CB21AG/PI21AG のローミング動作の最適化

はじめに

このドキュメントでは、アクセス ポイント間でローミングする際の遅延を最小限にするようにワイヤレス クライアントを設定する方法について説明します。

前提条件

要件

このドキュメントに関する固有の要件はありません。

使用するコンポーネント

このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。

• ファームウェア 4.4 以降が稼働する Cisco 802.11 a/b/g クライアント アダプタ

• Cisco Aironet Desktop Utility（ADU）バージョン 4.4 以降

このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな（デフォルト）設定で作業を開始しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。

表記法

表記法の詳細については、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。

手順

CB21AG/PI21AG（802.11a/b/g ワイヤレス クライアント アダプタ）を使用する場合、アクセスポイント間でのローミングで発生する遅延を最小限に抑えるには、次の手順を実行します。

注：これらの手順により、ドライバ層でのローミング遅延が最適化され、すべての認証タイプに適用できます。802.1x 認証を使用する場合、さらに最適化できる可能性がありますが、これについてはこのドキュメントでは説明しません。

注：ローミングを高速化するために最適化すると、バッテリの使用量が増加し、スループットが低下する可能性があります。

1. ADU クライアント ソフトウェア バージョン 4.4 以降を使用してください。

2. [BSS Aging Interval] を 30 に設定し、[Scan Valid Interval] を 20 に設定します。

   Windows コントロール パネルでこの 2 つのパラメータを設定するには、次の手順を実行します。

   1. Windows エクスプローラに移動します。

   2. [My Network Places] を右クリックします。

   3. ドロップダウンリストで [Properties] を選択します。

   4. [Wireless Network Connection#] を右クリックします。# は、Cisco CB21AG ワイヤレス LAN アダプタのインスタンス番号です。

   5. ドロップダウンリストで [Properties] を選択します。[Wireless Network Connection Properties] ダイアログボックスが表示されます。

   6. [Configure] をクリックします。

   7. [Advanced] タブをクリックします。

   8. [BSS Aging Interval] を 30 に設定し、[Scan Valid Interval] を 20 に設定します。

   これらのパラメータ値は絶対最小許容値であり、これよりも低い値を設定してはなりません。デフォルト値は、[BSS Aging Interval] は 120、[Scan Valid Interval] は 60 です。

3. アクセス ポイント カバレッジで許容されている場合は、5 GHz（802.11a）または 2.4 Ghz（802.11b/g）帯域のいずれかのみを使用するようにのみを使用するように ADU でクライアント プロファイルを設定します（両方は使用できません）。クライアント プロファイルを設定するには、次の手順を実行します。

   1. ADU クライアント ソフトウェアを起動します。

   2. [Profile Management] タブをクリックして、目的のプロファイルを強調表示し、[Modify] をクリックします。

   3. [Advanced] タブをクリックします。

   4. [Wireless Mode] で、使用しないレートをオフにします。

   5. CB21AG の管理に ADU を使用しない場合は、レジストリ設定を使用してレートを選択する必要があります。次のステップを実行します。

      1. [Start] > [Run] を選択し、regedit と入力して Registry Editor を起動します。

      2. [HKEY_LOCAL_MACHINE] > [System] > [CurrentControlSet] > [Control] > [Class] > [{4D36E972-E325-11CE-BFC1-08002bE10318}] に移動します。

      3. [4D36E972-E325-11CE-BFC1-08002bE10318] フォルダを右クリックし、[Find] を選択します。

      4. NetBand 変数を見つけるため、検索フィールドに NetBand と入力します。これは [instance] 4 桁のサブキーの下にあります。このサブキーの [DriverDesc] 値は Cisco Aironet 802.11a/b/g Wireless Adapter です。

         NetBand REG_SZ 変数は、サポートされるレートのビットマスクです。デフォルトは 15 です。値は次のとおりです。

         802.11a    0x01
         (not used) 0x02
         802.11b    0x04
         802.11g    0x08
         (not used) 0x10

         たとえば、レート 11b および 11g だけをサポートする場合は、0x04 + 0x08 = 0x0C = 12（10 進数）となります。

関連情報

• Cisco Aironet 802.11a/b/g ワイヤレス LAN クライアント アダプタ（CB21AG および PI21AG）インストレーション コンフィギュレーション ガイド、リリース 3.0
• Cisco Aironet ワイヤレス LAN クライアント アダプタ
• ワイヤレス テクノロジーに関するサポート ページ
• テクニカル サポートとドキュメント - Cisco Systems