Smart Call Home に関する情報
Smart Call Home は、重要なシステム イベントを E メールで通知します。Cisco Nexus シリーズ スイッチは、幅広いメッセージ フォーマットを提供し、ポケットベル サービス、標準 E メール、または XML ベースの自動解析アプリケーションと最適な互換性を保てます。この機能を使用して、ネットワーク サポート エンジニアやネットワーク オペレーション センターを呼び出せます。また、Cisco Smart Call Home サービスを使用して、TAC でケースを自動的に生成することもできます。
シスコと直接サービス契約を結んでいる場合は、Smart Call Home サービス用のデバイスを登録できます。Smart Call Home は、ご使用のデバイスから送信された Smart Call Home メッセージを分析し、背景情報および推奨事項を提供して、システムの問題を迅速に解決します。既知と特定できる問題、特に GOLD 診断エラーについては、シスコ TAC によって自動サービス リクエストが生成されます。
Smart Call Home には、次の機能があります。
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継続的なデバイス ヘルス モニタリングとリアルタイムの診断アラート。
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ご使用のデバイスからの Smart Call Home メッセージの分析と、必要に応じた自動サービス リクエストの生成は、問題を迅速に解決するための詳細な診断情報とともに、適切な TAC チームにルーティングされます。
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セキュアなメッセージ転送が、ご使用のデバイスから直接、またはダウンロード可能な Transport Gateway(TG)集約ポイントを経由して行われます。複数のデバイスでサポートを必要としている場合、またはセキュリティ要件の関係でご使用のデバイスをインターネットに直接接続できない場合は、TG 集約ポイントを使用できます。
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Smart Call Home メッセージと推奨事項、すべての Smart Call Home デバイスのインベントリおよび設定情報、および Field Notice、セキュリティ勧告、およびサポート終了日情報への Web ベースのアクセス。
Smart Call Home の概要
Smart Call Home を使用すると、重要なイベントがデバイスで発生した場合に外部エンティティに通知できます。Smart Call Home では、ユーザーが宛先プロファイルに設定する複数の受信者にアラートが配信されます。
Smart Call Home には、スイッチで事前に定義された一連のアラートが含まれます。これらのアラートはアラート グループにグループ化され、アラート グループのアラートが発生したときに実行する CLI コマンドが割り当てられています。スイッチには、転送された Smart Call Home メッセージのコマンド出力が含まれます。
Smart Call Home 機能には、次のものがあります。
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関連する CLI コマンド出力の実行および添付が自動化されます。
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次のような、複数のメッセージ フォーマット オプションがあります。
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ショート テキスト:ポケットベルまたは印刷されたレポートに適している文字。
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フル テキスト:人間が判読しやすいように完全にフォーマットされたメッセージ情報です。
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XML:Extensible Markup Language(XML)および Adaptive Messaging Language(AML)XML スキーマ定義(XSD)を使用した、判読可能なフォーマットです。XML 形式では、シスコ TAC と通信できます。
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複数のメッセージ宛先への同時配信が可能。各宛先プロファイルには最大 50 件の電子メール宛先アドレスを設定できます。
Smart Call Home 宛先プロファイル
Smart Call Home 宛先プロファイルには、次の情報が含まれています。
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1 つ以上のアラート グループ:アラートの発生時に、特定の Smart Call Home メッセージを送信するアラートのグループ。
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1 つ以上の電子メール宛先:この宛先プロファイルに割り当てられたアラート グループによって生成された Smart Call Home メッセージの受信者リスト。
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メッセージ フォーマット:Smart Call Home メッセージのフォーマット(ショート テキスト、フル テキスト、または XML)。
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メッセージシビラティ(重大度):スイッチが宛先プロファイル内のすべての電子メール アドレスに対して Smart Call Home メッセージを生成するまで、アラートが満たす必要がある Smart Call Home シビラティ(重大度)。アラートの Smart Call Home シビラティ(重大度)が、宛先プロファイルに設定されたメッセージシビラティ(重大度)よりも低い場合、スイッチはアラートを生成しません。
定期メッセージを日別、週別、月別で送信するコンポーネント アラート グループを使用して、定期的なコンポーネント アップデート メッセージを許可するよう宛先プロファイルを設定することもできます。
Cisco Nexus スイッチは、次の定義済み宛先プロファイルをサポートします。
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CiscoTAC-1:XML メッセージ フォーマットの Cisco-TAC アラート グループをサポートします。
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full-text-destination:フル テキスト メッセージ フォーマットをサポートします。
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short-text-destination:ショート テキスト メッセージ フォーマットをサポートします。
Smart Call Home アラート グループ
アラート グループは、すべての Cisco Nexus デバイスでサポートされる Smart Call Home アラートの定義済みサブセットです。アラート グループを使用すると、定義済みまたはカスタム宛先プロファイルに送信する一連の Smart Call Home アラートを選択できます。Smart Call Home アラートが宛先プロファイルにアソシエートされたいずれかのアラート グループに属する場合、およびアラートで、Smart Call Home メッセージシビラティ(重大度)が宛先プロファイルに設定されているメッセージシビラティ(重大度)と同じか、それ以上である場合のみ、スイッチは Smart Call Home アラートを宛先プロファイルの電子メールの宛先に送信します。
次の表に、サポートされるアラート グループと、アラート グループ用に生成された Smart Call Home メッセージに含まれるデフォルトの CLI コマンド出力を示します。
アラート グループ |
説明 |
実行されるコマンド |
---|---|---|
Cisco-TAC |
Smart Call Home 宛ての、他のアラート グループからのすべてのクリティカル アラート。 |
アラートを発信するアラート グループに基づいてコマンドを実行します。 |
診断 |
診断によって生成されたイベント。 |
show diagnostic result module all detail show moduleshow version show tech-support platform callhome |
スーパーバイザ ハードウェア |
スーパーバイザ モジュールに関連するイベント。 |
show diagnostic result module all detail show moduleshow version show tech-support platform callhome |
ラインカード ハードウェア |
標準またはインテリジェント スイッチング モジュールに関連するイベント。 |
show diagnostic result module all detail show moduleshow version show tech-support platform callhome |
設定 |
設定に関連した定期的なイベント。 |
show version show module show running-config all show startup-config |
システム |
装置の動作に重要なソフトウェア システムの障害によって生成されるイベント |
show system redundancy status show tech-support |
環境 |
電源、ファン、および温度アラームなどの環境検知要素に関連するイベント。 |
show environment show logging last 1000 show module show version show tech-support platform callhome |
インベントリ |
装置がコールド ブートした場合、または FRU の取り付けまたは取り外しを行った場合に示されるコンポーネント ステータス。このアラートは重要でないイベントであり、情報はステータスおよび使用権に使用されます。 |
show module show version show license usage show inventory show sprom all show system uptime |
Smart Call Home は、syslog のシビラティ(重大度)を、syslog ポート グループ メッセージの対応する Smart Call Home のシビラティ(重大度)に対応させます。
特定のイベントが発生し、Smart Call Home メッセージを含む show 出力を送信した場合に、追加の show コマンドを実行するために、定義済みのアラート グループをカスタマイズできます。
show コマンドは、フル テキストおよび XML 宛先プロファイルにのみ追加できます。ショート テキスト宛先プロファイルは、128 バイトのテキストに制限されているため、追加の show コマンドをサポートしていません。
Smart Call Home のメッセージ レベル
Smart Call Home を使用すると、緊急度に基づいてメッセージをフィルタリングできます。各宛先プロファイル(定義済みおよびユーザー定義)を、Smart Call Home メッセージ レベルしきい値にアソシエートすることができます。宛先プロファイルのこのしきい値よりも小さい値を持つ Smart Call Home メッセージは、スイッチによって生成されません。Smart Call Home メッセージ レベルの範囲は 0(緊急度が最小)~ 9(緊急度が最大)です。デフォルトは 0 です(スイッチはすべてのメッセージを送信します)。
syslog アラート グループに送信される Smart Call Home メッセージでは、syslog のシビラティ(重大度)が Smart Call Home のメッセージ レベルにマッピングされます。
Note |
Smart Call Home は、メッセージ テキストで syslog メッセージ レベルを変更しません。 |
次の表に、各 Smart Call Home メッセージ レベルのキーワードと、syslog ポート アラート グループの対応する syslog レベルを示します。
Smart Call Home レベル |
キーワード |
Syslog レベル |
説明 |
---|---|---|---|
9 |
Catastrophic |
該当なし |
ネットワーク全体に壊滅的な障害が発生しています。 |
8 |
Disaster |
該当なし |
ネットワークに重大な影響が及びます。 |
7 |
Fatal |
緊急(0) |
システムが使用不可能な状態。 |
6 |
Critical |
アラート(1) |
クリティカルな状況で、すぐに対応する必要があります。 |
5 |
Major |
重要(2) |
重大な状態。 |
4 |
Minor |
エラー(3) |
軽微な状態。 |
3 |
警告 |
警告(4) |
警告状態。 |
2 |
通知 |
通知(5) |
基本的な通知および情報メッセージです。 |
1 |
標準 |
情報(6) |
標準状態に戻ることを示す標準イベントです。 |
0 |
Debugging |
デバッグ(7) |
デバッグ メッセージ。 |
Call Home のメッセージ形式
Call Home では、次のメッセージ フォーマットがサポートされます。
-
ショート テキスト メッセージ フォーマット
-
すべてのフル テキストと XML メッセージに共通のフィールド
-
対処的または予防的イベント メッセージに挿入されるフィールド
-
コンポーネント イベント メッセージの挿入フィールド
-
ユーザーが作成したテスト メッセージの挿入フィールド
次の表に、すべてのメッセージ タイプのショート テキスト書式設定オプションを示します。
データ項目 |
説明 |
---|---|
デバイス ID |
設定されたデバイス名 |
日時スタンプ |
起動イベントのタイム スタンプ |
エラー判別メッセージ |
起動イベントの簡単な説明(英語) |
アラームの緊急度 |
システム メッセージに適用されるようなエラー レベル |
次の表に、フル テキストまたは XML の共通するイベント メッセージ形式について説明します。
データ項目(プレーン テキストおよび XML) |
説明(プレーン テキストおよび XML) |
XML タグ(XML のみ) |
---|---|---|
タイム スタンプ |
ISO 時刻通知でのイベントの日付/タイム スタンプ YYYY-MM-DD HH:MM:SS GMT+HH:MM |
/aml/header/time |
メッセージ名 |
メッセージの名前。特定のイベント名は上記の表に記載 |
/aml/header/name |
メッセージ タイプ |
リアクティブまたはプロアクティブなどのメッセージ タイプの名前。 |
/aml/header/type |
メッセージ グループ |
Syslog などのアラート グループの名前。 |
/aml/header/group |
重大度 |
メッセージの重大度 |
/aml/header/level |
送信元 ID |
ルーティングのための製品タイプ |
/aml/header/source |
デバイス ID |
メッセージを生成したエンド デバイスの固有デバイス識別情報(UDI)。メッセージがデバイスに対して固有でない場合は、このフィールドを空にする必要があります。形式は、type@Sid@serial。
例:WS-C6509@C@12345678 |
/aml/ header/deviceID |
カスタマー ID |
サポート サービスによって契約情報やその他の ID に使用されるオプションのユーザ設定可能なフィールド |
/aml/ header/customerID |
連絡先 ID |
サポート サービスによって契約情報やその他の ID に使用されるオプションのユーザ設定可能なフィールド |
/aml/ header /contractID |
サイト ID |
シスコが提供したサイト ID または別のサポート サービスにとって意味のあるその他のデータに使用されるオプションのユーザ設定可能なフィールド |
/aml/ header/siteID |
サーバー ID |
デバイスからメッセージが生成された場合、これはデバイスの Unique Device Identifier(UDI)フォーマットです。 形式は、type@Sid@serial。
例:WS-C6509@C@12345678 |
/aml/header/serverID |
メッセージの説明 |
エラーを説明するショート テキスト。 |
/aml/body/msgDesc |
デバイス名 |
イベントが発生したノード(デバイスのホスト名)。 |
/aml/body/sysName |
担当者名 |
イベントが発生したノード関連の問題について問い合わせる担当者名。 |
/aml/body/sysContact |
連絡先電子メール |
この装置の担当者の E メール アドレス。 |
/aml/body/sysContactEmail |
連絡先電話番号 |
このユニットの連絡先である人物の電話番号 |
/aml/body/sysContactPhoneNumber |
住所 |
この装置関連の返品許可(RMA)部品の送付先住所を保存するオプション フィールド。 |
/aml/body/sysStreetAddress |
モデル名 |
デバイスのモデル名(製品ファミリ名に含まれる具体的なモデル)。 |
/aml/body/chassis/name |
シリアル番号 |
ユニットのシャーシのシリアル番号 |
/aml/body/chassis/serialNo |
シャーシの部品番号 |
シャーシの最上アセンブリ番号 |
/aml/body/chassis/partNo |
特定のアラート グループ メッセージの固有のフィールドは、ここに挿入されます。 |
||
このアラート グループに対して複数の CLI コマンドが実行されると、次のフィールドが繰り返される場合があります。 |
||
Command output name |
実行された CLI コマンドの正確な名前。 |
/aml/attachments/attachment/name |
添付ファイルの種類 |
特定のコマンド出力。 |
/aml/attachments/attachment/type |
MIME タイプ |
プレーン テキストまたは符号化タイプ。 |
/aml/attachments/attachment/mime |
コマンド出力テキスト |
自動的に実行されるコマンドの出力 |
/aml/attachments/attachment/atdata |
次の表に、フル テキストまたは XML のリアクティブ イベント メッセージ形式について説明します。
データ項目(プレーン テキストおよび XML) |
説明(プレーン テキストおよび XML) |
XML タグ(XML のみ) |
---|---|---|
シャーシのハードウェア バージョン |
シャーシのハードウェア バージョン。 |
/aml/body/chassis/hwVersion |
スーパーバイザ モジュールのソフトウェア バージョン |
最上レベルのソフトウェア バージョン |
/aml/body/chassis/swVersion |
影響のある FRU 名 |
イベント メッセージを生成する関連 FRU の名前。 |
/aml/body/fru/name |
影響のある FRU のシリアル番号 |
関連 FRU のシリアル番号。 |
/aml/body/fru/serialNo |
影響のある FRU の製品番号 |
関連 FRU の部品番号。 |
/aml/body/fru/partNo |
FRU スロット |
イベント メッセージを生成する FRU のスロット番号。 |
/aml/body/fru/slot |
FRU ハードウェア バージョン |
関連 FRU のハードウェア バージョン。 |
/aml/body/fru/hwVersion |
FRU ソフトウェアのバージョン |
関連 FRU で稼働しているソフトウェア バージョン。 |
/aml/body/fru/swVersion |
次の表に、フル テキストまたは XML のコンポーネント イベント メッセージ形式について説明します。
データ項目(プレーン テキストおよび XML) |
説明(プレーン テキストおよび XML) |
XML タグ(XML のみ) |
---|---|---|
シャーシのハードウェア バージョン |
シャーシのハードウェア バージョン。 |
/aml/body/chassis/hwVersion |
スーパーバイザ モジュールのソフトウェア バージョン |
最上レベルのソフトウェア バージョン |
/aml/body/chassis/swVersion |
FRU 名 |
イベント メッセージを生成する関連 FRU の名前。 |
/aml/body/fru/name |
FRU s/n |
FRU のシリアル番号。 |
/aml/body/fru/serialNo |
FRU 製品番号 |
FRU の部品番号。 |
/aml/body/fru/partNo |
FRU スロット |
FRU のスロット番号。 |
/aml/body/fru/slot |
FRU ハードウェア バージョン |
FRU のハードウェア バージョン。 |
/aml/body/fru/hwVersion |
FRU ソフトウェアのバージョン |
FRU で稼働しているソフトウェア バージョン。 |
/aml/body/fru/swVersion |
次の表に、フル テキストまたは XML のユーザーが作成したテスト メッセージ形式について説明します。
データ項目(プレーン テキストおよび XML) |
説明(プレーン テキストおよび XML) |
XML タグ(XML のみ) |
---|---|---|
プロセス ID |
固有のプロセス ID |
/aml/body/process/id |
プロセス状態 |
プロセスの状態(実行中、中止など) |
/aml/body/process/processState |
プロセス例外 |
原因コードの例外 |
/aml/body/process/exception |