複数の SVI を ASA に追加できるようにするには、グローバル コンフィギュレーション モードで firewall multiple-vlan-interfaces コマンドを使用します。この機能を無効にするには、このコマンドの no 形式を使用します。
firewall multiple-vlan-interfaces
no firewall multiple-vlan-interfaces
構文の説明
このコマンドには引数またはキーワードはありません。
コマンド デフォルト
デフォルトでは、複数の SVI は許可されません。
コマンド モード
グローバル コンフィギュレーション
使用上のガイドライン
MSFC 上で定義された VLAN をスイッチ仮想インターフェイス(SVI)といいます。SVI 用の VLAN を ASA に割り当てると、MSFC は、ASA と他のレイヤ 3 VLAN 間でルーティングを行います。セキュリティ上の理由から、デフォルトでは
MSFC と ASA 間に配置できる SVI は 1 つだけです。たとえば、誤って複数の SVI をシステムに設定した場合は、MSFC に内部 VLAN と外部 VLAN の両方が割り当てられていることによって、トラフィックが偶発的に ASA
をバイパスする可能性があります。
ただし、ネットワークシナリオの中には、ASA をバイパスする必要があるものもあります。たとえば、IP ホストと同じイーサネット セグメント上に IPX ホストが配置されている場合、複数の SVI を使用する必要があります。ルーテッド ファイアウォール
モードの ASA は IP トラフィックしか処理せず、IPX などの他のプロトコルトラフィックを廃棄するため(トランスペアレント ファイアウォール モードでは IP 以外のトラフィックの通過が任意に許可されます)、IPX トラフィックで ASA
をバイパスすることが必要になる場合があります。この場合、必ず、VLAN を通過できるのが IPX トラフィックに限定されるアクセス リストを使用して MSFC を設定してください。
トランスペアレント ファイアウォールがマルチ コンテキスト モードの場合、コンテキストごとに対応する外部インターフェイス上に固有の VLAN が必要なため、複数の SVI を使用する必要があります。ルーテッド モードの場合でも複数の SVI
を使用できるので、外部インターフェイス用に 1 つの VLAN を共有する必要はありません。
例
次に、複数の SVI を使用する一般的な設定例を示します。
Router(config)# firewall vlan-group 50 55-57
Router(config)# firewall vlan-group 51 70-85
Router(config)# firewall module 8 vlan-group 50-51
Router(config)# firewall multiple-vlan-interfaces
Router(config)# interface vlan 55
Router(config-if)# ip address 10.1.1.1 255.255.255.0
Router(config-if)# no shutdown
Router(config-if)# interface vlan 56
Router(config-if)# ip address 10.1.2.1 255.255.255.0
Router(config-if)# no shutdown
Router(config-if)# end
Router#
次に、show interface コマンドの出力例を示します。
Router# show interface vlan 55
Vlan55 is up, line protocol is up
Hardware is EtherSVI, address is 0008.20de.45ca (bia 0008.20de.45ca)
Internet address is 55.1.1.1/24
MTU 1500 bytes, BW 1000000 Kbit, DLY 10 usec,
reliability 255/255, txload 1/255, rxload 1/255
Encapsulation ARPA, loopback not set
ARP type:ARPA, ARP Timeout 04:00:00
Last input never, output 00:00:08, output hang never
Last clearing of "show interface" counters never
Input queue:0/75/0/0 (size/max/drops/flushes); Total output drops:0
Queueing strategy:fifo
Output queue :0/40 (size/max)
5 minute input rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
5 minute output rate 0 bits/sec, 0 packets/sec
L2 Switched:ucast:196 pkt, 13328 bytes - mcast:4 pkt, 256 bytes
L3 in Switched:ucast:0 pkt, 0 bytes - mcast:0 pkt, 0 bytes mcast
L3 out Switched:ucast:0 pkt, 0 bytes
0 packets input, 0 bytes, 0 no buffer
Received 0 broadcasts, 0 runts, 0 giants, 0 throttles
0 input errors, 0 CRC, 0 frame, 0 overrun, 0 ignored
4 packets output, 256 bytes, 0 underruns
0 output errors, 0 interface resets
0 output buffer failures, 0 output buffers swapped out