メッセージの構造
メッセージに含まれる情報は、次のとおりです。
• ファシリティ コード
• 重大度
• ニーモニック コード
• 記述フィールド
システム エラー メッセージの構造は、次のとおりです。
ファシリティ - 重大度 - ニーモニック:メッセージ テキスト
ファシリティ コード
ファシリティ コードは 2 つ以上の大文字で構成され、メッセージに関連したファシリティを示します。ファシリティにはハードウェア デバイス、プロトコル、またはシステム ソフトウェア モジュールがあります。 表1-1 に、システムのファシリティ コードを示します。
表1-1 ファシリティ コード
|
|
ACL |
Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト) |
ACLSNOOPMAN |
ACL スヌーピング |
ARPSNOOPINGMAN |
ARP スヌーピング |
BUFFERMANAGER |
メモリ バッファ管理 |
CHASSIS |
シャーシ |
COMMONHWACLMAN |
共通ハードウェア ACL 管理 |
COMMONSTUBMAN |
ASIC(特定用途向け IC)固有のメッセージ |
DHCP_SNOOPING |
DHCP(動的ホスト制御プロトコル)スヌーピング メッセージ |
DOT1X |
802.1X 関連のポートベース認証 |
DTP |
Dynamic Trunking Protocol(DTP; ダイナミック トランキング プロトコル) |
EBM |
イーサネット ブリッジ管理 |
EC |
EtherChannel |
FLASH |
フラッシュ メモリ |
GBICMAN |
GBIC(ギガビット インターフェイス コンバータ)マネージャ |
HW |
ハードウェア |
HWACLMAN |
ハードウェア ACL 管理 |
HWL2MAN |
レイヤ 2 ハードウェア管理 |
HWNETFLOWMAN |
NetFlow 管理 |
HWPORTMAN |
ハードウェア ポート管理 |
IDBMAN |
インターフェイス記述子ブロック管理 |
ILCPROTOCOLERROR |
ILC プロトコル |
IOSACLMAN |
Cisco IOS ACL 管理 |
IOSDIAGMAN |
Cisco IOS 診断マネージャ |
IOSDHCPSNOOPMAN |
Cisco IOS DHCP スヌープ管理 |
IOSIGMPSNOOPMAN |
Cisco IOS IGMP(インターネット グループ管理プロトコル)スヌープ管理 |
IOSINTF |
Catalyst 4500 IOS インターフェイスの動作 |
IOSIPROUTEMAN |
Cisco IOS IP ルート マネージャ |
IOSL2MAN |
Cisco IOS レイヤ 2 マネージャ |
IOSL3MAN |
Cisco IOS レイヤ 3 マネージャ |
IOSMODPORTMAN |
Cisco IOS モジュール ポート マネージャ |
IOSREDUNDANCYMAN |
Cisco IOS 冗長マネージャ |
IOSSYS |
Catalyst 4500 IOS システム |
IOSSYSMAN |
Catalyst 4500 IOS システム管理 |
IPROUTEMAN |
Catalyst 4500 IOS IP ルーティング管理 |
L2MAN |
レイヤ 2 ハードウェア管理 |
L3HWFORWARDING |
レイヤ 3 ハードウェア転送 |
LINECARDMGMTPROTOCOL |
Line Card Management Protocol |
LOGGING_REDIRECT |
ロギング リダイレクト ISSU |
LPIPMAN |
LAN Port IP(LPIP)ダイナミック ホスト ポリシー |
PKTPROCESSING |
パケット処理 |
PM |
ポート マネージャ |
PORTFANOUTASIC4X1000MAN |
ポート ファンアウト ASIC 4x1000 管理 |
PORTFANOUTASIC8X1000HW |
ポート ファンアウト ASIC 8x1000 ハードウェア |
PORTFANOUTASIC8X100MAN |
ポート ファンアウト ASIC 8x100 管理 |
QOS |
Quality of Service |
REDUNDANCY |
冗長スーパーバイザ |
S2W |
カレンダー |
SPD |
SPD |
SFF8472 |
浮動小数点サブシステム(SFF8472) |
SPANTREE |
Spanning-Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル) |
SPANTREE_VLAN_SW |
スパニング ツリー VLAN(仮想 LAN)スイッチ管理 |
STORM_CONTROL |
ブロードキャスト ストーム制御 |
STORE |
メモリ |
SUPERVISOR |
スーパーバイザ |
SWITCH-QOS-TB |
スイッチ QoS 管理 |
SW_DAI |
ダイナミック ARP インスペクション |
SW-VLAN |
スイッチ VLAN 管理 |
SWITCHINGENGINEMAN |
スイッチング エンジン管理 |
SWITCHMANAGER |
スイッチ管理 |
SWNETFLOWMAN |
ソフトウェア NetFlow 管理 |
SYSMAN |
システム管理 |
TRANSCIEVER |
TRANSCEIVER サブシステム |
UFAS_MCAST_SWT |
UplinkFast |
VQPCLIENT |
VLAN Query Protocol(VQP)クライアント |
WATCHDOG |
ウォッチドッグ タイマー |
重大度
重大度は 0 ~ 7 の 1 桁のコードで、状態の重大度を表します。数字が小さいほど深刻な状況です。 表1-2 に、メッセージの重大度を示します。
表1-2 メッセージの重大度
|
|
0 |
緊急 ― システムが使用不可能な状態 |
1 |
アラート ― ただちに対応が必要な状態 |
2 |
クリティカル ― クリティカルな状態 |
3 |
エラー ― エラー状態 |
4 |
警告 ― 警告状態 |
5 |
通知 ― 正常だが注意を要する状態 |
6 |
情報 ― 単なる情報メッセージ |
7 |
デバッグ ― デバッグ時に限り表示されるメッセージ |
ニーモニック コード
ニーモニック コードは、エラー メッセージを一意に識別するためのコードです。ニーモニックは例外なく、すべて大文字の文字列です。
メッセージ テキスト
メッセージ テキストはエラー状態を記述した文字列です。メッセージのこの部分には、端末ポート番号、ネットワーク アドレス、またはシステム メモリ アドレス スペースの位置に対応するアドレスなど、イベントの詳細情報が含まれることがあります。この可変フィールドの情報はメッセージごとに異なるので、ここでは角カッコ([ ])で囲んだ短い文字列で示します。たとえば 10 進数は [dec] で表します。 表1-3 に、メッセージの可変フィールドを示します。
表1-3 メッセージの可変フィールドの表記
|
|
[dec] |
10 進整数 |
[chars] または [char] |
文字列 |
[hex] |
16 進整数 |
[num] |
番号 |
システム エラー メッセージの例
次に、システム エラー メッセージの例を示します。
エラー メッセージ LINK-2-BADVCALL: Interface [chars], undefined entry point
エラー メッセージによっては、エラーを通知しているカードおよびスロットを示すものがあります。このようなエラー メッセージの構造は、次のとおりです。
カード - 重大度 -MSG:スロット ファシリティ - 重大度 - ニーモニック :
メッセージ テキスト
• カードは、エラーを通知しているカードのタイプを示すコードです。
• MSG は、これがメッセージであることを示すニーモニックです。常に MSG で表されます。
• スロットは、エラーを通知しているカードのスロット番号です。SLOT に数字を付けた形で表されます(たとえば、SLOT5)。
エラー メッセージ トレースバック レポート
メッセージの中には、内部エラーが記述され、トレースバック情報が含まれているものがあります。ここから、メッセージの原因になったファンクション コールのスタック トレースが得られます。このトレースは、メッセージで通知された問題をエンジニアが特定するのに役立ちます。テクニカル サポートの担当者に問題を報告するときは、この情報を提出してください。
次に、トレースバック レポートに含まれる情報の例を示します。
-Process= "Exec", level= 0, pid= 17
-Traceback= 1A82 1AB4 6378 A072 1054 1860
例に含まれている数字は、メッセージの原因となったコードの行を示します。