スイッチング モードの設定

スイッチング モードに関する情報

スイッチング モードは、スイッチがパケット ヘッダーの宛先の詳細を読み取ったらすぐにフレーム転送を開始するか、またはフレーム全体を受信して、巡回冗長検査(CRC)でエラーをチェックしてからネットワークへのフレーム転送を開始するかを決定します。

スイッチング モードは、ハードウェアを介してスイッチまたはルーティングされるすべてのパケットに適用され、リブートや再起動後も永続的に保存できます。

スイッチは、次のスイッチング モードのいずれかで動作します。

カットスルー スイッチング モード

カットスルー スイッチング モードはデフォルトでイネーブルになっています。カットスルー スイッチング モードで動作するスイッチは、パケット ヘッダーの宛先の詳細を読み取ったらすぐにフレームの転送を開始します。カットスルー モードのスイッチは、フレーム全体の受信を完了する前にデータを転送します。

カットスルー モードのスイッチング速度は、Store-and-Forward スイッチング モードのスイッチング速度より速くなります。

Store-and-Forward スイッチング モード

Store-and-Forward スイッチングがイネーブルの場合、スイッチは各フレームの巡回冗長検査(CRC)エラーをチェックしてから、ネットワークにフレームを転送します。各フレームは、フレーム全体を受信してチェックされるまで保存されます。

フレーム全体を受信してチェックされるまでフレームの転送は待ち状態になるため、Store-and-Forward スイッチング モードのスイッチング速度は、カットスルー スイッチング モードのスイッチング速度より遅くなります。

スイッチング モードに関するガイドラインと制限事項

各スイッチング モードについて、次のガイドラインおよび制約事項を考慮してください。

カットスルー スイッチング モードに関するガイドラインおよび制約事項

  • show コマンド(internal キーワード付き )はサポートされていません。

  • FCS エラーが発見される場合、FCS エラー パケットはすぐにドロップされます。(パケット伝送はすでに進行中である可能性があります。)この状況では、そのパケットはトランケートされ、EOF にエラー マーキングされています。パケットは次のノードでドロップされます。

  • FCS エラーがあるパケットは、SPAN が設定されている場合はミラーリングされません。

  • カットスルー スイッチングは、9636PQ ライン カードを備えた Cisco Nexus 9500 シリーズ スイッチでサポートされます。

  • カットスルー スイッチングは、40G ポート(ALE ASIC)から 10G ポート(NFE ASIC)のトラフィック用の Cisco Nexus 9300 シリーズ スイッチでサポートされます。また、バッファブートがイネーブルではない場合にのみ、10G ポート(NFE ASIC)から 10G ポート(NFE ASIC)間のトラフィックでもサポートされます。10G ポート(NFE ASIC)から 40G ポート(ALE ASIC)のトラフィックは常に保存され、転送されます。

  • Cisco Nexus 31128PQ スイッチはオーバーサブスクライブ モードでのみ動作するため、カットスルー スイッチング モードをサポートすることができません。

Store-and-Forward スイッチング モードに関するガイドラインおよび制約事項

  • show コマンド(internal キーワード付き )はサポートされていません。

  • FCS エラーがあるパケットはドロップされます。

  • FCS エラーがあるパケットは、SPAN が設定されている場合はミラーリングされません。

  • CPU ポートは、常に Store-and-Forward モードで動作します。CPU に転送された FCS エラーがあるパケットはすべてドロップされます。

  • Store-and-Forward モードでは、ポートがオーバーサブスクライブされていて、入力レートが出力ポートのスイッチング容量を超えていることをスイッチが確認するとそのポートが自動的にアクティブになります。たとえば、ポートの入力レートが 10 ギガビットで、出力ポートのスイッチング容量が 1 ギガビットの場合です。


    (注)  


    グローバル コンフィギュレーションは、Store-and-Forward モードがオーバーサブスクライブ ポートに対してアクティブになっていても、変更されません。


スイッチング モードのデフォルト設定

カットスルー スイッチングは、デフォルトでイネーブルになっています。

スイッチング モードの設定

Store-and-Forward スイッチングのイネーブル化


(注)  


Store-and-Forward スイッチング モードをイネーブルにすると、ポート間のスイッチングの遅延に影響を及ぼすことがあります。


手順の概要

  1. switch# configure terminal
  2. switch(config) # switching-mode store-forward
  3. (任意) switch(config)# copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

switch# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config) # switching-mode store-forward

Store-and-Forward スイッチング モードをイネーブルにします。

ステップ 3

(任意) switch(config)# copy running-config startup-config

(任意)

リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。

次に、Store-and-Forward スイッチングをイネーブルにする例を示します。

switch# configure terminal
switch(config) # switching-mode store-forward
switch(config) # 

カットスルー スイッチングの再イネーブル化

カットスルー スイッチングは、デフォルトでイネーブルになっています。カットスルー スイッチングを再イネーブル化するには、no switching-mode store-forward 形式で使用します。 コマンドを使用します。

手順の概要

  1. switch# configure terminal
  2. switch(config) # no switching-mode store-forward
  3. (任意) switch(config)# copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

switch# configure terminal

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

switch(config) # no switching-mode store-forward

Store-and-Forward スイッチング モードをディセーブルにします。カットスルー スイッチング モードをイネーブルにします。

ステップ 3

(任意) switch(config)# copy running-config startup-config

(任意)

リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。

次に、カットスルー スイッチングを再度イネーブルにする例を示します。

switch# configure terminal
switch(config) # no switching-mode store-forward
switch(config) #