この文書では、Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータのメンテナンス バス、電源モジュールとブロワー、およびアラーム カードの概要を説明します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。
Cisco 12000 シリーズ インターネット ルータ
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
メンテナンス バス(MBUS)は、ルート プロセッサ(RP)、ラインカード(LC)、スイッチ ファブリック カード(SFC)、電源モジュール、およびファン(12008 を除く)を接続するための冗長化された 1 Mbps の Controller Area Network(CAN)シリアル バスです。 産業用制御分野では、高耐障害性設計のために、通常 CAN バスが使用されます。
各ライン カードは、マスター GRP へのインターフェイスを提供する MBUS モジュールをサポートしています。show diag コマンドを使用すれば、スイッチ ファブリック カードまたはライン カードで動作している MBUS エージェント ソフトウェアのバージョンが表示されます。
SLOT 17 (CSC 1): Clock Scheduler Card MAIN: type 17, 800-2353-02 rev A0 dev 16777215 HW config: 0xFF SW key: FF-FF-FF PCA: 73-2148-02 rev C0 ver 2 HW version 1.0 S/N CAB03191T45 MBUS: MBUS Agent (1) 73-2146-07 rev B0 dev 0 HW version 1.2 S/N CAB03181N2S Test hist: 0xFF RMA#: FF-FF-FF RMA hist: 0xFF DIAG: Test count: 0xFFFFFFFF Test results: 0xFFFFFFFF EEPROM contents (hex): 00: 01 00 01 00 49 00 08 62 07 58 00 00 00 FF FF FF 10: 43 41 42 30 33 31 38 31 4E 32 53 00 00 00 00 00 20: 01 02 00 00 00 00 00 FF FF FF FF FF FF FF FF FF 30: A5 A5 A5 A5 A5 A5 FF A5 A5 A5 A5 A5 A5 A5 A5 A5 40: 00 11 01 00 00 49 00 08 64 02 60 02 00 03 FF FF 50: 03 20 00 09 31 02 50 FF FF FF FF FF FF FF FF FF 60: 43 41 42 30 33 31 39 31 54 34 35 00 00 00 00 00 70: FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF 80: 01 02 04 08 10 20 40 80 01 02 04 08 10 20 40 80 90: 01 02 04 08 10 20 40 80 01 02 04 08 10 20 40 80 A0: 01 MBUS Agent Software version 01.43 (RAM) (ROM version is 01.33) Using CAN Bus A ROM Monitor version 0 Primary clock is CSC 1
MBUS は主に次の目的で使用します。
初期ブートアップ:初期ロードの際、プライマリ GRP では、ラインカードやスイッチ カードにある MBUS モジュールに対してカードに電源を入れるよう、MBUS を使用して指示します。その後、ブートストラップのイメージが MBUS 経由でラインカードにダウンロードされます。MBUS は、リビジョン番号、環境情報、および一般的なメンテナンス情報の収集にも使用されます。次のログ メッセージに示されているように、GRP は MBUS 上で冗長メッセージを交換し、それによって GRP 調停の結果が報告されます。
00:00:14: %MBUS-6-GRP_STATUS: GRP in Slot 0 Mode = MBUS Primary 00:00:20: %MBUS-6-GRP_STATUS: GRP in Slot 11 Mode = MBUS Secondary
プライマリ GRP では、MBUS を使用して自分がマスターであることを定期的に再通知します。ある設定可能な期間内にプライマリからの所有権の通知を検出できないと、セカンダリ GRP は再び調停フェーズに入ります。
環境統計情報のモニタリング
attach <slot#> コマンドを使用した LC へのアウトオブバンド コンソール アクセス
フィールド診断イメージのダウンロード
注:データトラフィックはMBUSを通過せず、スイッチファブリックを通過します。MBUS は、Cisco 12000 シリーズ ルータ内のコンポーネントの管理だけに使用されます。
また、LC から GRP へのログとデバッグ メッセージも MBUS で転送されます。アクセス コントロール リスト(ACL)ロギングは、MBUS に負荷をかけるほど大量のメッセージを生成する場合があり、LCLOG-3-INVSTATE と MBUS_SYS-3-SEQUENCE エラーが発生する可能性があります。Border Gateway Protocol(BGP)ネイバーの変更をログに記録する際に、同様の問題が発生する可能性があります。Cisco IOS® ソフトウェア リリース 12.0(20)S では、プロセス間通信(IPC)メッセージを使用して、ログ メッセージがスイッチ ファブリック経由で転送されるようにすることで、この問題を解決します(CSCdu00535)。 次の新しいコマンドが導入されています。
logging method mbus <severity>:MBUS 経由で送信されるメッセージの重大度を選択します。Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.0(20)S は、GSR のデフォルトのロギング設定を変更します。重大度 0 ~ 4 のログ メッセージは MBUS を介して送信され、重大度 5 ~ 7 のログ メッセージは IPC を介して送信されます。そのため、ACL と BGP ネイバーのログは IPC を介して送信されます。logging method mbus 7 コマンドを実行すると、すべてのログが MBUS を使用して送信されます。
show logging method:どの重大度のログ メッセージを IPC または MBUS で送信するかに関する現在の設定を表示します。
logging sequence-nums:IPC または MBUS で送信されたメッセージが GRP で正しい順序で処理されるように、送信するログ メッセージにシーケンス番号を追加するように LC を設定します。このコマンドが有効な場合、ログは次のフォーマットで GRP に送信されます。「SLOT <slot num>:<seq num>:<HH:MM:SS:MM>:<message text>".
まれに、GSR は次の MBUS 関連のエラー メッセージを報告することがあります。
%MBUS_SYS-3-NOCHANNEL: Failed to allocate MBUS channel for over 10 secs
このメッセージは、ルータの電源モジュールに不具合がある場合や LC が正しくアップグレードされなかった場合に表示されることがあります。後者の場合、シャーシからすべての LC を除去し、Cisco 12000 ルータをリブートする必要があります。GRP が起動したら、LC を 1 枚ずつインストールします。各 LC が正常にブートしたら、LC が取り付けられたスロットで、enable モードで upgrade all command コマンドを発行します。すべての LC をアップグレードしたら、それ以降のリブートでは、MBUS ではなくスイッチ ファブリックを使用して LC イメージをダウンロードできるので、この問題が発生する可能性はほとんどなくなります。
Cisco 12000 シリーズ ルータは、AC 電源、DC 電源のどちらの構成でも使用できます。電源装置はいずれもロード シェアリングおよびホットスワップ対応です。
12008 と 12012 は両方とも、少なくとも 1 つの AC または DC 電源が機能する必要があります。
12016 と 12416 の電源モジュールには、MBUS モジュールは搭載されていません。これらのモデルのモニタリングはバスボードを使用して行われます。12016 および 12416 の電源は、2 個のロード ゾーンに分割されています。AC 電源を使用する場合は、3 基の電源モジュールを使用する設定と、4 基の電源モジュールを使用する設定の 2 種類の設定があります。DC 電源モジュール システムを使用する場合は、4 基の電源モジュール(A1、A2、B1、B2)があります。
システムに十分な電力供給を行うには、両方のロード ゾーンに電力供給する必要があります。1 番目のロード ゾーンには、上部カード ケージと上部ブロワー モジュールが、2 番目のロード ゾーンには、スイッチ ファブリック カード ケージ、下部カード ケージ、および下部ブロワー モジュールがそれぞれ含まれています。AC システムでは、これは 2 つの電源モジュールを電源に接続することで実行されます。DC システムの場合、A2 と B2 が下部のロード ゾーンに電力供給する間、A1 と B1 は上部のロード ゾーンに電力を供給します。DC 電源で 12016/12416 の電力を完全に供給するには、最低限接続する必要があるのは、A1&A2、B1&B2、A1&B2、または A2&B1 です。
次のリンクには、電源モジュールの位置とその交換方法がシャーシごとに説明されています。
Cisco 12008 インターネット ルータ
Cisco 12012 インターネット ルータ
Cisco 12016 インターネット ルータ
Cisco 12404 インターネット ルータ
Cisco 12406 インターネット ルータ
Cisco 12410 インターネット ルータ
Cisco 12416 インターネット ルータ
12000 シャーシのタイプごとに、異なるタイプのアラーム カードがあります。Cisco 12008 および 12016/12416 では、アラーム カードによって LC に電源が供給されるため、少なくとも 1 枚のアラーム カードを装着してください。12008 にはアラーム カードが 1 枚必要ですが、これはアラーム カードが Card Scheduler and Clock(CSC; カード スケジューラとクロック)と統合されているからです。 12016 と 12416 には、アラーム カード用のスロットが 2 つあります(冗長構成用)。 2 つのアラーム カードには、12016 の DC 電源モジュールのようなセグメント化されたサービス ゾーンはありません。
12404 では、統合スイッチ ファブリック カードをサポートしています。このカードでは、スイッチ ファブリック、アラーム、クロックとスケジュール機能が 1 枚のボードに納められています。
次のリンクでは、各アラーム カード関連情報と交換手順が説明されています。
Cisco 12008 インターネット ルータ
CSC がルータのアラーム モニタ機能を果たします(「CSC のハウスキーピング機能とアラーム監視機能」)
Cisco 12012 インターネット ルータ
Cisco 12016 インターネット ルータ
Cisco 12404 インターネット ルータ
Cisco 12406 インターネット ルータ
Cisco 12410 インターネット ルータ
Cisco 12416 インターネット ルータ(Cisco 12016 インターネット ルータと同様)