この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
Cisco Collaboration の配置では、さまざまなエンドポイントを使用できます。これらのエンドポイントは、通常のアナログ電話機をサポートする IP 環境内のゲートウェイから、さまざまな機能を提供する拡張的なネイティブ IP Phone セットに至るまで、多岐にわたります。
エンドポイントを配置する際は、認証、アップグレード、シグナリング プロトコル、Quality of Service(QoS)などのいくつかの要素を考慮する必要があります。コラボレーション システムは、これらの要素に対応するように適切に設計する必要があります。
この章では、さまざまなタイプのコラボレーション エンドポイントを要約し、ハイ アベイラビリティ、キャパシティ プランニングなどの設計および配置について説明します。この章で説明するコレボレーション エンドポイントは、次の主要なタイプに分類できます。
上記に示される各項では、配置に関する考慮事項を含む各エンドポイント タイプに関する情報を提供します。この情報の後に、エンドポイントを効率的に導入するための高可用性、キャパシティ プランニング、および設計に関する留意点の説明が続きます。
この章は、使用可能なエンドポイント タイプの範囲とそれらの導入に伴う高レベルの設計上の留意点を理解するために使用してください。
表 8-1 に、この章に新しく追加されたトピック、またはこのマニュアルの以前のリリースから大幅に改訂されたトピックの一覧を示します。
|
|
|
---|---|---|
Cisco Jabber および Cisco Spark Apple iOS クライアント対応の Apple プッシュ通知サービス(APNs) |
||
図 8-1 に示されているようなさまざまなタイプのエンドポイントと同様に、コラボレーション エンドポイントを配置する場合に考慮する必要のあるさまざまな呼制御、コラボレーション サービス、およびメディア リソース オプションがあります。コラボレーション エンドポイントは、音声およびビデオ通話サービス用のエンタープライズ呼制御および/またはクラウド ベースのコラボレーションに依存します。コラボレーション エンドポイントは、ボイス メッセージ、インスタント メッセージ、およびプレゼンスなど、社内とクラウドベースの両方のコラボレーション サービスを利用します。さらに、これらのエンドポイントは、ビデオおよび音声会議、トランスコーディング、保留音などのエンタープライズ メディア リソースから主な付加サービスを取得します。
図 8-1 シスコ コラボレーション エンドポイント アーキテクチャ
音声およびビデオ サービスにコラボレーション呼制御を配置するときは複数のオプションを使用できます。各呼制御プラットフォームによってエンドポイント登録、コールのセットアップ、およびルーティング サービスと、プロビジョニングされたメディア リソースへのアクセスが提供されます。エンドポイントとエンタープライズ Cisco Unified Communications Manager 間の高レベルの呼制御相互作用については、次のサブセクションで説明します。
Cisco Unified Communications Manager(Unified CM)、Cisco Business Edition、および Cisco Unified Communications Manager Express(Unified CME)のコール シグナリングでは、回線側シグナリングとトランク側シグナリングが区別されます。トランク側シグナリングは他のサーバおよびゲートウェイに全体の呼処理クラスタまたはルータを接続するために使用されますが、回線側は呼処理プラットフォームにエンドポイント デバイスを接続するために使用されます。この 2 つのインターフェイスはそれぞれ、提供するサービスが異なります。回線側は、ユーザ指向の豊富な機能セットを提供します。
Session Initiation Protocol(SIP)と Skinny Client Control Protocol(SCCP)は、Cisco 呼処理プラットフォームでサポートされる 2 種類の主要な回線側シグナリング プロトコルです。すべての Cisco エンドポイントは、このうち一方または両方のプロトコルをサポートしています。どちらのプロトコルでも、サポートされる機能セットはおおよそ同じであるため、いずれのプロトコルの使用を選択するかは、基本的には導入における個人的な好みによります。ただし、SIP はすべての新しい機能とシスコのエンドポイントのサポート用に選択できるプロトコルです。
Cisco エンドポイントを使用してコールの発信や受信、またはアプリケーションの実行を行うには、いくつかの操作パラメータを使用して Cisco エンドポイントを設定しておく必要があります。この設定は、呼処理サーバまたはルータで事前に実行する必要があります。設定されると、呼処理プラットフォームは使用されるエンドポイントの設定ファイルを生成し、トリビアル ファイル転送プロトコル(TFTP)サーバにそのファイルを保存します。エンドポイント自体は、電源が投入されると、ブートアップ シーケンスを通過します。エンドポイントは、この設定ファイルを取得した後、適切なサーバに登録されます。これにより、エンドポイントは使用できる状態になります。エンドポイントは、ブートアップ シーケンスの一部として次のステップを実行します。
1. エンドポイントが電源に差し込まれていない場合、アクセス スイッチに接続されていれば、スイッチからの電力の獲得を試行します(Power over Ethernet)。無線および移動式エンドポイントはイーサネットを介して企業ネットワークに接続されていないため、常にバッテリまたは電源コンセントから電力を取得します。
2. デバイスのセキュリティが有効になっている場合、電力を取得すると、エンドポイントはそのクレデンシャルをセキュリティ サーバまたはネットワーク認証インフラストラクチャに示します。
3. エンドポイントは、ネットワークを使用できる場合、エンドポイント内の静的プロビジョニングによって、または動的ホスト制御プロトコル(DHCP)によって、ネットワーク パラメータ(IP アドレス、ドメイン ネーム サービス(DNS)サーバ、ゲートウェイ アドレスなど)を取得します。
4. また、エンドポイントは、エンドポイント内の静的プロビジョニングによって、または DHCP オプションによって、TFTP サーバ アドレスも取得します。
5. 続いてエンドポイントは、TFTP サーバ アドレスを使用して、その設定ファイルを取得します。これらのファイルには、そのエンドポイントが関連付けられるか登録されることがある呼処理サーバまたはルータ、エンドポイントがサポートする必要があるディレクトリ番号などが、他のパラメータとともに説明されています。
6. エンドポイントが呼処理プラットフォームに登録され、使用できる状態になります。
どのエンドポイントが Cisco Unified CM への登録をサポートしているかを確認するには、この章の各項に表示されているエンドポイント データ シートを参照してください。
選択した呼制御プラットフォームに関係なく、エンドポイントを選択して、Cisco Collaboration ネットワークを設計する場合は、Telecommunications Act のセクション 255 と U.S. セクション 508 に準拠して、障害を持つユーザがより利用しやすい電話機能を作成するように努める必要があります。
Cisco Unified Communications ネットワークを構成する際は、次に説明する基本設計ガイドラインに従い、Section 508 を遵守してください。
RJ-11 アナログ回線用 TTY/TDD を直接 Cisco FXS ポートに接続します。FXS ポートを備える Cisco 音声ゲートウェイであれば動作します。シスコは、この接続方式を推奨します。
IP Phone のハンドセットを TTY/TDD に接続しているカップリング機器に置きます。アコースティック カップルは、RJ-11 接続に比較すると信頼性が劣ります。カップリング方式は部屋の周囲の雑音やその他の要素で、一般的に通信エラーを起こしやすい方式です。
アナログ ゲートウェイは、通常、アナログ信号が IP ネットワーク上でパケット化されて送信できるように、FAX 機、モデム、Deaf(TDD)/テレタイプライタ(TTY)用の通信デバイス、アナログ電話機などのアナログ デバイスを VoIP ネットワークに接続するために使用されます。また、アナログ ゲートウェイは、PSTN および、PBX やキー システムなどの他の従来のテレフォニー機器への物理的な接続も提供します。アナログ ゲートウェイには、Cisco IOS ルータベースのアナログ インターフェイスまたはサービス モジュール、および固定ポートのスタンドアロン ゲートウェイが含まれます。一般に、アナログ ゲートウェイは、呼制御、付加サービス、そして場合によってはインターフェイスの登録と設定のために Cisco Unified CM、Cisco Business Edition、Unified CM Express、および Survivable Remote Site Telephony(SRST)に依存します。シスコ アナログ ゲートウェイを介してサポートされる呼制御プロトコルには、SIP、H.323、SCCP、および Media Gateway Control Protocol(MGCP)が含まれます。
Cisco Analog Telephony Adapter(ATA)、Cisco VG シリーズ ゲートウェイなどのシスコのスタンドアロン アナログ ゲートウェイは、FAX 機、モデム、TDD/TTY、ページング システム、アナログ電話機、IP ネットワークに接続するための 1 つ以上のイーサネット ポートなどのアナログ デバイスに接続を提供します。シスコのスタンドアロン アナログ ゲートウェイは、FXS アナログ テレフォニー インターフェイスのポート タイプだけをサポートします。
Cisco ATA の詳細については、次の URL で ATA 190 シリーズに関するデータ シートとマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/unified-communications/ata-190-series-analog-telephone-adapters/index.html
Cisco VG シリーズ ゲートウェイの詳細については、次の URL でデータ シートとマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/unified-communications/vg-series-gateways/index.html
Network Module(NM)および Voice Interface Card(VIC)などの Cisco IOS ルータ ベースのアナログ インターフェイス モジュールは、PBX、アナログ電話機、FAX 機、キー システムなどの PSTN やその他の従来の電話機器を、Cisco Integrated Services Router(ISR)などの Cisco マルチサービス アクセス ルータに接続します。Cisco IOS アナログ インターフェイス モジュールは、FXS、FXO、T1/E1、E&M、BRI などの広範囲のアナログ テレフォニー インターフェイスのポート タイプをサポートします。
Cisco IOS バージョンのサポートは、アナログ インターフェイス モジュールに正常に展開するために重要です。インターフェイス ポート タイプや Cisco IOS バージョンのサポートを含む Cisco IOS ベースのアナログ インターフェイス モジュールに関する詳細については、次の Web サイトにリストされているデータシートおよびマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collateral/routers/4000-series-integrated-services-routers-isr/datasheet-c78-733646.html
多くの場合、確立されるアナログ接続のタイプによって、どのアナログ接続タイプを選択するかが決まります。たとえば、基本的な受話器の呼出音とダイヤル トーンは、FXS または E&M インターフェイスによって提供されますが、PSTN または企業の PBX へのトランクまたはタイ ライン接続には FXO インターフェイスが使用されます。いずれの場合も、これらのインターフェイスによって、電話回線のオン フックまたはオフフック状態が指定されます。
FXO および FXS アナログ接続には、ループ スタートまたはグラウンド スタートという 2 種類のアクセス シグナリング方法があります。使用されるシグナリング タイプは、PSTN からのサービスのタイプによって最終的に決定されます。通常、標準的な電話回線はループ スタートを使用しますが、ビジネス電話回線とトランクは多くの場合グラウンド スタートに依存します。ループ スタート回線はその回線が使用されるまで回路に電流を維持しませんが、グラウンド スタート回線は回線にある程度の電流を維持します。グラウンド スタート回線で一定の電流を使用するには、通常、PSTN 側に特殊な機器が必要ですが、多くの場合、これによってループ スタート回線よりもグラウンド スタート回線のコストのほうが高くなります。ただし、グラウンド スタート回線を使用すると、回線上の電流損失はアナログ接続の遠端で即時に検出され、ゲートウェイまたは PBX は接続と切断に関して即時に指示を受け取るため、接続をより適切に制御できます。さらに、グラウンド スタート トランクは「グレア」、つまり、回線上の同時着信および発信コールの衝突の可能性を低減します。
E&M インターフェイスは、ウインク スタートや即時スタートなど、さまざまなシグナリング方式をサポートしています。ウインク スタートは E&M シグナリングの最も一般的な形式であり、インターフェイスを介して番号を送信できるようになるまで、応答の遠端から発信元の初期オフフック指示まで「ウインク」順序(オンフック、オフフック、オンフック)を使用します。一方、即時スタート シグナリングは、初期オフフック指示の後、番号が送信されるまで、終端からの応答ではなく短い一時停止を使用します。
特定の配置で使用されるアナログ インターフェイス タイプは、PSTN プロバイダー、または内部アナログ接続用に配置された機器によってサポートされるインターフェイスによって最終的に指定されます。いずれの場合も、回線の最大の可視性と制御を提供するアナログ接続タイプ用にサポートされているシグナリング方式を使用する必要があります。たとえば、FXS または FXO を使用する場合は、エンドツーエンドの回線電流の障害を即時に検出できるため、グラウンド スタートのほうがループ スタートよりも適しています。同様に、E&M を使用する場合は、番号を送信可能という遠端からの肯定的な指示により、即時スタートよりもウインク スタートのほうが優先されます。
シスコのアナログ テレフォニー シグナリングの詳細については、次の Web サイトで入手可能なマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/tech/voice/telephony-signaling/index.html
一部の IP テレフォニー配置では、エンタープライズ IP PBX はページング システムに統合され、ユーザは音声ブロードキャストをオーバーヘッド スピーカーに転送するシステムで内線を呼び出すことができます。これらのオーバーヘッド ページング システムは、着信側が受話器の近くにいないワークショップ、駐車場、および広い工場エリアなどで便利です。これらのページング システムへの統合は、アナログ インターフェイス モジュール ポートを使用して実行されます。
Cisco アナログ ゲートウェイとインターフェイス モジュールは、FXO、FXS、および E&M など、ページング システムの統合に使用するすべての従来型アナログ ポート タイプをサポートします。オーバーヘッド ページング システムと統合する場合は、必要に応じて、統合されるページング システムによって適切なアナログ インターフェイス モジュール タイプ、シグナリング、および設定が使用されていることを確認します。ポート タイプ、シグナリング、および設定は、ページング システムによって最終的に決定されます。
オーバーヘッド ページング システムへの E&M インターフェイスの統合の例は、次の Web サイトから入手できます。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/docs/voice/analog-signaling-e-m-did-fxs-fxo/27627-e-mpaging.html
ネットワークレベルの Quality of Service(QoS)を設定すると、スタンドアロン Cisco VG シリーズや Cisco IOS ベースのアナログ インターフェイス モジュールなどの Cisco アナログ ゲートウェイが信頼され、そのパケット マーキングが尊重されます。アナログ ゲートウェイはデフォルトで、音声メディアおよびシグナリング パケットに対して適切なレイヤ 3 値(音声メディアは DSCP 46 または PHB EF、コール シグナリングは DSCP 24 または PHB CS3)でマーキングを行います。これは、統合されたネットワークでエンドツーエンドの音声品質を確保するためであり、適切な音声メディアおよびシグナリング マーキングについてのシスコの QoS 推奨事項と一致しています。
Cisco IP Phone ポートフォリオには、次のデスク フォンの製品群があります。
Cisco Unified IP Phone 7900 シリーズのエンドポイントは、複数のモデルと機能セットで構成されます。一般に、Unified IP Phone 7900 シリーズ内のすべての電話機が、コール保留、コール転送などのエンタープライズ IP テレフォニー機能を提供します。ただし、7900 シリーズは、プレゼンス、メッセージング、モビリティ、セキュリティ、およびその他のネットワークベースのアプリケーションとサービスを可能にする IP ベースの電話サービスのサポートを含む、従来のエンタープライズ IP テレフォニー機能セットを上回る機能も提供します。Cisco Unified IP 7900 シリーズでは、シスコの呼処理プラットフォームに登録して通信するための SCCP と SIP の両方のシグナリング プロトコルをサポートします。
場合によっては、Cisco Unified IP Phone Expansion Module 7916 などのキー拡張モジュールを物理的に接続することにより、追加の回線キーを Unified IP Phone 7900 シリーズ デバイスに追加できます。これによって、管理スタッフおよびその他のユーザは、デスクトップフォンの現在の回線容量を超える回線数に応答したり、または回線の状態を確認できるようになります。一部の Unified IP Phone 7900 シリーズ モデルは 2 つまでの Cisco Unified IP Phone 拡張モジュールをサポートできますが、外部電源アダプタの使用が必要になる場合があります。
(注) 1 台の電話機で 2 つの拡張モジュールを使用する場合、2 番めのモジュールを 1 番めのモジュールと同じモデルにする必要があります。
Cisco Unified IP Phone 7900 シリーズの詳細については、次の Web サイトのデータ シートおよびマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/unified-ip-phone-7900-series/index.html
Cisco IP Phone 7800 シリーズのエンドポイントには、1 回線の Cisco IP Phone 7811 から、大規模でより高度な 16 回線の Cisco IP Phone 7861 まで、さまざまなモデルが含まれます。これらの電話機モデルには LCD ディスプレイ、内蔵スピーカー フォン、および PC ポートがあります。IP Phone 7800 シリーズ内のすべての電話機が、保留、コール転送、自動転送などのエンタープライズ IP テレフォニー機能を提供します。Cisco IP 7800 シリーズは、シスコ呼処理プラットフォームに登録して通信するための SIP シグナリング プロトコルをサポートします。
(注) Cisco IP Phone 7800 シリーズ ファームウェア バージョン 11.0(1) と Cisco Expressway X8.7 以降のバージョンの 7800 シリーズは、VPN アクセスの代替手段として Cisco Expressway を正式にサポートします。Expressway は、7800 シリーズの音声コールにエンタープライズ ファイアウォール トラバーサルを提供します。
Cisco IP Phone 7800 シリーズの詳細については、次の URL で入手可能なデータ シートと製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/unified-ip-phone-7800-series/index.html
Cisco IP Phone 8800 シリーズのエンドポイントは、広帯域オーディオのサポートと一緒に高度にセキュアで包括的な機能セットを提供します。たとえば、新しい Cisco IP Conference Phone 8832 では、歪みが少なく周波数が低くても鮮明な、動的できめ細かいサウンドを提供します。有線マイクと Digital Equipment Cordless Telephony(DECT)ワイヤレス拡張マイクの両方を使用して、会議室導入環境全体をカバーできます。さらに、IP Phone 8800 シリーズのパーソナル エンドポイント(8811 ~ 8865)でも広範な機能を揃えています。このシリーズの一部のモデル(8845、8851、8861、8865 など)は、Bluetooth と Intelligent Proximity for Mobile Voice に加えて、オンボード USB ポートを介したスマートフォンまたはタブレットの充電もサポートします。8800 シリーズに導入された新しいキー拡張モジュール(KEM)は、表示領域を最大化しユーザ エクスペリエンスを向上させるデュアル LCD サポートを提供します。新しいオーディオ KEM とビデオ KEM が導入されています。また、8845 と 8865 は、HD 720p の組み込みビデオ カメラをサポートします。一般に、IP Phone 8800 シリーズ内のすべての電話機に、保留、コール転送、自動転送などのエンタープライズ IP テレフォニー機能一式が備わっています。これらのエンドポイントでは、シスコの呼処理プラットフォームに登録して通信するための SIP シグナリング プロトコルをサポートします。
(注) Cisco IP Phone 8800 シリーズ ファームウェア バージョン 11.0(1) と Cisco Expressway X8.7 以降のバージョンの 8800 シリーズ電話機モデルは、VPN アクセスの代替手段として Cisco Expressway を正式にサポートします。Expressway は、8800 シリーズの音声コールとビデオ コールにエンタープライズ ファイアウォール トラバーサルを提供します。
(注) Cisco IP Phone 8800 シリーズ ファームウェア バージョン 11.5 以降の 8800 シリーズ電話機モデルでは、拡張回線モードをサポートしています。これにより、短縮ダイヤルなどのプログラム可能な回線または機能を 10 個すべての回線キーに割り当てられるようになっています。このファームウェア機能拡張が導入される前は、電話機で使用できるプログラム可能な回線キーは 5 つだけでした。また、ファームウェア バージョン 12.0 では拡張回線モードに、コール パーク、Extension Mobility Cross Cluster、グループ ピックアップ、ハント グループのサポートが追加されています。
Cisco IP Phone 8800 シリーズの詳細については、次の URL でデータ シートとその他のマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/unified-ip-phone-8800-series/index.html
Cisco Unified SIP Phone 3900 シリーズは、単一回線をサポートするコスト効率の高い、エントリ レベルのエンド ポイントを提供し、エンタープライズ IP テレフォニー機能の基本的なセットおよび、ミュート、コール保留、コール転送などの基本的な付加機能を提供します。Cisco Unified SIP Phone 3900 シリーズには、2 行の液晶ディスプレイ(LCD)画面および半二重または全二重スピーカーフォン(モデルによって異なる)があります。Cisco Unified SIP Phone 3900 シリーズでは、シスコの呼処理プラットフォームに登録して通信するのための SIP シグナリング プロトコルをサポートします。
(注) Cisco Unified SIP Phone 3900 シリーズは、CTI(Jabber 電話機制御用)、短縮ダイヤル、サイレント モニタリングおよび録音用の組み込みブリッジなどの機能をサポートしていません。Cisco IP Phone 7800 シリーズおよび 8800 シリーズは、エンタープライズ クラスの IP テレフォニー機能のフル セットが必要な環境向けに推奨されています。
Cisco Unified SIP Phone 3900 シリーズの詳細については、次の URL でデータ シートとマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/unified-sip-phone-3900-series/index.html
DX シリーズのエンドポイントは、ユニファイド コミュニケーション、高解像度(HD)ビデオ、コラボレーション アプリケーションおよびサービスの統合を実現します。Cisco DX シリーズ エンドポイントでは、エンタープライズクラスのコミュニケーション用の広帯域オーディオと HD ビデオに、統合された 7 ~ 23 インチ(モデルにより異なる)のマルチタッチ LCD ディスプレイと前面カメラが用意されています。このデバイスは、セキュアな Android オペレーティング システムを実行し、予定表管理、社内ディレクトリ検索、電子メール、Jabber IM and Presence、ビジュアル ボイスメール、WebEx 会議、およびセキュアなネットワーク アタッチメントのための AnyConnect VPN を含む、統合されたさまざまなコラボレーションおよびコミュニケーション アプリケーションへのアクセスを可能にします。また、オープンな Android プラットフォームとして、Google Play ストアにアクセスして、さまざまなサードパーティ アプリケーションを入手することにより、機能の追加を可能にします。このエンドポイントは、ラップトップや外部ディスプレイなどの外部デバイス(モデルによって異なる)を接続するための HDMI や、キーボード、マウス、または有線ヘッドセット アタッチメント用の USB、および無線ヘッドセット、キーボード、マウスを接続したり、Intelligent Proximity for Mobile Voice を利用したりするための Bluetooth を含む、アクセサリを接続するためのさまざまな外部インターフェイスも提供します。
DX シリーズ エンドポイントは、シスコ呼処理プラットフォームに登録して通信するための SIP シグナリング プロトコルをサポートします。DX シリーズの導入とサポートには、Cisco Unified Communications Manager が必要です。
(注) Cisco DX シリーズ ファームウェア バージョン 10.2.4 以降の DX シリーズは、VPN アクセスの代替手段として Cisco Expressway をサポートします。Expressway は、DX シリーズの音声とビデオ用のエンタープライズ ファイアウォール トラバーサルだけでなく、組み込みの Jabber IM アプリケーションも提供します。
Cisco DX シリーズの詳細については、次の URL でデータ シートとマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/desktop-collaboration-experience-dx600-series/index.html
通常、IP フォンは、デフォルトで、1 つ以上の呼処理プラットフォームに統合された TFTP サービスから、ポート 6970 を使用する HTTP を使用してイメージをアップグレードします。HTTP が使用できない場合、IP フォンは、同じ TFTP サービスから、UDP ベースのプロトコルである TFTP を使用します。この配置では、すべての電話機がこれらの TFTP サービスから直接イメージを取得します。この方法は、電話機の数が比較的少ない場合や、すべての電話機が実質的に帯域幅の制限がない LAN 環境を持つ単一のキャンパス領域に存在する場合に効果的です。
集中型呼処理を使用する大規模な配置の場合は、低速 WAN リンクで中央データセンターに接続された支社の電話機をアップグレードするのに WAN を介した大量のデータ トラフィックが必要になることがあります。それぞれの電話機に対して同じファイル セットが WAN を複数回通過することになります。このような大量のデータを転送することは WAN 帯域幅を浪費するだけでなく、各データ転送がお互いに帯域幅を求めて競合するため長時間かかることがあります。また、TFTP プロトコルの特性により、一部の電話機でアップグレードが強制的に中止され、既存のバージョンのコードに戻る場合があります。
(注) 7900 シリーズの電話機と違って、Cisco IP Phone 7800、8800、および DX シリーズは稼働したままアップグレードすることができます。7800、8800、および DX シリーズの電話機は、アクティブな状態を維持しながら、新しいファームウェアをメモリにダウンロードして保存し、ダウンロードが正常に行われた場合にのみ新しいファームウェアでリブートします。
WAN を介して電話機をアップグレードすることが必要なため生じた問題を緩和するのに 2 つの方法が存在します。1 つの方法はアップグレードのためだけにローカル TFTP サーバを使用することです。管理者は TFTP サーバを支社(特に大量の電話機が存在する支社あるいは WAN リンクが高速または堅牢でない支社)に設置し、支社の電話機がその特定の TFTP サーバを新しいファームウェアのためだけに使用するように設定できます。この変更により、電話機が新しいファームウェアをローカルに取得します。このアップグレード方法では、管理者が支社の TFTP サーバに電話機のファームウェアを事前にロードし、影響を受ける電話機の設定の load server パラメータの TFTP サーバ アドレスを手動で設定する必要があります。支店のルータを TFTP サーバとして使用できることに注意してください。
WAN リソースを大量に使用せずに電話機をアップグレードする 2 つめの方法は、ピア ファイル共有(PFS)機能を使用することです。この機能を使用した場合、通常は、支店内の各モデルの電話機が 1 台ずつ新しいファームウェア ファイルを中央の TFTP サーバからダウンロードします。電話機がファームウェア ファイルをダウンロードしたら、この電話機はそのファイルを支社の他の電話に配布します。この方法では、load server の方法で必要な手動によるロードと設定を回避できます。
アップグレードが要求された際、同じ支社のサブネット内の同じ電話機モデルが自身の階層形式(チェーン形式)で配置されると、PFS 機能が動作します。これは、電話機間でメッセージを交換し、実際にダウンロードを実行する「ルート」電話機を選択することによって行われます。ルート電話機は TCP 接続を使用してチェーンの 2 つめの電話機にファームウェア ファイルを送信し、2 つめの電話機はチェーンの 3 つめの電話機にファームウェア ファイルを送信し、というようにチェーンのすべての電話機がアップグレードされるまでこの作業が繰り返されます。ルート電話機は完全な電話ファームウェアを構成するファイルに応じて異なる場合があることに注意してください。
インライン パワー対応スイッチを備えたデスクフォンを配置すると、これらのエンドポイントは、イーサネット ネットワーク接続を介して電力を取得できます。これによって、外部電源および壁面コンセントが不要になります。インライン パワー対応のスイッチに無停電電源装置(UPS)を付けると、Power over Ethernet(PoE)対応の IP デスクフォンが電源障害の発生中も電力を継続して受けることが保証されます。この電源障害の発生中にテレフォニー ネットワークの残りの部分が使用可能であれば、IP Phone はコールの発信および受信を継続して行うことができます。
デスクフォンのタイプおよび、デスクフォンとインライン パワー対応スイッチの両方でサポートされる PoE 規格により、場合によっては、インライン パワースイッチ ポートの電力バジェットが超過することがあります。これは通常、キー拡張モジュールを取り付けたり、USB カメラなどの電力消費アタッチメントを接続した場合に発生します。この場合、電話機に壁面コンセントまたは外部電源を使用して電力を供給する必要があり、あるいは電源を供給するスイッチをアップグレードする必要があります。
(注) Cisco Unified IP Phone は、アクセス スイッチからのインライン パワー、またはローカルの壁面コンセントからの電源供給を使用することに加えて、Cisco Unified IP Phone パワー インジェクタによる電源供給も可能です。Cisco Unified IP Phone パワー インジェクタを使用すると、インライン パワーをサポートしない Cisco スイッチまたは Cisco 以外のスイッチに、Cisco Unified IP Phone を接続できます。Cisco Unified IP Phone パワー インジェクタは、ほとんどの Cisco Unified IP Phone と互換性があります。Cisco Unified IP Phone パワー インジェクタは、2 つの 10/100/1000 Base-T イーサネット ポートを備えています。一方のイーサネット ポートをスイッチのアクセス ポートに接続し、もう一方を Cisco Unified IP Phone に接続します。
ネットワークレベルの Quality of Service(QoS)を設定すると、Cisco Unified IP Phone 7900、8800、DX シリーズなどのシスコ デスク フォンが信頼され、そのパケット マーキングが尊重されます。このエンドポイントは、デフォルトで、音声メディアおよびシグナリング パケットに対して適切なレイヤ 3 値(音声メディアは DSCP 46 または PHB EF、コール シグナリングは DSCP 24 または PHB CS3)でマーキングを行います。これは、コンバージド ネットワーク上のエンドツーエンドの音声品質を確保するためであり、適切な音声メディアおよびシグナリング マーキングに関するシスコの QoS 推奨事項と一致します。多くのシスコのデスクフォンがデスクトップ コンピュータの接続をサポートしますが、シスコのデスクフォンは、音声およびデータ トラフィックを分離し、音声トラフィックを音声 VLAN に配置し、デスクトップからのデータ トラフィックをデータ VLAN に配置することができます。これにより、ネットワークが信頼性を電話機まで拡張します。ただ、電話機の PC ポートまでではありません。ただし、デスクトップ コンピュータと接続せずに音声トラフィックとデータ トラフィックの両方を生成可能な Cisco DX シリーズ エンドポイントのような多目的デバイスでは、音声トラフィックとデータ トラフィックの両方が同じ VLAN を通過します。このような場合、デバイスが音声またはデータ VLAN に接続されていても、これらのデバイスに信頼性を拡張することは得策でない可能性があります。代わりに、ポートおよびプロトコルに基づいてトラフィックを再マーキングすると、すべてのトラフィックが通過する VLAN に関係なく適切にマーキングされるようになります。
Cisco DX シリーズなどの多目的デバイスによって生成される可能性があるデータ トラフィック量やリアルタイムの音声およびビデオ トラフィックに悪影響を及ぼす可能性が懸念される導入では、これらのデバイスをデータ VLAN または個別の VLAN に導入する必要があります。これにより、音声とビデオ専用デバイスのコール品質に影響する不安が軽減されます。さらに、ポートおよびプロトコルに基づいたパケットの再マーキングでは、多目的デバイスによって生成されるリアルタイム トラフィックに対してプライオリティ処理が VLAN 内で引き続き提供されます。
(注) 多くの Cisco デスクフォンで Link Layer Discovery Protocol for Media Endpoint Devices(LLDP-MED)がサポートされますが、これは VLAN および Power over Ethernet ネゴシエーションのためにのみ行われます。Cisco Unified IP Phone では、LLDP-MED によって提供される DSCP および CoS マーキングは受け入れられません。
低速な、または信頼できない WAN リンクにより集中型呼処理プラットフォームから隔てられた支社のロケーションに Cisco デスク フォンを展開する場合、ローカル呼処理の冗長化を検討することが重要です。各支社ロケーションの Cisco IOS ルータ上で Survivable Remote Site Telephony(SRST)または拡張 SRST を使用することで、集中型呼処理プラットフォームへの接続が失われた場合でもデスクフォンのエンドポイントの基本的な IP テレフォニー サービスは維持できます。ただし、デバイスが SRST に登録された場合に使用可能な一連の対ユーザ機能は、電話が Unified CM に登録された場合よりもずっと少なくなります。
Cisco デスクトップフォンは、VPN または VPN-less ソリューションを使用してリモート ロケーションから企業ネットワークに安全に接続できます。
VPN ベース接続の場合、エンタープライズ エッジに Cisco Adaptive Security Appliance(ASA)または他の VPN ヘッドエンド コンセントレータへの安全な VPN トンネルを作成する VPN ルータの後ろにデスクトップフォンを配置することができます。また、一部の電話機モデルは、PC またはデータ トラフィックではなく、デバイスの音声トラフィック(メディアおよびシグナリング)に対して電話機内で VPN 接続を提供するネイティブの内蔵 VPN クライアントをサポートします。この場合、電話機は社内の Cisco ASA への安全な VPN トンネルを作成します。ネイティブの組み込み VPN クライアントは、Cisco Unified IP Phone 7945、7965、および 7975 のほか、8800 シリーズの電話機を含む特定の電話機モデルでのみサポートされます。Cisco Unified IP Phone の内蔵 VPN の詳細については、次のサイトで入手可能な最新バージョンの『 Security Guide for Cisco Unified Communications Manager 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/unified-communications-manager-callmanager/products-maintenance-guides-list.html
(注) 7800 シリーズは、組み込み VPN をサポートしません。また、7800 シリーズは、ファームウェア バージョン 11.0(1) 以降と Expressway X8.7 以降のバージョンの Expressway Mobile and Remote Access をサポートします。
Cisco IP Phone 7800 シリーズ、IP Phone 8800 シリーズ、および DX シリーズ エンドポイントは、Cisco Expressway ソリューションのモバイルおよびリモート アクセス機能を利用できます。このファイアウォール トラバーサル ソリューションは、Cisco Expressway-E サーバおよび Expressway-C サーバによって規定されているように、音声通話とビデオ通話の Unified CM 呼制御への登録をエンタープライズへの TLS リバース プロキシ接続に依存します。Cisco Expressway ソリューションのモバイルおよびリモート アクセス機能の詳細については、次の Web サイトのソリューション情報および製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/unified-communications/expressway-series/index.html
インテリジェント プロキシミティは、シスコ ハードウェア エンドポイントとモバイル デバイス間のプロキシミティベースの接続を利用する機能を意味します。
Cisco DX シリーズと一部の 8800 シリーズ エンドポイント上で使用可能な Intelligent Proximity for Mobile Voice 機能は、DX または 8800 エンドポイントとセルラーまたはスマートフォン間の Bluetooth ペアリングの使用に依存します。
Bluetooth でペアリングされたモバイル デバイスは、次の 2 つの機能を呼び出すことができます。
Intelligent Proximity for Mobile Voice は Bluetooth ペアリングに依存しているため、モバイル デバイス上でアプリケーションまたはクライアントを実行する必要がありません。すべての通信と相互作用が標準ベースの Bluetooth インターフェイス経由で発生します。
DX シリーズ エンドポイントと 8845、8851、8861、および 8865 IP フォン上の Intelligent Proximity for Mobile Voice 機能セットは、シングル ナンバー リーチ(SNR)、リモート接続先とデスク フォン ピックアップ、2 段階エンタープライズ ダイヤリング、およびモバイル ボイスメール回避を含む、Unified Mobility 機能セットと互換性があります。8845、8851、8861、および 8865 IP フォンの場合は、Intelligent Proximity for Mobile Voice が Cisco Jabber モバイル クライアントと互換性があります。モバイル デバイス上で実行中の Jabber クライアントが 8845、8851、8861、または 8865 IP フォンとペアリングされている場合は、Jabber コールの音声部分が 8845、8851、8861、または 8865 のハンドセットまたはスピーカーを使用して再生されるのに対して、コールのビデオ部分は引き続き Jabber モバイル クライアント上で再生されます。DX シリーズ エンドポイントの場合、Intelligent Proximity for Mobile Voice 機能は、Bluetooth でペアリングされた Jabber を実行しているモバイル デバイスのセルラー回線のみに制限されます。
DX シリーズと一部の 8800 シリーズ エンドポイント上の Intelligent Proximity for Mobile Voice 機能セットには、ファームウェア バージョン 10.1.1 以降が必要です。
(注) Cisco IP Phone 8800 シリーズ ファームウェア バージョン 11.0(1) 以降の 8845、8851、8861、および 8865 電話機は、Cisco VoIP ネットワーク経由のインポートされたスマートフォン連絡先へのダイヤリングを許可する Cisco Unified CM アプリケーション ダイヤル ルールをサポートします。
Intelligent Proximity for Mobile Voice の詳細については、Cisco DX シリーズおよび 8800 シリーズ エンドポイントの製品マニュアルと、以下のリンク先ページに記載されている情報を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/intelligent-proximity.html
Cisco ビデオ エンドポイントは、IP 音声テレフォニーと同じような機能を IP 音声テレフォニーに提供し、ユーザがポイント ツー ポイントおよびポイントツーマルチポイントのビデオ コールができるようになります。シスコでは、次のビデオ対応エンドポイントを提供します。
シスコのビデオ エンドポイントは、組織内のどこにおいても、すべてのユーザおよび環境に高品質ビデオを提供します。シスコのビデオ エンドポイントは、サポートする機能、ハードウェアの画面サイズ、およびエンドポイントが配置される環境に基づいて複数のファミリに分類されます。ここでは、シスコ ビデオ エンドポイントのファミリをパーソナル、多目的、およびイマーシブ エンドポイントのグループに分類します。
パーソナル ビデオ エンドポイントは、パーソナル ワークスペースに高品質で対面型のビデオ通話エクスペリエンスを提供します。
Cisco Jabber for Windows などの Cisco Jabber ソフトウェアベース デスクトップ クライアントは、組み込みカメラまたは USB で接続されたカメラを持つデスクトップ コンピュータで実行すると、ビデオの送受信が行えます。これらのビデオ対応ソフトウェア ベースのエンドポイントは、Unified CM 呼制御で登録および通信を行い、SIP の単一回線の音声とビデオ対応の電話機として動作します。これらのエンドポイントは、Unified CM によってプライマリおよびバックアップの登録の冗長性メカニズムをサポートします。Cisco Jabber ソフトウェア ベースのエンドポイントは、インストールされているコンピュータ上のビデオを処理します。デコーディングとエンコーディングの品質は、コンピュータの CPU とメモリ リソースの可用性によって決まります。
Cisco Jabber デスクトップ デスクトップの詳細については、ソフトウェアベースのエンドポイントを参照してください。
Windows 用の Cisco Jabber のビデオ機能の詳細については、次の Web サイトで入手可能なデータ シートおよび製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/unified-communications/jabber-windows/index.html
このシリーズに含まれる一部のモデル、特に、8845 と 8865 は、内蔵のビデオ カメラで HD 720p をサポートします。8845 と 8865 の主な違いは、8865 はオンボード USB ポート経由でスマートフォンやタブレットの充電もサポートすることです。また、8865 は、最大 3 つのキー拡張モジュールをサポートします。通常、8845 と 8865 は、コール保留、コール転送、自動転送などのエンタープライズ IP テレフォニー機能と一緒に内蔵ビデオ体験を提供します。これらのエンドポイントでは、シスコの呼処理プラットフォームで登録および通信するための SIP シグナリング プロトコルをサポートします。
Cisco IP Phone 8800 シリーズの詳細については、次の URL でデータ シートとマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/unified-ip-phone-8800-series/index.html
Cisco DX シリーズ エンドポイントは、内蔵の前面カメラを使ってビデオを送信できます。これらのエンドポイントは、さまざまなビデオ解像度とフレーム レートで画面にビデオをネイティブに受信したり、表示したりできます。これらの電話機のビデオ機能は、シスコの呼制御プラットフォーム設定ページから、必要に応じて有効化、無効化、または調整できます。
これらのデバイスは SIP シグナリング プロトコルを使用して Unified CM で登録および通信を行います。
Cisco DX シリーズのビデオ機能の詳細については、次の URL で入手可能なデータ シートと製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/desktop-collaboration-experience-dx600-series/index.html
Cisco TelePresence System EX90 ビデオ エンドポイントは、パーソナル デスクトップ ソリューションを、フル高解像度(HD)ビデオ コールと、コンテンツ シェアリングなどの追加機能をサポートすることによって次のレベルのエクスペリエンスに高めます。EX90 には、参加者を Cisco TelePresence コールに追加する機能を提供するマルチサイト機能をサポートする大きい画面と、コンテンツ共有用のデュアル ディスプレイが備わっています。
Cisco TelePresence System EX90 ビデオ エンドポイントは、SIP シグナリング プロトコルを使用して Unified CM に登録して通信します。
Cisco TelePresence EX90 ビデオ エンドポイントの詳細については、次の URL で入手可能なデータ シートと製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/telepresence-system-ex-series/index.html
多目的ビデオ エンドポイントを使用すると、どのような規模の会議室でも、高品質なポイントツーポイントまたはマルチポイントのビデオ コラボレーションとコンテンツ共有を提供することで、テレプレゼンス ルームとして使用することができます。
MX シリーズの Cisco TelePresence エンドポイントは、多目的ルーム システムに分類される高度に統合されたコラボレーション ルーム システムを提供します。これらのビデオ エンドポイントは使用しやすく、容易にインストールでき、プレゼンテーション中にビデオ コールとコンテンツ共有を提供します。これらはコスト効率の良いエンドポイントであり、どのような部屋や既存の会議スペースでも、フルハイデフィニション(HD)ビデオ コールを提供することで、多目的会議室に転換できます。MX シリーズには次の 4 種類があります。
これらのエンドポイントは SIP シグナリング プロトコルを使用して Unified CM に登録されます。
Cisco TelePresence System MX シリーズ ビデオ エンドポイントの詳細については、次の Web サイトで入手可能なデータ シートおよび製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/telepresence-mx-series/index.html
Cisco TelePresence SX シリーズは、任意のフラットパネル ディスプレイを強力な Cisco TelePresence システムに変換する柔軟なインテグレータです。SX シリーズ ビデオ エンドポイントは、HD ビデオとマルチパーティ会議用に設計されており、さまざまな部屋のサイズに柔軟に対応します。これは、小規模から中規模の企業や、コスト効率の良い TelePresence 対応の会議室のソリューションを探している企業にとって理想的なソリューションです。SX シリーズ ビデオ エンドポイントは次のオプションを備えています。
これらのエンドポイントは SIP シグナリング プロトコルを使用して Unified CM に登録されます。
Cisco TelePresence SX シリーズ ビデオ エンドポイントの詳細については、次の URL で入手可能なデータ シートと製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/telepresence-quick-set-series/index.html
Cisco Spark Room シリーズ エンドポイントには、どんな部屋や既存の会議スペースでも多目的会議室に変換できる高度に統合されたコラボレーション ルーム システムと、任意のフラットパネル ディスプレイを強力な Cisco TelePresence システムに変換できる柔軟なインテグレータの両方が組み込まれています。Cisco Spark Room シリーズ ビデオ エンドポイントは 4K の超高解像度ビデオと画面共有およびマルチパーティ会議用に設計されており、さまざまな部屋のサイズに柔軟に対応します。
Cisco Spark Room シリーズには 4 つのバリエーションがあります。
これらのエンドポイントは、Cisco Unified CM(SIP シグナリング プロトコルを使用する場合)または Cisco Collaboration Cloud(HTTPS を使用する場合)に登録されます。
Cisco Spark Room シリーズ ビデオ エンドポイントの詳細については、次の URL で入手可能なデータ シートと製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/spark-room-series/index.html
イマーシブ ビデオ エンドポイントを使用して、可能な限り最適な対面テレプレゼンス ビデオ コラボレーションを行うことができます。ここでは、さまざまな場所に居る出席者がまるで同じ部屋にいるかのように感じます。
Cisco TelePresence IX5000 シリーズは、業界初の H.265 3 画面 TelePresence システムを使用した「対面式」コラボレーションの水準を高めます。このイマーシブ システムは、使いやすいだけでなく、設定も非常に簡単です。このシステムには、1 列 6 シート IX5000 システムと 2 列 18 シート IX5200 システムの 2 種類があります。これらのシステムは、3 つの同時高解像度(1080p、60 fps)ビデオ ストリームと 2 つのコンテンツ シェアリング ストリーム(1080p、30 fps)を配信できます。これらのエンドポイントは SIP シグナリング プロトコルを使用して Unified CM に登録されます。
Cisco TelePresence IX5000 シリーズ イマーシブ ビデオ システムの詳細については、次の URL で入手可能なデータ シートと製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/ix5000-series/index.html
ネットワークレベルの Quality of Service(QoS)を設定すると、シスコ ビデオ エンドポイント(Cisco DX シリーズと Cisco TelePresence System デバイスを含む)の多くが音声およびビデオ パケット マーキング(音声メディアは DSCP 46 または PHB EF、デスクトップ ビデオ メディアは DSCP 34 または PHB AF41、テレプレゼンス ビデオ メディアは DSCP 32 または PHB CS4、コール シグナリングは DSCP 24 または PHB CS3)に関連したシスコ汎用 QoS ガイドラインに従ってレイヤ 3 でトラフィックをマーキングするため、これらのデバイスは信頼できます。Cisco DX シリーズ デバイスを含むパーソナル デスクトップ ビデオ エンドポイントの場合は、音声メディア パケットとビデオ メディア パケットの両方が DSCP 34 または PHB AF41 とマーキングされ、ビデオ コール中のリップシンクが維持されます。
適切なネットワーク QoS 設定は不可欠ですが、エンドポイントのマーキングが信頼される場合でも、ネットワーク上に十分な帯域幅が用意されていることを確認し、ネットワーク ベースのポリシングとレート制限を使用して、すべてのエンドポイントが必要以上のネットワーク帯域幅を消費しないようにすることをお勧めします。ソフトウェア ベースのビデオ対応エンドポイントは、トラフィックを適切にマークしない、またはマークできない場合の課題になります。この場合、一般的なガイダンスは、プロトコルまたはポート番号に基づいて、ネットワーク内のメディアおよびシグナリング トラフィックを、ベスト エフォートから適切な推奨値(音声メディアは DSCP 46 または PHB EF、ビデオ コールに対するデスクトップ ビデオおよび音声メディアは DSCP 34 または PHB AF41、テレプレゼンス ビデオ メディアは DSCP 32 または PHB CS4、コール シグナリングは DSCP 24 または PHB CS3 として)に再マークすることです。
ソフトウェア ベースの Cisco Jabber for Windows の場合、Microsoft Windows グループ ポリシーを使用して、音声およびビデオ メディア ソース ポート番号に基づき、該当するレイヤ 3 DSCP QoS マーキングを音声およびビデオ ストリームに適用できます。
Microsoft Windows グループ ポリシーを使用した Cisco Jabber for Windows QoS の詳細については、次の URL で入手可能な最新バージョンの『 On-Premises Deployment for Cisco Jabber 』で Quality of Service 設定に関する情報を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/jabber-windows/products-installation-guides-list.html
(注) 一部のシスコのビデオ対応エンドポイントで Link Layer Discovery Protocol for Media Endpoint Devices(LLDP-MED)がサポートされていますが、これは VLAN および Power over Ethernet ネゴシエーションのためにのみ行われます。Cisco ビデオ エンドポイントでは、LLDP-MED によって提供される DSCP および CoS マーキングは受け入れられません。
ビデオ エンドポイント ネットワーク帯域幅の消費と、QoS のマーキングおよび分類の詳細については、WAN の Quality of Service(QoS)の当該項を参照してください。
音声 VLAN とデータ VLAN を分離したネットワークでビデオ エンドポイントを配置する場合は、ソフトウェア ベースのビデオ対応エンドポイント、およびリソースにアクセスする必要があるハードウェア ベースのビデオ エンドポイントを考慮することが重要です。デスクトップ コンピュータで実行されるソフトウェア ベースのエンドポイントがデータ VLAN に主に接続されるため、VLAN 間ルーティングでは、データ VLAN 上のこれらのエンドポイントから音声トラフィックを音声 VLAN 上のエンドポイントに到達できるように設定および許可される必要があります。同様に、Cisco TelePresence System エンドポイントなどのハードウェア ベースのビデオ エンドポイントが、データ VLAN 上に配置されるディレクトリや管理サービスなどのネットワーク リソースにアクセスする必要がある場合、VLAN 間ルーティングを許可する必要があります。
低速と信頼性の低い WAN リンクで集中型呼処理プラットフォームから分離された支社ロケーションにビデオ エンドポイントを配置する場合は、ローカル呼処理の冗長性を考慮することが重要です。各支社ロケーションの Cisco IOS ルータ上で SRST または拡張 SRST を配置することで、集中型呼処理プラットフォームへの接続が失われた場合でもほとんどのビデオ エンドポイントの基本的な IP テレフォニー サービスは維持できます。使用可能なユーザ機能セットは、アプリケーションが Unified CM に登録されている場合に比べ、ビデオ エンドポイントが SRST に登録されている場合は少なくなります。具体的には、SRST に登録されたビデオ エンドポイント デバイスは音声コールのみ(音声のみ)を送受信できます。SRST は、Cisco TelePresence System ビデオ エンドポイントではサポートされません。ただし、電話機ロード ファームウェア 9.4.1 以降を使用する Cisco IOS リリース 15.3(3)M 以降の Enhanced SRST は、WAN 障害時の一部のビデオ エンドポイントによるビデオ コールの発信と受信をサポートします。さまざまな電話機モデルの拡張 SRST ビデオ サポートの詳細については、次の Web サイトの Cisco Unified IP Phone マニュアルを参照してください。
Cisco ビデオ エンドポイントは、VPN または VPN-less ソリューションを使用してリモート ロケーションから企業ネットワークに安全に接続できます。
VPN ベース接続の場合、エンタープライズ エッジに Cisco Adaptive Security Appliance(ASA)または他の VPN ヘッドエンド コンセントレータへの安全な VPN トンネルを作成する VPN ルータの後ろにすべてのビデオ エンドポイントを配置することができます。加えて、Cisco Unified IP Phone 8800 シリーズは、VPN ルータを使用することなく、音声トラフィックとビデオ トラフィック(メディアとシグナリング)に対して電話機内部の VPN 接続を提供する、ネイティブの組み込み VPN クライアントをサポートします。
VPN-less 接続の場合は、TC ファームウェアを実行している Cisco TelePresence エンドポイント(EX、MX、C、および SX シリーズ エンドポイント)だけでなく、DX シリーズ エンドポイントも Cisco Expressway ソリューションのモバイルおよびリモート アクセス機能を利用できます。このファイアウォール トラバーサル ソリューションは、Cisco Expressway-E サーバおよび Expressway-C サーバによって規定されているように、音声通話とビデオ通話の Unified CM 呼制御への登録をエンタープライズへの TLS リバース プロキシ接続に依存します。Cisco Expressway ソリューションのモバイルおよびリモート アクセス機能の詳細については、次の Web サイトのソリューション情報および製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/unified-communications/expressway-series/index.html
前述したように、インテリジェント プロキシミティは、シスコ ハードウェア エンドポイントとモバイル デバイス間のプロキシミティベースの接続を利用する機能を意味します。
Cisco IP Phone 8800 シリーズまたは Cisco DX シリーズ上で使用可能な Intelligent Proximity for Mobile Voice 機能は、DX エンドポイントとセルラーまたはスマートフォン間の Bluetooth ペアリングに依存し、ハンズフリーの音声/モバイル連絡先および通話履歴共有を可能にします。
インテリジェント プロキシミティと Bluetooth ペアリングの詳細については、インテリジェント プロキシミティを参照してください。
ビデオの相互運用性とは、Cisco TelePresence System ビデオ エンドポイント、他の Cisco Collaboration ビデオ エンドポイント、およびサードパーティ製ビデオ エンドポイント間でポイントツーポイント コールの音声とビデオをサポートすることです。以前は、異なるファミリのビデオ エンドポイント間におけるビデオの相互運用性は、ビデオ トランスコーダやマルチポイント コントロール ユニット(MCU)などのビデオ コンポーネントをエンドポイントの間に挿入した場合にのみ実現できました。
Cisco Unified CM は、異なるエンドポイント ファミリ タイプ間のネイティブ ビデオの相互運用性が提供されるだけでなく、SIP および H.323 プロトコルでの H.264 コーデック ネゴシエーションによってビデオの相互運用性が全体的に向上し、利用可能な場合は高品位(HD)解像度をエンドポイントでネゴシエートできるようになりました。ただし、ビデオの相互運用性は相互運用をサポートするエンドポイントによって異なります。
Unified CM のビデオの相互運用性により、Cisco TelePresence System ビデオ エンドポイントはビデオ以外のエンドポイントと通信できます。ただし、インストールされているファームウェアでそのような相互運用性がサポートされている場合に限ります。詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 Cisco TelePresence Interoperability Database 』を参照してください。
https://tp-tools-web01.cisco.com/start/
また、Cisco Unified CM には、Unified CM 以外のコール エージェントとの相互運用性を強化するためのサポートが提供されています。スクリプトを使用して、Unified CM は次の機能をサポートします。
このビデオ相互運用性サポートの主な目的は、他の方法で必要になる高価なハードウェア ベースの DSP インフラストラクチャを配置することなく、さまざまなエンドポイントの相互作用を促進することです。高度な会議およびトランスコーディング リソースを使用することによって、さらに利益を得ることができます(たとえば、マルチ ポイント会議の参加者がアクティブなスピーカーを観ることができるアクティブ プレゼンスなど)。ただし、目的の機能セットとビデオ コールのニーズによって、それらの高度なリソースが必要になる条件と場所が決定されます。
ビデオの相互運用性アーキテクチャには、次の要素が含まれます。
次の項では、ビデオの相互運用性サポートの範囲について詳しく説明します。
ほとんどの場合、独自のシグナリングを使用せずに SIP または H.323 をサポートするビデオ エンドポイントは、ビデオの相互運用性をサポートする Cisco Collaboration ビデオ エンドポイントと相互運用できます。導入されたデバイスの共通セット間の相互運用性の範囲に関する特定の情報と、相互運用性のより一般的な例を検証するために実施されたテストに関する一般情報については、次の URL で入手可能な Cisco Collaboration System のマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/voice_ip_comm/uc_system/unified/communications/system/ucstart.html
ビデオの相互運用性のサポートでは、任意間のポイントツーポイント ビデオ コールの相互運用性を実現しようとしますが、別のエンドポイントと相互運用するときに、個々のビデオ エンドポイントのすべての機能がサポートされるとは限りません。これにはさまざまな理由があります。たとえば、異なる呼制御プロトコル間の非互換性は、機能の使用不能や別の表示につながる可能性があります。別の例として、H.264 ビデオ メディア パラメータは、H.323 では SIP と異なる表現になることがあります。また、H.323 ではプレゼンスがサポートされませんが、SIP ではプレゼンスは一般的にサポートされています。Skinny Client Control Protocol(SCCP)には、SIP および H.323 のエンドポイント実装で一般的に利用可能なアプリケーション共有の概念がありません。たとえば、PC 画面を共有しようとしている SCCP ユーザはその操作を阻止されます。これは、SCCP で Binary Flow Control Protocol(BFCP)と H.239 が使用できないためです。
Unified CM のビデオの相互運用性機能を実装するときに、次の領域を考慮する必要があります。
Unified CM 配置におけるビデオの相互運用性に関しては、次のガイドラインと制約事項が適用されます。
ビデオの相互運用性のための Quality of Service(QoS)とコール アドミッション制御に関する考慮事項
ビデオの相互運用性がサポートされても、Unified CM のリージョンとロケーションの設定に変更はありません。ただし、リージョンはエンドポイントのグループ間の解像度を決定するときに重要な役割を果たし、これらのデバイスで相互運用時に使用される解像度の最大化または最小化に使用できます。リージョン設定の [ビデオ コールの最大ビットレート(Max Video Call Bit Rate)] フィールドは、帯域幅およびエンドポイントがネゴシエートできる解像度を決定するために使用されます。
ネイティブ ビデオの相互運用性による QoS とコール アドミッション制御の詳細については、ビデオの展開に関するコール アドミッション制御の設計上の推奨事項の項を参照してください。
ソフトウェア ベースのエンドポイントは、音声およびビデオ サービスのシスコの呼処理プラットフォームで登録および通信するクライアント デスクトップ コンピュータにインストールされたアプリケーションです。また、これらのエンドポイントのソフトウェア クライアント アプリケーションは、メッセージング、プレゼンス、ディレクトリ アクセスや会議などのコラボレーション機能およびサービスを提供することがあります。ソフトウェアベースのエンドポイント デスクトップ クライアント アプリケーションには、Cisco IP Communicator と Cisco Jabber が含まれます。
Cisco IP Communicator は、デスクトップ コンピュータにエンタープライズ IP Phone の機能を提供する Microsoft Windows ベースのアプリケーションです。このアプリケーションは、リモート ユーザ、在宅勤務者、および他のモバイル ユーザにエンタープライズ クラスの IP ボイスコールを提供します。Cisco IP Communicator は、Cisco 呼処理プラットフォームで登録および通信するための SCCP と SIP の両方のシグナリング プロトコルをサポートします。Cisco IP Communicator の詳細については、次の Web サイトのデータ シートおよび製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/ip-communicator/index.html
Cisco Jabber デスクトップ クライアントを使用して、音声、ビデオ、Web コラボレーション、ビジュアル ボイス メールなどのコラボレーション サービスをソフトウェア ベースのデスクトップ アプリケーションに統合できます。Cisco Jabber では、デスクトップ アプリケーションのユーザは、Cisco Unified Communications Manager(Unified CM)、Cisco IM and Presence、Cisco Unity Connection、Cisco WebEx、および Lightweight Directory Access Protocol(LDAP)対応ディレクトリなどのバック エンドのコラボレーション アプリケーション サーバによって提供されるさまざまな通信およびコラボレーション サービスにアクセスできます。Cisco Jabber は、オンプレミスの Cisco IM and Presence または Cisco WebEx Messenger クラウド サービスのいずれかにより提供される IM およびプレゼンス機能を利用できます。
Cisco Jabber for Windows と Cisco Jabber for Mac は、インスタント メッセージング、プレゼンス、音声、ビデオ、Web コラボレーション、ビジュアル ボイスメールなど、さまざまなシスコ コラボレーション機能を提供するために、共通インターフェイスを使用します。この共通インターフェイスによって、単純化されたクライアント インターフェイスと、次の基本となるコミュニケーション サービスへのアクセスが提供されます。
通信機能、サービスおよび API(図 8-2 を参照)は、Jabber Desktop Client がプロトコルの管理をこれらのサービスおよび API に対して行い、イベント通知を処理し、ローカル システム リソースのための簡易的な接続ロジックを制御することを可能にします。導入☆のタイプによっては、一部の機能がサポートされない場合があります。
図 8-2 Cisco Jabber デスクトップ クライアントのアーキテクチャ
Jabber クライアントのインスタント メッセージングおよびプレゼンス サービスは XMPP インターフェイスを通じて提供されます。シスコでは、次の製品にインスタント メッセージングおよびプレゼンス サービスを提供します。
インスタント メッセージングおよびプレゼンス サービスのために Cisco IM and Presence と WebEx Messenger サービスのどちらを選択するかは、多くの要素に依存しています。WebEx Messenger サービスで導入した場合、インターネットからアクセス可能なクラウドベースのサービスを使用します。Cisco IM and Presence をベースとしたオンプレミスで導入した場合、管理者が IM およびプレゼンスのプラットフォームを直接制御でき、SIP/SIMPLE を使用して他のプレゼンス サービスに対するプレゼンス フェデレーションが可能になります。
各 IM およびプレゼンスのプラットフォームでサポートされている機能の詳細については、次のマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/unified-communications/unified-presence/index.html
https://www.cisco.com/c/en/us/products/unified-communications/webex-messenger/index.html
Cisco Jabber Desktop Client は、2 種類の呼制御モードいずれかで動作します。
Jabber Desktop Client がソフトフォン モードの場合、音声およびビデオ呼制御可能な SIP エンドポイントとして Unified CM に直接登録され、デバイス タイプ Client Services Framework として Unified CM で設定します。
Jabber Desktop Client がデスクフォン制御モードの場合、SIP を使用して Unified CM に登録されることはありませんが、Cisco Unified IP Phone を制御しながら CTI/JTAPI を使用してコールの開始、モニタ、終了を行い、ライン ステートをモニタし、コール履歴を提供します。各ユーザに関連付けられたデバイスのリストの取得には、Unified CM の Cisco CallManager Cisco IP Phone(CCMCIP)または UDS サービスが Jabber Desktop Client によって使用されます。デバイスのリストが、デスクフォン モードのクライアントが制御対象の Cisco IP Phone を選択するために使用されます。
Jabber Desktop Client は、ソフトフォン モードで動作している場合、Unified CM 上の SIP 回線側登録デバイスで、登録の設定、冗長性、リージョン、ロケーション、ダイヤル プラン管理、認証、暗号化、ユーザの関連付けなど、すべての呼制御機能と Cisco Unified IP Phone の機能を使用します。Jabber Desktop Client は、ユーザに対して単一のライン アピアランスをサポートします。
Unified CM クラスタのサイジングの計算では、Jabber Desktop Client の SIP 登録デバイスは、その他のあらゆる SIP 登録エンドポイントと同じく、正規の SIP エンドポイントとして考慮しなければなりません。ソフトフォン モードの Jabber Desktop Client は、Unified CM への登録のデバイス名を検出するために CCMCIP または UDS サービスを使用します。
デスクフォン制御モードで動作している場合、Jabber Desktop Client は CTI/JTAPI を使用して、Cisco Unified IP Phone を使用したコールの発信、モニタ、および受信の機能を提供します。このモードでコールが受信または発信されると、音声パスが Cisco Unified IP Phone を通過します。ビデオ コールでは、ビデオ ストリームは Cisco IP Phone(カメラ付きの場合)または承認済みのカメラを使用するコンピュータのいずれかで発信および終了できます。Jabber Desktop Client はユーザの関連付けられているデバイスを検出するために、Unified CM 上の CCMCIP または UDS サービスを使用します。
Jabber Desktop Client のデスクフォン制御モードを使用する場合は、CTI のトラフィックを Unified CM 導入計算に組み入れてください。キャパシティ プランニングの詳細については、コラボレーション ソリューション サイジング ガイダンスの章参照してください。
スケジュールされた会議サービスへのクライアントのアクセスは HTTP インターフェイス経由で提供できます。シスコの音声、ビデオ、および Web ベースのスケジュール会議サービスは、クラウドベースの WebEx Meeting Center サービスを使用するか、または音声およびビデオ会議サービスと WebEx クラウドベース Web 会議サービスのオンプレミス WebEx Meeting Server の組み合わせを使用して提供されます。WebEx Meeting Center の詳細については、次の Web サイトで入手可能なマニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/conferencing/webex-meeting-center/index.html
Jabber Desktop Client は、コンタクトの検索および情報に、次のコンタクト ソースのいずれかを使用できます。
コンタクトは、次のいずれかを使用して保存し、ローカルで取得できます。
Jabber Desktop Client は、電話取得に加え、逆番号ルックアップを使用して着信電話番号をマッピングします。Jabber Desktop Client のコンタクト管理では、LDAP クエリーに定義する最大 5 個の検索ベースを使用できます。
Cisco Unified CM ユーザ データ サービス(UDS)
UDS は Cisco Unified Communications Manager でのコンタクト検索サービスをクライアントに提供します。Microsoft Active Directory または他の LDAP ディレクトリ ソースから Cisco Unified CM データベースにコンタクト データを同期させることができます。その後、クライアントはコンタクト データを Unified CM から UDS REST インターフェイスを使用して直接取得できます。
ローカルの Unified CM ユーザ データベースから連絡先情報を取得する代わりの手段として、UDS-to-LDAP Proxy 機能を使用することができます。UDS-to-LDAP Proxy では、コンタクト検索は UDS により処理されますが、社内 LDAP ディレクトリにプロキシされ、UDS は結果を Jabber クライアントに戻します。これにより Jabber クライアントは、Unified CM データベースでサポートされている最大ユーザ数を超える社内ディレクトリを検索できます。
次のような多くの異なる要件を満たすように、社内 LDAP ディレクトリを設定できます。
WebEx ディレクトリ統合を実装するには WebEx 管理ツールを使用します。WebEx は WebEx Messenger サービスに企業ディレクトリ情報のカンマ区切り形式(CSV)ファイルをインポートします。詳細については、次のサイトで入手可能な最新バージョンの『 Cisco WebEx Messenger Administration Guide 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/webex-messenger/products-installation-guides-list.html
Jabber Desktop Client は、ローカルのアドレス帳やコンタクト リストだけでなく、前のディレクトリ照会から派生したコンタクト情報およびすでにリストされているコンタクトのローカル キャッシュを保持しています。コールのコンタクトがすでにキャッシュに存在する場合、Jabber Desktop Client はディレクトリを検索しません。コンタクトがキャッシュに存在しない場合、Jabber Desktop Client は、ディレクトリ検索を実行します。
ローカル Jabber Desktop Client キャッシュでコンタクトが見つからない場合、コンタクトの検索を実行できます。WebEx Messenger のユーザは、コンタクト名が入力されるとともに Outlook のキャッシュ、コンタクト リストとローカル コンタクト リストを照会する予測検索を使用できます。一致が見つからない場合、検索は社内ディレクトリ(WebEx Messenger データベース)への照会を続けます。
Windows 用 Cisco Jabber の詳細については、次の Web サイトのデータ シートおよび製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/unified-communications/jabber-windows/index.html
Mac 用の Cisco Jabber の詳細については、次の URL のデータ シートおよび製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/unified-communications/jabber-mac/index.html
Cisco Spark デスクトップ クライアントにより、1 対 1 のコラボレーションとチーム コラボレーションを促進する永続的なクラウド ベースの仮想チーム スペースが実現します。Cisco Spark デスクトップ クライアントは Windows および Mac コンピュータ上で動作します。Cisco Spark では、デスクトップ アプリケーションのユーザが、1 対 1 またはグループの仮想コラボレーション スペース内で Cisco Collaboration Cloud のコラボレーション サービス(セキュアな暗号化パーシステント メッセージング、IP 経由の音声およびビデオ コール、ファイル共有など)にアクセスできます。クライアントはメッセージングおよびファイル共有では HTTPS を使用して Cisco Collaboration Cloud と通信し、IP 経由の音声およびビデオ メディアでは SRTP を使用します。
Cisco Spark クライアントが適切に動作できるようにするには、デスクトップ コンピュータが有線またはワイヤレス ネットワーク(802.11 WLAN またはモバイル プロバイダー データ ネットワーク)に接続してインターネットにアクセスできる必要があります。
Cisco Spark デスクトップ クライアントの詳細、追加機能の詳細、およびサポートされているハードウェアとソフトウェアのバージョンについては、次の Web サイトで入手可能な Cisco Spark の資料を参照してください。
Cisco UC Integration TM for Microsoft Lync クライアントは、さまざまなオンプレミス導入モデルをサポートし、IM およびプレゼンス サービスは Cisco IM and Presence ではなく Microsoft Applications によって提供されます。
Cisco UC Integration TM for Microsoft Lync によって、基盤となる Unified Communications サービスとの統合による Cisco Unified Communications サービスと Microsoft Lync の緊密な統合が可能になります。このソリューションは、一貫したユーザ エクスペリエンスを保ちつつ、標準ベースの音声とビデオ、ユニファイド メッセージング、Web 会議、デスクトップ制御、テレフォニー プレゼンスなどの幅広い一連の Cisco Unified Communications サービスへのアクセスを提供することにより、Microsoft Lync のプレゼンスとインスタント メッセージングの機能を拡張します。
Cisco UC Integration TM for Microsoft Lync の導入のソリューション アーキテクチャ(図 8-3 を参照)には、音声およびビデオ サービスのための Cisco Unified Communications Manager、プレゼンスおよびインスタント メッセージング サービスのための Microsoft Office Communications Server 2007、ユーザ アカウント情報のための Microsoft Active Directory、PC 音声またはデスクフォン制御のための Cisco Unified Communications サービス、および Microsoft Lync が含まれます。
図 8-3 Cisco UC Integration TM for Microsoft Lync アーキテクチャ
Cisco UC Integration TM for Microsoft Lync の導入により、クライアントは、クライアントにダウンロードされた Office Communications Server Address Book からのユーザ情報を使用できます。いったんユーザがプレゼンスとインスタント メッセージングについて有効になると、アドレス帳が Office Communications Server から生成され、クライアントに配布されます。ユーザ アカウントの一貫性のために、管理者がユーザのディレクトリ番号情報を E.164 値(例:+18005551212)で入力し、Unified CM での LDAP の同期化と認証を有効にすることをお勧めします。Cisco UC Integration TM for Microsoft Lync が Cisco Unified CM と Microsoft Active Directory の両方に接続され、アカウント クレデンシャルの同期規則を提供します。
(注) Cisco UC IntegrationTM for Microsoft Lync では、Cisco Unified Communications サービスではなく、Microsoft のインスタント メッセージングおよびプレゼンス サービスが提供されます。
Cisco UC Integration TM for Microsoft Lync を配置すると、Cisco Unified Communications Manager がコール制御を提供し、Microsoft Lync がインスタント メッセージングおよびプレゼンス機能を提供します。
Cisco UC Integration TM for Microsoft Lync は、そのコンフィギュレーション設定を、管理者が設定する必要がある一連のレジストリ エントリから読み取ります。これらのレジストリ コンフィギュレーション設定は、Microsoft Active Directory からグループ ポリシーを使用してプッシュして、コンフィギュレーション設定をクライアント コンピュータに自動的に配布することを推奨します。グループ ポリシーが推奨されるインストール メカニズムですが、サードパーティ製のソフトウェア配置ツール、バッチ ファイル、Vbscrip、手動での設定など、その他の方法も利用可能です。
Microsoft Active Directory グループ ポリシーは管理テンプレートを使用して拡張でき、Cisco UC Integration TM for Microsoft Lync は管理者がグループ ポリシーをサポートするために追加できるテンプレートを提供します。管理者は、管理テンプレートをロードした後、レジストリ コンフィギュレーション設定(TFTP サーバ、CTI サーバ、CCMCIP サーバ、ボイスメール、LDAP サーバ)のための Cisco UC Integration TM for Microsoft Lync 設定ポリシーを作成できます。
これらのグループ ポリシーがどこでどのように個々の組織単位に適用されるかを制御するために、グループ ポリシー管理コンソールを使用できます。クライアント ポリシーの観点から、Cisco UC Integration TM for Microsoft Lync を配置する際には、Microsoft Telephony Mode Policy を [IM and Presence Only] および [DisableAVConferencing] に設定することを推奨します。このクライアント ポリシー変更により、Microsoft Lync のユーザ エクスペリエンスで単一セットのコール オプションだけを表示できるようになります。
Cisco UC Integration TM for Microsoft Lync 配置では、インストールされる cisco-presence-states-config.xml ファイルでカスタム プレゼンス状態の定義と展開を行うことも可能です。ただし、次のレジストリの場所に基づいて Microsoft Lync がこのカスタム プレゼンス状態ファイルを使用できるように、管理者がこのファイルを Microsoft Office Communications Server などの HTTP ロケーションに置き直すことを推奨します。
HKLM\Software\Policies\Microsoft\Communicator\CustomStateURL
シスコのソフトウェアベースのクライアント アプリケーションは、QoS マーキングのベスト プラクティスに従ってレイヤ 3 のトラフィックをマーキングしますが、アプリケーションがトラフィックを適切にマーキングしても、基盤となるオペレーティング システムまたはハードウェアがマーキングを受け入れないことがあります。デスクトップ コンピュータから着信するトラフィック マーキングの一般的な予測不可能性および不信頼性を考慮すると、一般的に、これらのトラフィック マーキングは、信頼する必要があります。これは、すべてのトラフィック フローがプロトコルまたはポート番号に基づくネットワークによってマークされる必要があり、リアルタイム トラフィック フローがベスト プラクティスに基づいてマークされることを意味します。これには、DSC 46 または PHB EF の音声のみのコールのメディア マーキング、DSCP 34 または PHB AF41 のビデオ コールのメディア(音声を含む)、および DSCP 24 または PHB CS3 のコール シグナリングが含まれます。正しく設定されたネットワーク インフラストラクチャとともにこれらのマーキングは、音声のみのコールのメディアの優先処理およびビデオ コールのメディアとコール シグナリングの専用帯域幅を保証します。ソフトウェア ベースのエンドポイント トラフィックの再マーキングに加えて、ネットワーク ベースのポリシングとレート制限を使用してソフトウェア ベースのエンドポイントが大量のネットワーク帯域幅を消費しないようにすることを推奨します。これは、デスクトップ コンピュータが大量のデータ トラフィックを生成する場合、またはエンドポイント アプリケーションが不正な動作をして一般的なコールに対して予測を超える音声、またはビデオ メディアとシグナリングのトラフィックを生成する場合に発生する可能性があります。完全にデスクトップ コンピュータのネットワーク トラフィック マーキングを制御するためにサードパーティ製ソフトウェアが使用されている場合、管理者はデスクトップ コンピュータのマーキングを信頼することを決定でき、その場合はパケットの再マーキングが不要であることがあります。ネットワーク ベースのポリシングおよびレート制限は、動作の不正なエンドポイントの場合はネットワーク全体を保護するために依然として推奨されます。
ソフトウェア ベースの Cisco IP Communicator および Cisco Jabber for Windows の場合、Microsoft Windows グループ ポリシーを使用して、音声およびビデオ メディア ソース ポート番号に基づき、該当するレイヤ 3 DSCP QoS マーキングを音声およびビデオ ストリームに適用できます。
Microsoft Windows グループ ポリシーを使用した Cisco Jabber for Windows QoS の詳細については、次の URL で入手可能な最新バージョンの『 On-Premises Deployment for Cisco Jabber 』で Quality of Service 設定に関する情報を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/jabber-windows/products-installation-guides-list.html
ソフトウェア ベースのエンドポイントは、通常はデータ VLAN に配置されるデスクトップ コンピュータで実行されるため、音声 VLAN とデータ VLAN が分離されたネットワークにソフトウェア ベースのエンドポイントが配置されると、VLAN 間ルーティングを設定および許可して、データ VLAN のこれらのエンドポイントからの音声トラフィックが音声 VLAN のエンドポイントに到達できるようにする必要があります。
低速と信頼性の低い WAN リンクで集中型呼処理プラットフォームから分離された支社ロケーションにシスコのソフトウェア ベースのエンドポイントのデスクトップ アプリケーションを配置する場合は、ローカル呼処理の冗長性を考慮することが重要です。各支社ロケーションの Cisco IOS ルータ上で SRST または拡張 SRST を使用することで、集中型呼処理プラットフォームへの接続が失われた場合でもソフトウェア ベースのエンドポイントの基本的な IP テレフォニー サービスは維持できます。ただし、使用可能なユーザ機能セットは、アプリケーションが Unified CM に登録されている場合に比べ、デスクトップ ソフトウェア ベースのエンドポイントが SRST に登録されている場合は少なくなります。
シスコのソフトウェアベースのエンドポイントは、VPN または VPN-less ソリューションを使用してリモート ロケーションから企業ネットワークに安全に接続できます。
VPN ベース接続の場合、エンタープライズ エッジに Cisco Adaptive Security Appliance(ASA)または他の VPN ヘッドエンド コンセントレータへの安全な VPN トンネルを作成する VPN ルータの後ろにソフトウェアベースのエンドポイントを配置することができます。このセキュア リモート接続は、音声およびビデオ メディアおよびシグナリング トラフィックだけでなく、パーソナル コンピュータから着信するトラフィックすべてのトラフィックも保護します。その結果、コンピュータからのすべてのトラフィックは、そのトラフィックの宛先が最終的にインターネットである場合でも、企業のネットワークのエッジを通過します。
また、Cisco Jabber デスクトップ クライアントは Cisco Expressway ソリューションのモバイル デバイスとリモート アクセス機能を利用できます。このファイアウォール トラバーサル ソリューションは、音声およびビデオ コールに対する Unified CM 呼制御の登録や、企業のコラボレーション アプリケーションおよびサービスへのアクセス(IM and Presence、ボイス メール、ディレクトリ アクセスなど)で、Cisco Expressway E および Expressway C サーバによって提供される、企業への TLS リバース プロキシ接続を使用します。Cisco Expressway ソリューションのモバイルおよびリモート アクセス機能の詳細については、次の Web サイトのソリューション情報および製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/unified-communications/expressway-series/index.html
ソフトウェアベースのエンドポイントを配置する際には、ダイヤル プランと番号の正規化に関する考慮事項を念頭に置いて作業してください。Jabber Desktop Client は通常、コンタクトの検索、解決、および追加にディレクトリを使用します。これらのコンタクトに関連付けられている番号は、クライアントが認識し、解決し、ダイヤルできる形式になっていなければなりません。
配置は、ディレクトリおよび Unified CM の設定によって変わってくる場合があります。ビジネス、モバイル、および自宅の電話番号用に E.164 の番号指定(例:+18005551212)がディレクトリに含まれており、Unified CM にも E.164 ダイヤル プランが含まれている場合は、すべてのルックアップ、解決、およびダイヤルされたイベントが E.164 形式のダイヤル ストリングになるため、追加のダイヤル規則の必要性が最小限に抑えられます。
Unified CM 配置環境でプライベート ダイヤル プラン(5551212 など)を実装している場合は、Unified CM 上で E.164 番号をプライベート ディレクトリ番号に変換する必要が生じます。発信は、Unified CM のトランスレーション パターンによって変換することができます。これにより、ダイヤルされた番号(+18005551212 など)をプライベート番号(この例では 5551212)でエンドポイントに表示させることができます。着信コールは、ディレクトリのルックアップ規則によって変換できます。これにより、着信した番号の 5551212 が、逆番号ルックアップ発信者 ID に +18005551212 で示されます。
企業で使用されるダイヤルプランおよび LDAP ディレクトリに格納された電話番号情報において、番号形式の相違に対応するため Cisco Unified Communications Manager にトランスレーション パターンとディレクトリ ルックアップ規則を設定する必要がある場合、独自のダイヤル プランの導入が発生する可能性があります。ディレクトリ ルックアップ規則は、ディレクトリ ルックアップ キーとして使用される着信コール ID を再フォーマットする方法を定義します。トランスレーション パターンは、発信ダイヤル用に LDAP ディレクトリから取得した電話番号を変換する方法を定義します。
トランスレーション パターンは、コールがルーティングされる前にダイヤルされた数字を操作するために、Unified CM によって使用されます。これらは、Unified CM によって厳密に処理されます。トランスレーション パターンは、着信番号の処理に推奨される方法です。トランスレーション パターンの使用方法およびダイヤル プラン管理に関するその他のガイドラインについては、ダイヤル プランの章を参照してください。
トランスレーション パターンの代用として、アプリケーション ダイヤリング規則を使用して、ダイヤルされた番号を処理できます。アプリケーション ダイヤリング規則を適用すると、ユーザがダイヤルする電話番号に対して数字の追加と削除を自動的に実行できます。アプリケーション ダイヤリング規則は、Unified CM 上で設定され、Unified CM からクライアントにダウンロードされます。トランスレーション パターンは、着信番号の処理に推奨される方法です。
ディレクトリ検索ルールは、発信者の識別情報をディレクトリで検索可能な番号に変換します。定義する各ディレクトリ ルックアップ規則には、先頭の数字および番号の長さに基づいてどの数字を変換するかを指定します。ディレクトリ ルックアップ規則は、Unified CM 上で設定され、Unified CM からクライアントにダウンロードされます。
コンタクト情報を通じてコールが発信される前に、クライアント アプリケーションがダイヤルされる電話番号から文字と数字以外のすべてのものを取り除きます。アプリケーションは、文字を数字に変換し、ダイヤリング規則を適用します。文字と数字のマッピングは、ロケール固有で、その場所の標準的な電話機のキーパッドにある文字に対応します。たとえば、US English ロケールでは、1-800-4UCSRND は 18004827763 に変換されます。コールがアプリケーションによって発信される前に、ユーザがクライアントの変換された番号を見たり変更したりすることはできません。
Cisco Jabber for Windows と Cisco Jabber for Mac は、デフォルトで Cisco ディレクトリ統合(CDI)を使用します。CDI ではサービス検出を使用して、Microsoft Active Directory を含む LDAP v3 対応のディレクトリに自動的に接続し、認証を行います。
カスタム属性のマッピングを必要とする LDAP ディレクトリとの統合では、これらの属性マッピングは Unified CM サーバからクライアントにダウンロードできるコンフィギュレーション ファイルで作成できます。
Cisco Jabber デスクトップ クライアントでは、Unified CM User Data Service(UDS)もサポートされています。これにより、クライアントが Unified CM ユーザ データベース(LDAP ディレクトリと同期している場合もある)を使用してコンタクト情報を検索できます。企業のファイアウォールの外部にあり Expressway モバイル & リモート アクセスを使用して接続している Jabber デスクトップ クライアントは、コンタクトの解決に UDS を自動的に使用します。
また、Jabber for Windows は Microsoft Outlook のローカル連絡先をサポートしており、ユーザは自分の Microsoft Outlook クライアントにある連絡先を検索できます。
Cisco Jabber デスクトップ クライアントは Extend and Connect をサポートしており、サードパーティの電話機を使用して Jabber からコールを発信および受信することができます。これによって、Cisco Collaboration 機能を活用しながら、既存のサードパーティの PBX 電話機を使用することができます。Extend and Connect には複数のモードがあり、モードごとに別のトランクを使用する必要があります。Extend and Connect を使用する場合、ダイヤル プランを慎重に設計する必要があります。ダイヤル プランの設計の詳細については、ダイヤル プランの章を参照してください。Jabber クライアントが企業ネットワークの外部にあり Expressway モバイル & リモート アクセスを使用して接続している場合、Extend and Connect はサポートされません。
Cisco Jabber 11.9 以降、OAuth 2.0 承認フレームワークを使用して、クライアント承認と認証を容易に行えるようになっています。これにより、ログインが迅速化されるとともに、起動時やネットワーク遷移時の再認証も迅速化されます。Cisco Unified CM 12.0 および Unified CM 11.5(1) SU3 の前までは、導入環境内でシングル サインオン(SSO)が有効にされている場合、Cisco Jabber は OAuth のみを使用していました。OAuth 実装は、認証を行い承認トークンをクライアントに発行する承認サーバとしての役割を果たす Unified CM パブリッシャに依存します。このトークンとリフレッシュ トークンにより、クライアントがコラボレーション サービスに要求を行い承認を取得することが可能になります。また、リフレッシュ トークンを使用して、期限切れの承認トークンを素早く更新できます。OAuth 2.0 フレームワークの詳細については、承認フレームワークの項を参照してください。
OAuth を Jabber クライアントの承認と認証に使用するには、Cisco Unified CM、Unified CM IM and Presence、Unity Connection で、 OAuth with Refresh Login Flow サービス パラメータを有効にする必要があります。同様に、Jabber クライアントが Expressway モバイルおよびリモート アクセスで OAuth を使用するには、 Authorize by OAuth token with refresh 設定を Expressway-C で有効にする必要があります。
Cisco Jabber での OAuth 展開の詳細については、次の URL で入手可能な最新バージョンのホワイト ペーパー『 Deploying OAuth with Cisco Collaboration Solution Release 12.0 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/jabber-windows/products-installation-guides-list.html
Cisco ワイヤレス エンドポイントは、ネットワーク接続のため、また IP テレフォニー機能を提供するために 802.11 Wireless LAN(WLAN)インフラストラクチャに依存しています。このタイプのエンドポイントは、単一の企業ロケーション内や複数の企業ロケーション間、または従来の有線電話機では望ましくない、または問題のある環境間で移動するモバイル ユーザに理想的です。シスコでは、Voice and Video over WLAN(VVoWLAN)IP Phone を介した次の音声およびビデオを提供します。
すべてが、組み込み型の無線アンテナを備えた、ハードウェアベースの電話機です。Cisco Unified Wireless IP Phone 7925G、7925G-EX、および 7926G では、ネットワークへの 802.11b、802.11g、または 802.11a 接続が可能です。Cisco Unified Wireless IP Phone 8821、Cisco IP Phone 8861 および 8865 では、802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、および 802.11ac ワイヤレス接続が可能であり、Cisco DX シリーズ エンドポイントでは 802.11a、802.11b、802.11g、および 802.11n ワイヤレス接続が可能です。Cisco Unified Wireless IP Phone 7925G、7925G-EX、および 7926G は、SCCP シグナリング プロトコルを使用して、シスコの呼処理プラットフォームで登録および通信します。Cisco Unified Wireless IP Phone 8821、Cisco IP Phone 8861 と 8865、および DX シリーズ エンドポイントは、SIP シグナリング プロトコルを使用して、シスコの呼処理プラットフォームで登録および通信します。
Cisco Unified Wireless IP Phone の詳細については、次の Web サイトで入手可能なデータ シートおよび製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/unified-ip-phone-7900-series/index.html
Cisco IP Phone 8800 シリーズの詳細については、次の Web サイトのデータ シートおよび製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/unified-ip-phone-8800-series/index.html
Cisco DX シリーズ エンドポイントの詳細については、次の Web サイトのデータ シートおよび製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/desktop-collaboration-experience-dx600-series/index.html
ワイヤレス エンドポイントを配置する前に、WLAN 無線周波数(RF)の設計によって同じチャネルの干渉を最小限に抑えるようにすると同時に、十分な無線信号レベルを維持しながら、デバイスをあるロケーションから別のロケーションに移動しても許容可能な音声およびビデオ画質が維持されるように、十分な無線信号レベルおよび非隣接チャネルのオーバーラップを提供する必要があります。また、WLAN サイト全体のサーベイを実行することで、ネットワーク RF 設計を検証して、適切なデータ レートとセキュリティ メカニズムが整っているようにする必要があります。サイト調査では、最適なカバレッジを提供するアンテナ タイプや RF 干渉の送信元が存在している可能性がある場所を考慮する必要があります。サードパーティのサイト サーベイ ツールを使用している場合でも、各エンドポイントまたはクライアント無線の動作がアンテナの感度およびサーベイ アプリケーションの制限によって動作が異なるため、無線エンドポイント デバイス自体を使用してサイト サーベイの実施を強く推奨します。シスコでは、音声およびビデオ トラフィックを生成することができるワイヤレス エンドポイント接続するために、可能であれば、5 GHz WLAN 帯域(802.11a/n)の利用を推奨します。5 GHz WLAN は、音声コールとビデオ コールに対し、スループットを改善して干渉を低減します。無線ネットワークの設計の詳細については、ワイヤレス LAN インフラストラクチャを参照してください。
ワイヤレス エンドポイントを配置する場合、ネットワークへのアクセスの制御およびネットワーク トラフィックの保護のために使用されるセキュリティ メカニズム考慮することが重要です。Cisco ワイヤレス エンドポイントは、WPA、WPA2、EAP-FAST、PEAP などを含む広範囲の認証および暗号化プロトコルをサポートします。WLAN インフラストラクチャ、配置されるエンドポイント デバイス、および IT セキュリティ ポリシーと一致しているものによって、サポートされる認証および暗号化方式を選択します。さらに、デバイスがネットワーク内のあるロケーションから別のロケーションに移動しているときにアクティブな音声およびビデオ コールが保持できるように、選択した認証および暗号化方式が Cisco Centralized Key Management(CCKM)などの高速キー再生成方式をサポートする必要があります。
(注) 二重帯域 WLAN(2.4 GHz と 5 GHz の両方の帯域を持つ WLAN)では、同じ SSID の 802.11b/g と 802.11a との間でのローミングは、クライアントが両方のボードをサポートできれば可能です。ただし、一部のデバイスでは、これにより、音声またはビデオ経路にギャップが発生する可能性があります。これらのギャップを回避するために、音声およびビデオ通信用に帯域を 1 つだけ使用します。
企業 WLAN 内にワイヤレス デバイスを配置し、ワイヤレス デバイス ローミングを有効にする場合、WLAN インフラストラクチャのデバイスの接続性とコール キャパシティを考慮することも重要です。デバイス数またはアクティブ コール数の面での WLAN インフラストラクチャのオーバーサブスクリプションは、無線接続のドロップ、音声とビデオの品質の低下、またはコール セットアップの遅延や失敗の原因となります。Voice and Video over WLAN の配置をオーバーサブスクライブする可能性は、必要なコール キャパシティを処理するように WLAN アクセス ポイント(AP)の十分な数の配置によって著しく最小限に抑えられます。AP のコール キャパシティは、単一チャネル セル領域内でサポートできる同時双方向ストリーム数に基づきます。VVoWLAN のコール キャパシティの一般的なルールは次のとおりです。
これらのコール キャパシティ値は、RF 環境、無線ハンドセット機能、および基礎となる WLAN システム機能に大きく依存します。一部の配置では、実際のキャパシティはこれよりも小さくなることもあります。
(注) 同じ AP に関連付けられている 2 台のワイヤレス エンドポイント間の単一のコールは、2 つの同時双方向ストリームであると見なされます。
上記のキャパシティは、音声アクティビティ検出(VAD)が無効で、パケット化のサンプル サイズが 20 ミリ秒(ms)であることに基づいています。VAD とは、コール中に音声が発生しないときに RTP パケットを送信しないことにより、帯域幅を節約するメカニズムです。ただし、無音圧縮とも呼ばれる VAD を有効または無効にすることは、シスコの呼制御プラットフォームに応じてグローバル設定になることがあります。そのため、VAD が無線で接続された Cisco Unified IP Phone で有効にされると、VAD は配置内のすべてのデバイスで有効にされていることがあります。全体の音声品質を良好に保つため、VAD(無音圧縮)を disabled のままにすることを推奨します。
サンプリング レートを 20 ms に設定すると、片方向の音声コールで 50 パケット/秒(pps)が生成されます。ほどんどすべての場合、サンプル レートを 20 ms に設定するように推奨します。それより大きいサンプル サイズ(30 または 40 ms)を使用すると、AP あたりの同時コールの数を増分できますが、エンドツーエンドの遅延も大きくなります。また、サンプル サイズを大きくすると、1 つのパケットが失われたときに欠落する会話の量が大きくなるため、ワイヤレス環境で許容される音声パケットの損失率は大幅に減少します。音声サンプリング サイズの詳細については、帯域幅のプロビジョニングを参照してください。
Cisco Unified Wireless IP Phone 8821、7925G、7925G-EX、および 7926G、Cisco IP Phone 8861 と 8865、および Cisco DX シリーズ エンドポイントは、Bluetooth 対応デバイスです。ワイヤレス Cisco IP Phone 内の Bluetooth 無線またはモジュールにより、Bluetooth ヘッドセットのサポートが有効になります。また、前述したように Cisco IP Phone 8845、8851、8861、8865、および DX シリーズ エンドポイントでは、ハンズフリー音声および携帯電話のコンタクトと通話履歴の共有のために、Intelligent Proximity for Mobile Voice と Bluetooth のペアリングがサポートされます。Bluetooth デバイスは、802.11b/g デバイスと同じ 2.4 GHz 無線帯域を使用するので、Bluetooth および 802.11b/g 対応デバイスが相互に干渉し、その結果、接続に関する問題が起きる可能性があります。
Bluetooth と 802.11 WLAN 無線が Cisco Unified Wireless IP Phone、Cisco IP Phone 8861、8865、および Cisco DX シリーズ エンドポイントでネイティブに共存し、Bluetooth と 802.11b/g 無線との間の無線干渉が大幅に減少して回避される一方で、これらの無線で接続された電話機の Bluetooth 無線は近くに配置されている他の 802.11 b/g デバイスおよび Bluetooth 無線デバイスと干渉を起こすことがあります。802.11b/g WLAN 音声およびビデオ デバイスの干渉と中断が発生する可能性があるため(これが原因で音質および画質の低下、登録解除、コール セットアップの遅延が発生する可能性があるため)、すべての WLAN 音声およびビデオ デバイスを、5 GHz 無線帯域を使用する 802.11a、802.11n、または 802.11ac に配置することを推奨します。ワイヤレス電話機を 5 GHz 無線帯域に配置することで、Bluetooth デバイスによって引き起こされる干渉を回避できます。
802.11 WLAN デバイスを 5 GHz 無線帯域に配置する必要があり、2.4 GHz 無線帯域の緩衝が原因で接続、機能、または音声とビデオの品質に関する問題が発生する場合は、Bluetooth ヘッド セットや Bluetooth に依存する機能(Intelligent Proximity for Mobile Voice など)をこの配置で使用することを制限または禁止することを検討してください。
Cisco 8851、8861、および DX シリーズ エンドポイントの Intelligent Proximity for Mobile Voice と Bluetooth のペアリングの詳細については、インテリジェント プロキシミティを参照してください。
(注) バッテリ駆動式 Cisco Unified Wireless IP Phone で Bluetooth ワイヤレス ヘッドセットを使用すると、電話機のバッテリ電力消費が増加し、バッテリ寿命が短くなります。
(注) Bluetooth ヘッドセットと Bluetooth 機能(Intelligent Proximity for Mobile Voice など)を使用すると、干渉が発生し、2.4 GHz 帯域(802.11b/g/n)を使用する隣接ワイヤレス クライアントおよびエンドポイントでサービスの中断が発生する可能性があります。
ネットワーク レベルの Quality of Service(QoS)を設定する場合、シスコのワイヤレス エンドポイント(Cisco Unified Wireless IP Phone、Cisco IP Phone 8861、および Cisco DX シリーズ エンドポイントなど)は信頼でき、それらのパケット マーキングは受け入れられます。これらのエンドポイントはデフォルトで、音声/ビデオ メディアとコール シグナリングに対して推奨されている適切なレイヤ 3 値(音声メディアは DSCP 46 または PHB EF、音声/ビデオ メディアはビデオ コールに対して DSCP 34 または PHB AF41、音声シグナリングは DSCP 24 または PHB CS3)でマーキングを行います。同様に、これらのデバイスは、レイヤ 2 で適切にマークします(6 の音声メディア WMM User Priority(UP)、5 のビデオ コール WMM UP に対する音声およびビデオ メディア、4 のコール シグナリング WMM UP)。これらのパケット マーキングによって、統合されたネットワークでエンドツーエンドの音声品質が許容可能です。
レイヤ 2 およびレイヤ 3 の両方の適切なパケット マーキングにもかかわらず、Cisco DX80 などの多目的デバイスは、大量の非リアルタイム トラフィックを生成できます。したがって、同じ WLAN SSID または VLAN でのこれらのデバイスの混在に関連する懸念があげられることがあります。レイヤ 2 QoS マーキングと 802.11e WMM は、リアルタイム トラフィックに対してワイヤレス媒体へのより多くの帯域幅とより高い頻度のアクセスが確保されるように作用しますが、緻密で、頻繁に使用されている配置では、DX シリーズ エンドポイントなどの多目的デバイスを別個の SSID に分離することで、何らかの対策になる場合があります。ただし、これらのデバイスによって生成されるリアルタイム トラフィックがワイヤレス インフラストラクチャでまだ所定のプライオリティ処理を与えられるようにするには、多目的デバイスのこの別個の SSID が Platinum QoS プロファイルに引き続き設定される必要があります。
低速または信頼性の低い WAN リンクで集中型呼処理プラットフォームから分離された支社ロケーションにワイヤレス エンドポイントを配置する場合は、ローカル呼処理の冗長性を考慮することが重要です。各支社ロケーションの Cisco IOS ルータ上で SRST または拡張 SRST を配置することで、集中型呼処理プラットフォームへの接続が失われた場合でもワイヤレス エンドポイントの基本的な IP テレフォニー サービスは維持できます。ただし、使用可能なユーザ方向セットは、ワイヤレス エンドポイントが Unified CM に登録されている場合に比べ、SRST に登録されている場合は少なくなります。
ワイヤレス エンドポイントがマルチ サイト集中型呼処理配置のロケーション間で移動する場合、デバイスが Unified CM に登録するために使用する IP アドレスに基づいてデバイスのロケーションを更新するために Cisco Unified CM デバイス モビリティ機能を使用できます。これにより、デバイスがロケーション間で移動するときのコール ルーティング、PSTN の出力、および通常遭遇するコーデックおよびメディア リソースの選択に関する問題を回避できます。デバイス モビリティに関する詳細については、デバイス モビリティの項を参照してください。
Cisco Unified Wireless IP Phone 7925G などの無線 IP エンドポイントの展開の詳細については、次の Web サイトの展開ガイドを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/collaboration-endpoints/unified-ip-phone-7900-series/products-implementation-design-guides-list.html
ワイヤレス Cisco 8800 シリーズ エンドポイントの展開の詳細については、次の Web サイトの展開ガイドを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/collaboration-endpoints/unified-ip-phone-8800-series/products-implementation-design-guides-list.html
Cisco DX シリーズ エンドポイントのワイヤレスでの展開の詳細については、次の Web サイトの展開ガイドを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/collaboration-endpoints/desktop-collaboration-experience-dx600-series/products-implementation-design-guides-list.html
シスコのモバイル エンドポイント デバイスとモバイル エンドポイント クライアント アプリケーションは、音声およびビデオ通話サービス用の Unified CM で登録および通信します。これらのデバイスおよびクライアントは、Cisco Unity Connection、Cisco IM and Presence、および LDAP ディレクトリなどの他のバック エンド システムと通信することによって、エンタープライズ メッセージング、プレゼンス、社内ディレクトリ統合などの追加機能およびサービスを有効にします。シスコは、次のモバイル エンドポイント デバイスおよびクライアントを提供します。
iPhone と iPad を含む Android および Apple iOS デバイスの Cisco Jabber モバイル クライアントによって、スマート フォンとタブレットは IP 経由で音声およびビデオを使用してエンタープライズ コールを発信または受信できます。Android または Apple iOS デバイスで実行される Cisco Jabber モバイル クライアントアプリケーションは、SIP シグナリング プロトコルを使用して Unified CM に登録および通信します。Cisco Jabber モバイル クライアントは、社内ディレクトリ アクセス、エンタープライズ ビジュアル ボイス メール、XMPP ベースのエンタープライズ インスタント メッセージングとプレゼンス、および Cisco Expressway モバイル & リモート アクセスを使用したリモート接続の保護などの追加機能を有効にします。
Cisco Jabber for Android の詳細については、次の Web サイトのデータ シートおよび製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/unified-communications/jabber-android/index.html
Cisco Jabber for iPhone and iPad の詳細については、次の Web サイトのデータ シートおよび製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/unified-communications/jabber-iphone-ipad/index.html
Cisco Spark モバイル クライアントにより、1 対 1 のコラボレーションとチーム コラボレーションを促進する永続的なクラウド ベースの仮想チーム スペースが実現します。Cisco Spark では、モバイル アプリケーション ユーザが Cisco Collaboration Cloud のコラボレーション サービスにアクセスできます。Cisco Spark for Android クライアントおよび Cisco Spark for iPad and iPhone クライアントにより、1 対 1 またはグループ コラボレーション スペース内でセキュアな暗号化パーシステント メッセージング、IP 経由の音声およびビデオ、およびファイル共有がすべて提供されます。これらのクライアントは Cisco Collaboration Cloud と通信するときに、メッセージングおよびファイル共有では HTTPS を使用し、IP メディア トラフィックでの音声およびビデオでは SRTP を使用します。
Cisco Spark クライアントが適切に動作するには、モバイル クライアント デバイスが 802.11 WLAN またはモバイル プロバイダー データ ネットワークへの接続によってインターネットにアクセスできる必要があります。
Cisco Spark モバイル クライアントの詳細、追加機能の詳細、およびサポートされているハードウェアとソフトウェアのバージョンについては、次の Web サイトで入手可能な Cisco Spark の資料を参照してください。
Cisco WebEx Meetings モバイル クライアントは、特定の Android、Apple iOS、BlackBerry、および Windows Phone のモバイル スマート フォンやタブレットで稼働します。このクライアントによって、モバイル エンドポイントはデスクトップ ブラウザ ベースの Cisco WebEx 会議と同様に、同様の機能を持つ Cisco WebEx 会議に参加できます。このクライアントによって、Cisco WebEx 音声およびビデオ会議へのアクティブな参加(参加者リストや共有コンテンツを表示する機能を含む)が可能になります。
Cisco WebEx モバイル クライアントに関する詳細情報については、次の URL にある製品情報を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/conferencing/webex-meetings/index.html
Cisco AnyConnect Secure Mobility Client によって、Cisco Jabber モバイル デバイス クライアントに対する安全なリモート接続が有効になり、モバイル データ ネットワークと非企業 WLAN 経由の永続的企業アクセスを行えるようになります。このクライアント アプリケーションは、Cisco Adaptive Security Appliance(ASA)ヘッドエンドで利用可能な Cisco AnyConnect VPN ソリューションを使用して、Apple iOS および Android モバイル デバイスに SSL VPN 接続を提供します。
Cisco AnyConnect を使用したセキュアなリモート VPN 接続の詳細については、次の Web サイトで入手可能な Cisco AnyConnect Secure Mobility Client マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/security/anyconnect-secure-mobility-client/tsd-products-support-series-home.html
Cisco Jabber モバイル クライアントは WLAN に接続される場合が多いため、前述のすべての WLAN 配置に関する考慮次回は、サイト調査による WLAN RF 設計および検証など、モバイル クライアントとデバイスに適用されます。特に、音声およびビデオ トラフィックを生成することができるワイヤレス エンドポイントを接続するために、可能であれば、5 GHz WLAN 帯域(802.11a/n/ac)の利用が推奨されます。5 GHz WLAN は、音声コールとビデオ コールに対し、スループットを改善して干渉を低減します。2.4 GHz 帯域がモバイル クライアントとデバイスに使用される場合、Bluetooth は避ける必要があります。同様に、これらのクライアントおよびデバイスを配置する場合、ワイヤレス コールのキャパシティの項で説明する音声だけの WLAN チャネル セルおよびビデオ コール容量数を考慮する必要があります。
正常に展開された場合は、パブリックまたはプライベート 802.11 Wi-Fi ホット スポットを使用することによって、シスコのモバイル エンドポイントとクライアントをリモート ロケーションからモバイル データ ネットワーク経由で企業にも接続できます。このようなシナリオでは、モバイル エンドポイントとクライアントは、VPN または VPN-less ソリューションを使用して安全に接続できます。VPN の場合、Cisco AnyConnect Mobile VPN クライアントを使用すると、セキュア SSL デバイスまたはクライアントをトンネル経由で企業に接続できます。
Cisco Jabber および Cisco AnyConnect の配置で重要な考慮事項は、保護対象のトラフィックです。Cisco AnyConnect モバイル VPN クライアントを Cisco Jabber とともにモバイル デバイスで使用する場合、デフォルトでデバイスへのすべてのトラフィックは暗号化された VPN トンネルを介して企業に送信されます。この動作は、一部の配置では望ましくない場合があります。Cisco Jabber の場合、VPN トンネルを介して企業に Jabber 固有のトラフィックのみが送信され、他のトラフィックはそのトンネル以外を介して送信される動作が適しています。これは、Split-Tunnel 機能を使用して実行できます。この機能を使用して、管理者は(宛先サブネットに基づき)VPN トンネルを通過するトラフィックと、平文で送信されるトラフィックを指定できます。Jabber トラフィックのみを保護するには、管理者は Cisco Unified Communications Manager クラスタ、IM および Presence クラスタ、ボイスメール サーバ、ディレクトリ サーバ、および Trivial File Transfer Protocol(TFTP)サーバの IP サブネットに加え、接続する可能性のあるすべてのエンドポイントの IP サブネットをトンネルに含めるように設定する必要があります。したがって、Split-Include ポリシーには、企業ネットワークの IP アドレス範囲を含める必要があります。大企業の IP スペースは、取得やその他のイベントのため連続的ではないため、この設定はすべての導入には適用されないことがあります。
Split-Tunnel に含める Cisco Jabber および Cisco AnyConnect の詳細については、次の Web サイトで入手可能な『 Cisco AnyConnect Deployment Guide for Cisco Jabber 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/dam/en/us/products/collateral/security/asa-5500-series-next-generation-firewalls/guide_c07-717020.pdf
VPN-less 接続の場合、Cisco Jabber モバイル クライアントは Cisco Expressway ソリューションのモバイルとリモート アクセス機能を利用できます。このファイアウォール トラバーサル ソリューションは、音声およびビデオ コールに対する Unified CM 呼制御の登録や、企業のコラボレーション アプリケーションおよびサービスへのアクセス(IM and Presence、ボイス メール、ディレクトリ アクセスなど)で、Cisco Expressway E および Expressway C サーバによって提供される、企業への TLS リバース プロキシ接続を使用します。Cisco Expressway ソリューションのモバイルおよびリモート アクセス機能の詳細については、次の Web サイトのソリューション情報および製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/unified-communications/expressway-series/index.html
シスコのモバイル クライアントのアプリケーションおよびデバイスは、シスコのコラボレーション QoS マーキング推奨事項に従って、一般にレイヤ 3 QoS パケット値をマークします。これには、DSCP 46 または PHB EF のマーキング音声のみのコールのメディア トラフィック、DSCP 34 または PHB AF41 のビデオ コールのメディア(音声を含む)トラフィック、および DSCP 24 または PHB CS3 のコール シグナリング トラフィックが含まれます。適切なモバイル クライアントおよびデバイス アプリケーションのレイヤ 3 パケット マーキングにかかわらず、レイヤ 2 802.11 WLAN パケット マーキング(ユーザ優先度、または UP)はさらに課題を示します。一部のデバイスは、適切に無線レイヤ 2 802.11 ユーザ プライオリティ(UP)値(音声のみのコールのメディア UP 6、ビデオ コールのメディア UP 5、およびコール シグナリング UP 3)をマークします。しかし、シスコのモバイル クライアントがさまざまなモバイル デバイスで実行されている場合、レイヤ 2 ワイヤレス QoS マーキングには一貫性がありません。レイヤ 2 ワイヤレス QoS マーキングに依存した状態では、WLAN のトラフィックを適切に処理できません。Cisco Unified Wireless LAN Controller を使用した配置では、ワイヤレス SIP コール アドミッション制御(CAC)を有効にすると、適切でないか、または存在しないレイヤ 2 WLAN マーキングに対する何らかの対策になる場合があります。SIP CAC はメディア セッションのスヌーピングを使用し、ダウンストリームの音声およびビデオ フレームが適切に優先順位を付けられて処理できるようになります。モバイル クライアントのアプリケーション レイヤ 3 やレイヤ 2 のパケット マーキングが適切であるとしても、データとリアルタイム トラフィックの両方を含むさまざまなタイプのトラフィック生成の面で、モバイル デバイスはデスクトップ コンピュータと同じ多数の課題を示します。これを考えると、一般にモバイル デバイスはコラボレーション エンドポイントの信頼できないカテゴリに分類されます。モバイル クライアント デバイスが信頼されているエンドポイントとして見なされない配置の場合、ネットワークのプライオリティ キューイングと専用帯域幅が適切なトラフィックに適用されるように、トラフィック タイプおよびポート番号に基づいたパケット再マーキングが必要です。モバイル デバイスのトラフィックを再マーキングするだけでなく、ネットワーク ベースのポリシングとレート制限を使用してモバイル クライアント デバイスが大量のネットワーク帯域幅を消費しないようにすることを推奨します。
(注) モバイル クライアントとデバイスは、モバイル データ ネットワークまたはパブリックやプライベートの Wi-Fi ホット スポット経由で Cisco AnyConnect クライアントを使用できるサーバがある企業にリモート接続できる場合があります。これらの接続は、インターネットを通過するため、IP パスにエンドツーエンドの QoS が存在しないことから、すべてのトラフィックはすべて、ベスト エフォートとして処理されます。音声およびビデオの品質には、これらのタイプの接続では保証できません。
低速または信頼性の低い WAN リンクで集中型呼処理プラットフォームから分離されている支社ロケーションに、Cisco Jabber for iPhone などのモバイル エンドポイントおよびクライアントを配置する場合は、ローカル呼処理の冗長性を考慮することが重要です。Cisco Jabber モバイル クライアントは SRST をサポートしませんが、ほとんどの Cisco Jabber モバイル クライアントは携帯電話の音声を使用するスマート フォンで動作するため、ユーザはモバイル プロバイダー ネットワークを使用して電話をかけられる場合があります。
Cisco Jabber モバイル クライアントに関する追加設計および配置については、シスコのモバイル クライアントおよびデバイスを参照してください。
前述したように、インテリジェント プロキシミティは、シスコ ハードウェア エンドポイントとモバイル デバイス間のプロキシミティベースの接続を利用する機能を意味します。
Cisco 8851、8861、および DX シリーズ エンドポイントで利用可能な Intelligent Proximity for Mobile Voice 機能は、IP エンドポイトと携帯電話またはスマートフォンの間の Bluetooth ペアリングを使用し、ハンズフリー音声および携帯電話のコンタクトと通話履歴の共有を可能にします。
前述のとおり、8851、8861、および DX シリーズ エンドポイントでの Intelligent Proximity for Mobile Voice と Unified Mobility 機能セットには互換性があります。また、8851 および 8861 IP Phone の Intelligent Proximity for Mobile Voice は Cisco Jabber と互換性があるため、IP Phone 8851 および 8861 で音声を再生でき、Jabber クライアント デバイスでビデオが再生されます。
インテリジェント プロキシミティと Bluetooth ペアリングの詳細については、インテリジェント プロキシミティを参照してください。
Cisco Jabber for Android および Cisco Jabber for iOS は、デフォルトで Cisco ディレクトリ統合(CDI)を使用します。この場合、Microsoft Active Directory などの LDAP v3 対応ディレクトリとの統合が使用されます。
カスタム属性のマッピングを必要とする LDAP ディレクトリとの統合では、これらの属性マッピングは Unified CM サーバからクライアントにダウンロードできるコンフィギュレーション ファイルで作成できます。
Cisco Jabber モバイル クライアントでは、Unified CM User Data Service(UDS)もサポートされています。これにより、クライアントが Unified CM ユーザ データベース(LDAP ディレクトリと同期している場合もある)を使用してコンタクト情報を検索できます。企業のファイアウォールの外部にあり Expressway モバイル & リモート アクセスを使用して接続している Jabber モバイル クライアントは、コンタクトの解決に UDS を自動的に使用します。
ローカルの Unified CM ユーザ データベースから連絡先情報を取得する代わりの手段として、UDS-to-LDAP Proxy 機能を使用することができます。UDS-to-LDAP Proxy では、コンタクト検索は UDS により処理されますが、社内 LDAP ディレクトリにプロキシされ、UDS は結果を Jabber クライアントに戻します。これにより Jabber クライアントは、Unified CM データベースでサポートされている最大ユーザ数を超える社内ディレクトリを検索できます。
Cisco Jabber 11.9 以降、OAuth 2.0 承認フレームワークを使用して、クライアント承認と認証を容易に行えるようになっています。これにより、ログインが迅速化されるとともに、起動時やネットワーク遷移時の再認証も迅速化されます。Cisco Unified CM 12.0 および Unified CM 11.5(1) SU3 の前までは、導入環境内でシングル サインオン(SSO)が有効にされている場合、Cisco Jabber は OAuth のみを使用していました。OAuth 実装は、認証を行い承認トークンをクライアントに発行する承認サーバとしての役割を果たす Unified CM パブリッシャに依存します。このトークンとリフレッシュ トークンにより、クライアントがコラボレーション サービスに要求を行い承認を取得することが可能になります。また、リフレッシュ トークンを使用して、期限切れの承認トークンを素早く更新できます。OAuth 2.0 フレームワークの詳細については、承認フレームワークの項を参照してください。
OAuth を Jabber クライアントの承認と認証に使用するには、Cisco Unified CM、Unified CM IM and Presence、Unity Connection で、 OAuth with Refresh Login Flow サービス パラメータを有効にする必要があります。同様に、Jabber クライアントが Expressway モバイルおよびリモート アクセスで OAuth を使用するには、 Authorize by OAuth token with refresh 設定を Expressway-C で有効にする必要があります。
Cisco Jabber での OAuth 展開の詳細については、次の URL で入手可能な最新バージョンのホワイト ペーパー『 Deploying OAuth with Cisco Collaboration Solution Release 12.0 』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/jabber-windows/products-installation-guides-list.html
Cisco Jabber for iPhone and iPad 11.9 以降では、Apple プッシュ通知サービス(APNs)がサポートされるようになっています。APNs を使用して、クライアントが実行している間も、バックグラウンドで着信コールとメッセージを受信できます。
これまでは、Jabber for Apple iOS クライアント(iPhone および iPad)は他の Jabber クライアントと同じように、クライアントがバックアップに移行すると、Voice and Video over IP(VVoIP)と IM およびプレゼンス サービス用の接続を維持するために定期的なダイレクト IP ソケット キープアライブを利用していました。Apple がダイレクト IP ソケットによる通知のサポートを終了するので、Apple iOS デバイスのバックグラウンドで実行中の Jabber for iOS クライアントに通知を送信するには近日中に APNs が必要になります。
Cisco Spark for Apple iOS でも、クライアントがバックグラウンドで実行中に、着信コールとメッセージ通知の受信を APNs でサポートしています。
(注) 非 iOS の Cisco Spark クライアント(Cisco Spark for Android、Cisco Spark for Windows、Cisco Spark for Mac)と非 iOS の Cisco Jabber クライアント(Jabber for Android、Jabber for Windows、Jabber for Mac)では、APNs による影響はありません。
Cisco Jabber クライアント対応の APNs の詳細については、Cisco Jabber for iPhone and iPad 対応の Apple プッシュ通知サービス(APNs)を参照してください。
Cisco Virtualization Experience Media Engine(VXME)は、Virtual Desktop Infrastructure(VDI)環境に Cisco Jabber コラボレーション エクスペリエンスを拡張することにより、不可欠なコラボレーション ソフトウェア コンポーネントを提供します。VXME はローカル プラットフォーム(シン クライアント)にインストールされるソフトウェア パッケージであり、完全に統合されたユーザ エクスペリエンスを確保しながら仮想デスクトップを介してリアルタイム メディアのルーティングをバイパスし、ローカルで終了した音声およびビデオによるリアルタイム通信を含めるために VDI セッションを拡張します。ホストされた仮想デスクトップは、ローカルにインストールされた Citrix Receiver または VMware View Client をそれぞれ介して、Citrix XenDesktop、Citrix XenApp Published Desktop または VMware VIEW でサポートされます。ホスト VDI プラットフォームに関係なく、ユーザには VXME のユニファイド コミュニケーションおよびシームレスな統合に対応した完全に統合されたアクセサリ付きの仮想デスクトップ上で Cisco Jabber を使用して、一貫した音声、ビデオ、仮想デスクトップ エクスペリエンスが提供されます。
Cisco Virtualization Experience Media Engine(VXME)の詳細については、次の Web サイトのデータ シートおよび製品マニュアルを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/products/collaboration-endpoints/virtualization-experience-media-engine/index.html
次の項では、Cisco Virtualization Experience Media Engine(VXME)を配置するときに重要な設計上の考慮事項について説明します。
ネットワークが 8021.q Dual VLAN 用に設定されている場合、Cisco Virtualization Experience Media Engine(VXME)に追加の設定は必要ありません。ネットワークが 802.1q Dual VLAN 用に設定されていない場合、QoS はベスト エフォート型であり、シン クライアントはデータ VLAN に配置する必要があります。トラフィック マーキングの詳細については、次の Web サイトで入手可能な QoS 設計ガイドを参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/solutions/enterprise/design-zone-ipv6/design-guide-listing.html
音声およびビデオのコール アドミッション制御は、既存の Cisco Unified IP Phone ガイドラインに従っており、仮想デスクトップの帯域幅制御は、接続ブローカ設定を介して提供されます。
低速または信頼性の低い WAN リンクで集中型呼処理プラットフォームから分離された支社ロケーションに Cisco VXME を配置する場合は、ローカル呼処理の冗長性を考慮することが重要です。Jabber がデスクフォン制御モードで動作している場合、WAN の障害時は、Cisco Jabber クライアントが実行される、ホストされた仮想デスクトップ(HVD)はデータセンターと共に配置されている Cisco Unified CM と通信し続けます。ただし、VXC ゼロ クライアントとペアになっているデスクトップ フォンへの Cisco Unified CM 接続は失われます。各支社ロケーションの Cisco IOS ルータ上で Survivable Remote Site Telephony(SRST)または拡張 SRST を使用することで、集中型呼処理プラットフォームへの接続が失われた場合でも VXC クライアントとペアになっているデスクフォンのエンドポイントの基本的な IP テレフォニー サービスは維持できます。
この項で説明されているように、一部のサードパーティ製 IP Phone およびデバイスは、基本的な IP テレフォニー機能を提供するためにシスコの呼制御と統合されている場合があります。
サードパーティ製電話機には、機能アクセス ボタン(固定または可変)など、呼制御シグナリング プロトコルとは関係しない、固有のローカル機能が備わっています。基本的な SIP RFC サポートでは、特定のデスクトップ機能が Cisco Unified IP Phone と同じになるように対応し、特定機能の相互運用性にも対応します。ただし、これらのサードパーティ製 SIP 電話機は、Cisco Unified IP Phone の機能をフル装備しているわけではありません。
シスコは、Cisco Developer Network に参加している、Cisco Unified CM と Unified CME SIP の機能を利用するソリューションを開発している主要なサードパーティ ベンダーと協力しています。たとえば Tenacity Operating は accessaphone ipTTY という名前のソフトウェア ベースのエンドポイントを提供しています。このエンドポイントにより、IP テレフォニー用のターミナル テレタイプ(TTY)またはテキスト ベースの通信が有効になります。このソフトウェア ベースのエンドポイントは、サードパーティ製の SIP 電話機として Cisco Unified CM に登録および通信できます。
シスコの回線側 SIP の相互運用性の詳細については、次の Web サイトの『Cisco Unified Communications Manager programming guide』を参照してください。
https://www.cisco.com/c/en/us/support/unified-communications/unified-communications-manager-callmanager/products-programming-reference-guides-list.html
Cisco Developer Network およびサードパーティの開発パートナーの詳細については、次の Web サイトの Cisco Developer Community で入手可能な情報を参照してください。
呼制御プラットフォームの障害発生時にもサービスを維持するため、シスコのエンドポイントは登録および呼制御サービスの冗長性に応じて、複数のノードまたは複数のサーバを使用して設定できます。
Cisco Unified CM 呼制御を使用する場合、直接設定によって、またはブートアップ フェーズ中の DHCP によって、コラボレーション エンドポイントは複数の TFTP サーバ アドレスを受け入れて処理できます。エンドポイントのブートアップ中にプライマリ TFTP サーバが停止した場合、エンドポイントはセカンダリ TFTP サーバから設定ファイルを取得できます。
各エンドポイントは、デバイス プールとも関連付けられています。デバイス プールには、1 つ以上の Unified CM サブスクライバを持つ Unified CM Group が含まれます。これらのサブスクライバのリストが、各エンドポイントの設定ファイル内に送信されます。エンドポイントは、リスト内の最初の(プライマリ)サブスクライバへの登録を試行します。その Unified CM サブスクライバが使用できない場合、エンドポイントは、リスト内の 2 番めのサブスクライバ(セカンダリ)への登録を試行します。3 番め以降も同様に続きます。サブスクライバへの登録後は、現在のサブスクライバに障害が発生すると、エンドポイントは、Unified CM Group 内の優先順位リスト内の別のサブスクライバにフェールオーバーできます。優先順位の高いサブスクライバが復旧されると、エンドポイントはそのサブスクライバに再登録します。
CTI を利用するエンドポイント(デスクフォン制御モードで稼働する Cisco Jabber デスクトップ クライアントなど)の場合、CTI サービスの冗長性が必要です。この場合、Unified CM Group 設定によってノードでの障害発生時にクライアントがプライマリ CTIManager ノードからセカンダリ CTIManager ノードにフェールオーバーできるように、複数の Unified CM ノードで Cisco CTIManager サービスが稼働している必要があります。
Unified CM クラスタから WAN を介して配置されているエンドポイントのネットワーク障害に備えるために、エンドポイントの登録に使用するサーバ リスト内に、SRST または拡張 SRST を備えた、ローカルで使用可能な Cisco Integrated Services Router(ISR)または他の Cisco IOS ルータを構成することもできます。WAN の障害発生時には、エンドポイントは SRST ルータに登録し、継続して音声テレフォニー サービスを提供します(SRST モードでは、サポートされる機能セットがこれより小さい場合もあります)。Cisco Jabber および Cisco TelePresence System ビデオ エンドポイントなど、一部のエンドポイントでは SRST がサポートされないことに注意してください。
Cisco 呼制御プラットフォームは、次のハイレベル エンドポイント機能をサポートします。
上記の数字は、通常の最大キャパシティです。呼制御プラットフォームで実際にサポートされる最大エンドポイント数は、プラットフォームが実行しているその他すべての機能や、ユーザの最繁時呼数(BHCA)などによって決まります。このため、実際のキャパシティは公称の最大キャパシティよりも小さくなることがあります。Jabber デスクトップ クライアントとその他のデスクフォン制御アプリケーションが動作できる十分な CTI キャパシティを確保できるようにするため、システムのサイジング時には Unified CM CTI キャパシティを検討する必要もあります。CTI サイジングの詳細については、コラボレーション ソリューション サイジング ガイダンスの章を参照してください。
呼制御プラットフォームのキャパシティの他に、帯域幅とコールのキャパシティに関してネットワークの容量を考慮する必要があります。Cisco Unified Wireless IP Phone 7925G や Cisco Jabber が稼働する Android スマートフォンなど、ネットワーク エンドポイントのキャパシティが物理ポートの数ではなく、共有ワイヤレス ネットワークで使用可能な帯域幅とスループットの量によって決まる 802.11 ワイヤレス接続デバイスでは、特に注意が必要です。802.11 チャネル セルあたりの音声およびビデオ コールのキャパシティについては、ワイヤレス コールのキャパシティを参照してください。
Cisco 呼制御でのエンドポイント キャパシティ(プラットフォーム固有のノードごとのエンドポイント キャパシティなど)の詳細については、コラボレーション ソリューション サイジング ガイダンスの章を参照してください。
次に、シスコ エンドポイントを配置するための大まかな設計上の推奨事項を要約したリストを示します。