シスコ エクスプレス フォワーディングについて
シスコ エクスプレス フォワーディングまたは分散型シスコ エクスプレス フォワーディングを使用する前に、次の内容を理解しておく必要があります。
• 「集中型シスコ エクスプレス フォワーディングおよび分散型シスコ エクスプレス フォワーディングをサポートするシスコ プラットフォーム」
• 「シスコ エクスプレス フォワーディングの利点:パフォーマンス、スケーラビリティ、および復元力の向上」
• 「シスコ エクスプレス フォワーディングがサポートするメディア」
• 「シスコ エクスプレス フォワーディング動作の主要コンポーネント」
• 「FIB の概要」
• 「シスコ エクスプレス フォワーディングの隣接関係テーブルの概要」
• 「シスコ エクスプレス フォワーディングの動作モード:集中型と分散型」
• 「デフォルトでイネーブルのシスコ エクスプレス フォワーディング機能」
• 「シスコ エクスプレス フォワーディング機能のリンク」
集中型シスコ エクスプレス フォワーディングおよび分散型シスコ エクスプレス フォワーディングをサポートするシスコ プラットフォーム
シスコ エクスプレス フォワーディングは、Cisco IOS ソフトウェア Release 12.0 以降を実行しているほとんどのシスコ プラットフォームで、デフォルトでイネーブルになっています。シスコ エクスプレス フォワーディングをルータでイネーブルにすると、Route Processor(RP; ルート プロセッサ)がエクスプレス フォワーディングを実行します。
ご使用のプラットフォーム上でシスコ エクスプレス フォワーディングがイネーブルかどうか確認するには、 show ip cef コマンドを入力してください。シスコ エクスプレス フォワーディングがイネーブルの場合は、次のような出力が表示されます。
Prefix Next Hop Interface
10.2.61.8/24 192.168.100.1 FastEthernet1/0/0
192.168.101.1 FastEthernet6/1
ご使用のプラットフォーム上でシスコ エクスプレス フォワーディングがイネーブルでない場合、 show ip cef コマンドの出力は次のようになります。
分散型シスコ エクスプレス フォワーディングは、Catalyst 6500 シリーズ スイッチ、Cisco 7500 シリーズ ルータ、および Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータで、デフォルトでイネーブルになっています。プラットフォーム上で分散型シスコ エクスプレス フォワーディングがイネーブルになっている場合、ラインカードはエクスプレス フォワーディングを実行します。
プラットフォーム上でシスコ エクスプレス フォワーディングがイネーブルになっていない場合は、 ip cef コマンドを使用して(集中型)シスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにするか、または ip cef distributed コマンドを使用して分散型シスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにします。
シスコ エクスプレス フォワーディングの利点:パフォーマンス、スケーラビリティ、および復元力の向上
シスコ エクスプレス フォワーディングには次の利点があります。
• パフォーマンスの向上:シスコ エクスプレス フォワーディングは、ファースト スイッチング ルート キャッシングに比べて CPU に負担がかかりません。その結果、より多くの CPU 処理能力を QoS(Quality of Service)や暗号化などのレイヤ 3 サービスに使用できます。
• スケーラビリティ:分散型シスコ エクスプレス フォワーディング モードがアクティブな場合、シスコ エクスプレス フォワーディングでは、各ラインカードのスイッチング キャパシティをフルに活用できます。分散型シスコ エクスプレス フォワーディングは、ルータに設置されているインターフェイス カード数および帯域幅に従って、リニアに拡張する分散型スイッチング メカニズムです。
• 復元力:シスコ エクスプレス フォワーディングは、大規模な動的ネットワーク上で比類ないレベルのスイッチング一貫性と安定性を提供します。動的なネットワークでは、高速交換されるキャッシュ エントリが、ルーティングの変更によって無効になることがよくあります。このような変更が行われると、トラフィックはルート キャッシュを使用した高速交換ではなく、ルーティング テーブルを使用したプロセス交換で処理されるようになります。Forwarding Information Base(FIB; 転送情報ベース)ルックアップ テーブルには、ルーティング テーブル内に存在する既知のすべてのルートが含まれているため、ルート キャッシュ メンテナンスの必要性がなくなり、高速スイッチまたはプロセス スイッチ フォワーディングに関連する手順が不要になります。シスコ エクスプレス フォワーディングは、一般的なデマンド キャッシング スキームよりも効率的にトラフィックを交換できます。
シスコ エクスプレス フォワーディングは、ネットワークのどの部分ででも使用できます。たとえば、図 1 に、集約ポイントの Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータで実行されるシスコ エクスプレス フォワーディングを示します。ここはネットワークのコアで、トラフィック レベルが高く、パフォーマンスが重要です。
図 1 シスコ エクスプレス フォワーディングの例
一般的な大容量 Internet Service Provider(ISP; インターネット サービス プロバイダー)環境では、Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータがネットワークのコアで集約デバイスとして機能し、Cisco 7500 シリーズ ルータまたはその他のフィーダ デバイスへのリンクをサポートします。ネットワーク コアにあるこれらのプラットフォームのシスコ エクスプレス フォワーディングは、絶え間ない成長と増え続けるネットワーク トラフィックに対応するために、ネットワークが必要とするパフォーマンスとスケーラビリティを提供します。シスコ エクスプレス フォワーディングは、ルータに設置されているインターフェイス カード数および帯域幅に従って、リニアに拡張する分散型スイッチング メカニズムです。
シスコ エクスプレス フォワーディングがサポートするメディア
シスコ エクスプレス フォワーディングは、現在のところ次のメディアをサポートしています。
• ATM/AAL5snap、ATM/AAL5mux、および ATM/AAL5nlpid
• イーサネット
• FDDI
• フレームリレー
• High-Level Data Link Control(HDLC; ハイレベル データリンク コントロール)
• PPP
• Spatial Reuse Protocol(SRP)
• TokenRing
• トンネル
シスコ エクスプレス フォワーディング動作の主要コンポーネント
従来ルート キャッシュに格納されていた情報は、シスコ エクスプレス フォワーディング スイッチングのいくつかのデータ構造に格納されます。このデータ構造では、最適化された検索によって効率的なパケット フォワーディングが可能です。シスコ エクスプレス フォワーディング動作の 2 つの主要コンポーネントは、Forwarding Information Base(FIB; 転送情報ベース)と隣接関係テーブルです。
FIB は、概念的にはルーティング テーブルや情報ベースに似ています。ルータはこのルックアップ テーブルを使用して、シスコ エクスプレス フォワーディング動作中に宛先ベースのスイッチング判断を行います。FIB は、ネットワーク内で変更が発生すると更新され、その時点で既知のすべてのルートが含まれます。詳細については、「FIB の概要」を参照してください。
隣接関係テーブルには、すべての FIB エントリに関するレイヤ 2 ネクストホップ アドレスが保存されます。詳細については、「シスコ エクスプレス フォワーディングの隣接関係テーブルの概要」を参照してください。
この到着可能性情報(シスコ エクスプレス フォワーディング テーブル内)と転送情報(隣接関係テーブル内)の分離には、次のような多くの利点があります。
• 隣接関係テーブルは、シスコ エクスプレス フォワーディング テーブルとは別に作成できます。そのため、両方のテーブルを、パケットのプロセス交換なしで作成できます。
• パケットの転送に使用される MAC ヘッダー書き換えは、キャッシュ エントリに格納されません。したがって、MAC ヘッダー書き換え文字列の変更では、キャッシュ エントリを無効化する必要がありません。
FIB の概要
シスコ エクスプレス フォワーディングは、FIB を使用して IP 宛先プレフィクス ベースのスイッチング判断を行います。
FIB には、フォワーディングに最適化される方法で構造化された IP ルーティング テーブルからのプレフィクスが含まれています。ネットワークでルーティングまたはトポロジの変更が発生すると、IP ルーティング テーブルが更新され、これらの変更が FIB に反映されます。FIB は、IP ルーティング テーブルの情報に基づいて、ネクストホップ アドレス情報を保持します。
FIB のエントリとルーティング テーブル のエントリの間には 1 対 1 の関係があるため、FIB には既知のすべてのルートが含まれ、ファースト スイッチングや最適スイッチングで使用されるような、スイッチング パスに関連付けられたルート キャッシュを保持する必要がなくなります。
シスコ エクスプレス フォワーディング FIB とロード バランシング
宛先プレフィクスへのパスが複数存在することがあります。たとえば、ルータが同時ロード バランシングおよび冗長性に対応するように設定されていると、このようなことが発生します。解決されるパスごとに、そのパスのネクストホップ インターフェイスに対応する隣接へのポインタが FIB に含まれます。
シスコ エクスプレス フォワーディングの隣接関係テーブルの概要
リンク レイヤ(レイヤ 2)を通過する単一ホップでノードに到達可能な場合、このノードはもう 1 つのノードと隣接関係を持つことになります。シスコ エクスプレス フォワーディングは、隣接関係テーブルと呼ばれるデータ構造に、隣接ノードへのフォワーディング情報(発信インターフェイスおよび MAC ヘッダー書き換え)を格納します。シスコ エクスプレス フォワーディングは、隣接関係テーブルを使用して、レイヤ 2 アドレッシング情報をパケットにプリペンドします。隣接関係テーブルは、すべての FIB エントリのレイヤ 2 ネクストホップ アドレスを保持します。
次の項で、隣接関係に関する追加情報を示します。
• 「隣接関係のディスカバリ」
• 「特別な処理が必要な隣接関係タイプ」
• 「未解決の隣接関係」
隣接関係のディスカバリ
各隣接関係テーブルは、隣接関係が検出されると設定されます。隣接関係は、間接的な手動設定で、または動的にテーブルに追加され、ネイバー関係を形成します。動的の場合、Address Resolution Protocol(ARP; アドレス解決プロトコル)のようなメカニズムを通じて検出されたり、Border Gateway Protocol(BGP; ボーダー ゲートウェイ プロトコル)または Open Shortest Path First(OSPF)のようなルーティング プロトコルを使用して追加されます。隣接関係エントリが作成されるたびに、その隣接ノードのリンク レイヤ ヘッダーが計算され、隣接関係テーブルに格納されます。
隣接関係情報は、後でパケットがシスコ エクスプレス フォワーディングでスイッチングされるときに、カプセル化に使用されます。
特別な処理が必要な隣接関係タイプ
ネクストホップ インターフェイスに関連付けられた隣接関係(ホスト ルート隣接関係)のほかに、特定の例外条件が存在するときにスイッチングを促す別のタイプの隣接関係が使用されます。例外処理または特別な処理を必要とするプレフィクスは、 表 1 で示す特別な隣接関係のいずれかと共にキャッシュされます。
表 1 特別な処理が必要な隣接関係タイプ
|
|
ヌル隣接関係 |
Null0 インターフェイスに送信されたパケットはドロップされます。ヌル隣接関係は、アクセス フィルタリングの効果的な形式として使用できます。 |
グリーニング隣接関係 |
ルータがマルチアクセス メディアに接続されている場合、ルータの FIB テーブルは、個別のホスト プレフィクスではなく、サブネットのプレフィクスを保持します。サブネットのプレフィクスは、グリーニング隣接関係をポイントします。グリーニング隣接関係エントリは、特定のネクストホップに直接接続する必要があるが、MAC ヘッダー書き換え情報は使用できないことを示します。ルータがサブネットの特定のホストにパケットを転送する必要がある場合、シスコ エクスプレス フォワーディングが特定のプレフィクスの ARP エントリを要求し、ARP が MAC アドレスを送信し、ホストの隣接関係エントリが構築されます。 |
パント隣接関係 |
ルータは、特別な処理を必要とするパケット、またはまだサポートされていない機能で送信されたパケットを処理するため、シスコ エクスプレス フォワーディング スイッチング パスと共に、1 つ上位のスイッチング レベルに転送します。 |
廃棄隣接関係 |
ルータはパケットを廃棄します。 |
ドロップ隣接関係 |
ルータはパケットをドロップします。 |
未解決の隣接関係
パケットにリンク レイヤ ヘッダーがプリペンドされるとき、FIB では、プリペンドされたヘッダーがネクストホップに対応する隣接関係をポイントする必要があります。FIB で隣接関係が作成され、ARP などのメカニズムで検出されない場合、レイヤ 2 アドレッシング情報は不明となり、隣接関係は不完全または未解決と見なされます。レイヤ 2 情報が認識されると、パケットが RP に転送され、ARP で隣接関係が判別されます。これによって、隣接関係が解決されます。
集中型シスコ エクスプレス フォワーディング モードの動作
シスコ エクスプレス フォワーディング スイッチングにラインカードが対応していない場合、分散型シスコ エクスプレス フォワーディング スイッチングと互換性のない機能を使用する必要がある場合、または分散型ではないプラットフォーム上で動作する場合は、集中型シスコ エクスプレス フォワーディング モードを使用できます。集中型シスコ エクスプレス フォワーディング モードがイネーブルの場合、シスコ エクスプレス フォワーディング FIB および隣接関係テーブルは RP 上に存在し、RP はエクスプレス フォワーディングを実行します。
図 2 に、集中型シスコ エクスプレス フォワーディング モードで動作中の、ルーティング テーブル、FIB、および隣接関係テーブルの関係を示します。Catalyst スイッチは、ワークグループ LAN から、集中型シスコ エクスプレス フォワーディングが動作するバックボーン上の Cisco 7500 シリーズ ルータにトラフィックを転送します。RP は、エクスプレス フォワーディングを実行します。
図 2 集中型シスコ エクスプレス フォワーディング モードの動作
分散型シスコ エクスプレス フォワーディング モードの動作
さらにスケーラビリティを向上させるために、シスコ エクスプレス フォワーディングは、処理タスクを 2 つ以上のラインカードにわたって分散させることにより、特定のプラットフォーム上で分散型シスコ エクスプレス フォワーディングの形式で動作します。分散型シスコ エクスプレス フォワーディング モードがイネーブルの場合、ラインカードは FIB と隣接関係テーブルの同一のコピーを保持します。ラインカードはポート アダプタ間でエクスプレス フォワーディングを行い、RP をスイッチング動作から解放し、システム パフォーマンスも向上させます。
分散型シスコ エクスプレス フォワーディングは、InterProcess Communication(IPC; プロセス間通信)メカニズムを使用して、RP およびラインカード上の FIB テーブルと隣接関係テーブルとの同期を保証します。
図 3 に、分散型シスコ エクスプレス フォワーディングがアクティブな場合の RP とラインカード間の関係を示します。
図 3 分散型シスコ エクスプレス フォワーディング モードの動作
Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータでは、図 3 に示すように、ラインカードがスイッチングを行います。その他のルータでは、同じルータ内で各種タイプのカードが混在できる場合、すべてのカードが分散型シスコ エクスプレス フォワーディングをサポートするとは限りません。これらのその他のルータの 1 つで、分散型シスコ エクスプレス フォワーディングをサポートしないラインカードがパケットを受信した場合、そのラインカードは 1 つ上位のスイッチング レイヤ(RP)にパケットを転送します。この構造により、レガシー インターフェイス プロセッサが、新しいインターフェイス プロセッサとルータ内に共存できます。
(注) Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータは、分散型シスコ エクスプレス フォワーディング モードだけで動作します。
シスコ エクスプレス フォワーディング分散型トンネル スイッチング
シスコ エクスプレス フォワーディングは、GRE トンネルで実現可能な分散型トンネル スイッチングをサポートします。分散型トンネル スイッチングは、シスコ エクスプレス フォワーディングまたは分散型シスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにすると、自動的にイネーブルになります。シスコ エクスプレス フォワーディングまたは分散型シスコ エクスプレス フォワーディングをイネーブルにした後で、分散型トンネル スイッチングをイネーブルにするために追加の作業を実行する必要はありません。
シスコ エクスプレス フォワーディングでスイッチングされるマルチポイント GRE トンネル(Cisco IOS 12.2(8)T)
シスコ エクスプレス フォワーディングでスイッチングされるマルチポイント GRE トンネル機能を使用すると、マルチポイント GRE トンネルとの間で、IP トラフィックのシスコ エクスプレス フォワーディング スイッチングが可能になります。プレフィクスとトンネル宛先の両方がアプリケーションで指定されている場合、トンネル宛先を通じてトラフィックをプレフィクスに転送できます。GRE は、IP インターネットワークを使用して、リモート ポイントの他のルータへの仮想ポイントツーポイント リンクを作成します。GRE は、幅広いプロトコル タイプのパケットをカプセル化できます。単一プロトコル バックボーン環境で、マルチプロトコル サブネットワークに接続することで、GRE を使用する IP トンネリングは単一プロトコル バックボーン環境のネットワークを拡張できます。
シスコ エクスプレス フォワーディング機能のリンク
表 2 に、シスコ エクスプレス フォワーディングまたは分散型シスコ エクスプレス フォワーディング動作と組み合わせて使用するよう設定可能な機能に関する情報へのリンクを示します。
用語集
FIB :転送情報ベース。概念上はルーティング テーブルや情報ベースに似た、シスコ エクスプレス フォワーディングのコンポーネント。ルータは FIB ルックアップ テーブルを使用して、シスコ エクスプレス フォワーディング動作中に送信先ベースのスイッチング判断を行います。ルータには、IP ルーティング テーブル内の転送情報のミラー イメージが保持されます。
GRE :Generic Routing Encapsulation の略。シスコが開発したトンネリング プロトコルで、IP トンネル内のさまざまなプロトコル パケット タイプをカプセル化し、IP インターネットワークを使用して、リモート ポイントの Cisco ルータへの仮想ポイントツーポイント リンクを作成します。単一プロトコル バックボーン環境で、マルチプロトコル サブネットワークに接続することで、GRE を使用する IP トンネリングは単一プロトコル バックボーン環境のネットワークを拡張できます。
IPC :プロセス間通信。ルータが分散型シスコ エクスプレス フォワーディング モードで動作している場合に、Route Switch Processor(RSP)からラインカードへの、シスコ エクスプレス フォワーディング テーブルの配布を可能にするメカニズム。
LER :ラベル エッジ ルータ。ラベル インポジションを実行するルータ。
LFIB :ラベル転送情報ベース。ラベル付きパケットを交換するためにスイッチング機能が使用するデータ構造。
LIB :ラベル情報ベース。他の Label Switch Router(LSR; ラベル スイッチ ルータ)から学習したラベル、およびローカル LSR によって割り当てられたラベルを格納するために、LSR が使用するデータベース。
LSP :ラベル スイッチド パス。ホップのシーケンス(ルータ 0 ~ルータ n)。パケットは、ラベル スイッチング メカニズムによって、R0 から Rn に送られます。LSP は、通常のルーティング メカニズムに基づいて動的に選択することも、また手動で設定することもできます。
LSR :ラベル スイッチ ルータ。パケット内のラベル カプセル化の値に基づいて、パケットを転送するレイヤ 3 ルータ。
MPLS :マルチプロトコル ラベル スイッチング。通常のルーティング パスに沿ってパケットを転送するための新しい業界標準(MPLS ホップバイホップ フォワーディングと呼ばれる場合もある)。
RIB :ルーティング情報ベース。レイヤ 3 到達可能性情報および送信先 IP アドレスまたはプレフィクスを含むルートの中央リポジトリ。RIB は、ルーティング テーブルとも呼ばれます。
RP :ルート プロセッサ。Cisco 7000 シリーズ ルータのプロセッサ モジュールであり、CPU、システム ソフトウェア、およびルータで使用されるメモリ コンポーネントの大部分が含まれます。スーパーバイザリ プロセッサと呼ばれることもあります。
RSP :ルート スイッチ プロセッサ。Cisco 7500 シリーズ ルータで使用されるプロセッサ モジュールであり、Route Processor(RP; ルート プロセッサ)と Switch Processor(SP; スイッチ プロセッサ)の機能を内蔵しています。
SP :スイッチ プロセッサ。Cisco 7000 シリーズのプロセッサ モジュールであり、すべての CxBus アクティビティのアドミニストレータとして動作します。CiscoBus コントローラと呼ばれることもあります。
VIP :多用途インターフェイス プロセッサ。Cisco 7000 および Cisco 7500 シリーズ ルータで使用されるインターフェイス カード。VIP は、マルチレイヤ スイッチングを行い、Cisco IOS を実行します。
VPN :バーチャル プライベート ネットワーク。トンネリングを使用し、公衆 TCP/IP ネットワークを通じて IP トラフィックを安全に転送することを可能にするルータ構成。
VRF :Virtual Private Network(VPN; バーチャル プライベート ネットワーク)ルーティング/フォワーディング インスタンス。VRF は、IP ルーティング テーブル、取得された転送テーブル、その転送テーブルを使用する一連のインターフェイス、転送テーブルに登録されるものを決定する一連のルールおよびルーティング プロトコルで構成されています。一般に、VRF には、PE ルータに付加されるカスタマー VPN サイトが定義されたルーティング情報が格納されています。
シスコ エクスプレス フォワーディング :レイヤ 3 スイッチング テクノロジー。シスコ エクスプレス フォワーディングは、シスコ エクスプレス フォワーディング動作の 2 つのモードの 1 つである、集中型シスコ エクスプレス フォワーディング モードを指す場合もあります。シスコ エクスプレス フォワーディングにより、ルート プロセッサがエクスプレス フォワーディングを行うことができます。分散型シスコ エクスプレス フォワーディングは、シスコ エクスプレス フォワーディングのもう 1 つの動作モードです。
分散型シスコ エクスプレス フォワーディング :シスコ エクスプレス フォワーディングの動作モードの 1 つであり、ラインカード(Versatile Interface Processor(VIP)ラインカードなど)に、Forwarding Information Base(FIB; 転送情報ベース)および隣接関係テーブルの同一のコピーが保持されます。ラインカードは、ポート アダプタ間でエクスプレス フォワーディングを実行します。これにより、ルート スイッチ プロセッサがスイッチング動作から解放されます。
プレフィクス :IP アドレスのネットワーク アドレス部分。プレフィクスはネットワークおよびマスクによって指定され、一般的にネットワーク/マスクの形式で表されます。マスクは、どのビットがネットワーク ビットかを表しています。たとえば、1.0.0.0/16 は、IP アドレスの最初の 16 ビットがマスクされることを表し、これがネットワーク ビットであることを示しています。残りのビットはホスト ビットです。この場合、ネットワーク番号は 10.0 です。
ラインカード :さまざまなシスコ製品で使用可能なインターフェイス プロセッサに対する一般的用語。たとえば、Versatile Interface Processor(VIP)は、Cisco 7500 シリーズ ルータのラインカードです。
ラベル インポジション :パケットにラベルを付加するアクション。
ラベル ディスポジション :ネットワーク エッジでの Multiprotocol Label Switching(MPLS)ヘッダーの除去。MPLS ラベル ディスポジションでは、ヘッダーが除去された MPLS パケットとしてルータに到着したパケットは、IP パケットとして送信されます。
隣接関係 :ルーティング情報を交換するため、選択した隣接ルータとエンドノード間で形成された関係。隣接関係は、関連するルータとノードによる共通メディア セグメントの使用に基づいています。
Cisco and the Cisco Logo are trademarks of Cisco Systems, Inc. and/or its affiliates in the U.S. and other countries. A listing of Cisco's trademarks can be found at www.cisco.com/go/trademarks . Third party trademarks mentioned are the property of their respective owners. The use of the word partner does not imply a partnership relationship between Cisco and any other company. (1005R)
このマニュアルで使用している IP アドレスは、実際のアドレスを示すものではありません。マニュアル内の例、コマンド出力、および図は、説明のみを目的として使用されています。説明の中に実際のアドレスが使用されていたとしても、それは意図的なものではなく、偶然の一致によるものです。
© 2005-2010 Cisco Systems, Inc.
All rights reserved.
Copyright © 2005-2011, シスコシステムズ合同会社.
All rights reserved.