この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、システムの設置および初期起動中に発生する可能性がある問題の原因を特定できるように、一般的なトラブルシューティングについて説明します。
初期起動時に過熱状態になることはほとんどありませんが、内部電圧を監視する環境監視機能についても取り上げます。
ここでは、ルータのトラブルシューティング方法について説明します。トラブルシューティング方法は、ルータの主要サブシステムに基づいて分類されています。
問題を解決できない場合は、製品を購入した代理店にお問い合わせください。シスコ カスタマー サービスおよびテクニカル サポートには、次の URL からアクセスできます。
http://www.cisco.com/en/US/support/tsd_cisco_worldwide_contacts.html
• ルータの受領日およびシャーシのシリアル番号(シャーシ背面のラベルに記載されています)
• 取り付けられているラインカードおよびシスコ ソフトウェア リリース番号。
– 可能な場合に、取り付けられているラインカードおよびシスコ ソフトウェア リリース番号を判別するには、 show version コマンドを使用します。
• 症状の簡単な説明。および問題を特定したり解決するために行った手順の簡単な説明。
システムの問題を解決するために、問題を特定のサブシステムに限定してください。現在のルータの動作と予期されたルータの動作を比較します。通常、起動時の問題は 1 つのコンポーネントが原因になっているため、各ルータ コンポーネントのトラブルシューティングを行うよりは、各サブシステムを調べる方が効率的です。
表 4-1 に、Cisco ASR 9000 シリーズ ルータのサブシステムを示します。
(注) -P PIE ファイルと x86 ベースの -PX PIE ファイルの 2 種類のイメージ ファイルがあります。-P PIE ファイルは、RSP のルート スイッチ プロセッサ(RSP-4G および RSP-8G)を備えた Cisco ASR 9000 シリーズ ルータで使用するためのものです。-PX PIE ファイルは、RSP-440 ルート スイッチ プロセッサおよび Cisco ASR 9922 ルータ ルート プロセッサを備えたルータで使用するためのものです。
一般に、電源モジュールのステータス LED、および RSP、RP、およびラインカードの英数字ディスプレイを確認することで、起動シーケンスのいつ、どこでルータに障害が発生したかを判断できます。
ルータの標準的な起動シーケンスでは、次の一連のイベントおよび状態が発生します。
1. 各電源モジュールのファンに電力が供給され、電源モジュール内に空気が送り込まれます。
電源モジュールの入力電源および出力電源インジケータが点灯します。
2. ファン トレイのファンに電力が供給され、シャーシ内に空気が送り込まれます。
3. RSP/RP の電源投入および起動プロセスが進行すると、カードの前面パネルにある英数字ディスプレイに RSP/RP のステータスが表示されます。
表 4-2 に、システムが正常に起動した後の RSP/RP カードの英数字ディスプレイの内容、および電源モジュール(AC または DC)とファン トレイの LED の正常な状態を示します。
(注) RSP/RP カードが電源トレイ内の電源モジュールと正しく通信するには、適切な入力電力が存在する必要があります。
ここでは、電源サブシステムのトラブルシューティングについて説明します。
(注) RSP/RP カードが電源トレイ内の電源モジュールと正しく通信するには、電源トレイ内の 3 台の電源モジュールのうち少なくとも 1 つへの入力電源が存在する必要があります。
AC 入力電源モジュールは、RSP/RP によって内部温度、電圧、電流負荷がモニタされます。ルータが何らかの値を超過している状態を検出すると、アラームが生成され、対応する警告メッセージがコンソールに表示されます。
図 4-1 に、バージョン 1 電源モジュールのステータス インジケータを示し、図 4-2 に、バージョン 2 電源モジュールのステータス インジケータを示します。2 つの図の後にインジケータの定義を示します。
図 4-1 バージョン 1 電源モジュールのステータス インジケータ
|
点滅:入力電圧が許容範囲外の場合 |
|
|
||
|
図 4-2 バージョン 2 電源モジュールのステータス インジケータ
|
点滅:入力電圧が許容範囲外の場合 |
|
|
||
|
AC 電源モジュールが正常に動作しない場合は、次の手順を実行してトラブルシューティングを行います。
ステップ 1 電源モジュールを取り外して装着し直し、電源モジュールが正しく装着されていることを確認します。次の項目を確認してください。
• 扉/イジェクト レバーのラッチがしっかりとロックされている。
• 電源トレイの電源スイッチが ON(1)位置に設定されている。
ステップ 2 ルータの電源がオンで、すべての電源コードが正しく接続されていることを確認します。次の内容を確認します。
• 電源トレイのコンセントに差し込まれている電源コードが固定クリップでしっかりと固定されている。
• 電源側の電源コードが専用の AC 電源コンセントにしっかりと差し込まれている。
ステップ 3 電源モジュールのステータス LED インジケータを確認します。
• 入力電源 LED(緑):AC 電源モジュールは正常に動作しており、AC 入力電圧が 200 ~ 240 VAC の公称動作範囲内であることを示します。
入力電源 LED が点滅している場合は、入力電圧が許容範囲外です。各 AC 電源モジュールが公称範囲の 200 ~ 240 VAC で動作していることを確認します。
(注) DC 電源トレイでは、両方の DC 給電が有効であれば電源入力 LED が緑に点灯し、単一の DC 給電のみが有効であれば緑で点滅します。
• 出力電源 LED(緑):DC 電源出力は正常に動作しており、バックプレーンへの -54 VDC 出力電圧は公称動作範囲内であることを示します。このインジケータが点灯するのは、電源トレイの背面にある電源スイッチが ON(1)位置に設定されているときのみです。
– すべての電源を確認した後も出力電源 LED が消灯している場合は、電源モジュールをスペアと交換します。スペアの電源モジュールが動作しない場合は、モジュールが接続されている電源トレイのトラブルシューティングを行います。
– 出力電源 LED が点滅している場合は、電源モジュールが極限電力または過電流状態です。各電源コードが専用 AC 電源モジュールに接続されていることを確認します。各 AC 電源モジュールが公称範囲 200 ~ 240 VAC で動作しており、20 A(北米)または 13 A(その他の国)以上の電源を供給していることを確認します。
• 障害 LED(赤):電源モジュール内に障害が検出されたことを示します。このインジケータは、通常の動作時は消灯しています。障害 LED が点灯している場合は次の状態を示します。
– 冗長性のために電源モジュールが取り付けられている複数の電源トレイ(Cisco ASR 9010 ルータ、Cisco ASR 9922 ルータおよび Cisco ASR 9912 ルータ)がシステムにある場合、最初の電源トレイの背面にある電源スイッチをオンとオフに切り替えることができます。電源スイッチのオンとオフを何度か繰り返しても 障害 LED が点灯したままの場合は、電源モジュールをスペアと交換します。
– スペアの電源モジュールにも障害が発生する場合は、電源トレイのバックプレーン コネクタに問題がある可能性があります。ルータの電源をオフにして、シスコ サービス担当者に連絡してください。
– 電源モジュールのファンが正常に動作していることを確認します。
電源モジュールのファンおよびファン トレイが正常に動作している場合は、電源モジュールをスペアと交換します。
DC 入力電源装置では、RSP/RP によって内部温度、電圧、および電流負荷が監視されます。ルータが何らかの値を超過している状態を検出すると、アラームが生成され、対応する警告メッセージがコンソールに表示されます。
図 4-1 に、バージョン 1 電源モジュールのステータス インジケータを示し、図 4-2 に、バージョン 2 電源モジュールのステータス インジケータを示します。2 つの図の後にインジケータの定義を示します。
DC 電源モジュールが正常に動作しない場合は、次の手順を実行してトラブルシューティングを行います。
ステップ 1 電源モジュールを取り外して装着し直し、電源モジュールが正しく装着されていることを確認します。次の項目を確認してください。
• 扉/イジェクト レバーのラッチがしっかりとロックされている。
• 電源トレイの電源スイッチが ON(1)位置に設定されている。
ステップ 2 ルータの電源がオンで、すべての電源コードが正しく接続されていることを確認します。次の内容を確認します。
• 電源コードが電源モジュールの端末スタッドにしっかりと接続されている。
ステップ 3 電源モジュールのステータス LED インジケータを確認します。
• 入力電源 LED(緑):DC 電源モジュールは正常に動作しており、DC 入力電圧は公称動作範囲 -40 ~ -72 VDC 内であることを示します。
– 入力電源 LED が点滅している場合は、電源モジュールの入力接続が緩んでいるか接続されていない、または入力電圧が最低電圧を下回っていることを示します。DC 電源が公称範囲の -40 ~ -72 VDC で動作していることを確認します。
(注) DC 電源トレイでは、両方の DC 給電が有効であれば電源入力 LED が緑に点灯し、単一の DC 給電のみが有効であれば緑で点滅します。電源モジュールへの入力接続を確認します。
– 上記の内容を確認してもインジケータが点滅する場合は、電源モジュールを交換します。
• 出力電源 LED(緑):DC 電源モジュールが正常に動作しており、バックプレーンへの -54 VDC 出力電圧は公称動作範囲内であることを示します。このインジケータが点灯するのは、電源トレイの背面にある電源スイッチが ON(1)位置に設定されているときのみです。
– すべての電源を確認した後も出力電源 LED が消灯している場合は、電源モジュールをスペアと交換します。スペアの電源モジュールが動作しない場合は、モジュールが接続されている電源トレイのトラブルシューティングを行います。
– 出力電源 LED が点滅している場合は、電源モジュールが極限電力または過電流状態です。各電源コードが専用 DC 電源モジュールに接続されていることを確認します。各 DC 電源モジュールが公称範囲の -40 ~ -72 VDC で動作していることを確認します。
• 障害 LED(赤):電源モジュール内に障害が検出されたことを示します。このインジケータは、通常の動作時は消灯しています。障害 LED が点灯している場合は、次の項目を確認してください。
– 冗長性のために電源モジュールが取り付けられている複数の電源トレイ(Cisco ASR 9010 ルータ、Cisco ASR 9922 ルータおよび Cisco ASR 9912 ルータ)がシステムにある場合、最初の電源トレイの背面にある電源スイッチをオンとオフに切り替えることができます。障害 LED がそれでも点灯している場合は、電源モジュールを取り外して装着し直します。電源スイッチのオンとオフを何度か繰り返しても 障害 LED が点灯したままの場合は、電源モジュールをスペアと交換します。
– スペアの電源モジュールにも障害が発生する場合は、電源トレイのバックプレーン コネクタに問題がある可能性があります。ルータの電源をオフにして、シスコ サービス担当者に連絡してください。
– 電源モジュールのファンが正常に動作していることを確認します。
– 電源モジュールのファンおよびファン トレイが正常に動作している場合は、障害が発生した電源モジュールをスペアと交換します。
電源モジュールには、シャーシのハードウェア ID ラベルとは異なるソフトウェア ID があります。 表 4-3 に、電源モジュールのハードウェア ID をソフトウェア ID に変換する例を示します。
|
|
---|---|
RSP/RP とファン トレイの両方が動作していれば、内部の DC 電圧はすべて正常です。
ルータの admin プロンプトで show environment コマンドを入力すると、次の例に示すように、取り付けられているカード、ファン トレイ、電源モジュールの温度と電圧の情報が表示されます。
• バックプレーンに -54 VDC を供給する AC または DC 電源モジュール
• シャーシ コンポーネントに電圧を送るシャーシ バックプレーン。
• バックプレーンからの -54 VDC をラインカードで必要とされる適切な電圧に変換するDC-DC コンバータ
ステップ 1 各電源モジュールをチェックして、次の内容を確認します。
• 電源モジュールの扉が完全に閉じられ、ラッチにより適切に固定されている。
電源モジュールが上記の条件を満たしている場合は、適切な電源が許容値内に存在し、DC 出力電力が存在します。電源モジュールは適切に機能しています。
ステップ 2 ファン トレイが動作していることを確認します。
• ファン トレイが機能している場合は、シャーシ バックプレーンから -54 VDC が供給され、バックプレーンからファン トレイへのケーブルは正しく機能しています。
• ファン トレイのいずれかまたは両方が機能しない場合は、ファン トレイ自体またはファン トレイへの -54 VDC 電源供給に問題がある可能性があります。ファン トレイを取り外して装着し直します。
• ファン トレイがそれでも動作しない場合は、ファン トレイ コントローラ カードまたはケーブルに問題がある可能性があります。ファン トレイを取り付けます。
• ファン トレイを交換しても問題が解決しない場合は、シスコ担当者に連絡してください。
ルート プロセッサ サブシステムは、RSP カード上のルート プロセッサで構成されています。RSP およびラインカードのそれぞれにメイン プロセッサとして機能する同じ CPU が内蔵されています。コントローラ エリア ネットワーク(CAN)マイクロコントローラ プロセッサは、環境を監視し、内蔵 DC-DC コンバータを制御します。
(注) 最小構成のルータを動作させるには、カード ケージの RSP スロット 0 または RP スロット 0 に RSP/RP を取り付ける必要があります。ルータに冗長 RSP/RP が搭載されている場合は、カード ケージの RSP スロット 1 または RP スロット 1 に冗長 RSP/RP を取り付ける必要があります。
ここでは、ルート プロセッサ サブシステムのトラブルシューティングについて、次の内容を説明します。
• 「RSP および RP カードのトラブルシューティング」
• 「ラインカードおよびモジュラ ポート アダプタのトラブルシューティング」
RSP/RP カードの CPU は、シャーシの制御および管理、ブート メディア機能、テレコム タイミングと高精度クロック同期、バックプレーン イーサネット ネットワーク経由のラインカードとの通信、および CAN バスを介した電源制御を行います。また、RSP/RP カードの CPU はルーティング プロトコルも実行します。
図 4-3 に、RSP カード前面パネルのポートおよび LED を示します。
図 4-4 に、RSP-440 カード前面パネルのポートおよび LED を示します。
図 4-5 に、RP カード前面パネルのポートおよび LED を示します。
|
|
||
|
|
||
|
|
||
|
|
|
|
||
|
|
||
|
|
||
|
|
||
|
|
||
|
|
|
|
||
|
|
||
|
|
||
|
|
||
|
|
||
|
|
||
|
|
RSP カードには、8 つの個別 LED インジケータ、およびシステム情報のための LED ドット マトリクス ディスプレイがあります。RSP-440 では、3 つの USB 固有 LED が追加されます。RP には、9 つの個別 LED インジケータ、およびシステム情報のための LED ドット マトリクス ディスプレイがあります。
表 4-4 に、RSP および RSP-440 の前面パネルにある 8 つの個別 LED、および 3 つの RSP-440 固有 USB LED のディスプレイ定義を示します。
|
|
|
---|---|---|
アラーム カットオフはイネーブルである。少なくとも 1 つのアラームが発生した後で ACO プッシュ ボタンが押されました。 |
||
表 4-5 に、RP 前面パネルにある 9 つの個別 LED のディスプレイ定義を示します。
RSP は、追加フラッシュ メモリ容量を提供するコンパクト フラッシュ スロット 1 つを搭載しています。RSP は、さまざまなフラッシュ デバイスの組み合わせをすべてサポートします。ATA フラッシュ ディスク、Type 1 または Type 2 のリニア フラッシュ メモリ カード、またはその両方を組み合わせて使用できます。
(注) RSP がサポートするのは +5.2 VDC フラッシュ メモリ デバイスだけです。+3.3 VDC PCMCIA デバイスはサポートしません。
(注) RSP-440 と RP に、コンパクト フラッシュ スロットがありません。
RSP/RP には、8 ピンのメディア依存型インターフェイス(MDI)RJ-45 管理 LAN ポートが 2 つあり、100 Mbps および 1000 Mbps のイーサネット接続が可能です。これらのポートには、MGT LAN 0 および MGT LAN 1 というラベルが付いています。
イーサネット ポートの伝送速度は、ユーザ設定できません。RSP/RP の自動認識方式で速度を設定しますが、速度はイーサネット ポートが接続されているネットワークによって決まります。ただし、自動認識されたデータ伝送速度が 100 Mbps でも、イーサネット ポートが提供する使用可能な帯域幅は実質的には 100 Mbps 未満です。イーサネット接続を使用する場合、予想される使用可能帯域幅は最大約 12 Mbps です。
前面パネルにある次の LED は、トラフィック ステータスとポート選択を示します(図 4-6 を参照)。
• ACT:選択されているイーサネット ポート(ETH 0 または ETH 1)を示します。
(注) RSP/RP カードでは両方のポートがサポートされるので、MGT LAN 0 は常に点灯しています。MGT LAN 0 は選択されたときに点灯します。
RSP/RP の補助ポートとコンソール ポートは、EIA/TIA-232(RS-232 ともいいます)非同期シリアル ポートであり、外部デバイスを接続してシステムのモニタおよび管理を行います。
• 補助ポート:フロー制御をサポートする RJ-45 インターフェイスであり、多くの場合モデム、チャネル サービス ユニット(CSU)、または Telnet 管理用のその他のオプション装置の接続に使用します。
• コンソール ポート:コンソール端末を接続するための RJ-45 インターフェイスを提供するレセプタクル(メス)です。
英数字メッセージ ディスプレイには、4 つの LED 文字が 1 行で表示されます(RSP については図 4-3 の番号 8、RSP-440 については図 4-4 の番号 12、および RP については図 4-5 の番号 13 を参照してください)。
英数字メッセージ ディスプレイには、ブート プロセス中およびブート プロセス完了後に、ルータのステータス メッセージが表示されます。
• ブート プロセス中のメッセージ ディスプレイは、CAN マイクロコントローラによって直接制御されます。
• ブート プロセス完了後のメッセージ ディスプレイは、Cisco IOS XR ソフトウェアによって制御されます(CAN バス経由)。
英数字メッセージ ディスプレイには、RSP/RP のステータス、ルータのエラー メッセージ、ユーザ定義ステータスとエラー メッセージなど、さまざまなレベルのシステム動作に関する情報も表示されます。
(注) すべてのシステム メッセージおよびエラー メッセージのリストについては、『Cisco IOS XR System Error Messages』を参照してください。
RSP カードのフラッシュ メモリを使用して、ルータを操作するために使用できる複数の Cisco IOS XR ソフトウェアおよびマイクロコード イメージを保存できます。新しいイメージをネットワーク経由で(またはローカル サーバから)フラッシュ メモリにダウンロードして、既存イメージと差し替えたり、追加イメージとして追加したりできます。ルータは、フラッシュ メモリに保存されているイメージから(手動または自動で)ブートできます。
フラッシュ メモリは、TFTP(Trivial File Transfer Protocol)サーバとしても機能し、他のサーバを保存されているイメージからリモートで起動したり、そのイメージを他のサーバのフラッシュ メモリに保存したりできます。
• オンボード フラッシュ メモリ( ブートフラッシュ): Cisco IOS XR ブート イメージが含まれます。
• コンパクト フラッシュ メモリ ディスク(またはカード):Cisco IOS XR ソフトウェア イメージが含まれます。
(注) RSP-440 と RP に、コンパクト フラッシュ スロットがありません。
表 4-6 に、サポートされるコンパクト フラッシュ ディスク サイズとシスコ部品番号を示します。
|
|
---|---|
ルータに電源を入れると、RSP の英数字ディスプレイに次の文字列が表示されます。
INIT:カードが挿入され、マイクロコントローラが初期化されます。
ICBC:マイクロコントローラとの通信の初期化を開始します。
PDxy:プログラマブル デバイスをロード中です(x = FPGA、y = ROMMON)。
RMN:すべてのテストが完了し、ROMMON でいつでもコマンドを入力できます。
LOAD:Minimum Boot Image(MBI)イメージを CPU にダウンロード中です。
IOXR:Cisco IOS-XR ソフトウェアの実行を開始します。
ACTV:RSP はアクティブな RSP と判断されました。
ルータに電源を入れると、RSP-440 および RP の英数字ディスプレイに次の文字列が表示されます。
INIT:カードが挿入され、マイクロコントローラが初期化されます
STID:CBC がスロット ID ピンを正しく読み取ることができませんでした
PSEQ:CBC でパワー シーケンサの障害が検出されました
DBPO:ボードの電源投入中に CBC で問題が検出されました
KPWR:ボードの電源投入中に CBC で問題が検出されました
LGNP:ボードの電源投入中に CBC で問題が検出されました
LGNI:ボードの電源投入中に CBC で問題が検出されました
RMN:すべてのテストが完了し、ROMMON でいつでもコマンドを入力できます
RRST:5 回連続して MBI 検証要求がタイムアウトになった後で、ROMMON がソフト リセットを実行しています
MVB:ROMMON が MBI 検証ブートを試行しています
IOXR:Cisco IOS XR ソフトウェアの実行を開始します
LDG:RSP/RP がロード中です(MBI が開始され、カードでアクティビティを準備中です)
INCP:ソフトウェアまたは設定に RSP/RP との互換性がありません
OOSM:RSP/RP は休止中で、メンテナンス モードになっています
ACTV:RSP/RP ロールはアクティブな RSP/RP と判断されました
STBY:RSP/RP ロールはスタンバイ RSP/RP と判断されました
英数字ディスプレイを使用して、RSP の問題を特定できます。
• 英数字ディスプレイは、シャーシ バックプレーンを経由して RSP カードの CAN マイクロコントローラから直接電力が供給されます。
– 英数字ディスプレイが動作していない場合は、CAN マイクロコントローラが誤動作している可能性があります。
– CAN マイクロコントローラが動作している場合は、RSP の電源がオンになっていなくても英数字ディスプレイは動作することがあります。
• 英数字ディスプレイは動作していないが、電源モジュールおよびファン トレイが動作している場合は、RSP が正しく取り付けられていないか、シャーシ バックプレーンからの +5 VDC 出力に障害が発生している可能性があります。
– シャーシ バックプレーンから RSP カードを取り外して装着し直し、RSP カードを初期化します。
• 英数字ディスプレイが動作している場合は、メッセージの意味を確認します(RSP については 表 4-7 を参照してください)。
CAN マイクロコントローラによって DC-DC コンバータがオンになると、RSP のブート プロセスが開始され、さまざまなステータス メッセージが表示されます。一瞬の間しか表示されないメッセージもあれば、数秒間表示されるメッセージもあります。特定の時点でメッセージが停止したように見える場合は、ブート プロセスが停止した可能性があります。
– ルータの電源を一度切って入れ直し、ルータをリセットして、ブート プロセスを開始します。ルータが再度停止する場合は、RSP を交換します(を参照)。
|
|
---|---|
FC カードの前面パネルには、システム情報を示す 3 色 LED インジケータがあります。
表 4-8 に、FC カード前面パネルにある個別 LED のディスプレイ定義を示します。
ラインカードとモジュラ ポート アダプタ(MPA)については、『 Cisco ASR 9000 Series Aggregation Services Routers Ethernet Line Card Installation Guide 』を参照してください。
• RSP、RP、FC、またはラインカードの挿入カウントが指定のしきい値に達した。OIR 挿入カウントの詳細については、を参照してください。
アラーム LED は、CAN マイクロコントローラ ソフトウェアによって制御され、さまざまなレベルのアラームを起動するしきい値レベルが設定されます。
RSP/RP カードは、温度、電圧、電流、ファン速度について継続的にシステムをポーリングします。しきい値を超えると、RSP/RP は該当するアラーム重大度をアラーム カードに設定します。これにより、対応する LED が点灯し、アラーム ディスプレイ リレーが作動して、アラーム ディスプレイに接続された外部音響アラームまたはビジュアル アラームがアクティブになります。また、RSP/RP は、システム コンソールにしきい値違反のメッセージも表示します。
(注) 1 つ以上のアラーム LED が点灯する場合は、アラームに関するメッセージが表示されていないかシステム コンソールを確認してください。
過熱状態が発生した場合、冷却サブシステムのトラブルシューティングが必要になる場合があります。ルータの冷却サブシステムは、シャーシのファン トレイと各電源モジュールのファン 1 つで構成されています。ファン トレイと電源モジュールのファンは、空気を循環させてルータ内の動作温度を許容値内に維持します。
ここでは、冷却サブシステムのトラブルシューティングについて、次の内容を説明します。
• 「過熱状態」
ファン トレイは、交換可能なエアー フィルタを通して冷気をスイッチ ファブリックおよびアラーム カード ケージに取り込み、ラインカードおよび RSP カード ケージに取り込むことで、内部コンポーネントの動作温度を適切に維持します(Cisco ASR 9010 ルータの冷却経路については、Cisco ASR 9006 ルータの冷却経路については、Cisco ASR 9904 ルータの冷却経路についてはを参照してください)。
Cisco ASR 9922 ルータでは、ファン トレイは、シャーシの前面から中央のカード ケージに冷気を取り込み、2 つのラインカード ケージの上下ぞれぞれに取り込みます(を参照)。ファン トレイは、シャーシ バックプレーンからワイヤ ハーネスを経由して電力を供給されます。
Cisco ASR 9912 ルータでは、背面挿入ファン トレイがシャーシの前面から中央のカード ケージに冷気を取り込み、それからシャーシを通って背面に排出されます( を参照してください)。
ファン トレイには 12 個のファン(Cisco ASR 9010 ルータ、Cisco ASR 9904 ルータ、Cisco ASR 9922 ルータ、Cisco ASR 9912 ルータ)または 6 個のファン(Cisco ASR 9006 ルータ)、コントローラ カード、およびフロント パネル ステータス LED インジケータが収められます。
シャーシ内部の空気温度が上昇すると、ブロワー速度が増し、内部コンポーネントに送り込まれる冷気が増えます。内部の空気温度が特定のしきい値を超えて上昇し続けると、過熱による機器の損傷を防止するために、システム環境モニタによってすべての内部電源が遮断されます。
ファン トレイの 1 つまたは複数のファンに障害が発生したことが検出されると、システム コンソールに警告メッセージが表示されます。また、障害が発生したファンを補うために、残りのファンはフル回転で稼働します。
(注) 空気漏れのため、ファン トレイが完全に欠落している状態でシャーシを稼働させることはできません。5 分以内に欠落しているファン トレイを交換してください。シャーシが室温に戻ったら、ファン トレイの交換を行う必要があります。
AC または DC 電源モジュールは、電源モジュールの前面から冷気を取り込み、電源トレイの背面から熱気を排出するファンを 2 個備えています。
• 電源が許容範囲内の場合、電源モジュールのファンは動作しています。
– Fault および Temp インジケータが点灯します。
– 電源モジュールがシステムに過熱警告を送信し、システムをシャットダウンします。
電源モジュールのトラブルシューティングの詳細については、「電源サブシステムのトラブルシューティング」を参照してください。
(注) RSP/RP が電源トレイ内の電源モジュールと正しく通信するには、電源トレイ内の 3 台の電源モジュールのうち少なくとも 1 つへの入力電源が存在する必要があります。
次のコンソール エラー メッセージは、システムが過熱状態を検出したか、またはシステム内に許容範囲外の電力が供給されていることを示します。
先行するメッセージは、コンポーネントまたは温度センサーの障害を示している場合があります。ユーザ EXEC プロンプトで show environment コマンドまたは show environment all コマンドを入力すると、内部システム環境に関する情報が表示されます。これらのコマンドによって表示される情報は次のとおりです。
• 各カードの 2 つのセンサーによって測定された温度(吸気温度とカードのホットスポット温度)、および各電源モジュールにあるセンサーによって測定された温度
過熱状態または許容値外の状態によって環境シャットダウンが行われる場合、システムがシャットダウンする前に電源モジュールの Fault インジケータが点灯します。
初期システム起動時に過熱状態になることはほとんどありませんが、次の内容を確認してください。
• 周囲にある他の機器から排出される熱気が、シャーシのカード ケージ吸気口に入らないこと
• 十分なエアー フローを得るために、シャーシおよび電源モジュールの吸気口と排気口に 6 インチ(15.24 cm)以上のスペースを確保して、冷気がシャーシに自由に入り、熱気がシャーシから排出されること
過熱状態が発生する場合は、次の手順を使用してシャーシの冷却システムの問題を特定します。
ステップ 1 システムに電源を入れると、ファン トレイが正常に動作することを確認します。ファン トレイが動作しているかどうかを確認するには、各ファン トレイの前面パネルの LED インジケータを確認します。
• OK(緑):ファン トレイは正常に動作しており、-48 VDC が供給されています。シャーシ バックプレーンからファン トレイへのケーブルは正常であることを示します。
• Fail(赤):ファン トレイ内で障害が検出されました。ファン トレイを取り付けます。
• どちらのインジケータも点灯せず、ブロワーが動作していない場合は、ファン トレイ、またはファン トレイへの -48 VDC 電源供給に問題がある可能性があります。ステップ 2 に進みます。
ステップ 2 ファン トレイを取り外して装着し直し、非脱落型ネジを10 +/-1 インチ ポンドのトルクでしっかり締めます。
ファン トレイがそれでも機能しない場合は、ステップ 3 に進んでください。
ステップ 3 各電源モジュールの LED インジケータを調べて -48 VDC を確認します。
• 各電源モジュールの Pwr OK インジケータが点灯し、Fault インジケータが消灯している場合は、ファン トレイには -48 VDC が供給されています。
– ファン トレイが機能しない場合は、ファン トレイ コントローラ カードに問題があるか、ファン トレイ ケーブルに検出されていない問題がある可能性があります。ファン トレイを取り付けます。
– 新しいファン トレイが動作しない場合は、シスコ カスタマー サービス担当者に連絡してください。
• Fault インジケータが点灯している場合は、電源モジュールに障害が発生しています。電源装置を交換してください。
• Temp および Fault インジケータが点灯している場合は、過熱状態になっています。
– 電源モジュールのファンが正常に動作していることを確認します。
– ファンが動作していない場合は、電源モジュールを交換します。
– 電源モジュールを交換しても問題が解決しない場合は、シスコ カスタマー サービス担当者に連絡してください。