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この章では、Cisco ASR 9000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータの概要と各システム コンポーネントについて説明します。
ASR 9000 シリーズ ルータは、サービス プロバイダー アプリケーション用に最適化された次世代のエッジ アクセス ルータであり、次の局面でさまざまな役割を実行するよう設計されています。
ASR 9000 シリーズ ルータは、冗長性、アベイラビリティ、実装、電源、およびサービス プロバイダーにおけるその他の従来の要件を満たしています。
Cisco ASR 9000 シリーズは、次の 6 台のルータから構成されています。
この項では、ASR 9000 シリーズ ルータのシャーシの構成およびコンポーネントの概要を説明します。Cisco ASR 9001 および Cisco ASR 9001-S ルータの詳細については、『Cisco ASR 9001 and Cisco ASR 9001-S Router Hardware Installation Guide』を参照してください。
Cisco ASR 9010 ルータのシャーシ中央に、RSP カードの冗長ペア、および 8 枚のラインカードが配置されています。10 スロットのシャーシ サイズは、Telco、EIA、および ETSI のラックやキャビネットに収まります。
バージョン 1 電源システムは 2 台の電源トレイごとに 3 台の電源モジュールを備えています。バージョン 2 電源システムは 2 台の電源トレイごとに 4 台の電源モジュールを備えています。
図 1-1 に、バージョン 1 電源トレイを備えるシャーシのスロット位置を示します。
図 1-2 に、バージョン 2 電源トレイを備えるシャーシのスロット位置を示します。
図 1-1 ASR 9010 シャーシ コンポーネント:バージョン 1 電源トレイ
図 1-2 ASR 9010 シャーシ コンポーネント:バージョン 2 電源トレイ
Cisco ASR 9006 ルータのシャーシ中央に、RSP カードの冗長ペア、および 4 枚のラインカードが配置されています。6 スロットのシャーシ サイズは、Telco、EIA、および ETSI のラックやキャビネットに収まります。
バージョン 1 電源システムは、単一電源トレイに 3 台の電源モジュールを備えています。バージョン 2 電源システムは、単一電源トレイに 4 台の電源モジュールを備えています。
図 1-3 に、バージョン 1 電源トレイを備えるシャーシのスロット位置を示します。
図 1-4 に、バージョン 2 電源トレイを備えるシャーシのスロット位置を示します。
図 1-3 ASR 9006 シャーシ コンポーネント:バージョン 1 電源トレイ
図 1-4 ASR 9006 シャーシ コンポーネント:バージョン 2 電源トレイ
Cisco ASR 9922 ルータのシャーシ中央に、RSP カードの冗長ペア、7 枚の冗長 FC カード、および 20 枚のラインカードが配置されています。22 スロットのシャーシ サイズは、Telco、EIA、および ETSI のラックやキャビネットに収まります。
Cisco ASR 9922 ルータのシャーシに、最大 7 枚の FC カードおよび 2 枚の RP カードで接続された 2 つのバックプレーンがあります。上部バックプレーンは、1 つのバックプレーン ID(BPID)カード、10 枚のラインカード、2 つのファン トレイ、4 個の電源トレイに接続します。下部バックプレーンは、BPID カード、10 枚のラインカード、2 つのファン トレイに接続します。
バージョン 2 電源システムは 4 台の電源トレイごとに 4 台の電源モジュールを備えています。
図 1-5 に、シャーシのスロット位置を示します。
Cisco ASR 9912 ルータのシャーシ中央に、RSP カードの冗長ペア、7 枚の冗長 FC カード、および 10 枚のラインカードが配置されています。シャーシは、Telco、EIA、および ETSI のラックやキャビネットに収まります。
図 1-6 に、シャーシのスロット位置を示します。
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Cisco ASR 9010 ルータおよび Cisco ASR 9006 ルータでは、次のコンポーネントは現場交換可能ユニット(FRU)です。
– 電力トレイを取り外す前にルータの電源を切る必要があります
• ギガビット イーサネット Small Form-factor Pluggable(SFP; 着脱可能小型フォーム ファクタ)トランシーバ モジュール
• 10 ギガビット イーサネット着脱可能小型フォーム ファクタ(SFP+)トランシーバ モジュール
• 10 ギガビット イーサネット着脱可能小型フォーム ファクタ(XFP)トランシーバ モジュール
(注) バックプレーン、BPID、バージョン 1 電源トレイは FRU ではありません。
Cisco ASR 9922 ルータおよび Cisco ASR 9912 ルータでは、次のコンポーネントは FRU です。
– これらのルータは、バージョン 2 電源トレイのみ使用します
– これらのルータは、電源トレイを取り外す前に電源を切断する必要があります
• ギガビット イーサネット Small Form-Factor Pluggable(SFP)トランシーバ モジュール
• 10 ギガビット イーサネット Small Form-Factor Pluggable(SFP+)トランシーバ モジュール
• 100 ギガビット イーサネット Small Form-Factor Pluggable(CFP)トランシーバ モジュール
(注) バックプレーンおよび BPID カードは FRU ではありません。
ASR 9000 シリーズ ルータのシャーシの幅は次のラックに収まります。
• レール間の寸法が 17.50 インチ(44.54 cm)の Cisco ASR 9010 ルータ用の Telco ラック
• レール間の寸法が 17.75 インチ(45.09 cm)の Cisco ASR 9006 ルータ用の Telco ラック
• レール間の寸法が 17.75 インチ(45.09 cm)の Cisco ASR 9922 ルータ用の Telco ラック
• レール間の寸法が 17.75 インチ(45.09 cm)の Cisco ASR 9912 ルータ用の Telco ラック
• 23.62 インチ(60.00 cm)幅の ETSI ラックに収めるために、23 インチ(58.42 cm)に調節可能
Cisco ASR 9010 ルータのシャーシの高さは、ラックおよびトレイのマウント オプションを含めて、36.75 インチ(93.35 cm)、つまり 21 RU(ラック ユニット)です。2 つのシャーシは、一般に使用される 42 RU ラックに収納できるため、高さが 78.74 インチ(200.00 cm)の ETSI 45 RU ラックに収納できます。
Cisco ASR 9006 ルータのシャーシの高さは、ラックおよびトレイのマウント オプションを含めて、17.50 インチ(44.45 cm)、つまり 10 RU(ラック ユニット)です。4 つのシャーシは、一般に使用される 42 RU ラックに収納できるため、高さが 78.74 インチ(200.00 cm)の ETSI 45 RU ラックに収納できます。
Cisco ASR 9922 ルータシャーシの高さは 77.00 インチ(195.58 cm)、つまり 44 RU(ラック ユニット)です。レール取り付けオプションの高さは 1.00 インチです。Cisco ASR 9922 ルータシャーシは、78.74 インチ(200.00 cm)の ETSI 45 RU ラックに収まります。
Cisco ASR 9912 ルータのシャーシの高さは 52.50 インチ(133.35 cm)、つまり 30 RU(ラック ユニット)です。レール取り付けオプションの高さは 1.00 インチです。Cisco ASR 9912 ルータのシャーシは、78.74 インチ(200.00 cm)の ETSI 45 RU ラックに収まります。
これらの 4 台の ASR 9000 シリーズ ルータのシャーシ奥行はいずれも、31.50 インチ(80.00 cm)奥行の EIA ラックまたは同等の 80.00 cm 奥行の ETSI ラックに収まります。このスペースには、前面と背面のケーブル管理スペースが含まれています。このシャーシには、前面ケーブル管理スペースを含む奥行 5.00 インチ(12.7 cm)の固定ラックマウント レールがあります。
(注) ラックとキャビネットでは、シャーシが設置されている状態でラックおよびキャビネットの扉を閉じる必要がある場合、調節可能な前面レールが必要となります。
図 1-7 に、Cisco ASR 9010 ルータの上から見た寸法を示します。
図 1-8 に、Cisco ASR 9006 ルータの上から見た寸法を示します。
図 1-9 に、Cisco ASR 9922 ルータの上から見た寸法を示します。
図 1-10 に、Cisco ASR 9912 ルータの上から見た寸法を示します。
図 1-7 Cisco ASR 9010 ルータのシャーシの設置面積の寸法:上から見た図
図 1-8 Cisco ASR 9006 ルータのシャーシの設置面積の寸法:上から見た図
図 1-9 Cisco ASR 9922 ルータのシャーシの設置面積の寸法:上から見た図
図 1-10 Cisco ASR 9912 ルータのシャーシの設置面積の寸法:上から見た図
Cisco ASR 9010 ルータのシャーシ ラインカードおよび RSP カードはすべて、各カードの上部と下部にイジェクト レバーおよび非脱落型ネジを使用して、前面に縦に取り付けられています。
Cisco ASR 9006 ルータのシャーシ RP、FC、およびラインカードはすべて、各カードの左端と右端にイジェクト レバーと非脱落型ネジを使用して、前面に横に取り付けられています。
Cisco ASR 9922 ルータのシャーシ RP、FC、およびラインカードはすべて、各カードの上部と下部にイジェクト レバーおよび非脱落型ネジを使用して、前面に縦に取り付けられています。
Cisco ASR 9912 ルータのシャーシ RP、FC、およびラインカードはすべて、各カードの上部と下部にイジェクト レバーおよび非脱落型ネジを使用して、前面に縦に取り付けられています。
• Cisco ASR 9010 ルータおよび Cisco ASR 9006 ルータに 2 枚の RSP カード
• Cisco ASR 9922 ルータおよび Cisco ASR 9912 ルータに 2 枚の RP カードと 7 枚の FC カード
– Cisco ASR 9010 ルータ:AC 電源モデルに 2 つの AC 電源トレイ、または DC 電源モデルに 2 つの DC 電源トレイ
– Cisco ASR 9006 ルータ:AC 電源モデルに 1 つの AC 電源トレイ、または DC 電源モデルに 1 つの DC 電源トレイ
– Cisco ASR 9922 ルータ:AC 電源モデルに 4 つの AC 電源トレイ、または DC 電源モデルに 4 つの DC 電源トレイ
– Cisco ASR 9912 ルータ:AC 電源モデルに 3 つの AC 電源トレイ、または DC 電源モデルに 3 つの DC 電源トレイ
(注) ラインカード スロットはラインカード専用であり、これらのスロットで RSP/RP/FC カードを使用することはできません。RSP/RP/FC スロットは RSP/RP/FC カード専用でり、これらのスロットでラインカードを使用することはできませんす。キー メカニズムによって、RSP スロットへのラインカードの挿入、およびラインカード スロットへの RSP カードの挿入を防ぐことができます。キー メカニズムのピンをかみ合わせてから、カード アライメント ピンをかみ合わせます。
図 1-11 に、ケーブル管理用トレイを使用してCisco ASR 9010 ルータシャーシ前面でカード インターフェイス ケーブルを管理する方法を示します。
ケーブル管理トレイは、カード ケージの上にあり(Cisco ASR 9922 ルータおよび
Cisco ASR 9912 ルータには、下部カード ケージの下に追加ケーブル管理トレイがあります)、カードの挿入や取り外しを妨げません。トレイ上部のヒンジ付きカバーを上げると、経路ケーブルに簡単にアクセスできます。
ラインカードと RSP/RP カードは、同じケーブル管理用トレイを共有しています。カードに接続されたケーブルは、取り外す前に接続を解除する必要があります(これにより隣接のカードが影響を受けることはありません)。ラインカードまたは RSP/RP カードを取り外す場合、そのカード自体に関連するケーブル以外に、ケーブルの取り外しや調整は必要ありません。
ケーブル管理は 1.5 インチ(3.81 cm)曲げ半径を収容できます。スロットごとのスペースに限りがあるため、ケーブル管理用トレイの端にあるラインカード スロットでは、シャーシ幅の外側にあるスペースを使用して 1.5 インチ(3.81 cm)曲げ半径を収容します。
前面プレート正面のファイバ曲げ半径および張力緩和のためのスペースは、3.75 インチ(9.53 cm)です。
図 1-12 に示すように、ファイバおよびケーブルは、スロット番号ラベルから離れて上に向けられています。このため、カード ケージの下部にあるスロット番号ラベルは、ケーブルで隠れないようになっています。
図 1-12 Cisco ASR 9010 ルータでのファイバ/ケーブルの経路
電源コードは背面にあります。DC 電源モジュールへの A および B の給電元が分かれているため、ケーブル経路はシャーシの反対側に向かっています。ケーブル タイ ダウン ポイントが提供されています。
図 1-13 に、電源トレイの DC 電源ケーブルの経路を示します。
すべてのスロット カードは明確に付番されます。スロットを識別するラベルは、シャーシ前面から視認でき、明確に付番されて各スロットの下に示されています。上記のように、ファイバとケーブルの経路は上方向であるため、スロット ID ラベルが隠れることはありません。
図 1-14 に、バージョン 1 電源トレイを備える Cisco ASR 9010 ルータのスロット ID 付番を示します。
図 1-15 に、バージョン 2 電源トレイを備える Cisco ASR 9010 ルータのスロット ID 付番を示します。
図 1-14 ASR 9010 ルータのスロット ID 付番:バージョン 1 電源トレイ
図 1-15 ASR 9010 ルータのスロット ID 付番:バージョン 2 電源トレイ
図 1-16 に、バージョン 1 電源トレイを備える Cisco ASR 9006 ルータのスロット ID 付番を示します。
図 1-17 に、バージョン 2 電源トレイを備える Cisco ASR 9006 ルータのスロット ID 付番を示します。
図 1-16 ASR 9006 ルータのスロット ID 付番:バージョン 1 電源トレイ
図 1-17 ASR 9006 ルータのスロット ID 付番:バージョン 2 電源トレイ
図 1-18 に、バージョン 2 電源トレイを備える Cisco ASR 9922 ルータのスロット番号を示します。
図 1-19 に、バージョン 2 電源トレイを備える Cisco ASR 9912 ルータのスロット番号を示します。
(注) Cisco ASR 9922 ルータの場合、下部カード ケージのスロット 10 から 19 では、ラインカードは上下逆に取り付ける必要があります。一方、上部カード ケージのスロット 0 から 9 では、ラインカードは右側が上になるように取り付けます。
図 1-18 ASR 9922 ルータのコンポーネントとスロット番号
図 1-19 Cisco ASR 9912 ルータのコンポーネントとスロット番号
電源モジュールには、上記の図に示すシャーシ上のハードウェア ID ラベルとは異なるソフトウェア ID があります。 表 1-1 に、電源モジュールのハードウェア ID および対応するソフトウェア ID の一覧を示します。
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RSP カードは、Cisco ASR 9010 ルータおよび Cisco ASR 9006 ルータの主要コントロールおよびスイッチ ファブリック要素です。冗長性を確保するために、各ルータには 2 つの RSP カードを装備できます。1 つはアクティブ コントロール RSP として、もう 1 つはスタンバイ RSP として使用します。アクティブ RSP が故障すると、スタンバイ RSP がすべての制御機能を引き継ぎます。
RP カードは、Cisco ASR 9922 ルータおよび Cisco ASR 9912 ルータの主要なコントロール要素です。RP カードは、一元的なシャーシ コントロール、管理、およびデータ プレーン スイッチングを提供します。冗長性を確保するために、各ルータには 2 つの RP カードが搭載されています。1 つはアクティブ コントロール RP として、もう 1 つはスタンバイ RP として使用します。アクティブ RP が故障すると、スタンバイ RP がすべての制御機能を引き継ぎます。
Cisco ASR 9922 ルータおよび Cisco ASR 9912 ルータでは、スイッチ ファブリックは FC カードに移動されました。
システム アラームが RSP に常駐しています。アラームは、クリティカル(赤)、メジャー(赤)、およびマイナー(黄)の 3 つのレベルのインジケータで構成されています。アラームおよび障害情報をリモートで表示するためのコンソール インターフェイスがあります。RSP には、次の情報およびアラーム LED とコネクタが含まれています。
• 1 つの外部コンパクト フラッシュ タイプ I/II(RSP-440 を除く)
• 2 つの EIA/TIA-232 RJ232 シリアル RJ45 ポート:それぞれコンソールと補助モデム用のポートで、バックプレーンへの製造テスト接続を装備
• 2 つのデュアル スピード 100/1000 Mbit イーサネット管理ポート
• 1 つの 4 文字 5x7 LED ドット マトリクス ディスプレイおよび個別のステータス LED
• ACO(アラーム カットオフ)と Lamp Test 一時プッシュ ボタン
• 2 つの RJ45 同期タイミング ポート(RJ45 に組み込まれたリンク LED と障害 LED を含む)
• アラーム出力 DB9 ポート(3 つのアラーム出力を含む)
図 1-20 に、RSP カードの前面パネルを示します。
図 1-21 に、RSP-440 カードの前面パネルを示します。
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システム アラームが RP に常駐しています。アラームは、クリティカル(赤)、メジャー(赤)、およびマイナー(オレンジ)の 3 つのレベルのインジケータで構成されています。アラームおよび障害情報をリモートで表示するためのコンソール インターフェイスがあります。RP 全面パネルには、次の情報およびアラーム LED とコネクタが含まれています。
• システム タイミング入力用の RS232/422 GPS TOD RJ45 ポート
• 10 MHz および 1 PPS クロック入力 SMB ポート
• アラーム出力 DB9 ポート(3 つのアラーム出力を含む)
• 2 つの RJ45 100/1000 Mbit イーサネット管理ポート
• ACO(アラーム カットオフ)と Lamp Test 一時プッシュ ボタン
• 1 つの 4 文字 5x7 LED ドット マトリクス ディスプレイ
図 1-22 に、RP カードの前面パネルを示します。
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図 1-23 に RP カードを示します。
RSP/RP の前面パネルには、2 つの管理 LAN ポート(MGT LAN 0、MGT LAN 1)があります。これらは、アウトオブバンド管理ポートとして使用するトリプルスピード RJ-45 コネクタです。
補助(AUX)ポートおよびコンソール ポートも、RSP/RP 前面パネルにあります。これらは、システムをモニタリングおよび管理するために外部デバイスを接続するための EIA/TIA-232(RS-232 とも呼ばれます)非同期シリアル ポートです。
RSP/RP カードの前面パネルには、BITS ポートまたは J.211 ポートとして構成できる 2 つの同期(SYNC)タイミング ポートもあります。これらのポートを使用して外部のタイミング元および同期元に接続できます。
各 RSP/RP カードで 3 つのアラーム出力接点のセットが駆動されます。RSP/RP カード上のアラーム回路により、RSP/RP 前面プレート上の 9 ピン コネクタを使用してアクセスできるドライ メイク接点がアクティブにされます。ノーマル オープン接点およびノーマル クローズ接点の両方を使用できます。
RSP/RP カードは、隣接(ケーブルでつながれた)RSP/RP またはラインカードが設置されたときに、挿入または取り外すことができます。コンパクト フラッシュを取り扱うときに、RSP カードを取り外す必要はありません。ハード ドライブを保守する場合は、RSP/RP カードを取り外す必要があります。
RSP/RP カードの挿入および取り外しのために、イジェクト レバーが提供されています。カード イジェクト レバーの挿入および取り外しの強さは、約 16 ポンド(7.27 kg)です。RSP/RP カードには、ラインカードよりも長いイジェクト レバーが提供されています。これは、RSP/RP カードの方がピンの数が多いためです。
Cisco ASR 9922 ルータおよび Cisco ASR 9912 ルータでは、スイッチ ファブリックは FC カードに移動されました。
スイッチ ファブリックは複数のパラレル プレーンの単一スイッチング ステージとして設定されます。スイッチ ファブリックは、あるラインカードから別のラインカードにパケットを転送するために使用されますが、パケット処理機能は兼ね備えていません。各ファブリック プレーンは、シングル ステージ、ノンブロッキング、パケット ベースで、ストア アンド フォワード スイッチです。ファブリック輻輳を管理するため、RP には集中 Virtual Output Queue(VOQ; 仮想出力キュー)調停機能が用意されています。
スイッチ ファブリックは、ラインカード スロットあたり 550 Gbps 配信が可能です。シャーシに 5 つの FC カードが取り付けられている場合、スイッチ ファブリックは 4+1 冗長です。シャーシに 7 つの FC カードがすべて取り付けられている場合、スイッチ ファブリックは 6+1 冗長です。スイッチ ファブリックは、各 FC に 1 つのファブリックのコピーを備え、各 FC ではシャーシのスループット仕様を満たすのに十分なスイッチング キャパシティが伝送されるため、完全な冗長性が確保されます。
図 1-24 に FC カードを示します。
図 1-25 に、FC カードの前面パネルを示します。前面パネルには、ステータス LED、イジェクト レバー、イジェクト レバー リリース ボタン、および取り付けネジがあります。
バックプレーン コネクタに FC カードを挿入してり、取り外したりするために、イジェクト レバーが用意されています。カード イジェクト レバーの挿入および取り外しの強さは、約 16 ポンド(7.27 kg)です。イジェクト レバーを解放するには、イジェクト レバーのリリース ボタンを押します。
(注) イジェクト レバーのリリース ボタンを押すと、FC カードが物理的に取り外され、FC カードを再起動するために再挿入(OIR)されます。
ASR 9000 シリーズ ルータのラインカード セットは、プロセッサ、ファブリック インターフェイス、電源、およびフォワーディング回路を含む単一の基本カードを基にしています。基本カードには、次の入出力回路を含むドータカードが取り付けられています。
• Small Form-Factor Pluggable(SFP)光ファイバを搭載した 40 ポート ギガビット イーサネット
• XFP 光ファイバを搭載した 4 ポート 10 ギガビット イーサネット ライン レート カード
• XFP 光ファイバを搭載した 8 ポート 10 ギガビット イーサネット 2:1 オーバーサブスクライブ型カード
• XFP 光ファイバを搭載した 8 ポート 10 ギガビット イーサネット 80 Gbps ライン レート カード
• XFP および SFP 光ファイバを搭載したコンビネーション 2 ポート 10 ギガビット イーサネット プラス 20 ポート ギガビット イーサネット カード
• SFP+ 光ファイバを搭載した 16 ポート 10 ギガビット イーサネット オーバーサブスクライブ型カード
• SFP+ 光ファイバを搭載した 24 ポート 10GE DX ラインカード、最適化されたパケット転送
• SFP+ 光ファイバを搭載した 24 ポート 10GE DX ラインカード、最適化されたサービス エッジ
• SFP+ 光ファイバを搭載した 36 ポート 10GE DX ラインカード、最適化されたパケット転送
• SFP+ 光ファイバを搭載した 36 ポート 10GE DX ラインカード、最適化されたサービス エッジ
• CFP 光ファイバを搭載した 2 ポート 100GE DX ラインカード、最適化されたパケット転送
• CFP 光ファイバを搭載した 2 ポート 100GE DX ラインカード、最適化されたサービス エッジ
• CFP 光ファイバを搭載した 1 ポート 100GE DX ラインカード、最適化されたパケット転送
• CFP 光ファイバを搭載した 1 ポート 100GE DX ラインカード、最適化されたサービス エッジ
• 80 ギガバイト モジュラ ラインカード、最適化されたパケット転送
• 80 ギガバイト モジュラ ラインカード、最適化されたサービス エッジ
• 160 ギガバイト モジュラ ラインカード、最適化されたパケット転送
• 160 ギガバイト モジュラ ラインカード、最適化されたサービス エッジ
• SFP 光ファイバを搭載した 20 ポート GE モジュール ポート アダプタ(MPA)
• SFP+ 光ファイバを搭載した 8 ポート 10GE MPA
• XFP 光ファイバを搭載した 4 ポート 10GE MPA
• XFP 光ファイバを搭載した 2 ポート 10GE MPA
• QSFP+ 光ファイバを搭載した 2 ポート 40GE MPA
• QSFP+ 光ファイバを搭載した 1 ポート 40GE MPA
ラインカードの設置については、『Cisco ASR 9000 Series Aggregation Services Routers Ethernet Line Card Installation Guide』を参照してください。
ASR 9000 シリーズ ルータ では、ここにリストされているラインカードに加えて、SPA インターフェイス プロセッサ(SIP)および共有ポート アダプタ(SPA)がサポートされます。これらのコンポーネントの詳細については、『 Cisco ASR 9000 Aggregation Services Router SIP and SPA Hardware Installation Guide 』を参照してください。
各ラインカードで 3 つのアラーム出力接点のセット(1 つのセットは、クリティカル、メジャー、およびマイナーで構成)が駆動されます。RSP/RP 上のアラーム回路により、RSP/RP 前面プレート上の 9 ピン コネクタを使用してアクセスできるドライ メイク接点がアクティブにされます。
各ラインカードの前面パネル インジケータとその意味については、「イーサネット ラインカード」を参照してください。
ラインカードは、隣接(ケーブルでつながれた)RSP またはラインカードが設置されたときに、挿入または取り外すことができます。
バックプレーン コネクタからラインカードを挿入および取り外すために、イジェクト レバーが提供されています。カード イジェクト レバーの挿入および取り外しの強さは、約 16 ポンド(7.27 kg)です。
ASR 9000 シリーズ ルータは、AC または DC 電源によって動作します。電源システムによって、カードおよびファン トレイに電力が供給されます。
電源システムは、システム バックプレーン上の -54 VDC プリント基板の電源バスを中心とした分散電力アーキテクチャに基づいています。
-54 VDC システム バックプレーンの電源バスへの電力供給には、次の 2 つのオプションのいずれかを使用できます。
• AC システム:お客様の 200 ~ 240 V +/- 10%(180 VAC ~ 264 VAC)電源に接続された AC/DC バルク電源トレイ
• DC システム:お客様のセントラル オフィス DC バッテリ電源 -48 VDC/-60 VDC(公称 -54 VDC)に接続された DC/DC バルク電源トレイ
各電源トレイからの DC 出力電力は、バックプレーン上の電源バスに結合する 2 つの電源ブレードによってルータに接続されます。システム バックプレーンは、バックプレーンから各カードおよびファン トレイのコネクタを介して DC 電源を供給します。各カードには、分散バス電圧からの -54 VDC を特定の各カードで必要な電圧に変換するオンボード DC-DC コンバータが備わっています。
各 AC または DC 電源トレイには 4 台の電源モジュールが搭載されています。
Cisco ASR 9006 ルータの AC 電源トレイは N+1 冗長性を実現します。
Cisco ASR 9010 ルータ、Cisco ASR 9922 ルータおよび Cisco ASR 9912 ルータの AC 電源のトレイは N+N 冗長性を備えています。
Cisco ASR 9000 シリーズ ルータの DC 電源のトレイは N+1 の冗長性を備えています。
電源トレイでは、すべてのカードに -54 V を供給する単一出力バス、およびバックプレーンに挿入するファン トレイが駆動されます。
図 1-26 に、Cisco ASR 9010 ルータの 6 つのバージョン 1 電源モジュールの正面図を示します。
図 1-26 電源トレイのシステム正面図:バージョン 1 電源トレイ搭載の ASR 9010
図 1-27 に、Cisco ASR 9010 ルータの 8 つのバージョン 2 電源モジュールの正面図を示します。
図 1-27 電源トレイのシステム正面図:バージョン 2 電源トレイ搭載の ASR 9010
Cisco ASR 9006 ルータの図は、Cisco ASR 9006 ルータが最大 3 台のバージョン 1 電源モジュールまたは 4 台のバージョン 2 電源モジュールを備える電源トレイを 1 台のみサポートすることを除き同じです。
Cisco ASR 9922 ルータを AC 電源で動作させるには、それぞれが単相 220 V 20A 分岐回路によって給電される最大 4 台の電源モジュールを備える 4 台の AC 電源トレイを設置する必要があります。すべて埋まった状態のシャーシに電源を供給するには、8 台の電源モジュールで十分です。N+N 冗長性を確保するには、16 台の電源モジュールが必要です。シャーシに組み込まれているラインカードが少数の場合は、電源モジュールの使用も少数にできます。
Cisco ASR 9922 ルータを DC 電源で動作させるには、それぞれが冗長 -48 VD 60A 分岐回路の独立したペアによって給電される最大 4 台の電源モジュールを備える 4 台の DC 電源トレイを設置する必要があります。すべて埋まった状態のシャーシに電源を供給するには、15 台の電源モジュールで十分です。N+1 冗長性を確保するには、16 台の電源モジュールが必要です。シャーシに組み込まれているラインカードが少数の場合は、電源モジュールの使用も少数にできます。
Cisco ASR 9912 ルータを AC 電源で動作させるには、それぞれが単相 220 V 20A 分岐回路によって給電される最大 4 台の電源モジュールを備える 3 台の AC 電源トレイを設置する必要があります。すべて埋まった状態のシャーシに電源を供給するには、6 台の電源モジュールで十分です。N+N 冗長性を確保するには、12 台の電源モジュールが必要です。シャーシに組み込まれているラインカードが少数の場合は、電源モジュールの使用も少数にできます。
Cisco ASR 9912 ルータを DC 電源で動作させるには、それぞれが冗長 -48 VD 60A 分岐回路の独立したペアによって給電される最大 4 台の電源モジュールを備える 3 台の DC 電源トレイを設置する必要があります。すべて埋まった状態のシャーシに電源を供給するには、11 台の電源モジュールで十分です。N+1 冗長性を確保するには、12 台の電源モジュールが必要です。シャーシに組み込まれているラインカードが少数の場合は、電源モジュールの使用も少数にできます。
図 1-28 に、Cisco ASR 9922 ルータに設置されたの 16 個のバージョン 2 電源モジュールの正面図を示します。
図 1-28 電源トレイのシステム正面図:バージョン 2 電源トレイ搭載の ASR 9922
Cisco ASR 9000 シリーズのシャーシは、着脱式ファン トレイによって冷却されます。ファン トレイにより完全な冗長性が確保され、1 つのファンで障害が発生した場合でも必要な冷却が維持されます。
Cisco ASR 9010 ルータでは、2 台のファン トレイはカード ケージの下に上下に配置されています。また、簡単に取り外せるようにハンドルが付いています。
Cisco ASR 9006 ルータでは、2 台のファン トレイはカード ケージの上、中央左に隣り合わせに配置されています。ファン トレイは、下部がヒンジで固定されたファン トレイ ドアで保護されています。トレイを取り外すには、このドアを開く必要があります。
Cisco ASR 9922 ルータでは、2 台の上部ファン トレイは上部ケージと中央ケージの間に配置され、2 台の下部ファン トレイは中央と下部ケージの間に配置されています。2 台の下部ファン トレイには、2 台の上部ファン トレイと対照的に上下逆に挿入されます。Cisco ASR 9912 ルータでは、2 台のファン トレイはカード ケージの上に配置されています。各ファン トレイは、12 個の軸流ファンを保持し、シャーシの温度が制限内のときにファンの速度を減速し、音響ノイズの発生を低下させるコントローラが装備されています。また、ファン コントローラは、個々のファンの障害を感知し、レポートします。
Cisco ASR 9010 ルータのシャーシでは、前面から背面に向かう冷却パスが使用されています。吸気口はシャーシの前面下部にあり、排気口は背面上部にあります。
図 2-62 に、Cisco ASR 9010 ルータのシャーシの冷却パスを示します。
Cisco ASR 9006 ルータのシャーシでは、側面から上部、背面へと向かう冷却パスが使用されています。吸気口はシャーシの右側面にあり、排気口は背面上部にあります。
図 2-63 に、Cisco ASR 9006 ルータのシャーシの冷却パスを示します。
Cisco ASR 9922 ルータのシャーシのケージでは、前面から背面に向かう冷却パスが使用されています。吸気口は中央ケージの前面にあり、排気口は上下背面にあります。
図 2-64 に、Cisco ASR 9922 ルータのシャーシの冷却パスを示します。
Cisco ASR 9912 ルータのシャーシでは、前面から背面に向かう冷却パスが使用されています。吸気口は RP/FC カード ケージの前面にあり、排気口は背面上部にあります。
図 2-65 に、Cisco ASR 9912 ルータのシャーシの冷却パスを示します。
Cisco ASR 9010 ルータ、Cisco ASR 9006 ルータ、および Cisco ASR 9912 ルータには、冗長性確保のために 2 つのファン トレイが備わっています(図 2-66、図 2-67、図 2-68 を参照)。Cisco ASR 9922 ルータには、冗長性確保のために 4 つのファン トレイが備わっています(図 2-68 を参照)。ファン トレイには、ファン トレイのステータスを示す LED インジケータがあります。1 つのファン トレイで障害が発生した場合、システムの動作を中断することなく、そのファン トレイ アセンブリを交換できます。ファン トレイを取り外す際に、ケーブルを取り外す必要はありません。
(注) 空気漏れのため、ファン トレイが完全に欠落している状態でシャーシを稼働させることはできません。5 分以内に欠落しているファン トレイを交換してください。シャーシが室温に戻ったら、ファン トレイの交換を行う必要があります。
ASR 9000 シリーズ ルータでは、IOS XR ソフトウェアを実行し、このオペレーティング システムのシステム管理性アーキテクチャを使用します。システム管理インターフェイスは、ASR 9000 シリーズ ルータ上で実行されている次の 3 つのプロトコルで構成されています。
• CLI:Command Line Interface(コマンドライン インターフェイス)
• SNMP:Simple Network Management Protocol(簡易ネットワーク管理プロトコル)
デフォルトでは、コンソールでの CLI だけがイネーブルになっています。
Cisco IOS XR ソフトウェアには、パフォーマンス モニタリング用のグラフィカル クラフト ツールである Craft Works Interface(CWI)が組み込まれています。また、CWI は、HTTP プロトコルを使用してダウンロードできます。ユーザは、CWI を使用して、ルータのコンフィギュレーション ファイルを編集したり、Telnet/SSH アプリケーション ウィンドウを開いたり、ユーザ定義のアプリケーションを作成したりすることができます。