エンタープライズ アダプタ
エンタープライズ アダプタは、Cisco Unified Mobility Advantage と次のさまざまなサーバとの接続を定義します。
• 社内ディレクトリ サーバ(Active Directory)
• 個人の連絡先、カレンダー、ユニファイド ボイスメール サーバ(MS Exchange)
• コール制御サーバ(Cisco Unified Communications Manager)
エンタープライズ アダプタの初期設定については、『 Cisco Unified Mobility Advantage Installation Guide 』で説明しています。次の項では、追加のアダプタを追加する方法、既存のアダプタを編集または削除する方法について説明します。
エンタープライズ アダプタの編集
この項では、エンタープライズ アダプタ設定値を編集する方法について説明します。エンタープライズ アダプタ設定値を編集した後に、Managed Server を再起動する必要があります。Managed Server を再起動すると、設定値の変更が有効になります。詳細については、「Cisco Unified Mobility Advantage サーバの起動と停止」を参照してください。
エンタープライズ アダプタ情報を編集するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Enterprise Configuration > Enterprise Adapters を選択します。
既存のすべてのアダプタが表示されます。
Cisco Unified Mobility Advantage を接続する Exchange サーバおよび Active Directory サーバごとに、少なくとも 1 台以上のアダプタが存在する必要があります。コール制御サーバはオプションのため、システムによってはこのアダプタがない場合もあります。
ステップ 2 編集するアダプタを見つけ、 Edit アイコン をクリックします。
選択したアダプタの設定値が表示されます。
• MS Exchange 設定値:「MS Exchange 設定値」を参照
• Active Directory 設定値:「Active Directory 設定値」を参照
• Cisco Unified Communications Manager Server 設定値:「Cisco Unified Communications Manager Server 設定値」を参照
MS Exchange 設定値
設定する MS Exchange 設定値のタブを選択します。
• Basic Setting( 表3-1 を参照)
• Connection Pooling(表3-2を参照)
• Voicemail Setting(表3-3を参照)
表3-1 MS Exchange:Basic Setting
|
|
Host Name/IP Address |
Exchange サーバのホスト名または IP アドレス。 |
Port |
Cisco Unified Mobility Advantage Enterprise Server を Exchange サーバに接続する際に使用するポート。 SSL を使用しているかどうかによって、ポートは異なります。一般的な値は次のとおりです。 • 非 SSL:80 • SSL:443 |
Enable SSL |
Cisco Unified Mobility Advantage Enterprise Server と Exchange サーバ間のセキュリティに SSL を使用するかどうかを決定します。 • Yes:SSL セキュリティを使用します。 • No:SSL セキュリティを使用しません。 |
Exchange Domain |
Exchange サーバのこのインスタンスのドメイン名。 |
User Name Suffix |
ユーザの社内 E メール アドレスを完成するために適用されるサフィックス。ほとんどの場合、このフィールドはブランクです。インストールで使用されることは、ほとんどありません。 ユーザの E メール アドレスが Active Directory から特定できない場合にのみ、必要になります。 |
Polling Period (sec) |
連絡とユニファイド ボイスメールのアップデートのために、Exchange サーバにポーリングする頻度を決定します。 デフォルト設定を推奨します。ポーリング周期が短いと、Exchange サーバと Cisco Unified Mobility Advantage サーバのパフォーマンスに悪影響を与えることがあります。 |
表3-2 MS Exchange:Connection Pooling
|
|
Max Connections |
Cisco Unified Mobility Advantage Enterprise Server と Exchange サーバ間の最大同時接続数。 |
When Exhausted |
最大接続数を割り当てた場合、最大数を超える接続の要求によってプールを大きくするか、要求をキューに入れるかをこの設定値によって決定します。 • Block:要求をキューに入れます。 • Grow:接続プールを大きくします。 |
Max Wait Time(秒) |
「When Exhausted」フィールドで「Block」を選択した場合、許容される最大「待機」時間(秒)。 |
Max Idle Connections |
指定された時間にアイドル状態を維持できる最大接続数。この最大接続数を超えた場合、サーバは接続の切断を開始します。 |
表3-3 MS Exchange:Voicemail Settings
|
|
Filter Field Name |
社内ボイスメール メッセージをそれ以外のタイプのメッセージと区別するために使用するフィールドを決定します。 デフォルトは class_id です。その他のオプションは、subject、from、to、および cc です。 |
Filter Value |
メッセージが「社内ボイスメール」メッセージの場合、「Filter Field Name」と識別されたフィールドの値。 組織に適した固有の値を入力します。 |
Voicemail System Email |
Cisco Unity の E メール正規表現で、Unity が送信者を解決できないボイスメール メッセージの「from」フィールドに使用されている E メール アカウントを特定します。 |
Phone Number Search Field Name |
発信者の電話番号を検索するためのフィールド。次の例を参考にしてください。 Subject |
Phone Number Search Pattern |
Phone Number Search Field Name フィールドで使用する必要のある検索パターンの正規表現。次の例を参考にしてください。 [0-9]{4,} |
Active Directory 設定値
設定する Active Directory 設定値のタブを選択します。
• Basic Setting( 表3-4 を参照)
• Advanced Settings( 表3-5 を参照)
• Exchange Lookup(表3-6を参照)
表3-4 Active Directory:Basic Settings
|
|
Host Name/IP Address |
社内ディレクトリ サーバのホスト名または IP アドレス。 |
Port |
Cisco Unified Mobility Advantage Enterprise Server を社内ディレクトリ サーバに接続する際に使用するポート。 デフォルトは 389 です。 |
Admin DN |
管理ログインに使用される認定者名(Active Directory の「読み取り」権限を持つすべてのアカウント用)。 |
Admin Password |
Active Directory を読み取るために Admin DN と共に使用するパスワード。 |
Authentication Type |
現時点では、 Simple 認証タイプがサポートされています。 |
Connection Type |
Cisco Unified Mobility Advantage Enterprise Server と社内ディレクトリ サーバ間で使用する接続のタイプ。plain オプションと SSL オプションがサポートされています。 SSL を選択する場合は、必ず SSL ポートを指定します。 |
Polling Period |
アダプタが社内ディレクトリ サーバに更新のためにポーリングする頻度を確立するための時間(日数)。 |
表3-5 Active Directory:Advanced Settings
|
|
Distinguished Name |
ユーザの認定者名を表す Active Directory のアトリビュート名。次の例を参考にしてください。 distinguishedName |
First Name. |
ユーザの名を表す Active Directory のアトリビュート名。次の例を参考にしてください。 givenName |
Last Name |
ユーザの姓を表す Active Directory のアトリビュート名。次の例を参考にしてください。 sn |
User ID |
ユーザの社内での名前を表す Active Directory のアトリビュート名。次の例を参考にしてください。 sAMAccountName |
Key |
ユーザの Distinguished Name を表す Active Directory のアトリビュート名。次の例を参考にしてください。 distinguishedName |
Home Phone |
ユーザの自宅の電話番号を表す Active Directory のアトリビュート名。次の例を参考にしてください。 homePhone |
Work Phone |
ユーザの勤務先の電話番号を表す Active Directory のアトリビュート名。次の例を参考にしてください。 telephoneNumber |
Mobile |
ユーザの携帯電話番号を表す Active Directory のアトリビュート名。次の例を参考にしてください。 mobile |
Email |
ユーザの E メール アドレスを表す Active Directory のアトリビュート名。次の例を参考にしてください。 mail |
|
|
|
Filter criteria |
Cisco Unified Mobility Advantage が、社内ディレクトリ サーバ内の社内ユーザとそれ以外の社内リソースを区別できるようにします。従業員レコード以外のレコードをフィルタリングする際に使用します。 |
Search Base |
ユーザの検索を開始する階層レベル(組織ユニットなど)を指定します。 |
Follow Referral |
Cisco Unified Mobility Advantage Enterprise Server が社内ディレクトリ サーバからの参照を許可するかどうかを指定します。 |
表3-6 Active Directory:Exchange Lookup
|
|
Contact Adapter |
ユーザの論理 Exchange Server リソース名を表す Active Directory のアトリビュート名。次の例を参考にしてください。 msExchHomeServerName |
DNS Host Name |
論理 Exchange Server リソースの実際の DNS ホスト名を表す Active Directory のアトリビュート名。次の例を参考にしてください。 dNSHostName |
Contact Adapter DN Mask |
Contact Adapter 値のマスク。 |
Contact Adapter Search Base |
論理リソースを検索するために使用する検索ベース。 |
Cisco Unified Communications Manager Server 設定値
Cisco Unified Communications Manager サーバの設定値を設定するためのタブを選択します。
• Server Settings( 表3-7 を参照)
• Dial Plan Settings( 表3-8 を参照)
表3-7 Cisco Unified Communications Manager:Server Settings
|
|
Call Manager Host Name/ IP Address |
Cisco Unified Communications Manager サーバのホスト名または IP アドレス。 |
User Name |
Cisco Unified Mobile Communications Manager ユーザのログイン名。 Cisco Unified Mobile Communications Manager アプリケーションのユーザ名とパスワードの組み合せを最大 4 つ入力します。 Cisco Unified Mobility Advantage はこれらの Cisco Unified Mobile Communications Manager アプリケーションのユーザ名を使用して Cisco Unified Communications Manager サーバに接続し、関連付けられたデバイス上のコールを監視し、コール ログ機能を提供します。これらの Cisco Unified Communications Manager ユーザ名では、CTI サポートを有効にする必要があります。 • Cisco Unified CallManager バージョン 4.x:ユーザ設定の Enable CTI Port をオンにします。 • Cisco Unified Communications Manager バージョン 6.0 または 5.1:エンド ユーザを Standard CTI Enabled グループに割り当てます。 詳細については、『 Cisco Unified Mobility Advantage Installation Guide 』を参照してください。 |
Password |
上記で割り当てられた Cisco Unified Communications Manager ユーザに関連付けられたパスワード。 |
Call Manager Version |
Cisco Unified Communications Manager サーバ ソフトウェアのバージョン。 この値を変更する前に、Cisco Unified Mobility Advantage Server をシャットダウンします。 |
表3-8 Cisco Unified Communications Manager:Dial Plan Settings
|
|
Area Code |
コール制御サーバの区域内通話可能地区に対応するエリア コードを入力します。 |
Country Code (CC) |
国に割り当てられている、コール制御サーバのコール コードを入力します。米国の場合は、 1 です。 |
Dial Out Prefix |
社外番号にダイヤルするための、コール制御サーバで設定されるプレフィクスを入力します。たとえば、 9 などです。 |
National Direct Dialing Prefix (NDD) |
国内の区域内通話可能地区以外の場所にダイヤルする場合のプレフィクスを入力します。たとえば米国の場合は、 1 です。 |
International Direct Dialing Prefix (IDD) |
自国から外国にダイヤルする場合に必要なプレフィクスを入力します。米国の場合は、 011 です。 |
Extension Regex |
このフィールドで設定される正規表現は、次の用途に使用されます。 • コール制御機能により Cisco Unified Mobile Communicator が監視する内線番号を特定する。 • 着信コールまたは発信コールを内線コールとして識別する。着信コールまたは発信コールで受信した電話番号(ANI/DNIS)は、内線専用の形式(社内でダイヤルされたコール)または完全なローカル番号形式(ダイヤルイン)のいずれかです。 次の例を参考にしてください。 エリア コードが 408(NPA = 408)、Direct Inward Dialing Prefix が 625(NXX = 625)、Cisco Unified Communications Manager サーバで定義されている Directory Numbers(内線)が 3xxx または 4xxx という形式の場合を例にします。このユーザの DID は 408-625-3xxx または 408-625-4xxx になります。 内線を監視するための正規表現は [3-4][0-9]{3} になります。 着信コールまたは発信コールで受信した ANI/DNIS と内線番号を照合するには、プレフィクス パターンを正規表現に追加する必要があります。この場合、プレフィクス パターンは 625 です。サーバが監視用に内線番号のみを抽出するには、内線パターンのグループ化が必要になります。グループ化は、丸かっこで囲みます。上記の例を使用すると、内線の正規表現は次のようになります。 (?:625)?([3-4][0-9]{3}) • プレフィクス グループの後にある「?」は、これがオプションであることを示します。 • プレフィクス グループ内の丸かっこの中にある「?:」は、このグループをカウントしないようエンジンに指示しています。このように、番号内のプレフィクスの有無により、エンジンは最初のグループを内線番号として抽出できます。 • {3} は、前の正規表現(上記の例では [0-9] などの部分)の桁数です。 サーバは、設定済みのプレフィクスを使用してこれらの番号に追加したものを自動的に照合します。このようにして、エリア コードが 408 に設定されている場合、上記の正規表現によってサーバは 4086253125、6253125、および 3125 を内線番号として識別できます。 |
Local Number Regex |
地域内でダイヤルできる番号と照合する正規表現を入力します。北アメリカの場合は、次のようになります。 [2-9][0-9]{6} |
National Number Regex (NDD を除く) |
国内でダイヤルできる番号と照合する正規表現を入力します。NDD は自動的にこの対象になるので、正規表現の一部として指定する必要はありません。北アメリカの場合は、次のようになります。 [2-9][0-8][0-9][2-9][0-9]{6} |
エンタープライズ アダプタの追加
この項では、エンタープライズ アダプタを追加する方法について説明します。エンタープライズ アダプタを追加した後に、Managed Server を再起動する必要があります。Managed Server を再起動すると、設定値の変更が有効になります。「Cisco Unified Mobility Advantage サーバの起動と停止」 を参照してください。
エンタープライズ アダプタを追加するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Enterprise Configuration > Enterprise Adapters を選択し、既存のアダプタを表示します。
ステップ 2 Add new adapter をクリックします。
ステップ 3 表3-9 に示す情報を入力または選択します。
表3-9 アダプタの追加
|
|
Adapter Type |
アダプタ タイプを次から選択します。 • Active Directory は企業のコンタクト サーバに適しています。 • MS Exchange は個人のコンタクト サーバに適しています。 • Cisco Unified Communications Manager はコール制御サーバに適しています。 |
Adapter Name |
アダプタ名を入力します。 |
Description |
アダプタの説明を入力します。 |
ステップ 4 Submit をクリックします。
ステップ 5 アダプタの設定値を次のように設定します。
• MS Exchange 設定値については、「MS Exchange 設定値」を参照してください。
• Active Directory 設定値については、「Active Directory 設定値」を参照してください。
• Cisco Unified Communications Manager 設定値については、「Cisco Unified Communications Manager Server 設定値」を参照してください。
エンタープライズ アダプタの削除
Exchange サーバ アダプタと Active Directory サーバ アダプタが必要です。これらのサーバには、少なくとも 1 台のアダプタがある必要があります。
アダプタを削除するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Enterprise Configuration > Enterprise Adapters を選択し、既存のアダプタを表示します。
ステップ 2 削除するアダプタを見つけ、横にある Delete をクリックします。
Manage Adapter Services
Manage Adapter Services オプションでは、 表3-10 に示す各サービスへのシステムの接続を定義します。
表3-10 Manage Adapter Services
|
|
Call Control Service |
Cisco Unified Mobility Advantage を社内 PBX に統合し、Cisco Unified Mobile Communicator でのオフィス電話のコール ログの表示機能を提供します。 このオプションは、少なくとも 1 台の Call Control アダプタが追加された場合に有効になります。 |
Voicemail Service |
Cisco Unified Mobility Advantage を社内ボイスメール システムに統合し、Cisco Unified Mobile Communicator でのボイスメールの表示機能とダウンロード機能を提供します。 このオプションは、少なくとも 1 台の MS Exchange アダプタが追加された場合に有効になります。 |
Conference Service |
Cisco Unified Mobility Advantage を社内会議システムに統合し、Cisco Unified Mobile Communicator での会議通知機能と表示機能を提供します。 このオプションは、少なくとも 1 台の Exchange アダプタが追加された場合に有効になります。 |
Call Control Service
Call Control Service との接続を設定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Enterprise Configuration > Manage Adapter Services を選択します。
ステップ 2 Call Control Service タブを選択します。
ステップ 3 表3-11 に示す設定値を選択または入力します。
表3-11 Call Control Service 設定値
|
|
Enable Corporate PBX Integration |
Cisco Unified Mobility Advantage を社内 PBX に接続し、Cisco Unified Mobile Communicator でのオフィス電話のコール ログの表示機能を提供するかどうかを選択します。 |
Maximum Expiry of Call Logs (days) |
自動クリアされるまで、エンド ユーザがコール ログ データを受話器に保存できる最大日数を入力します。 |
ステップ 4 Submit をクリックします。
ステップ 5 Managed Server を再起動し、設定値を有効にします。
Voicemail Service
Voicemail Service 接続を設定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Enterprise Configuration > Manage Adapter Services を選択します。
ステップ 2 Voicemail Service タブを選択します。
ステップ 3 表3-12 に示す設定値を選択または入力します。
表3-12 Voicemail Service 設定値
|
|
Enable Corporate Voicemail Integration |
Cisco Unified Mobility Advantage を社内ボイスメール システムに接続し、Cisco Unified Mobile Communicator でのボイスメールの表示機能とダウンロード機能を提供するかどうかを選択します。 |
Maximum Expiry of Voicemails (days) |
自動クリアされるまで、エンド ユーザがボイスメール データを受話器に保存できる最大日数を入力します。 |
ステップ 4 Submit をクリックします。
ステップ 5 Managed Server を再起動し、設定値を有効にします。
Conference Service
Conference Service との接続を設定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Enterprise Configuration > Manage Adapter Services を選択します。
ステップ 2 Conference Service タブを選択します。
ステップ 3 表3-13 に示す設定値を選択または入力します。
表3-13 Conference Service Settings
|
|
Enable Conference Integration |
Cisco Unified Mobility Advantage を社内会議システムに接続し、Cisco Unified Mobile Communicator での会議通知機能と表示機能を提供するかどうかを選択します。 |
ステップ 4 Submit をクリックします。
ステップ 5 Managed Server を再起動し、設定値を有効にします。