくとも指定された間隔で非アクティブになります。この機能は、DTR 信号のトグリングによって同期をリセットする暗号化デバイスまたは他の同様のデバイスの処理に役立ちます。DTR 信号パルシングを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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デフォルトでは、シリアル インターフェイスが DTE モードで動作しているとき、回線アップ/ダウン インジケータとして、データ キャリア検出(DCD)信号をモニタリングします。デフォルトでは、DCE デバイスは DCD 信号を送信します。DTE インターフェイスは、DCD 信号を検出すると、インターフェイスの状態をアップ状態に変更します。
一部の構成(SDLC マルチドロップ環境など)では、DCE デバイスは、インターフェイスの活動を妨げる DCD 信号ではなく、データ セット レディ(DSR)信号を送信します。インターフェイスが回線アップ/ダウン インジケータとして DCD 信号ではなく DSR 信号をモニタリングするように設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Cisco 819 ISR で、シリアル ネットワーク インターフェイス モジュールのタイミング信号の設定を指定できます。ボードが DCE として動作していて、DTE が端末タイミング(SCTE または TT)を提供する場合、DCE が DTE から SCTE を使用するように設定できます。回線が高速および長距離で動作している場合、この方法によって、クロックに対するデータの位相偏移が妨げられます。
DCE が DTE から SCTE を使用するように設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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ボードが DTE として動作している場合、DTE がデータを送信するために使用する DCE から得られる TXC クロック信号を反転できます。DCE が DTE から SCTE を受信できず、データが高速で動作し、送信回線が長い場合、クロック信号を反転させます。この場合も、クロックに対するデータの位相偏移が妨げられます。
ルータが TXC クロック信号を反転させるようにインターフェイスを設定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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この項では、低速シリアルシリアル インターフェイスを設定する方法について説明します。次の項で構成されています。
• 「半二重 DTE および DCE ステート マシンの概要」
設定例については、「低速シリアル インターフェイスの設定例」を参照してください。
次の項では、半二重 DTE 送受信ステート マシンと半二重 DCE 送受信ステート マシンとの間の通信について説明します。
図 8-3 で説明されているように、低速インターフェイス用の半二重 DTE 送信ステート マシンは、休止されているときには、準備状態のままです。送信のためにフレームが使用可能な場合、ステート マシンは送信遅延状態になり、 half-duplex timer transmit-delay コマンドで定義された時間の間、待ち状態になります。デフォルトは 0 ミリ秒です。送信遅延は、半二重リンクをデバッグし、バックツーバック フレームを処理できない低速レシーバを補助するために使用されます。
定義されたミリ秒(ms)の間、アイドル状態になった後で、ステート マシンにより、送信要求(RTS)信号がアサートされ、DCE がクリア ツー センド(CTS)待ち状態に変わって CTS がアサートされます。 half-duplex timer rts-timeout コマンドで設定された値でタイムアウト タイマーが開始されます。デフォルトは 3 ms です。CTS がアサートされる前にタイムアウト タイマーの期限が切れた場合、ステート マシンは準備状態に戻り、RTS のアサートが解除されます。タイマーが切れる前に CTS がアサートされると、ステート マシンは送信のステートになり、フレームを送信します。
送信するフレームがなくなると、ステート マシンは送信完了待ち状態に変わります。マシンでは、シリアル コントローラが空になるまで FIFO 送信を待ち、 half-duplex timer rts-drop-delay インターフェイス コマンドによって定義された値で遅延タイマーが開始され、RTS ドロップ待ち遅延状態に変わります。
RTS ドロップ待ち遅延状態のタイマーの期限が切れると、ステート マシンでは、RTS のアサートが解除され、CTS ドロップ待ち状態に変わります。 half-duplex timer cts-drop-timeout インターフェイス コマンドで設定された値でタイムアウト タイマーが開始され、ステート マシンでは、CTS のアサート解除を待ちます。デフォルト値は 250 ms です。CTS 信号のアサートが解除されるか、または、タイムアウト タイマーの期限が切れると、ステート マシンは準備状態に戻ります。CTS のアサートが解除される前にタイマーの期限が切れると、エラー カウンタの値が増加します。この値は、該当のシリアル インターフェイスで show controllers コマンドを実行すると表示できます。
図 8-4 で説明されているように、低速インターフェイス用の半二重 DTE 受信ステート マシンは、アイドル状態にあり、準備状態でフレームを受信します。巨大フレームは、サイズが最大伝送単位(MTU)を超えるすべてのフレームです。巨大フレームの先頭を受信すると、ステート マシンは巨大状態に代わり、巨大フレームの末尾を受信するまで、フレーム フラグメントは廃棄されます。この時点で、ステート マシンは準備状態に戻り、次のフレームの到達を待ちます。
巨大フレームを受信すると、エラー カウンタの値が増やされます。エラー カウンタを表示するには、問題のシリアル インターフェイスで show interfaces コマンドを使用します。
図 8-5 で説明されているように、DCE モードの低速シリアル インターフェイスでは、半二重 DCE 送信ステート マシンは、休止されているときには、準備状態でアイドルになっています。出力キューが空ではなくなったときなど、シリアル インターフェイスで送信にフレームを使用できる場合、ステート マシンでは( half-duplex timer transmit-delay コマンドのミリ秒単位の値に基づいて)タイマーが開始され、送信遅延状態に変わります。DTE 送信状態のマシンと同様、送信遅延状態により、フレームの送信間の遅延を設定するオプションが与えられます。たとえば、この機能を使用すると、高速に継続されて複数フレームが受信されるときに、データを損失した低速レシーバを補うことができます。デフォルトの transmit-delay の値は 0 ms です。0 ではない遅延値を指定する場合は、 half-duplex timer transmit-delay インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
送信遅延状態の後の次の状態は、インターフェイスが固定キャリア モード(デフォルト)か制御キャリア モードかで異なります。
インターフェイスが固定キャリア モードの場合、次の状態を経過します。
1. transmit-delay タイマーの期限が切れると、ステート マシンは送信状態になります。送信するフレームがなくなるまで、ステート マシンは送信状態のままになります。
2. 送信するフレームがなくなると、ステート マシンは、送信完了待ち状態に変わります。これは、送信 FIFO が空になるのを待つ状態です。
3. FIFO が空になると、DCE が準備状態に戻り、出力キューに次のフレームが表示されるのを待ちます。
インターフェイスが制御キャリア モードの場合、インターフェイスでは、データ キャリア検出(DCD)信号を使用してハンドシェイクが実行されます。このモードでは、インターフェイスがアイドル状態で、送信するものがない場合に、DCD のアサートが解除されます。送信ステート マシンは、次の状態を経過します。
1. transmit-delay タイマーの期限が切れると、DCE によって DCD がアサートされ、DCD-txstart 遅延状態に変わって、DCD のアサーションと送信の開始との間の時間に遅延が生じるようになります。タイマーは、 dcd-txstart-delay コマンドを使用して指定された値に基づいて、開始されます (このタイマーのデフォルト値は 100 ms です。遅延値を指定するには、 half-duplex timer dcd-txstart-delay インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します)。
2. この遅延タイマーの期限が切れると、ステート マシンが送信状態になり、送信するフレームがなくなるまでフレームが送信されます。
3. DCE によって最後のフレームが送信されると、送信完了待ち状態になります。これは、送信 FIFO が空になり、最後のフレームがワイヤに送信されるのを、待つ状態です。次に、DCE では、 dcd-drop-delay コマンドを使用して値を指定することによって、遅延タイマーが開始されます (このタイマーのデフォルト値は 100 ms です。遅延値を指定するには、 half-duplex timer dcd-drop-delay インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します)。
4. DCE は、DCD ドロップ待ち遅延状態に変わります。この状態によって、最後のフレームの送信と、DCE 送信の制御キャリア モードでの DCD のアサーション解除との間での、時間の遅延が発生します。
5. タイマーの期限が切れると、DCE によって DCD のアサートが解除され、準備状態に戻って、そのインターフェイス上で送信するフレームが存在するまでそこに残ります。
図 8-6 で説明されているように、半二重 DCE 受信ステート マシンは、休止されているとき、準備状態でアイドルになっています。DTE によって RTS がアサートされると、この状態から変化します。応答で、 cts-delay コマンドを使用して指定された値に基づいて、DCE によってタイマーが開始されます。一部の DTE インターフェイスでは、この遅延が想定されているため、このタイマーによって、CTS のアサーションが遅延されます (このタイマーのデフォルト値は 0 ms です。遅延値を指定するには、 half-duplex timer cts-delay インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します)。
タイマーの期限が切れると、DCE ステート マシンによって CTS がアサートされ、受信状態に変わります。受信するフレームが存在するまで、受信状態のままになります。巨大フレームの先頭を受信すると、巨大状態に代わり、巨大フレームのすべてのフレームが廃棄され続けて、受信状態に戻ります。
DTE によって RTS のアサートが解除されるときに、準備状態に戻ります。RTS のアサーション解除に対する DCE の応答によって、CTS のアサートが解除され、準備状態に戻ります。
低速シリアル インターフェイスを制御キャリア モードから固定キャリア モードに戻すには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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no half-duplex controlled-carrier |
半二重タイマーのパフォーマンスを最適化するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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Router(config-if)# half-duplex timer { cts-delay value | cts-drop-timeout value | dcd-drop-delay value | dcd-txstart-delay value | |
タイマー調整コマンドを使用すると、半二重ステート マシンのタイミングを調整し、使用している半二重環境の特定の要件に合わせることができます。
half-duplex timer コマンドとそのオプションによって、高速シリアル インターフェイスでのみ使用可能な次の 2 つのタイマー調整コマンドが置き換えられることに、注意してください。
低速シリアル インターフェイスのモードを同期または非同期のいずれかに指定するには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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physical-layer { sync | async} |
このコマンドは、Cisco 2520 ルータから Cisco 2523 ルータで使用可能な低速シリアル インターフェイスにのみ適用されます。
(注) シリアル インターフェイス上で非同期モードから同期モードに変更するときには、インターフェイスの状態は、デフォルトで、ダウン状態になります。次にインターフェイスをアップ状態にするには、no shutdown オプションを使用する必要があります。
同期モードでは、低速シリアル インターフェイスによって、次の 2 つのコマンドを除く、高速シリアル インターフェイスで使用可能なすべてのインターフェイス コンフィギュレーション コマンドがサポートされます。
非同期モードにした場合、低速シリアル インターフェイスによって、標準非同期インターフェイスで使用可能なすべてのコマンドがサポートされます。デフォルトは同期モードです。
(注) このコマンドは物理層コマンドであるため、このコマンドを使用する場合、show running-config コマンドと show startup-config コマンドの出力には表示されません。
Cisco 2520 ルータから Cisco 2523 ルータで低速シリアル インターフェイスのデフォルト モード(同期)に戻るには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。
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次に、シリアル インターフェイスのインターフェイス設定を開始する例を示します。PPP カプセル化がシリアル インターフェイス 0 に割り当てられます。
スロット 1 のポート 0 に PPP カプセル化を割り当てている、ルータの同じ例では次のコマンドも必要です。
次の例では、lass というアドレス プールを使用するインターフェイス 7 を除くすべてのインターフェイス上で、デフォルト アドレス プールが使用されるよう、アクセス サーバを設定する方法を示します。
次に、低速シリアル インターフェイスを同期モードから非同期モードに変更する例を示します。
次に、低速シリアル インターフェイスを、非同期モードからデフォルトの同期モードに戻す例を示します。
次に、一般的な非同期インターフェイス コンフィギュレーション コマンドの一部の例を示します。
次に、インターフェイスが同期モードにある場合に使用可能な、一般的な同期シリアル インターフェイス コンフィギュレーション コマンドの一部の例を示します。
次に、cts-delay タイマーを 1234 ms に設定し、transmit-delay タイマーを 50 ms に設定する例を示します。