このドキュメントでは、フレーム リレー(FR)カプセル化を使用して 2 台のシスコ ルータをバックツーバックでセットアップするための設定例を示します。ルータ同士は、Data Communication Equipment(DCE; データ通信機器)と Data Terminal Equipment(DTE; データ端末装置)シリアル ケーブルを使用して接続されています。バックツーバックのセットアップはテスト環境で役立ちます。このドキュメントでは、最も単純かつ推奨されるバックツーバックのセットアップ方法について説明します。
ローカル管理インターフェイス(LMI)のステータスメッセージを提供するため、FR ルータの間で FR スイッチまたは DCE デバイスを使用します。バックツーバックのシナリオではスイッチはないため、LMI の処理は両方のルータで無効です。
一方のルータが他方に LMI ステータスの更新を提供するバックツーバックセットアップも可能です。しかし、こうした設定が必要となるのは、LMI デバッグ メッセージをバックツーバックセットアップ内でチェックする場合に限られます。この場合、LMI の処理を無効とせず、片方が LMI ステータス問い合わせに応答するハイブリッド FR スイッチとして機能します。この設定の詳細は「フレーム リレー ハイブリッド スイッチング」を参照してください。
この設定例では、DCE ケーブルに接続されるルータがクロックを供給する必要があります。ルータ 1 はクロックを 64 kbps で供給します(クロック レート 64000)。
このドキュメントに特有の要件はありません。
この設定による構成を実装するには以下のハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントが必要です。
FR カプセル化をサポートする Cisco IOS® ソフトウェア リリース 11.2 以降
FR カプセル化をサポートするインターフェイスを備えたルータ 2 台
注:このドキュメントの情報は、隔離されたラボ環境から取得されたものです。コマンドを使用する前に、コマンドがネットワークにどのように影響するかを理解してください。
この設定の作成とテストは、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンで行われています。
Cisco IOS(R) ソフトウェア リリース 12.1(2)
Cisco 1604 ルータ
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
このセクションでは、このドキュメントで説明する機能を設定するために必要な情報を提供しています。
注:この文書で使用されているコマンドの詳細を調べるには、「Command Lookup ツール」を使用してください(登録ユーザのみ)。
このドキュメントでは次の図に示すネットワーク構成を使用しています。
このドキュメントでは、次に示す設定を使用しています。
ルータ 1 |
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! interface Serial0 no ip address encapsulation frame- relay no keepalive !--- This command disables LMI processing. clock rate 64000 ! interface Serial0.1 point-to-point !--- A point-to-point subinterface has been created. ip address 172.16.120.105 255.255.255.0 frame-relay interface-dlci 101 !--- DLCI 101 has been assigned to this interface ! |
ルータ 2 |
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! interface Serial0 no ip address encapsulation frame- relay no keepalive !--- This command disables LMI processing. ! interface Serial0.1 point-to-point !--- A point-to-point subinterface has been created. ip address 172.16.120.120 255.255.255.0 frame-relay interface-dlci 101 !--- DLCI 101 has been assigned to this interface ! |
上記の設定は、no keepalive コマンドが実行されたときに両方のルータで LMI 処理を無効にします。LMI メッセージが交換されないため、DTE ケーブル側でクロッキングが喪失するか、または DCE ケーブル側でデータ端末レディ(DTR)および送信要求(RTS)が喪失した場合を除き、インターフェイスは up/up のままになります。ポイントツーポイントサブインターフェイスが設定されているため、FR マップ ステートメントは不要です。frame-relay interface-dlci コマンドで指定した各データリンクコレクション識別子(DLCI)は一致する必要があります。
DLCI がサブインターフェイスに割り当てられると、そのサブインターフェイス用にフレーム マップが作成されます。
no keepalive - FR カプセル化を使用しているシリアル回線の LMI 機能を無効にします。
frame-relay interface-dlci - 指定された FR サブインターフェイスに DLCI を割り当てます。
ポイントツーポイント サブインターフェイスが不要な場合、メインのインターフェイス上に FR マップ ステートメントを設定できます。FR マップ ステートメントが正しく設定され、一致する DLCI が設定されている限り、接続は保持されます。
ここでは、設定が正しく機能していることを確認するために使用する情報を示します。
特定の show コマンドは、アウトプット インタープリタでサポートされています。このツールを使用すると、show コマンド出力を分析できます。
show frame-relay map - マップ エントリと接続に関する情報を表示します。
show frame-relay pvc - FR インターフェイスの相手先固定接続(PVC)に関する統計情報を表示します。
FR マップ ステートメントが正しく設定されていれば、show frame-relay map コマンドの出力は、ルータ 1 から得られる次の出力のようになります。
Router1#show frame map Serial0.1 (up): point-to-point dlci, dlci 101(0x65,0x1850), broadcast Router1#
LMI の処理が無効になっているため、ルータは LMI のステータス メッセージから PVC のステータスを判断できません。PVC は静的な定義のみ可能です。
Router1#show frame pvc PVC Statistics for interface Serial0 (Frame Relay DTE) DLCI = 101, DLCI USAGE = LOCAL, PVC STATUS = STATIC, INTERFACE = Serial0.1 input pkts 98 output pkts 52 in bytes 25879 out bytes 12160 dropped pkts 0 in FECN pkts 0 in BECN pkts 0 out FECN pkts 0 out BECN pkts 0 in DE pkts 0 out DE pkts 0 out bcast pkts 37 out bcast bytes 10600 PVC create time 00:57:07, last time PVC status changed 00:46:13
ご使用のシスコ デバイスからの show frame-relay map と show frame-relay pvc コマンドの出力がある場合は、これを使用して今後予想される問題やその修正を表示できます。これを使用するには、登録ユーザであり、ログインしていて、JavaScript を有効にしている必要があります。
現在、この設定に関する特定のトラブルシューティング情報はありません。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
15-Jan-2008 |
初版 |