このドキュメントでは、ワイヤレス LAN のコントローラ(WLC)でサポートされるレイヤ 2 およびレイヤ 3 のセキュリティ メカニズムの互換性マトリクスを示します。
次の項目に関する知識があることが推奨されます。
Lightweight AP および Cisco WLC の設定に関する基本的な知識
Lightweight AP Protocol(LWAPP)に関する基本的な知識
Wireless Security Solutions に関する基本的な知識
このドキュメントの情報は、ファームウェア バージョン 7.0.116.0 が稼働する Cisco 4400/2100 シリーズ WLC に基づいています。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
Cisco Unified Wireless Network ではレイヤ 2 およびレイヤ 3 セキュリティ方式がサポートされます。
レイヤ 2 セキュリティ
レイヤ 3 セキュリティ(WLAN 向け)またはレイヤ 3 セキュリティ(ゲスト LAN 向け)
レイヤ 2 セキュリティは、ゲスト LAN ではサポートされていません。
ワイヤレス LAN コントローラでサポートされる各種レイヤ 2 およびレイヤ 3 セキュリティ方式を次の表に示します。これらのセキュリティ方式は、WLAN の [WLANs] > [Edit] ページの [Security] タブでイネーブルにできます。
レイヤ 2 セキュリティのメカニズム | ||
---|---|---|
パラメータ | 説明 | |
レイヤ 2 セキュリティ | なし | レイヤ 2 の選択はありません。 |
[WPA+WPA2] | Wi-Fi Protected Access をイネーブルにするには、この設定を使用します。 | |
802.1X | 802.1x 認証をイネーブルにするには、この設定を使用します。 | |
スタティック WEP | スタティック WEP 暗号化をイネーブルにするには、この設定を使用します。 | |
[Static WEP + 802.1x] | スタティック WEP パラメータと 802.1x パラメータの両方をイネーブルにするには、この設定を使用します。 | |
CKIP | Cisco Key Integrity Protocol(CKIP)をイネーブルにするには、この設定を使用します。AP モデル 1100、1130、および 1200 では機能しますが、AP 1000 では機能しません。この機能が動作するためには、Aironet IE を有効にする必要があります。CKIP によって暗号キーが 16 バイトに拡張されます。 | |
MAC フィルタリング | MAC アドレスに基づいてクライアントをフィルタリングする場合に選択します。[MAC Filters] > [New] ページで MAC アドレスを使用してクライアントをローカルに設定します。そうでない場合は、RADIUS サーバのクライアントを構成します。 | |
レイヤ 3 セキュリティのメカニズム(WLAN 向け) | ||
パラメータ | 説明 | |
レイヤ 3 セキュリティ | なし | レイヤ 3 セキュリティは選択されません。 |
IPSec | IPSec をイネーブルにするには、この設定を使用します。IPSec を実装する前に、ソフトウェアが使用できるかどうかと、クライアント ハードウェアの互換性を確認する必要があります。 注:IPSecを有効にするには、オプションのVPN/Enhanced Security Module(ESM)(暗号化プロセッサカード)をインストールする必要があります。[Inventory] ページでコントローラにこれが装着されていることを確認します。 |
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[VPN Pass-Through] | VPN パススルーをイネーブルにするには、この設定を使用します。 注:このオプションは、Cisco 5500シリーズコントローラおよびCisco 2100シリーズコントローラでは使用できません。ただし、ACL を使用してオープンな WLAN を作成することで、Cisco 5500 シリーズ コントローラまたは Cisco 2100 シリーズ コントローラでこの機能を複製できます。 |
|
Web Policy | Web ポリシーをイネーブルにするには、このチェックボックスをオンにします。コントローラは、認証前にワイヤレス クライアントとの間で DNS トラフィックを転送します。 注:Webポリシーは、IPsecまたはVPNパススルーオプションと組み合わせて使用することはできません。 次のパラメータが表示されます。
|
|
事前認証 ACL | クライアントとコントローラ間のトラフィックに使用する ACL を選択します。 | |
[Over-ride Global Config] | [Authentication] を選択すると表示されます。[Web Login Page] で設定されたグローバル認証の設定を上書きするには、このボックスをオンにします。 | |
[Web Auth type] | [Web Policy] と [Over-ride Global Config] を選択した場合に表示されます。Web 認証タイプを選択します。
|
|
[Email Input] | [Passthrough] を選択すると表示されます。このオプションを選択すると、ネットワークへの接続時に電子メール アドレスの入力が求めれられます。 | |
レイヤ 3 セキュリティのメカニズム(ゲスト LAN 向け) | ||
パラメータ | 説明 | |
レイヤ 3 セキュリティ | なし | レイヤ 3 セキュリティは選択されません。 |
Web 認証 | このオプションを選択すると、ネットワークへのクライアントの接続時にユーザに対してユーザ名とパスワードの入力が求められます。 | |
Web パススルー | このオプションを選択すると、ユーザとパスワードによる認証を行わずにネットワークに直接アクセスできます。 | |
事前認証 ACL | クライアントとコントローラ間のトラフィックに使用する ACL を選択します。 | |
[Over-ride Global Config] | [Web Login Page] で設定されたグローバル認証の設定を上書きするには、このボックスをオンにします。 | |
[Web Auth type] | [Over-ride Global Config] を選択すると表示されます。Web 認証タイプを選択します。
|
|
[Email Input] | [Web Passthrough] を選択すると表示されます。このオプションを選択すると、ネットワークへの接続時に電子メール アドレスの入力が求めれられます。 |
注:コントローラソフトウェアリリース4.1.185.0以降では、CKIPはスタティックWEPでのみ使用できます。Dynamic WEP での使用はサポートされていません。したがって、ダイナミック WEP で CKIP を使用するように設定されたワイヤレス クライアントは、CKIP 用に設定されているワイヤレス LAN にアソシエートできません。CKIP なしでダイナミック WEP を使用する(安全性がより低い)か、または TKIP または AES で WPA/WPA2 を使用する(安全性がより高い)ことを推奨します。
ワイヤレス LAN のセキュリティを設定するときには、レイヤ 2 およびレイヤ 3 のセキュリティ方式を組み合わせて使用できます。ただし、レイヤ 2 セキュリティ方式と組み合わせて使用できない レイヤ 3 セキュリティ方式があります。次の表に、ワイヤレス LAN のコントローラでサポートされるレイヤ 2 およびレイヤ 3 のセキュリティ方式の互換性マトリクスを示します。
レイヤ 2 セキュリティのメカニズム | レイヤ 3 セキュリティのメカニズム | 互換性 |
---|---|---|
なし | なし | 有効 |
[WPA+WPA2] | なし | 有効 |
[WPA+WPA2] | Web 認証 | Invalid |
[WPA-PSK/WPA2-PSK] | Web 認証 | 有効 |
[WPA+WPA2] | Web パススルー | Invalid |
[WPA-PSK/WPA2-PSK] | Web パススルー | 有効 |
[WPA+WPA2] | 条件付き Web リダイレクト | 有効 |
[WPA+WPA2] | スプラッシュ ページ Web リダイレクト | 有効 |
[WPA+WPA2] | [VPN-PassThrough] | 有効 |
802.1x | なし | 有効 |
802.1x | Web 認証 | Invalid |
802.1x | Web パススルー | Invalid |
802.1x | 条件付き Web リダイレクト | 有効 |
802.1x | スプラッシュ ページ Web リダイレクト | 有効 |
802.1x | [VPN-PassThrough] | 有効 |
スタティック WEP | なし | 有効 |
スタティック WEP | Web 認証 | 有効 |
スタティック WEP | Web パススルー | 有効 |
スタティック WEP | 条件付き Web リダイレクト | Invalid |
スタティック WEP | スプラッシュ ページ Web リダイレクト | Invalid |
スタティック WEP | [VPN-PassThrough] | 有効 |
[Static-WEP+ 802.1x] | なし | 有効 |
[Static-WEP+ 802.1x] | Web 認証 | Invalid |
[Static-WEP+ 802.1x] | Web パススルー | Invalid |
[Static-WEP+ 802.1x] | 条件付き Web リダイレクト | Invalid |
[Static-WEP+ 802.1x] | スプラッシュ ページ Web リダイレクト | Invalid |
[Static-WEP+ 802.1x] | [VPN-PassThrough] | Invalid |
CKIP | なし | 有効 |
CKIP | Web 認証 | 有効 |
CKIP | Web パススルー | 有効 |
CKIP | 条件付き Web リダイレクト | Invalid |
CKIP | スプラッシュ ページ Web リダイレクト | Invalid |
CKIP | [VPN-PassThrough] | 有効 |
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
28-Jun-2011 |
初版 |