VLAN マッピング
VLAN マッピングの典型的な展開においては、サービスプロバイダーは、遠隔拠点にある顧客のスイッチをあたかもローカル拠点の一部のように見せることを含む透過的なスイッチングインフラを提供することを求められます。これにより、顧客は、同じ VLAN ID 空間を使用し、プロバイダー ネットワークを介してレイヤ 2 制御プロトコルを一貫して実行できます。このようなシナリオでは、サービス プロバイダーは自身の割り当てた VLAN ID を顧客に強制しないことが推奨されます。
変換済み VLAN ID(S-VLAN)を確立する方法のひとつは、顧客のネットワークに接続されたトランクポートで、顧客 VLAN をサービスプロバイダー VLAN にマッピングすることです(VLAN ID マッピングと呼ばれます)。ポートに入るパケットは、ポート番号とパケットの元の顧客 VLAN-ID(C-VLAN)に基づいて、サービスプロバイダー VLAN(S-VLAN)にマッピングされます。
サービスプロバイダーの内部割り当ては、顧客 VLAN と競合する場合があります。顧客のトラフィックを分離するために、サービス プロバイダーは、トラフィックがクラウドにある間、特定の VLAN を別の VLAN にマッピングできます。
サポート対象スイッチ
VLAN マッピングは、Cisco Catalyst IE9300 高耐久性シリーズ スイッチ のすべてのモデルでサポートされています。この機能は、Network Essentials または Network Advantage ライセンスで使用できます。
展開例
スイッチのすべての転送処理は、C-VLAN 情報ではなく、S-VLAN 情報を使用して実行されます。これは、VLAN ID が、入力時に S-VLAN にマッピングされるためです。
(注) |
VLAN マッピングが設定されているポートで機能を設定する場合は、顧客 VLAN-ID(C-VLAN)ではなく S-VLAN を常に使用します。現時点では、1 対 1 の VLAN マッピングはサポートされていません。 |
VLAN マッピングが設定されているインターフェイスでは、指定された C-VLAN パケットはポートに入るとき、指定された S-VLAN にマッピングされます。パケットがポートから出る場合も同様に、顧客 C-VLAN にマッピングが行われます。
スイッチはトランクポートにおける次の種類の VLAN マッピングをサポートします。
顧客 VLAN からサービスプロバイダー VLAN へのマッピング
図は、顧客 A と顧客 B がサービス プロバイダー ネットワークの別サイドにおいて複数サイトで同じ VLAN を使用するトポロジを示しています。サービス プロバイダー バックボーン経由でパケットを伝送できるように、顧客 VLAN ID をサービスプロバイダー VLAN ID にマッピングします。サービス プロバイダー バックボーンの反対側で、そちら側の顧客拠点で使用するために元の顧客 VLAN ID に戻されます。サービス プロバイダー ネットワークのそれぞれの側の顧客接続ポートで同じ VLAN マッピング セットを設定します。
選択的 QnQ
選択的 QnQ は、UNI に入ろうとする指定の顧客 VLAN を指定の S-VLAN ID にマッピングします。S-VLAN ID は入り口で未変更の C-VLAN に追加され、パケットはサービス プロバイダー ネットワーク内を二重タグ付きで伝送されます。出口では、S-VLAN ID が削除され、顧客 VLAN-ID がパケットに保持されます。デフォルトでは、指定した顧客 VLAN に一致しないパケットは破棄されます。
トランクポートでの QnQ
トランクポートの QnQ は、UNI に入る顧客 VLAN すべてを指定の S-VLAN ID にマッピングします。選択的 QnQ と同様に、パケットには二重タグが付けられ、出口では S-VLAN ID が削除されます。