VXLAN BGP EVPN ファブリックのマルチサイト ドメイン
マルチサイト ドメイン(MSD)は、複数のメンバー ファブリックを管理するために作成されるマルチファブリック コンテナです。MSD は、メンバー ファブリック間で共有されるオーバーレイ ネットワークと VRF を定義するための単一の制御ポイントです。ファブリック(マルチファブリック オーバーレイ ネットワーク ドメインの一部として指定されている)をメンバー ファブリックとして MSD の下に移動すると、メンバー ファブリックは、MSD レベルで作成されたネットワークと VRF を共有します。このようにして、一度にさまざまなファブリックのネットワークと VRF を、一貫した仕方でプロビジョニングできます。複数のファブリック プロビジョニングに関連する時間と複雑さが大幅に削減されます。
サーバー ネットワークと VRF はメンバー ファブリック全体で(1 つの拡張ネットワークとして)共有されるため、新しいネットワークと VRF のプロビジョニング機能は MSD ファブリック レベルで提供されます。新しいネットワークと VRF の作成は、MSD に対してのみ許可されます。すべてのメンバー ファブリックは、MSD 用に作成された新しいネットワークと VRF を継承します。
MSD ファブリックのトポロジ ビューには、すべてのメンバー ファブリックと、それらが互いにどのように接続されているかが、1 つのビューとして表示されます。各メンバー ファブリックの展開画面に個別にアクセスして展開する代わりに、単一のトポロジ展開画面から、メンバー ファブリックにオーバーレイ ネットワーク(および VRF)を展開できます。
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ファブリック固有の用語:
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スタンドアロン ファブリック:MSD の一部ではないファブリックは、MSD の観点からスタンドアロン ファブリックと呼ばれます。MSD の概念が登場する前は、すべてのファブリックはスタンドアロンと見なされていましたが、現在は、2 つ以上のファブリックを相互に接続できます。
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メンバー ファブリック:MSD の一部であるファブリックは、メンバー ファブリックまたはメンバーと呼ばれます。最初にスタンドアロン ファブリック(タイプ Easy_Fabric)を作成してから、それを MSD 内へ移動してメンバー ファブリックにします。
スタンドアロン ファブリックが MSD に追加されると、次のアクションが実行されます。
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スタンドアロン ファブリックの関連属性とネットワークおよび VRF 定義が、MSD でも同様にチェックされます。競合がある場合、MSD へのスタンドアロン ファブリックの追加は失敗します。競合がない場合、スタンドアロン ファブリックは MSD のメンバー ファブリックになります。競合がある場合、競合の詳細が MSD ファブリックの保留中のエラー ログに記録されます。競合を解決してから、スタンドアロン ファブリックを MSD に再度追加してみることができます。
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MSD に存在していなかったスタンドアロン ファブリックからのすべての VRF およびネットワークの定義は、MSD にコピーされ、他の既存の各メンバー ファブリックに継承されます。
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MSD からの VRF とネットワーク(およびその定義、つまりスタンドアロン ファブリックには存在していなかった MSD の VRF、L2 および L3 VNI パラメータなど) は、メンバーになったばかりのスタンドアロン ファブリックに継承されます。
ファブリックとスイッチのインスタンス変数
MSD はネットワークおよび VRF 値のグローバル範囲をプロビジョニングしますが、ファブリック固有のパラメータや、スイッチ固有のパラメータもあります。そのようなパラメータは、ファブリック インスタンス変数およびスイッチ インスタンス変数と呼ばれます。
ファブリック インスタンスの値は、[VRFs and Networks] ウィンドウからのファブリック コンテキストでのみ編集または更新できます。適切なファブリックをダブルクリックしてファブリックの概要を表示し、[ネットワーク(Networks)] または [VRF] タブを選択します。ファブリック インスタンス変数の例には、BGP ASN、ネットワークごとのマルチキャスト グループまたは VRF などがあります。マルチキャスト グループ アドレスの編集方法については、MSD ファブリックでのネットワークの作成を参照してください。
スイッチ インスタンスの値は、スイッチにネットワークを展開するときに編集できます。例としては、VLAN ID があります。