Cisco WLAN コントローラ(WLC)モジュール(WLCM)により、Cisco ISR および Cisco 3700 シリーズ ルータは最大 6 台のワイヤレス LAN(WLAN)アクセス ポイント(AP)を管理でき、WLAN の展開と管理が簡素化されます。これは、NM フォーム ファクタの Cisco WLC 2006 に相当します。唯一の違いは、NM-WLC(WLCM モジュール)には、内部的にホスト ルータに接続されたファスト イーサネット ポートが 1 つだけあり、NM の前面プレートの外部ファスト イーサネット ポートは無効で使用できないことです。このドキュメントでは、さまざまなシナリオで WLCM を設定する方法について説明します。
この設定を行う前に、次の要件が満たされていることを確認します。
Lightweight アクセス ポイント プロトコル(LWAPP)に関する基礎知識
WLC と Lightweight AP(LAP)に関する基礎知識
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
ここで NM-WLC は、WLAN コントローラ インターフェイスと呼ばれるルータのファスト イーサネット インターフェイスに内部的に接続されたファスト イーサネット(FE)インターフェイス(ポート 1)を 1 つだけ備えた外部 WLC(2006)と します。次の図に例を示します。
注:Cisco WLCモジュールの前面プレートの外部ファストイーサネットポートはサポートされていません。
一般的に、モジュールへの接続は、ルータ内部で service-module session コマンドを使用して行われます。
NM-WLC モジュールをルータに挿入し、有効なイメージを使ってルータを起動します。
すべてのイメージ(ipbase から adventerprisek9 まで)が NM-WLC モジュールをサポートできます。この機能は、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.4(2)XA1(ルータ ソフトウェア)で導入されました。 コントローラ ファームウェアは最小バージョンとして 3.2.78.0(コントローラ ソフトウェア)が必要です。
interface wlan-controller 1/0 で IP アドレスを設定します。ここでは、ルータのスロット 1 にモジュールが装着されているものとします。シャットダウン状態の場合は no shut を実行します。
c2811#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. c2811(config)# c2811(config)#interface wlan-controller 1/0 c2811(config-if)#ip address 192.168.99.254 255.255.255.0 c2811(config-if)#no shut c2811(config-if)#end c2811#
特権 EXEC プロンプトで、service-module session コマンドを使用してコントローラへのセッションを開きます。
c2811#service-module wlan-controller 1/0 session Trying 192.168.99.254, 2066 ... Open
注:WLCMモジュールのCisco IOSコマンドは、Cisco IOSソフトウェアリリース12.4(15) T以降が稼働するルータによって異なります。詳細については、『ルータでの Cisco WLCM の設定』を参照してください。
事前設定されていないコントローラを初めて起動した場合は、自動的に CLI ウィザードが表示され、一連の設定情報の入力が要求されます。このウィザードをスキップすることはできないため、要求された全情報を入力する必要があります。設定完了時の状態を事前に把握しておけば、質問への回答が容易になります。要求される情報の一部は、関連性が低いためすぐには使用されませんが、無効な入力は受け付けられず、バイパスもできないため、すべてを入力する必要があります。出力は次の表のようになります。
Cisco Controller |
---|
Welcome to the Cisco Wizard Configuration Tool Use the '-' character to backup System Name [Cisco_ff:f6:a0]: NMWLC Enter Administrative User Name (24 characters max): admin Enter Administrative Password (24 characters max): ***** Management Interface IP Address: 192.168.99.24 Management Interface Netmask: 255.255.255.0 Management Interface Default Router: 192.168.99.254 Management Interface VLAN Identifier (0 = untagged): 0 Management Interface Port Num [1]: 1 Management Interface DHCP Server IP Address: 192.168.99.24 AP Manager Interface IP Address: 192.168.99.25 AP-Manager is on Management subnet, using same values AP Manager Interface DHCP Server (192.168.99.24): 192.168.99.24 Virtual Gateway IP Address: 1.1.1.1 Mobility/RF Group Name: mg1 Network Name (SSID): wl15 Allow Static IP Addresses [YES][no]: no Configure a RADIUS Server now? [YES][no]: no Warning! The default WLAN security policy requires a RADIUS server. Please see documentation for more details. Enter Country Code (enter 'help' for a list of countries) [US]: US Enable 802.11b Network [YES][no]: YES Enable 802.11a Network [YES][no]: YES Enable 802.11g Network [YES][no]: YES Enable Auto-RF [YES][no]: no Configuration saved! Resetting system with new configuration... |
設定が完了すると、ルータが新しい設定で自動的にリブートし、ユーザ名とパスワードを入力する [User:]プロンプトで停止します。その後で、[(シスコ コントローラ)>] プロンプトが表示されます。
User:admin Password:***** (Cisco Controller) >
コントローラ プロンプトでは、CLI ウィザード経由で行った設定に対する追加の設定または変更を行うことができます。? を使用するとヘルプを表示するには
ルータに戻るには、Ctrl+Shift+6 を押してから放して、x を押します。これで、ルータ プロンプトが表示されます。セッションは失われないため、Enter キーを押すと、コントローラに戻ります。セッションを完全にクリアするには、ルータ プロンプトで disconnect を入力します。
コントローラが物理ポート(ポート 1)を 1 つしか備えていない場合でも、その上に静的または動的な論理インターフェイスをいくつでも作成することができるうえ、それらのインターフェイスを VLAN タグ付きまたはタグなしに設定できます。デフォルトで、コントローラは静的でタグなしの 2 つのインターフェイスを備えています。
管理インターフェイス
AP マネージャ インターフェイス
管理インターフェイスは管理目的に使用します。Web ベースの GUI インターフェイスを使用して WLCM を管理する場合は、管理インターフェイス上で IP アドレスを設定して、ユーザが管理対象にするワークステーションから到達可能にする必要があります。
注:コントローラのHTTPサーバはデフォルトで無効ですが、セキュアHTTPは有効です。そのため、コントローラの管理 IP アドレスへの URL は https://mgt-ip-address の形式にする必要があります。
AP マネージャ インターフェイスは、コントローラが LAP と対話するときに使用されます。管理インターフェイスと AP マネージャ インターフェイスは両方ともタグなしなので、それらをルータ上のインターフェイス WLC と同じ IP サブネットに配置する必要があります。
(Cisco Controller) >config (Cisco Controller) config>interface address management 192.168.99.24 255.255.255.0 192.168.99.254 (Cisco Controller) config>interface address ap-manager 192.168.99.25 255.255.255.0 192.168.99.254
CLI は次の 2 とおりの方法で設定できます。1 つは CLI の標準プロンプトから config を使用して設定する方法です。もう 1 つは、config コマンドを使用して config プロンプトに移動してから、config という単語を使用せずに CLI を発行する方法です。以下に、いくつかの例を示します。
(Cisco Controller) >config (Cisco Controller) config>interface address management 192.168.99.24 255.255.255.0 192.168.99.254
または
(Cisco Controller)>config interface address management 192.168.99.24 255.255.255.0 192.168.99.254
この例では、IP アドレス 192.168.99.24/24 を使用して管理インターフェイスを設定して、デフォルト ゲートウェイを 192.168.99.254 として定義します。
注:管理およびAP管理のデフォルトゲートウェイは、WLCMイーサネットポートのIPアドレスを指している必要があります。
注:ウィザードを使用してこれらのIPアドレスを設定すると、これらのコマンドは不要になります。これは、これらの IP アドレスの両方が同じサブネットに属しているからであって、コマンド ライン経由で設定することもできます。
いずれの場合も、最後の IP アドレス(192.168.99.254)がデフォルト ゲートウェイ IP アドレスです。コントローラ外部ではホスト ルータを経由する経路しかないため、デフォルト ゲートウェイはルータ上のインターフェイス wlan-controller1/0 の IP アドレスにする必要があります。この設定だけで、ルータからコントローラの管理インターフェイス IP アドレスに ping することができます。
c2811#ping 192.168.99.24 Type escape sequence to abort. Sending 5, 100-byte ICMP Echos to 192.168.99.24, timeout is 2 seconds: !!!!! Success rate is 100 percent (5/5), round-trip min/avg/max = 1/2/4 ms c2811#
ルータのオンボード ギガビット イーサネットインターフェイス(g0/0)に接続された LAP の電源をオンにすると、IP アドレスに対する DHCP 要求が送信されます。この例では、ルータが 192.168.100.0/24 ネットワークの IP アドレス プールを備えた DHCP サーバとして設定されます。したがって、LAPは192.168.100.101のIPアドレスを取得します。DHCPオファーは、コントローラのIPアドレスが192.168.99.24(コントローラの管理IPアドレス)であることをLAP(オプション43経由)に通知します。 LAPはコントローラ検出メッセージを192.168.99.24にユニキャストで送信します。コントローラは登録を提供し、その結果、LAPはコントローラに登録します。
WLCM に登録された LAP を表示するには、show ap summary コマンドを使用します。
(Cisco Controller) >show ap summary AP Name Slots AP Type MAC Addr Location Port ------------------ ----- --------- ----------------- ---------------- ---- AP11 2 Cisco 00:0b:85:01:03:30 1
この例では、後述するように、コントローラが 2 つの WLAN(wl15 と wl16)を使って設定されます。
クライアントC1はSSID wl15でアソシエーション要求を送信します。ルータに設定されたDHCPサーバから、IPアドレス192.168.15.101とデフォルトゲートウェイ192.168.15.1を関連付けて取得します。
クライアントC2は、SSID wl16で関連付け要求も送信します。IPアドレス192.168.16.101とデフォルトゲートウェイ192.168.16.1を関連付けて取得します。2つの異なるサブネットに2つのクライアントがあります。それらの通信は、次の図に示すように、2 つのサブインターフェイス(wlc1/0.15 と wlc1/0.16)間でルーティングを実行するルータによって可能になります。
このセットアップのためにデバイス上で必要な設定は、このドキュメントの「コントローラの設定」の項を参照してください。
ここでは、コントローラ モジュール上で必要な設定について説明します。
VLAN 15 と VLAN 16 でそれぞれ vl15 と vl16 という名前の 2 つの動的インターフェイスを作成します。
(Cisco Controller) >config interface create vl15 15 (Cisco Controller) >config interface create vl16 16
これらの VLAN インターフェイスの IP アドレス、ネットマスク、およびデフォルト ゲートウェイを割り当てます。
(Cisco Controller) >config interface address vl15 192.168.15.254 255.255.255.0 192.168.15.1 (Cisco Controller) >config interface address vl16 192.168.16.254 255.255.255.0 192.168.16.1
注:ダイナミックインターフェイスのデフォルトゲートウェイは、対応するVLANのルータのサブインターフェイスIPアドレスである必要があります。
SSID wl15 と wl16 に対応する 2 つの WLAN 15 と 16 を作成します。
(Cisco Controller) >wlan create 15 wl15 (Cisco Controller) >wlan create 16 wl16
これらの WLAN と作成した対応する VLAN インターフェイス(有線側)をバインドします。
(Cisco Controller) >wlan interface 15 vl15 (Cisco Controller) >wlan interface 16 vl16
作成した動的インターフェイスを、クライアント DHCP 要求の転送先 DHCP サーバ IP アドレスで設定します。
DHCP サーバはルータ上で設定されているため、ルータの対応するサブインターフェイス IP アドレスを指している必要があります。外部 DHCP サーバを使用している場合は、その IP アドレスを指している必要があります。
(Cisco Controller) >interface dhcp vl15 192.168.15.1 (Cisco Controller) >interface dhcp vl16 192.168.16.1
デフォルトで、認証方式として dot1X が有効になります。オープン認証を使用するには、両方の WLAN に対して次のコマンドを使用して dot1X を無効にします。
(Cisco Controller) >wlan security 802.1X disable 15 (Cisco Controller) >wlan security 802.1X disable 16
この設定は、より多くの VLAN/WLAN、認証(Lightweight Extensible Authentication Protocol(LEAP)、EAP)、QoS などのニーズに基づいて拡張することができます。
注:WLCMでは、LAPがIPサブネットブロードキャストを使用してWLCMを検出することは困難です。この原因は WLCM をバックプレーンに組み込む方法であり、LAP に直接接続された 2800 ルータのギガビット インターフェイスと LAP を同じサブネット上に配置する必要があります。IP サブネット ブロードキャストを正常に検出するには、ip helper-address/ip forward-protocol udp 12223 コマンドを使用します。これらのコマンドの本来の目的は、すべての IP ブロードキャスト フレームを転送/リレーすることです。WLC が LAP に応答を返すようにさせるには、そのフレームを WLC 管理インターフェイスにリレーして宛先を指示するだけで十分のはずです。
注:管理インターフェイスにIPアドレス、ネットマスク、およびゲートウェイ情報を設定した後は、このセクションのすべてのコントローラ設定は、Webブラウザを介したGUIアクセスによって簡単に行えます。また、ブラウザ ステーションからコントローラに到達可能にするためにネットワークで必要なすべてのルーティングが実行されます。GUI ページを開くための URL は https://192.168.99.24 です。
この項で説明したセットアップ用にルータを設定するには、次の手順を実行します。
LAP に接続されたルータ上のインターフェイス G0/0 を設定します。
インターフェイス wlan-controller 1/0 を 192.168.99.0/24 ネットワークの IP アドレスで設定し、サブインターフェイス VLAN 15 の w1/0.15 と VLAN 16 の w1/0.16 をネットワーク 192.168.15.0/24 と 192.168.16.0/24 の IP アドレスで設定します。
複数のプールが定義されたルータ上の DHCP サーバを設定します。
プール lwapp-ap が、接続先のコントローラ IP アドレスを AP に通知する DHCP オプション 43 を含む 192.168.100.0/24 ネットワークから IP アドレスを AP に割り当てます。
プール client-15 が、192.168.15.0/24 ネットワークから VLAN 15 内のクライアント(有線/無線)に IP アドレスを割り当てます。
プール client-16 が、192.168.16.0/24 ネットワークから VLAN 16 内のクライアント(有線/無線)に IP アドレスを割り当てます。
次の出力に、ルータ上の設定を示します。
ルータ |
---|
! interface GigabitEthernet0/0 Description: Connected to AP ip address 192.168.100.1 255.255.255.0 load-interval 30 duplex auto speed auto ! ip dhcp excluded-address 192.168.100.1 192.168.100.100 ! ip dhcp pool lwapp-ap !--- Creates a DHCP pool for the LAP. network 192.168.100.0 255.255.255.0 default-router 192.168.100.1 option 43 ascii "192.168.99.24" ! ip dhcp pool vlan-15 !--- Creates a DHCP pool for users that connect to WLAN wl15. network 192.168.15.0 255.255.255.0 default-router 192.168.15.1 ! ip dhcp pool vlan-16 !--- Creates a DHCP pool for users that connect to WLAN wl16. network 192.168.16.0 255.255.255.0 default-router 192.168.16.1 ! interface wlan-controller1/0 ip address 192.168.99.254 255.255.255.0 ! interface wlan-controller1/0.15 !--- Creates a sub-interface for VLAN 15. encapsulation Dot1q 15 ip address 192.168.15.1 255.255.255.0 ! interface wlan-controller 1/0.16 !--- Creates a sub-interface for VLAN 16. encapsulation Dot1q 16 ip address 192.168.16.1 255.255.255.0 ! |
ルータに装着された WLCM は、次の図に示すように、イーサネット インターフェイス経由でルータに接続された外部 WLC と論理的に同じであると見なすことができます。ネットワーク モジュールがルータのスロット 1 に装着されていると仮定すると、標準的な接続は以下で構成されます。
インターフェイス wlan-controller 1/0 経由でルータに接続された WLCM。
ルータのオンボード ギガビット イーサネット インターフェイス G0/0 に接続されたレイヤ 2 スイッチ。
スイッチに接続された Lightweight AP プロトコル(LWAPP)AP。
AP とアソシエートした無線クライアント C1 と C2、一方は WLAN 15 内、もう一方は WLAN 16 内。
この例では、2 つの無線 VLAN または WLAN(wl15 と wl16)を対応する有線側の VLAN 15 と VLAN 16 にマッピングされたコントローラ上で作成する方法と、VLAN 15 と VLAN 16 間のルーティングをルータが dot1Q サブインターフェイス経由で実行する方法を示します。
ルータでは、すべての VLAN の WLC インターフェイス(インターフェイス コンフィギュレーション モード)で 1 つずつのサブインターフェイスを作成し、それを対応する VLAN に割り当て、それぞれのサブネットから IP アドレスを設定します。
このセットアップのためにデバイス上で必要な設定については、このドキュメントの「コントローラの設定」の項を参照してください。
このセットアップのためにコントローラ モジュール上で次の手順を実行します。
コントローラで、すべての VLAN に対して、1 つずつの動的インターフェイスを対応する VLAN 内に作成し、それぞれのサブネットから IP アドレス、ネットマスク、およびデフォルト ゲートウェイを割り当てます。
(Cisco Controller)#configure interface create vl15 15 (Cisco Controller)#configure interface create vl16 16 (Cisco Controller)#configure interface address Vl15 192.168.15.254 255.255.255.0 192.168.15.1 (Cisco Controller)#configure interface address Vl16 192.168.16.254 255.255.255.0 192.168.16.1
SSID wl15 と wl16 に対応する 2 つの WLAN 15 と 16 を作成します。
(Cisco Controller)#configure wlan create 15 wl15 (Cisco Controller)#configure wlan create 16 wl16
これらの WLAN と作成した対応する VLAN インターフェイス(有線側)をバインドします。
(Cisco Controller)#configure wlan interface 15 Vl15 (Cisco Controller)#configure wlan interface 16 Vl16
ルータ上のそれぞれのサブインターフェイス IP アドレスを指しているコントローラのインターフェイス(無線クライアント用)で DHCP サーバ情報を設定します。
(Cisco Controller)#configure interface dhcp vl15 192.168.15.1 (Cisco Controller)#configure interface dhcp Vl16 192.168.16.1
これらの設定を使用すれば、適切なセキュリティ設定も実施されたという前提で、2 つの WLAN 内で 2 つの無線クライアントがアップして動作するはずです。WLAN 15 内のクライアントから WLAN 16 内のクライアントへのトラフィックは、ルータ上のサブインターフェイス w1/0.15 と w1/0.16 間でルーティングされます。同じ設定をコントローラに対してサポートされている VLAN の最大数(16)まで、任意の数の VLAN に拡張できます。
すべての有線クライアントが、LAN 間ルーティング用のインターフェイス Gig 1/0/1 経由でルータにトランクされるスイッチ(cat3750 など)に接続されているという前提で、LWAPP AP をスイッチ上のインターフェイス F1/0/1 に接続し、それを VLAN 100 用に設定します。
Interface Fastethernet 1/0/1 Description: Connected to LWAPP AP Switchport access vlan 100 Switchport mode access ! Interface Gigabitethernet 1/0/1 Description: Connected to Router Switchport trunk encapsulation dot1Q Switchport mode trunk
ルータ上で次の手順を実行します。
スイッチに接続されたインターフェイス G0/0 と、有線 LAN の VLAN 間ルーティングに必要なサブインターフェイスも設定します。
インターフェイス wlan-controller 1/0 を 192.168.99.0/24 ネットワークの IP アドレスで設定し、サブインターフェイス VLAN 15 の w1/0.15 と VLAN 16 の w1/0.16 をネットワーク 192.168.15.0/24 と 192.168.16.0/24 の IP アドレスで設定します。
複数のプールが定義されたルータ上の DHCP サーバを設定します。
プール lwapp-ap が、接続先のコントローラ IP アドレスを AP に通知する DHCP オプション 43 を含む 192.168.100.0/24 ネットワークから IP アドレスを AP に割り当てます。
プール client-15 が、192.168.15.0/24 ネットワークから VLAN 15 内のクライアント(有線/無線)に IP アドレスを割り当てます。
プール client-16 が、192.168.16.0/24 ネットワークから VLAN 16 内のクライアント(有線/無線)に IP アドレスを割り当てます。
注:APとクライアントには個別のプールが必要です。
ルータ |
---|
ip dhcp excluded-address 192.168.100.1 192.168.100.100 ip dhcp pool lwapp-ap network 192.168.100.0 255.255.255.0 default-router 192.168.100.1 option 43 ascii "192.168.99.24" ip dhcp pool client-15 network 192.168.15.0 255.255.255.0 default-router 192.168.15.1 ip dhcp pool client-16 network 192.168.16.0 255.255.255.0 default-router 192.168.16.1 ! interface GigabitEthernet0/0 Description: Connected to AP No ip address load-interval 30 duplex auto speed auto ! interface GigabitEthernet0/0.100 encapsulation dot1Q 100 ip address 192.168.100.1 255.255.255.0 interface wlan-controller1/0 ip address 192.168.99.254 255.255.255.0 ! interface wlan-controller1/0.15 encapsulation Dot1q 15 ip address 192.168.15.1 255.255.255.0 ! interface wlan-controller 1/0.16 encapsulation Dot1q 16 ip address 192.168.16.1 255.255.255.0 |
注:コントローラ上のクライアントに対してDHCPサービスを実行することもできます。ただし、コントローラは、本格的な DHCP サーバではなく、Cisco CallManager Express などのアプリケーションに必要な TFTP サーバのようなオプションをバイパスできないため、ルータ上で実行することをお勧めします。
この設定では、AP が IP アドレスを取得して、コントローラを検索し、そのコントローラに登録できます。2 つの無線クライアント C1 と C2 は、AP とアソシエートして、それぞれのサブネットから IP アドレスを取得できるはずです。
このシナリオでは、ISR HWIC スロット 0 に EtherSwitch HWIC が装着され、NM スロット 1 に NM-WLC が装着されます。有線クライアント C3 は IP アドレスが 192.168.16.102 の VLAN 15 内のインターフェイス F0/0/1 に接続され、有線クライアント C4 は IP アドレスが 192.168.15.102 の VLAN 16 内のインターフェイス F0/0/2 に接続されます。
LWAPP APは、VLAN 100のインターフェイスF0/0/0にIPアドレス192.168.100.1で接続されています。ルータは、APにIPアドレスを提供するDHCPサーバとして設定されています。たとえば、AP は、オプション 43 経由で、192.168.100.101 の IP アドレス、192.168.100.1 のデフォルト ゲートウェイ、および 192.168.99.24 のコントローラ IP アドレスを受け取ります。
注:コントローラに必要な設定は、前の例で説明した設定と似ていますが、ここでは説明しません。残りの項では、ルータ上で必要な設定について説明します。
無線クライアント C1 と C2 がそれぞれ wl15 内と wl16 内の LAP とアソシエートします。無線クライアント C1 と C2 は、ルータ上で設定された DHCP サーバまたはそれらのサブネット用の IP プールを備えた外部 DHCP サーバから割り当てられる 192.168.15.101 と 192.168.16.101 の IP アドレスも取得します。DHCP サーバが外部の場合は、IP ヘルパー アドレスを対応する VLAN とサブインターフェイス上で設定する必要があります。ルータの観点から、それはインターフェイス VLAN 15 とインターフェイス VLAN 16 で表現される 2 つの有線 VLAN と、ルータ上の WLC インターフェイスの下の dot1Q サブインターフェイス w1/0.15 と w1/0.16 で表現される 2 つの無線 VLAN を備えています。
有線VLAN 15と無線WLAN 15を集約するには、インターフェイスVLAN 15とインターフェイスw1/0.15をブリッジグループ15などに設定します。同様に、有線VLAN 16と無線WLAN 16を集約するには、インターフェイスVLAN 16とインターフェイスw1/0.16をブリッジグループ16など。この設定では、対応する有線および無線VLANが同じIPサブネット192.168.15.0/24および192.168.16.0/24に属し、ブリッジグループ内で相互に通信できます。ただし、2 つの異なるブリッジ グループ内のクライアントが相互に通信するには、ルータ上で統合ルーティングおよびブリッジング(IRB)を有効にして、それぞれのブリッジ グループ内の BVI インターフェイス経由で通信できるようにします。
注:この設定は、有線LAN用のルータにEtherSwitch HWICまたはNM-ESWがあることを前提としています。NM/HWIC ではなく EtherSwitch サービス モジュール(NME-ESW)が存在する場合は、VLAN インターフェイスがルータ上のギガビット イーサネット インターフェイスの下の対応する dot1Q サブインターフェイスに置き換えられ、設定の残りの部分は同じままになります。
ルータの設定 |
---|
! ip dhcp excluded-address 192.168.100.1 192.168.100.100 ip dhcp excluded-address 192.168.15.1 192.168.15.100 ip dhcp excluded-address 192.168.16.1 192.168.16.100 ! ip dhcp pool lwapp-ap network 192.168.100.0 255.255.255.0 default-router 192.168.100.1 option 43 ascii "192.168.99.24" ! ip dhcp pool vlan-15 network 192.168.15.0 255.255.255.0 default-router 192.168.15.1 ! ip dhcp pool vlan-16 network 192.168.16.0 255.255.255.0 default-router 192.168.16.1 interface FastEthernet0/0/0 Description: Connected to AP Switchport mode access Switchport access vlan 100 ! interface FastEthernet0/0/1 Description: Connected to C3 Switchport mode access Switchport access vlan 15 ! interface FastEthernet0/0/2 Description: Connected to C4 Switchport mode access Switchport access vlan 16 ! Interface vlan 15 Bridge-group 15 ! Interface vlan 16 Bridge-group 16 Interface vlan 100 ip address 192.168.100.1 255.255.255.0 load-interval 30 ! interface wlan-controller1/0 ip address 192.168.99.254 255.255.255.0 ! interface wlan-controller1/0.15 encapsulation Dot1q 15 bridge-group 15 ! interface wlan-controller 1/0.16 encapsulation Dot1q 16 bridge-group 16 ! Bridge irb Bridge 15 route ip Bridge 15 protocol ieee Bridge 16 route ip Bridge 16 protocol ieee Interface bvi 15 Ip address 192.168.15.1 255.255.255.0 ! Interface bvi 16 Ip address 192.168.16.1 255.255.255.0 |
ISR NMスロット2にEtherSwitchサービスモジュール(NME-ESW)を接続し、NMスロット1にNM-WLCを接続している場合、このシナリオを考えてみましょう。NME-ESWは、ギガビットイーサネットリンクを介してルータに接続されたされている外部スイッチとです。有線クライアント C3 は IP アドレスが 192.168.15.102 の VLAN 15 内のインターフェイス F0/0/1 に接続され、有線クライアント C4 は IP アドレスが 192.168.16.102 の VLAN 16 内の F0/0/2 に接続されます。
LWAPP APはVLAN 100のインターフェイスF0/0/3に接続されます。EtherSwitch内部インターフェイス(G1/0/2)は、インターフェイスGigabit Ethernet 2/0を使用してホストルータに内部で接続されます。スイッチには複数のVLANがあるため、スイッチとルータ間の内部リンクはトランクです。ルータは、IP アドレスを AP とクライアント(有線と無線)に供給するための複数プールを備えた DHCP サーバとして設定されます。
AP は、オプション 43 経由で、192.168.100.101 の IP アドレス、192.168.100.1 のデフォルト ゲートウェイ、および 192.168.99.24 のコントローラ IP アドレスを取得して、コントローラを検出し、そのコントローラに登録します。無線クライアント C1 と C2 は、WLAN 15 と 16 内の LAP とアソシエートして、IP アドレスの 192.168.15.101 と 192.168.16.101 をそれぞれ取得します。VLAN 15 と 16 内の有線クライアント C3 と C4 は、DHCP サーバから 192.168.15.102 と 192.168.16.102 の IP アドレスも取得します。
有線VLAN 15をワイヤレスWLAN 15にマージするには、インターフェイスG2/0.15とインターフェイスw1/0.15を共通のブリッジグループ15に設定します。同様に、インターフェイスG2/0.16とW1/0.16の下のブリッジグループ116 BVI15およびBVI16
コントローラの設定は以前のシナリオと同じままです。
ルータの設定 |
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! ip dhcp excluded-address 192.168.100.1 192.168.100.100 ip dhcp excluded-address 192.168.15.1 192.168.15.100 ip dhcp excluded-address 192.168.16.1 192.168.16.100 ! ip dhcp pool lwapp-ap network 192.168.100.0 255.255.255.0 default-router 192.168.100.1 option 43 ascii "192.168.99.24" ! ip dhcp pool vlan-15 network 192.168.15.0 255.255.255.0 default-router 192.168.15.1 ! ip dhcp pool vlan-16 network 192.168.16.0 255.255.255.0 default-router 192.168.16.1 ! interface GigabitEthernet2/0 Description: Internally connected to Etherswitch IP address 20.0.0.1 255.255.255.0 load-interval 30 ! Interface GigabitEthernet2/0.100 Encapsulation dot1Q 100 ip address 192.168.100.1 255.255.255.0 Interface GigabitEthernet2/0.15 Encapsulation dot1Q 15 Bridge-group 15 ! Interface GigabitEthernet2/0.16 Encapsulation dot1Q 16 Bridge-group 16 ! interface wlan-controller1/0 ip address 192.168.99.254 255.255.255.0 ! interface wlan-controller1/0.15 encapsulation Dot1q 15 bridge-group 15 ! interface wlan-controller 1/0.16 encapsulation Dot1q 16 bridge-group 16 ! Bridge irb Bridge 15 route ip Bridge 15 protocol ieee Bridge 16 route ip Bridge 16 protocol ieee Interface bvi 15 Ip address 192.168.15.1 255.255.255.0 ! Interface bvi 16 Ip address 192.168.16.1 255.255.255.0 |
service-module session コマンドを使用して、ルータから EtherSwitch サービス モジュールへのセッションを開きます。その後で、次の出力に示すように、スイッチを設定します。
! Interface GigabitEthernet 1/0/2 Description: Internally connected to router G2/0 interface. Switchport trunk encapsulation dot1Q Switchport mode trunk ! Interface Fastethernet 0/0/1 Description: Connected to Client C3 in vlan 15 Switchport access vlan 15 Switchport mode access ! Interface Fastethernet 0/0/2 Description: Connected to Client C4 in vlan 16 Switchport access vlan 16 Switchport mode access ! Interface Fastethernet 0/0/3 Description: Connected to Client LWAPP AP in vlan 100 Switchport access vlan 100 Switchport mode access