Cisco® Unified Communications Manager は、ビデオ、音声、モビリティ、メッセージング、インスタント メッセージ(IM)、およびプレゼンスのセッション制御およびコール制御を実現する、シスコ コラボレーション サービスの中心となる製品です。
製品概要
あらゆるネットワーク上で顧客やパートナーとより効果的にコラボレーションできるとしたらどうでしょうか?しかも、どんなデバイスでも、どこからでも、低コストで、確実かつ安全に実施できるとしたら?Cisco Unified Communications Manager であればそれが可能です。
今日の職場環境は、前例のない方法でコラボレーション環境に挑んでいます。より多くのモバイル ワーカーがこれまで以上に多くのデバイスを使用します。Web 会議やビデオ会議が行き交っています。
シスコはエンタープライズ コールおよびセッション管理プラットフォームにおける業界のリーダー企業として、全世界で 200,000 以上の顧客を有し、8,500 万台を超える Cisco IP Phone と数千万個のソフト クライアントを導入してきました。Cisco Unified Communications Manager は、シスコのコラボレーション ポートフォリオの中心となるアプリケーションです。人が中心のユーザおよび管理エクスペリエンスを実現するとともに、ビデオ、音声、インスタント メッセージとプレゼンス、メッセージング、モビリティなど、あらゆるコラボレーション サービスを、シスコ製品はもちろん、サードパーティ製品上でもサポートします。
Cisco Unified Communications Manager バージョン 12.0 の新機能
表 1 に、Cisco Unified Communications Manager バージョン 12.0 に含まれる主な機能を示します。
表 1. Cisco Unified Communications Manager 12.0 の主な機能
機能 |
利点 |
プッシュ通知 |
● Cisco Unified Communications Manager および IM and Presence サービスでは、クラウド ベースの Apple プッシュ通知サービスを、中断モードで実行している Cisco Jabber® for iPhone and iPad クライアントに対するプッシュ音声とビデオ通話、インスタント メッセージの通知、および Cisco WebEx® への招待に使用します。
● Cisco Unified Communications Manager のプッシュ通知によって、ユーザは Cisce Jabber との持続的なコミュニケーションを維持できます。
● プッシュ通知は、エンタープライズ ネットワーク内から接続する Cisco Jabber for iPhone and iPad クライアント、および Expressway のモバイルおよびリモート アクセス(MRA)機能を使用してオンプレミス展開に登録するクライアントの両方に必要となります。
● プッシュ通知の高可用性により、Cisco Jabber for iPhone and iPad クライアントに対して IM and Presence セッションを有効にするプッシュ通知のフェールオーバーおよび冗長性を提供します。これによりバックアップ ノードにセッション情報が追加され、Jabber ユーザが操作しなくてもセッションを引き継ぐことができます。音声およびビデオ通話、冗長性とフェールオーバーは、Cisco Unified Communications Manager のグループによって処理されます。
● プッシュ通知のトラブルシューティングでは、トラブルシューティング情報が一定間隔でシスコのクラウドに送信されます。シスコはこの情報を使用してプッシュ通知とシステム コンポーネントのデバッグを積極的に行っていきます。Cisco TAC がプッシュ通知のアラームにすばやくアクセスできるようにすることによって、システムのトラブルシューティングを迅速に行います。
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Cisco Spark™ ハイブリッド サービス |
● ホーム クラスタ ルーティングで Session Management Edition(SME)を有効にし、Expressway-C/E ファイアウォール トラバーサル ソリューションを介して Cisco Spark Hybrid Call Service Connect ユーザから発信者の Unified Communications Manager ホーム クラスタ(発信者の Cisco Spark リモート デバイス上のアンカー)へのコールをルーティングします。通話は、RFC 3261 に準拠したルート ヘッダーに基づいてルーティングされます。ダイレクト SIP トランクおよびコール ルーティング構成が少ないことから、これは大規模な展開時に便利です。
● 検証済み ID および Call Anchoring 機能により、発信者 ID が信頼できる場合にのみ発信者 ID とリモート接続先を一致させてインバウンド コールを許可します。これにより、発信者が Dial via Office(DVO)またはコール サービス接続を許可されたユーザを偽装する詐欺を防ぎます。
● 専用のリモート デバイスにより、少なくとも UCL Enhanced ライセンスを持っているユーザであれば追加ライセンスを取得せずにコール サービス接続が有効になります。
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インスタント メッセージおよびプレゼンス(IM&P) |
● メッセージ アーカイバをブロック モードに設定し、コンプライアンス データベースがダウンした場合にメッセージ配信をブロックすることができます。新しいコンプライアンス機能が、ポイントツーポイントのチャット、アドホック グループ チャット、およびパーシステント チャット メッセージに適用されます。
● 高可用性を確保する目的で Microsoft SQL Server(2014、2014 SP1、2012 SP3)が有効になっている場合は、これを外部データベースとしてサポートすることで持続性のあるグループ チャットからの情報を格納します。
● IM&P の外部データベース クリーンアップ ユーティリティは、外部データベースにメッセージやファイルを格納する際のディスク領域の管理に役立ちます。この機能により、常設チャット、マネージド ファイル転送およびメッセージ アーカイバ機能に関連するレコードをクリアできます。ユーティリティでは、手動および自動の両方による削除オプションがサポートされます。
● 名簿クリーンアップによって、管理者が長期間にわたって蓄積された古い連絡先のリストを表示し、これらを IM&P データベースから削除することでシステムのパフォーマンスを改善することができます。
● アドホック チャット ルームのプライバシー機能によって、不正ユーザによるルームへの参加、メッセージ履歴の表示、およびチャットの会話妨害を阻止し、アドホック チャット ルームのセキュリティを強化します。ルームは、ユーザがそのルームの所有者または管理者の場合にのみ検出できます。
● 一元化された IM&P ソリューションにより、IM&P と Cisco Unified Communications Manager クラスタの間の 1:1 の関係性は必要なくなります。一元的な IM&P により、複数の Cisco Unified Communications Manager クラスタを使用した操作が可能です。
● また、最小限の構成変更で既存のクラスタに簡単に重ねることができます。既存のダイヤル プランとシームレスに動作します。
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TLS の最小バージョン管理 |
● 下位バージョンの TLS ネゴシエーションを防ぐことで 、強固なセキュリティを展開し、PCI DSS などの規格に準拠することができます。
● Cisco Unified Communications Manager のセキュアな TLS インターフェイスのために最小バージョン(TLS 1.0、1.1、または 1.2)を設定する新しいコマンド。
● Cisco Prime® Collaboration Deployment 11.6 および 12.0 が含まれます。
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Cisco スマート ライセンス対応 |
● シスコ スマート ソフトウェア ライセンシングは、ライセンスの新しい概念です。ライセンシングに柔軟性が増し、簡素化されます。シスコ スマート ソフトウェア ライセンシングによって、ライセンスの供給、展開、追跡、および管理を簡単に実行できるようになります。
● Cisco Unified Communications Manager 12.0 以降のライセンスは、Cisco Smart Software Manager または Cisco Smart Satellite で管理されます。
● PLM は不要になります。PAK は排除されました。ライセンスは、Cisco Prime License Manager ノードに関連付けられていません。
● Cisco Unified Communications Manager 12.0 SKU は、指定されたスマート アカウントでスマート資格を満たすスマート SKU です。
● 有効な SWSS を使用している顧客は、従来のライセンスをスマート アカウントに割り当てた後で、Cisco Smart Software Manager ポータル(https://software.cisco.com/#SmartLicensing-LicenseConversion [英語])から Smart Entitlements に自分で移行することができます。
● 古いライセンスのスマート ライセンスへの移行は、すでに資格を満たした、一部満たした、または満たしていない PAK およびデバイス ベース(PLM UUID)でサポートされます。
● Cisco Unified Communications Manager のライセンス モデルに変更はありません。
● スマート ソフトウェア ライセンシングの展開オプションには、(a)Cisco Unified Communications Manager からスマート ライセンス クラウドへの直接アクセス(b)HTTP プロキシを経由したアクセス(c)オンプレミス コレクタまたはサテライトからの仲介アクセスが含まれています。サテライトには、別の VM インスタンスが必要です。詳細については、『Cisco Unified Communications Solutions Ordering Guide(Cisco Unified Communications ソリューション発注ガイド)』 を参照してください。
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IPv6 専用エンドポイント |
● IPv6 のみを使用するブランチ オフィスやデュアル スタック対応のホーム/セントラル オフィスに焦点を当てた IPv6 専用エンドポイントの展開をサポートします。
● IPv6 専用のエンドポイントが、IPv4 専用のエンドポインと同等の機能(デバイス モビリティ、エクステンション モビリティ、IP 電話サービス、セルフ プロビジョニングなど)を持つようにします。
● Cisco Jabber 11.6 以上をオンプレミス ネットワークの IPv6 専用モードで操作する場合、ポート 8443 で Cisco Unified Communications Manager および IM&P に接続できます。
● SNMP(V1/V2C/V3 プロトコル)対応の IPv6 サポートには IPv6 専用ホストからの SNMP 要求を許可する機能や、IPv6 専用の SNMP 通知送信先を設定する機能が含まれています。
● このソリューションによって IPv4 アドレスの枯渇問題が軽減され、デュアル スタック環境の管理が簡単になります。
● 既存の IPv4 サポートに対する変更はありません。
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デバイス管理機能 |
● デバイスの管理が簡略化され、以前は表示されていたデバイス(1 日分の詳細)や一定期間発信/応答していないデバイスの管理レポートの生成および BAT 更新が可能になりました。
● 管理者は、デバイスの特定、ライセンスの回復を(可能な場合)実施できます。
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エクステンション モビリティのログイン操作 |
● エクステンション モビリティまたはクラスタ間のエクステンション モビリティ(EMCC)に、プライマリ DN またはセルフ サービス ユーザの ID および暗証番号を使用してログインすることができます。
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SAML SSO の機能強化 |
● 管理者は、SAML IdP の信頼構成に、長期間有効な自己署名の内部証明書をプロビジョニングできるため、クラスタ全体の単一 SAML 規格を使っていても SSO を導入しやすくなります。また、Tomcat 証明書更新時に SAML 規格の SSO を再構成する必要がなくなります。
● ソリューション範囲の拡大により、Cisco Unified Communications Manager プラットフォーム、DRS ユーザおよび RTMT アプリケーションに対する SAML 規格の SSO サポートが追加されました。
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管理の簡素化 |
● Cisco Unified Communications Manager と InformaCast Paging サーバの両方でシームレスな構成を実現する新しいウィザードが導入されました。対象となる電話のパニック ボタン(短縮ダイヤル)を自動セットアップすることで管理コストを削減します。
● 合理化されたシーケンシング、アップグレード タスクの並列化、アップグレード中の構成変更のロック、およびデータベースの最適化により、より迅速で安定したアップグレードが実現し、処理速度が 10% 改善されました。
● [ユーザ デバイス割り当て(User Device Association)] ページがより使いやすくなったことで、ユーザ デバイスの意図しない削除を防ぎます。
● Cisco Unified Communications Manager と Cisco Unity® の接続に専用の画像を使用することで、インストール画像を減らしています。
● Cisco Prime Collaboration Deployment のインストールおよび移行タスクでリモートの NFS ファイル ストアがサポートされ、WAN を介したファイル転送を最小限に抑えています。
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セキュリティの機能拡張 |
● oAuth 更新ログイン フレームワークと自己完結型の oAuth トークンを使用した新しい Jabber 認証サポートが導入されました。SSO および非 SSO 環境での一貫したログイン動作により Jabber ログイン UX が改善され、更新トークンの寿命にわたるリソースへのシームレスなアクセスとキャッシュなしの認証が実現します。ログインの更新が有効化されている Cisco Expressway や Cisco Unity 接続など互換性のあるユニファイド コミュニケーション コンポーネントが必要です。
● ITL 回復証明書により、電話の信頼性を長期間確保します。ホスト名の変更や証明書の再生成など、信頼性に欠ける場合でもデバイスがロックアウトされるのを回避します。
● トークンレス CTL を使用した ASA TLS プロキシ機能が用意されています。クラスタを混在モードにする USB トークン手法と同等の機能により ASA TLS プロキシの展開を簡素化します。
● ログオフ後に管理ページを表示できないよう、[戻る(Back)] ボタンを無効にすることによって、情報の露出を防ぎます。
● 認証済み NTP のサポートにより、NTP サーバと Cisco Unified Communications Manager ノード間のセキュアな通信チャネルが許可されます。
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その他 |
● ディレクトリを統合できるように Microsoft Active Directory 2016 がサポートされています。
● 企業ブランディングで、管理ポータルおよびセルフケア ポータルをカスタマイズできます。ブランディングは Cisco Unified OS 管理インターフェイスか CLI を通じて有効/無効にできます。
● 会議ブリッジとして Cisco Meeting Server をプロビジョニングできます。
● ビデオ通話で、音声とビデオの帯域幅の割り当てを個別に設定できます。管理者は、サービス パラメータ、リージョン・ロケーション設定により、ビデオ通話の音声とビデオに対してコール単位の帯域幅制約を設定できます。
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Cisco Unified Communications Manager 12.0 の発注について
● Cisco Unified Communications Manager 12.0 の開始時は、スマート ライセンシングのみがサポートされています。ライセンスは、Smart Entitlements です。スマート アカウントを作成する必要があります。
● Unified Communications Manager での Cisco Smart Licensing 取得の概要:https://www.cisco.com/c/dam/en/us/products/collateral/unified-communications/unified-communications-licensing/presentation-c97-739389.pptx
● Cisco Smart Licensing:https://www.cisco.com/c/en/us/buy/smart-accounts/software-licensing.html
● Cisco Smart Software Manager:https://www.cisco.com/web/ordering/smart-software-manager/index.html
● Cisco Smart Software:マネージャ サテライト:https://www.cisco.com/go/smartsatellite
● シスコ スマート アカウント:https://www.cisco.com/web/ordering/smart-software-manager/smart-accounts.html
表 2 は、トップ レベル SKU の注文一覧を示します。発注可能な全部品のリストについては、『Cisco Unified Communications Solutions Ordering Guide(Cisco Unified Communications ソリューション発注ガイド)』 を参照してください。
表 2. Cisco Unified Communications Manager の発注情報
Cisco Unified Communications Manager 12.0 の新規および拡張注文 |
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UCL-UCM-LIC-K9 |
トップ レベル SKU |
機能オプションの SKU |
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LIC-UCM-12X-ENHP |
UC Manager-12.x Enhanced Plus シングル ユーザ |
LIC-CUCM-12X-ENH |
UC Manager-12.x Enhanced シングル ユーザ |
LIC-CUCM-12X-BAS |
UC Manager-12.x Basic シングル ユーザ |
LIC-CUCM-12X-ESS |
UC Manager-12.x Essential ユーザ ライセンス ユーザ |
LIC-TP-12X-ROOM |
TelePresence ルーム ベース エンドポイント、シングルスクリーンまたはマルチスクリーン |
アップグレード注文(SWSS を使用しない顧客向け) |
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UCL-UCM-UPG-K9 |
トップ レベル SKU |
機能オプションの SKU |
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UPG-CUCM-ENH |
UC Manager Plus(Smart Entitlements)への移行 |
UPG-CUCM-USR |
UC Manager Enhanced(Smart Entitlements)への移行 |
UPG-CUCM-BASIC |
UC Manager Basic(Smart Entitlements)への移行 |
UPG-CUCM-ESS-USR |
UC Manager Essential(Smart Entitlements)への移行 |
UPG-TP-ROOM |
UC Manager TelePresence ルーム ベース エンドポイント(Smart Entitlements)への移行 |
Cisco Unified Communications Manager 9.x 以上(PLM ベース ライセンス)から Cisco Unified Communications Manager 12.0 への移行
● スマート アカウントを作成する必要があります。詳細については、<『UC Smart Licensing overview(UC スマート ライセンスの概要)』への URL> を参照してください。
● 最初に既存の従来の PAK または PLM をスマート アカウントおよびバーチャル アカウントに移行する必要があります。
● 有効な SWSS を使用している顧客は、Cisco Smart Software Manager ポータル(https://software.cisco.com/#SmartLicensing-LicenseConversion [英語])から従来のライセンスを Smart Entitlements に変換することができます。
● 次の 2 種類の移行方法がサポートされています。
◦ PAK ベース:すでに資格を満たした、部分的に満たした、または満たしていない PAK の移行を行うことができ
ます。
◦ デバイス ベース:PLM ベースのライセンスを Smart Entitlements に変換できます。
詳細については、新しいスマート ライセンスの処理へのリンクを参照してください。
スマート ライセンス対応バージョンへのアップグレード(SWSS 契約なしの場合)
v9、v10、v11(ユーザベースのライセンス)からスマート ライセンスへのアップグレード:
● SWSS と共にアラカルト アップグレード SKU を注文します。
v9 より前のバージョン(DLU)からスマート ライセンスへのアップグレード:
● 従来サーバからの LCU レポートに基づいてアラカルト アップグレード SKU を注文します。SWSS を追加します。
● 新しいライセンスを追加注文できます。
Cisco Capital
目標の達成を支援するファイナンス
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関連情報
旧バージョンの Unified Communications Manager からのインストールおよびアップグレードの詳細については、https://www.cisco.com/c/ja_jp/support/unified-communications/unified-communications-manager-callmanager/products-installation-guides-list.html を参照してください。
ユニファイド コミュニケーションの Preferred Architecture ガイドについては、https://www.cisco.com/c/ja_jp/solutions/enterprise/design-zone-collaboration/index.html を参照してください。