ADTRAN ISDN ターミナル アダプタ(TA)を使用すると、Basic Rate Interface(BRI; 基本速度インターフェイス)を使用せずに、ルータへの BRI 接続を実現できます。(シリアル ポートに接続されている)TA では、BRI コールを終端して、データを同期データ ストリームとしてルータに送信します。
このドキュメントでは、ADTRAN ISU™ TAをシスコルータと連携させる方法について説明します。先に進む前に、ADTRANのWebサイトにある製品ドキュメントを参照するこ とをお勧めします。
BRI 回線が正常に動作していることを確認します。この構成での展開の前に、BRI ポートが備わったルータの回線を使用して、回線をテストできます。また、ピア デバイスの検証とテストを行い、正常に機能することを確認します。
一部のアプリケーションでは、ADTRAN ISU で同期 Multilink PPP(MPPP; マルチリンク PPP)がサポートされている必要があります。 同期 MP がサポートされている ISU は、ISU Express(部品番号 1200.081L5、1200.081L6、および 1202.081 L6)、ISU 2x64(1200.051L1 および 1200.051L2)、および第 2 世代 ISU 128(1202.029L2 および 1202.029L3)です。
Cisco ルータで MPPP を使用するには、ISU のソフトウェア リビジョンが最新のものである必要があります。製品ごとに最低限必要なソフトウェア リビジョンを次の表に示します。
ユニット | 部品番号 | ソフトウェア リビジョン |
---|---|---|
ISU 128 | 1202.029 | E.00 |
ISU 2x64 | 1200.051 | D.00 または G.00 |
ISU Express L6 | 1200.081L6 | K.28 |
ISU Express L6 | 1202.081L6 | D.43 |
注:要件が変更する可能性があるため、「Using ADTRAN ISUs With Cisco Routers」でファームウェアの要件を確認してください 。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。
同期シリアル インターフェイスを搭載しているルータ。シリアル インターフェイスは、内蔵されているか、WIC/ネットワーク モジュールに搭載されています。
この設定には、Cisco IOS®ソフトウェアの制限はありません。
このマニュアルの情報は、特定のラボ環境に置かれたデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。実稼動中のネットワークで作業をしている場合、実際にコマンドを使用する前に、その潜在的な影響について理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
TA でダイヤルを開始する方式には、次の 3 つがあります。
V.25 または V.25bis ダイヤリング
Data Terminal Ready(DTR; データ ターミナル レディ)ダイヤリング
キーパッドダイヤル
この方式を使用すると、ルータから TA に電話番号が送信されます。この方式により、ルータは ISDN コールの発信と受信ができます。V.25 または V.25bis ダイヤリングを有効にするには、ルータ インターフェイスで dialer in-band コマンドを設定する必要があります。以下に、いくつかの例を示します。
interface Serial0 ip address 172.25.254.97 255.255.255.252 encapsulation ppp dialer in-band dialer idle-timeout 300 dialer map ip 172.25.254.98 name Remote broadcast 5551212&5551213 ppp authentication chap dialer-group 1
ISU を V.25bis ダイヤリングおよび MPPP に合わせて設定する必要があります。
ルータでは、対象トラフィックを受信すると、DTR と Request To Send(RTS; 送信要求)を生成します。これらの要求を受けて、TA は 1 つめの B チャネルでダイヤルを開始します。ただし、ルータからは、TA に 2 つめの B チャネルの接続を開始するようには指示されません。この場合、ADTRAN は、2 つめの B チャネルをダイヤルするようにプログラミングされているか、送信先の 2 つ目の番号が同じダイヤラ ストリング内に含まれている必要があります。ルータのシリアル インターフェイスは、ポイントツーポイント インターフェイスであるため、ADTRAN で設定されている B チャネルの番号は認識できません。
ルータで ppp multilink コマンドを設定しないでください。実際にマルチリンク接続を処理しているのは TA で、ルータでは TA からの同期ストリーム処理だけが必要です。
注:複数のダイヤラマップを使用しても(BRIインターフェイスと同様)、このマルチリンクの問題は解決しません。
この方式を使用すると、ルータは、特定の 1 つの電話番号に対してコールを発信できますが、着信コールは受信できません。この方式では、リモート サイトの電話番号が TA のメモリに保存されている必要があります。TA は、DTR のアップを検知すると、TA に保存されている番号にダイヤルします。これには、シリアル インターフェイスで dialer dtr コマンドを実行する必要があります。以下に、いくつかの例を示します。
例:
interface Serial0 ip address 172.25.254.97 255.255.255.252 encapsulation ppp dialer dtr dialer idle-timeout 300 ppp authentication chap
ADTRAN は DTR ダイヤリング、マルチリンク PPP などに合わせて設定され、宛先の電話番号がプログラムされている必要があります。
両方の B チャネルが ADTRAN からダイヤルされます。
TA によっては、キーパッドが搭載されていて、TA から直接インタラクティブにダイヤルできるものがあります。この方式では、接続時に、そのつどユーザが TA のキーパッドから番号を入力してダイヤルする必要があります。この方式は、主に接続を確認するテストで使用します。必要なルータの設定は、次のとおりです。
interface Serial0 ip address 172.25.254.97 255.255.255.252 encapsulation ppp dialer in-band dialer idle-timeout 300 dialer map ip 172.25.254.98 name Remote broadcast ppp authentication chap
ルータのシリアル ポートを TA に接続するには、(片方が DB-60 シリアル ポートまたはスマート シリアルの)V.35 DTE ケーブルを使用してください。 ケーブルのサンプルを次の図に示します。
TA に RS-232 ポートしか搭載されていない場合は、上記のケーブルに加えて、V.35 to RS-232(DB-25)の変換ケーブルが必要です。または、DB-60-to-DB-25 RS-232 ケーブル 1 本でも代用できます。
ケーブル配線の詳細については、シリアルケーブルの製品カタログのセクションを参照してください。
このセクションでは、V.25bis を使用した設定例を紹介します。
このセクションでは、ADTRAN ISU の設定に関するヒントを紹介します。ただし、機能、機能、および設定パラメータが変更されている可能性があるため、TAを設定する前に 、ADTRAN Webサイトを参照してください。
ADTRAN の TA を PC に接続します。これにより、TA のルータへの接続に先立って、TA にアクセスして各種パラメータを設定できます。
「Terminal」と記されている RJ-45-to-DB-9 アダプタを PC の COM ポート(通信ポート)に接続します。アダプタのRJ-45側から、フラットサテンロール型RJ-45— RJ-45ケーブル(部品番号CAB-500RJ=)を接続します。これは、コンソール接続用のすべてのシスコルータに付属しています。また、ロール型ケーブルを ADTRAN 背面の DB-25 ポート(RS-232 のラベル表示)に接続する場合は、「MODEM」と記されている RJ-45 to DB-25 アダプタ(部品番号 CAB-25AS-MMOD)が必要です。
AT!Vと入力します(またはRS366/メンテナンスポートに接続されている場合は、!Vを使用してメインメニューを取得します)。続いて、Ctrl キーを押した状態で C キーを押し、設定メニューに移動します。
次のようなメニューが表示されます(TA のモデルによって異なる場合があります)。
Ctl-V STATUS Ctl-T TEST Ctl-C CONFIG Ctl-D DIAL Ctl-X EXIT ISU 128 Configuration Menu 1) Netw. options = Dial Line 17) RTS Options = 1 ms delay 2) Switch Protocl = National ISDN1 18) CTS Options = Forced CTS 3) Call type = Data 64Kbps 19) CD Options = Normal 4) SPID 1 = 51255511110101 20) DTR Options = Idle when Off 5) SPID 2 = 51255511120101 21) DSR Options = OFF Idle+Test 6) LDN 1 = 5551111 22) Transmit Clock = Normal 7) LDN 2 = 5551112 23) Protocol = PPP asyn-sync 8) Dial options = V.25 24) Method = Multilink 9) V.25 = V.25 HDLC FLAGS 25) Quick setup 10) Auto answer = Enabled 11) Answer tone = No Answer tone 12) Connect Timout = 30 sec (def) 13) Call Screening = Answer any 14) DTE options = Synchronous 15) Bit Rate = 128000 16) Connector Type = RS-232 ____________________________________________________________________________ Select = Enter SELECT Esc NO CHANGE ____________________________________________________________________________ Ctl-V STATUS Ctl-T TEST Ctl-C CONFIG Ctl-D DIAL Ctl-X EXIT
対応する番号を使用して、各アトリビュートの設定モードに入ります。
最小限、次のアトリビュートを設定する必要があります。
Switch Protocol:電話会社が規定しているスイッチ タイプ。
Call Type:64K または 56K データのどちらかを指定します(回線のタイプに基づきます)。
SPID1、SPID2、LDN1、LDN2:該当する場合は、電話会社から提供されている SPID および LDN を割り当てます。
Dial Options:V.25。
V.25:V.25 HDLC(同期シリアルの場合)または V.25 ASYNC(非同期シリアルの場合)。
DTE options:Synchronous(同期シリアルの場合)または Asynchronous(非同期シリアルの場合)。
Bit Rate:128000(56K コールの場合は 112000)。
プロトコル:PPP asyn-sync。
Method:Multilink。
各パラメータの可能なオプションについては、ADTRAN WebサイトのISUデータシート/マニュアルを参照して 、参照することをお勧めします。ほとんどの場合、上記の例で問題ありません。
ルータの設定とテストを行うには、次の手順を実行します。
ルータのシリアル ポートに V.35 ケーブルまたは RS-232 DTE ケーブルを接続します。使用する必要があるケーブルの種類の詳細については、「ケーブル」の項を参照してください。
show controller serial x(ルータが接続されているケーブルのタイプを表示)を使用して、ルータ側のケーブルが DTE であることを確認します。以下に、いくつかの例を示します。
Router#show controller serial 1 HD unit 1, idb = 0xCF6E8, driver structure at 0xD4A30 buffer size 1524 HD unit 1, RS-232 DTE cable cpb = 0xE3, eda = 0x940, cda = 0x800 ... ...
また、ADTRAN のコネクタ タイプの設定(上記の例では、オプション 16)が、使用するケーブルと一致していることを確認します。
ルータを次のように設定します。
username peer password 0 cisco ! interface Serial1 ip address 192.168.180.2 255.255.255.0 encapsulation ppp dialer in-band !--- Enable V.25bis dialing. dialer map ip 192.168.180.22 name peer 5551111&5551112 !--- Dialer map for the peer. !--- Note the multiple numbers separated by "&" dialer-group 1 pulse-time 1 ppp authentication chap ! ip classless ip route 192.168.180.22 255.255.255.255 Serial1 dialer-list 1 protocol ip permit
注:TAが両方のチャネルを起動するには、ADTRANに2番目の番号を保存するか、Cisco dialer map文で[phonenumber1]&[phonenumber2]を使用する必要があります(推奨)。 シリアル インターフェイスは、1 つのポイントツーポイント インターフェイスにしか過ぎないため、複数のダイヤラ マップが用意されていても、マルチリンク接続には反映されません。
ADTRAN は、1 つめの番号にダイヤルしてネゴシエートと認証を行い、その後すぐに 2 つめの番号にダイヤルします。TA でマルチリンクが処理されるため、ルータで ppp multilink コマンドを設定していないことに注意してください。
注:シリアルインターフェイスを非同期モードで使用する場合は、シリアルインターフェイス設定でphysical-layer asyncコマンドを使用します。ただし、非同期通信がサポートされていないシリアル インターフェイス ハードウェアもあります。このようなインターフェイスにモデムを接続する場合は、『AUX ポート上のモデムを使用したダイヤルアウトの設定』を参照してください。このドキュメントでは AUX ポートを使用します。ただし、これらの設定手順はよく似ています。
リモート ルータに対して ping を実行します。ルータから TA にダイヤラ ストリングが送信され、ISDN リンクが開始されます。ISDN リンクがアップすると、ルータによって PPP のネゴシエートが実行され、認証が行われます。これで、トラフィックが送信できるようになります。
現在、この設定に使用できる確認手順はありません。
ここでは、設定のトラブルシューティングに使用できる情報を示します。
一部の show コマンドはアウトプット インタープリタ ツールによってサポートされています(登録ユーザ専用)。このツールを使用することによって、show コマンド出力の分析結果を表示できます。
注:debug コマンドを使用する前に、「debug コマンドに関する重要な情報」を参照してください。
debug dialer:ダイヤラ対応インターフェイスで受信したパケットに関するデバッグ情報を表示します。インターフェイスで Dial-on-Demand Routing(DDR; ダイヤルオンデマンド ルーティング)が有効になっている場合は、すべてのコールの原因(ダイヤリング原因といいます)に関する情報も表示されます。詳細については、「debug コマンド」文書の中の debug dialer 情報を参照してください。
debug serial interface:シリアル接続の失敗に関する情報を表示するには、debug serial interface EXEC コマンドを使用します。詳細については、『Debugコマンド』ドキュメントのデバッグインターフェイスのシリアル情報を参照してください。
debug ppp negotiation - Link Control Protocol(LCP; リンク制御プロトコル)、認証、Network Control Protocol(NCP; ネットワーク制御プロトコル)など、PPP コンポーネントのネゴシエート中における PPP トラフィックおよび交換に関する情報を表示します。PPP ネゴシエーションが正常に行われると、最初に LCP 状態が開放され、次に認証、最後に NCP をネゴシエートします。debug ppp negotiation の出力の見方については、『debug ppp negotiation の出力について』のドキュメントを参照してください。
debug ppp authentication:Challenge Authentication Protocol(CHAP)パケット交換や Password Authentication Protocol(PAP; パスワード認証プロトコル)交換など、PPP の認証プロトコル メッセージを表示します。詳細は、次の文書を参照してください。PPP(CHAP または PAP)認証に関するトラブルシューティング.
debug dialer と debug ppp negotiation をアクティブにしてから、ピアに対して ping を実行します。ルータはダイヤルを試行する必要があります。ISDN 接続が確立されると、PPP ネゴシエーションが開始されます。正常なコールのデバッグ出力は次のようになります。
Router#show debug Dial on demand: Dial on demand events debugging is on PPP: PPP authentication debugging is on PPP protocol negotiation debugging is on
Router#ping 192.168.180.22 Type escape sequence to abort. Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.180.22, timeout is 2 seconds: Serial1: Dialing cause ip (s=192.168.180.2,d=192.168.180.22) !--- Dialing cause is ping to 192.168.180.22. Serial1: Attempting to dial 5551111&5551112 !--- Call is dialed out using Serial1 !---(which is connected to the ADTRAN). !--- Remember that ADTRAN handles the ISDN L1-L3, so ISDN messages !--- will not be visible on the router. Se1 UNKNOWN(0x00FF): LCP not open, discarding packet. Se1 UNKNOWN(0x00FF): LCP not open, discarding packet Se1 LCP: I CONFREQ [Closed] id 49 len 15 !--- PPP Negotiation begins. Se1 LCP: AuthProto CHAP (0x0305C22305) Se1 LCP: MagicNumber 0x65FF6351 (0x050665FF6351) Se1 LCP: Lower layer not up, discarding packet %LINK-3-UPDOWN: Interface Serial1, changed state to up. Se1 PPP: Treating connection as a callout Se1 PPP: Phase is ESTABLISHING, Active Open Se1 LCP: O CONFREQ [Closed] id 47 len 15 Se1 LCP: AuthProto CHAP (0x0305C22305) Se1 LCP: MagicNumber 0x048333B0 (0x0506048333B0) Se1 LCP: I CONFACK [REQsent] id 48 len 15 Se1 LCP: AuthProto CHAP (0x0305C22305) Se1 LCP: MagicNumber 0x048333B0 (0x0506048333B0) Se1 LCP: I CONFREQ [ACKrcvd] id 50 len 15 Se1 LCP: AuthProto CHAP (0x0305C22305) Se1 LCP: MagicNumber 0x65FF6351 (0x050665FF6351) Se1 LCP: O CONFACK [ACKrcvd] id 50 len 15 Se1 LCP: AuthProto CHAP (0x0305C22305) Se1 LCP: MagicNumber 0x65FF6351 (0x050665FF6351) Se1 LCP: State is Open Se1 PPP: Phase is AUTHENTICATING, by both Se1 CHAP: O CHALLENGE id 11 len 42 from "Router" Se1 CH.AP: I CHALLENGE id 11 len 30 from "peer" Se1 CHAP: O RESPONSE id 11 len 42 from "Router" Se1 CHAP: I SUCCESS id 11 len 4 Se1 CHAP: I RESPONSE id 11 len 30 from "peer" Se1 CHAP: O SUCCESS id 11 len 4 !--- Authentication is successful. Se1 PPP: Phase is UP Se1 IPCP: O CONFREQ [Closed] id 16 len 10 Se1 IPCP: Address 192.168.180.2 (0x0306CF12B402) Se1 IPCP: I CONFREQ [REQsent] id 1 len 10 Se1 IPCP: Address 192.168.180.22 (0x0306CF12B416) Se1 IPCP: O CONFACK [REQsent] id 1 len 10 Se1 IPCP: Address 192.168.180.22 (0x0306CF12B416) %LINEPROTO-5-UPDOWN: Line protocol on Interface Serial1, changed state to up Se1 IPCP: TIMEout: Time 0x476F808 State ACKsent Se1 IPCP: O CONFREQ [ACKsent] id 17 len 10 Se1 IPCP: Address 192.168.180.2 (0x0306CF12B402) Se1 IPCP: I CONFACK [ACKsent] id 17 len 10 Se1 IPCP: Address 192.168.180.2 (0x0306CF12B402) Se1 IPCP: State is Open Se1 IPCP: Install route to 192.168.180.22 dialer Protocol up for Se1
注:debug ppp negotiationの出力の読み方の詳細については、『debug ppp negotiationの出力について』を参照してください。
このセクションでは、一般的なトラブルシューティング手順について説明します。作業ステップで問題が発生した場合、詳細については ADTRAN の技術文書を参照してください。
ADTRAN の前面のディスプレイに、次のように表示されていることを確認します。
Adtran ISU 128 [Switch-type] Ready
これによって、ISDN の設定(スイッチタイプ、Service Profile Identifier(SPID; サービス プロファイル識別子)、Local Directory Number(LDN; 市内電話番号)など)が正しく設定されていて、電話会社に受け入れられていることが確認できます。
ADTRAN のキーパッドを使用して、ピアへのテスト接続を開始します。これにより、ISDN 回線、および TA における ISDN 関連の設定が正しいことが確認できます。
ピアに対して ping を実行します。ADTRANの前面パネルディスプレイには次のように表示されます。「CALLING [PHONENUMBER"」。 この表示は、少なくとも V.25bis が正常に動作していることを示しています。このメッセージが表示されない場合は、ケーブルを交換し、さらに TA を交換してください。こうすると、ケーブルに問題があるのか、TA の V.35 インターフェイスに問題があるのかが判別できます。
debug dialer をアクティブにします。ping を実行します。デバッグ出力が次のように表示されることを確認します。
Serial1: Dialing cause ip (s=192.168.180.2, d=192.168.180.22) Serial1: Attempting to dial 5551111&5551112
このメッセージが表示されない場合は、DDR 関連で問題が発生しています。上記のとおりにルータが設定されていることを確認してください。また、ルーティングおよび対象トラフィックの定義が設定されていることを確認します。
debug serial interface をアクティブにしてから、ping を実行し、TA で Data Set Ready(DSR; データ セット レディ)が生成されることを確認します。
ルータから PPP のネゴシエートが実行されるのは、ルータが DSR のアップを検知したときだけです。DSR がアップにならない場合は、下位レイヤ(ISDN、ハードウェア、ケーブル接続など)のトラブルシューティングを行う必要があります。
改定 | 発行日 | コメント |
---|---|---|
1.0 |
19-Nov-2007 |
初版 |