このドキュメントでは、WCS でよく発生するエラー メッセージとそのトラブルシューティングの方法を説明します。
次の項目に関する知識があることが推奨されます。
Cisco WCS の設定方法
WLAN Controller(WLC)と Lightweight アクセス ポイント(LAP)を使用したワイヤレス LAN(WLAN)の設定方法
このドキュメントは、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。 このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。 ネットワークが稼働中の場合は、コマンドが及ぼす潜在的な影響を十分に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
Windows 2003 サーバに新しい WCS 4.0 ソフトウェアをインストールして実行すると、次のメッセージが表示されることがあります。
「Please select another location to extract the installer to」
インストーラ ファイルの解凍先として別のロケーションを選択した場合でもこのエラー メッセージが再び表示されることがあります。 これは、ダウンロードしたインストーラ ファイルが破損している場合に発生する可能性がある問題です。
この問題を解決するには、インストーラ ファイルをダウンロードしてセットアップ アプリケーションを再実行します。
WCS ライセンスは、ライセンス購入時に提供される WCS サーバのホスト名に基づいて発行されます。
Linux では WCS はライセンス付与のためにファイル /etc/hosts と /etc/sysconfig/network、および hostname コマンドの出力からサーバのホスト名を判別します。
WCS ライセンスのインストールでよく発生する問題の 1 つに、/etc/hosts ファイルと /etc/sysconfig/network ファイルのいずれかまたは両方が、誤って完全修飾ドメイン名(FQDN)を使用して作成されていることがあります。この問題が原因で、hostname コマンドからホスト名のみの代わりに FQDN が誤って返されます。
したがって WCS Linux サーバにライセンス ファイル(.lic)をアップロードするときに、アップロード プロセスが失敗して次のエラー メッセージが表示されることがあります。
「license file does not match local host name」
Cisco WCS ライセンスは、Cisco WCS がインストールされているサーバのホスト名に関連付けられるため、Cisco WCS ライセンス登録プロセスで正しいホスト名を入力することが重要です。 このようにしないと、生成されるライセンス キー ファイルが WCS サーバのホスト名と一致せず、ライセンス キーが機能しなくなります。 これが原因で、ライセンス ファイルのアップロード時にこのエラー メッセージが表示されます。
次のいずれかの方法でこの問題を解決できます。
WCS サーバのホスト名を、ライセンス キー ファイル名と同じものに変更する。
WCS サーバのホスト名を変更するには、次の手順を実行します。
サーバのホスト名を変更する前に、『Cisco Wireless Control System コンフィギュレーション ガイド』の『Linux での WCS の停止』の説明に従って WCS サービスを停止します。
ホスト名を変更する前に、『Cisco Wireless Control System コンフィギュレーション ガイド』の『WCS データベースのバックアップ(Linux)』の説明に従って WCS データベースのバックアップを作成します。
XenoCafe Web サイトの『Change your Hostname without Rebooting in RedHat Linux』 の説明に従って WCS Linux サーバのホスト名を変更します。
データベースの検査を実行します。
/opt/WCS4.0/bin ディレクトリ(またはインストール時に選択したディレクトリ)に移動し、./DBAdmin checkschema と入力します。
WCS を起動します。
/opt/WCS4.0/ ディレクトリ(またはインストール時に選択したディレクトリ)に移動し、./StartWCS と入力します。
Cisco ライセンス グループに、サーバの正しいホスト名を使用して新しいライセンス ファイルを再作成するよう依頼してください。
Temporal Key Integrity Protocol(TKIP)(ほとんどの場合は WPA-PSK)を実行するワイヤレス クライアントが誤った WEP キーを使用していることが WCS から報告されます。
The WEP Key configured at the station may be wrong. Station MAC Address is 00:11:85:1a:b4:e4', AP base radio MAC is '00:0V:85:65:2e:80' and Slot ID is '1'.
これは、Cisco Bug ID CSCse11202(登録ユーザ専用)が原因で発生します。 この不具合は WLAN のパフォーマンスには影響しません。 このバグに対する修正は、WLC リリース 3.2.171.6 で提供されています。 このエラー メッセージが表示されないようにするには、WLC ソフトウェアを 3.2.171.6 にアップグレードします。
ユーザが WCS テンプレートのアクセス コントロール リスト(ACL)にルールを追加する場合、ユーザが既存のリストの先頭または中央にルールを挿入するときに、シーケンス番号フィールドに既存の番号を使用すると失敗します。 このために WCS が新しいルールを ACL に挿入できません。
ログに例外が生成されます。
TRACE[com.aes] THROW java.lang.ClassCastException at com.cisco.server.managedobjects.aaa.AclHelper.addNewRule(Unknown Source)
また、このエラーはウィンドウでユーザに対しても表示されます。
Error(s): You must correct the following error(s) before proceeding: Error:\nUnknown Exception Occured.
この問題は Cisco Bug ID CSCse66255(登録ユーザ専用)が原因で発生します。 この問題を回避するには、ACL の終わりに新しいルールを追加するか、または以前のルールを変更します。 この問題は WCS バージョン 4.0.87.0 で解決されています。
WCS で大文字とスペースが含まれているダイナミック インターフェイス名(例:Enterprise Access)を作成すると、このインターフェイスは正常に作成されます。 ただし WCS からこのダイナミック インターフェイスを削除できません。 インターフェイスを削除しようとすると次のメッセージが表示されます。
「SNMP Operation failed」
この問題は Bug ID CSCsc92240(登録ユーザ専用)に関連しています。
回避策として、これらのインターフェイスは(WCS ではなく)コントローラからのみ削除できます。 WCS で作成され、大文字が含まれているダイナミック インターフェイス名は、コントローラで小文字の名前に変換されます。 コントローラのコマンドラインから大文字が含まれているインターフェイスを削除するには、小文字だけを使用する必要があります。 インターフェイス名にスペースが含まれている場合は(例:Enterprise Access)、コントローラからインターフェイスを削除するコマンドに、インターフェイス名を引用符で囲って指定します。 次に、例を示します。
config interface delete "interface name"
このシナリオのコマンドは config interface delete "enterprise access" です。
この問題は Cisco Bug ID CSCse27134(登録ユーザ専用)が原因で発生します。 nID がすべて使用されているため、WCS が現行マップまたは新しいマップに障害を保存できません。 ハード コーディングされている制限(999)に達しました。 ログには次の出力が示されます。
5/17/06 08:44:01.750 TRACE[general] Command is updateWalls 5/17/06 08:44:01.750 TRACE[general] SD Key is ServiceDomain!128 5/17/06 08:44:01.750 TRACE[objmgr] [DatabaseOpsHelper] Total Objects Deleted 0 5/17/06 08:44:01.750 TRACE[objmgr] [DatabaseOpsHelper] Total time in this Method is 0 5/17/06 08:44:01.766 TRACE[objmgr] [DatabaseOpsHelper] Total Objects Deleted 0 5/17/06 08:44:01.766 TRACE[objmgr] [DatabaseOpsHelper] Total time in this Method is 16 5/17/06 08:44:02.969 TRACE[com.aes] THROW com.bsn.server.api.BsnInternalException: COMMON-8,1,99999
回避策はありませんが、WCS バージョン 4.0 以降はこのバグの影響を受けないので、このリリースにアップグレードするとこの問題を解決できます。
WCS に次のマイナー アラームが表示されます。
Client '00:14:a5:0d:fe:3c' which was associated with AP '00:17:0f:8c:96:30', interface '0' is excluded. The reason code is '1'
このマイナー アラームは、クライアントが認証を繰り返し試行したが失敗したことを示します。 3 回目の試行後に、クライアントはクライアント除外リストに追加されます。 この時点で、60 秒間(デフォルトまたは WLAN で設定されている時間)にわたりそのクライアントの関連付けが禁止されます。 60 秒が経過したら、クライアントは再度認証可能になります。
Windows 2003 サーバに WCS 4.0 をインストールするときにこのエラー メッセージが表示されることがあります。 これは、WCS が使用しているポート 8009 が他のアプリケーションによって使用されているために発生します。 この問題を解決するには、ポート 8009 を使用するアプリケーションを判別し、そのアプリケーションを停止します。 次の手順を実行します。
Windows 2003 サーバで [Start] > [Run] > [cmd] を選択してコマンド プロンプトを開きます。
netstat -ano と入力し、アクティブな TCP 接続、TCP ポート番号、UDP ポート番号、プロセス ID(PID)をすべてリストします。
ポート 8009 を見つけ、右側の PID を書きとめておきます。
[Task Manager] に移動して [View] をクリックします。
[Columns] を選択して [PID] を選択し、[OK] をクリックします。
ステップ 3 で書きとめた PID のプロセスを見つけ、[End Process] をクリックしてそのアプリケーションを閉じます。
ロケーション サーバ 2.1 が接続する WCS 4.0 でヒート マップが作成されません。 ユーザに対して次のエラー メッセージが表示されます。
'Failed to create heat map for MAC: xx:xx:xx:xx:xx:xx Reason: Failed to find any APs in the database for a RSSI list
これは、Cisco Bug ID CSCse83815(登録ユーザ専用)が原因で発生する可能性があります。
この問題を回避するには、次の手順を実行します。一部ツールについては、ゲスト登録のお客様にはアクセスできない場合がありますことを、ご了承ください。
[Monitor] > [Maps] を選択し、AP ヒート マップが表示されないフロアを選択します。
右端のドロップダウン リストで [position aps] に移動します。
ヒート マップが機能しない AP を選択します。
左側の [Antenna Type] で [Other] を選択し、[Save] をクリックします。
[Antenna Type] に戻り、以前に使用していたものと同じアンテナを選択して [Save] をもう一度クリックします。
これでこの AP のヒートマップが機能します。
このメッセージは、信頼されている不正 AP として一時マークされていた AP をコントローラが認識していないことを意味します。 コントローラが不正 AP を検出した場合は、その AP を信頼できる AP にすることができます。信頼できる AP にした後で、コントローラがその AP から何も受信しなくなった時点でこのトラップ メッセージが表示されます。
次のバグがこのエラー メッセージに関連しています。
CSCsd73855 (登録ユーザのみ) —不正な AP はリモートサイトで検出する、として「マークされて含んでいました単一 アクセス ポイントによって」。アクセス ポイントがもはや検出するときに、WCS は信頼されたアクセス ポイントについてのアラートを抜けていますまたは失敗します置きました。
Trusted AP <mac-address> on Controller <ip-address> is missing or has failed
現時点では回避策はありません。
CSCsc59180(登録ユーザ専用):不正アクセス ポイントが WCS により検出される時点と、ユーザが状態を Known - External に設定する時点で、Cisco WCS でそのアクセス ポイントが Trusted Missing として表示されます。—
次のいずれかの状況が原因で、AP を追加および設定できないことがあります。
実行されている WCS と WLC のバージョンが非互換の場合、WCS と WLC が同一メジャー バージョンのコードを実行していることを確認してください。
AP が属するコントローラが到達不能な場合、WCS が AP の WLC に接続していることを確認してください。
WCS が低い MTU のリンクを介してコントローラをポーリングする場合は、WCS で変数 MaxVarBindsPerPDU の設定を調整してください。 このパラメータにより、1 つのパケットで送信される属性の数が決まります。 送信される属性の数を変更すると、パケットのサイズが変更されます。 この変数を操作するには、[WCS installationdirectory] > [webnms] > [classes] > [com] > [cisco] > [server] > [resources] を選択します。 ワードパッドとの SNMPparameters.properties ファイルを開き、thevariable MaxVarBindsPerPDU を見つけて下さい。 デフォルト値 100 が設定されています。 この値を 50 に変更します。これにより WCS が 1 つの SNMP パケットに組み込む属性の数が減り、パケットのサイズが小さくなります。
ロケーション サーバを WCS に追加するときに、次のエラー メッセージまたはその他のエラー メッセージが表示されることがあります。
No response from Location Server. It may be unreachable, or connectivity credentials are incorrect
Location Appliance を WCS に追加するときに問題が発生する原因となる要素は多数あります。 トラブルシューティングを行うには次のヒントを参照してください。
Location Appliance の電源がオンになっており、 電源灯が点灯したままであり点滅していないことを確認します。
WCS サーバから Location Appliance に対して ping を実行できることを確認します。
Location Appliance のコマンドライン インターフェイスを使用して、サーバ プロセスが実行中であることを確認します。
コンソールを使用して Location Appliance 内のコマンドライン パラメータが正しく設定されている場合、Location Appliance を WCS に追加するときの初期ユーザ名は admin、パスワードは admin です。 Location Appliance が追加され、ソフトウェア レベルを確認して必要に応じてアップグレードできるようになるまでは、HTTPS のチェックボックスにチェックマークを付けないでください。 使用する名前では大文字と小文字が区別されます。またこの名前は完全修飾ドメイン名ではなく Location Appliance に割り当てられたホスト名でなければなりません。
Location Appliance の設定手順の詳細については、『Location Appliance の設定』を参照してください。
Location Appliance と通信するように WCS を設定するときに、ユーザ名、パスワード、ポート番号は変更せずデフォルト状態のままにしてください。 詳細については、『WCS への Location Appliance のインポート』を参照してください。
ロケーション サーバの時刻設定が WCS の時刻と一致していることを確認します。
WCS のリビジョンが、ロケーション サーバよりも 1 つ前のリビジョンであることがあります。 この場合は WCS を最新バージョンにアップグレードしてください。
ユーザ名とパスワードの問題が解決しない場合は、(ユーザ データベースが含まれている)Location Appliance の内部データベースを出荷時の初期状態に戻すことができます。 内部データベースを出荷時の初期状態に戻すには、次の手順を実行します。
rm -f /opt/locserver/db/linux/server-eng.db コマンドを使用して server-eng.db ファイルを削除します。
/etc/rc.d/init.d/locserver 再起動コマンドを使用して Location Appliance を再起動します。
WCS を使用するロケーション サーバの資産情報ファイル(asset.out)をインポートすると、次のエラー メッセージが表示されます。
Imported file is not of the correct type. Please import .txt file
この問題は Bug ID CSCsg79427(登録ユーザ専用)に記録されており、古いバージョンの WCS と Location Appliance に関連するものです。
この問題を解決するには、asset.out ファイルの名前を asset.txt に変更し、このファイルを再インポートします。 資産情報ファイルが有効な ASCII テキスト ファイルの可能性がある場合でも、資産情報ファイルの名前は拡張子 .txt で終わる必要があります。 その他の拡張子が使用されている場合、インポート時にエラーが生成されます。
この問題は WCS バージョン 4.1.83.0 と Location Appliance バージョン 3.0.37.0 で解決されています。 WCS を使用する Location Appliance に関する資産情報をインポートおよびエクスポートする方法については、『資産情報のインポートトエクスポート』を参照してください。
WCS は MATLAB コンパイラなどのサードパーティ アプリケーションを使用します。この場合 MATLAB は特定バージョンの DFORRT.dll ライブラリを使用します。 このためアプリケーションによって DFORRT.dll ライブラリが c:\windows\system32 フォルダにすでにインストールされている場合、WCS が正しくインストールされません。 WCS を起動すると次のエラー メッセージが表示されます。
The procedure entry point _FIIfexp_ could not be located in the dynamic link library DFORRT.DLL
この問題を修正するには、DFORRT.dll ファイルを c:\windows\system32 から削除して WCS を再インストールします。
WCS で WLAN コントローラに対して変更を行うと、次のエラー メッセージが表示されることがあります。
ERROR: MIB access failed
このエラーが WCS に表示される原因として考えられるものの 1 つに、コントローラに対して誤った SNMP アクセス パラメータが設定されていることがあります。 read-only アクセス パラメータを入力するとコントローラが追加されますが、WCS は設定を変更できません。
次のステップに進む前にこの問題を解決する必要があります。 この問題を解決するには、すべての SNMP アクセス パラメータが write に設定されていることを確認します。
注: シスコでは、常に最新バージョンの WLC と WCS を使用することを推奨しています。
次の点を確認します。
WCS と WLC のソフトウェア バージョンが相互に互換である必要があります。 同じメジャー バージョンで稼働していることを確認します。
WCS と WLC を相互に同期する必要があります。 WCS GUI で [Configure] を選択します。 右側のプルダウン ボックスで [Controller] をクリックし、WLC を選択します。 [Refresh config from controller] をクリックします。
テンプレートを WLC にプッシュするときに「Permission Denied」エラー メッセージが表示される場合は、WCS にルート ユーザとしてログインしていることを確認してください。