アナログ トランク回線で、構内交換機(PBX)などの自動化システムとセントラル オフィス(CO)などのネットワークを接続します。 アナログ トランキングの最も一般的な形態が E&M インターフェイスです。E&M シグナリングは通常、「耳と口(Ear & Mouth)」、または「受信と送信(recEive and transMit)」と呼ばれますが、もともとはアース(Earth)と磁石(Magnet)という用語に由来します。アースは電気的な接地を表し、磁石はトーンの生成に使用する電磁石を表します。
E&M シグナリングでは、データ回線終端装置(DCD)とデータ端末機器(DTE)参照型と同様に、各接続のトランク回線側とシグナリング ユニットを定義します。通常、PBX はトランク回線側になり、Telco、CO、チャネルバンク、またはシスコの音声対応プラットフォームがシグナリング ユニット側になります。
注: シスコのアナログ E&M インターフェイスはシグナリング ユニット側として機能し、もう一方がトランク回路になります。E&M インターフェイス モデルのタイプ II およびタイプ V を使用する場合は、シグナリング リード線を適切にクロスすることでシグナリング ユニット側の 2 台をバックツーバックで接続できます。E&M タイプ I インターフェイスを使用する場合は、シグナリング ユニット側の 2 台をバックツーバックで接続できません。
トランク回線とシグナリング ユニットの配線の詳細は、「アナログ E&M インターフェイスのタイプと配線配置についてとトラブルシューティング」を参照してください。
このドキュメントの読者は次のトピックについての知識を有している必要があります。
Cisco 2600、3600、および VG200 プラットフォームには、音声ネットワーク モジュールと E&M 音声インターフェイス カード(VIC)が必要です。
Cisco 1750 および 1760 プラットフォームには、E&M VIC とパケット音声 DSP モジュール(PVDM)のみが必要です。
Cisco MC3810 プラットフォームには、アナログ音声モジュール(AVM)があり、その AVM および音声圧縮モジュール(VCM)に E&M アナログ パーソナリティ モジュール(APM-EM)がインストールされている必要があります。
音声ネットワーク モジュールおよび E&M VIC の詳細は、「音声ネットワーク モジュールについて」と「E&M 音声インターフェイス カード」を参照してください。
一般的なアナログ E&M 回線を次の図に示します。
アナログ E&M は、Cisco 1750、1760、2600、3600、VG200、および MC3810 モデルでサポートされます。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
さまざまなアナログ E&M の実装を定義する主なパラメータは 4 つあります。次に、それらのリストを示し、説明します。
タイプ I、II、III、IV、および V という 5 つの異なる E&M インターフェイス タイプがあります(シスコのプラットフォームでは、タイプ IV はサポートされていません)。 各タイプには異なる配線配置があるため、E&M 監視シグナリングの送信(オンフック/オフフック シグナリング)には異なるアプローチが必要です。 シグナリング側は、E リード線上にオンフック/オフフック信号を送信します。トランキング側は、M リード線上にオンフック/オフフックを送信します。
E&M タイプの詳細とピン割り当ての図は、「アナログ E&M インターフェイスのタイプと配線配置についてとトラブルシューティング」を参照してください。
E&Mのタイプ I:これは、北米で最も一般的なインターフェイスです。
タイプ I は、監視シグナリングに 2 本のリード線、E および M を使用します。
非アクティブ時は、E リード線がオープン状態になり、M リード線はアースに接続されます。
PBX(トランク回線側として機能)は M リード線をバッテリに接続し、オフフック状態を示します。
シスコのルータ/ゲートウェイ(シグナリング ユニット)は E リード線をアースに接続してオフフック状態を示します。
E&M タイプ II:2 つの信号ノードをバックツーバック接続できます。
タイプ II では、監視シグナリングに 4 本のリード線、E、M、SB、および SG を使用します。
非アクティブ時は、E リード線と M リード線の両方がオープン状態になります。
PBX(トランク回線側として機能)は M リード線をシグナリング側のバッテリに接続された信号バッテリ(SB)リード線に接続してオフフック状態を示します。
シスコのルータ/ゲートウェイ(シグナリング ユニット)は E リード線をトランク回線側のアースに接続された信号アース(SG)リード線に接続してオフフック状態を示します。
E&M タイプ III:一般的に、これは現代のシステムには使用されません。
タイプ III は、監視シグナリングに 4 本のリード線、E、M、SB、および SG を使用します。
非アクティブ時、E リード線はオープン状態になり、M リード線はシグナリング側の SG リード線に接続されたアースに設定されます。
PBX(トランク回線側として機能)は SG リード線から M リード線を切断し、それをシグナリング側の SB リード線に接続してオフフック状態を示します。
Ciscoルータ/ゲートウェイ(信号ユニット)は、オフフック状態を示すためにEリード線をアースに接続します。
E&M タイプ IV:シスコのルータ/ゲートウェイはこのタイプをサポートしていません。
E&M タイプ V:タイプ V は対称型であり、2 つの信号ノードのバックツーバック続が可能です。これは、北米外で最も一般的に使用されているインターフェイス タイプです。
タイプ V は、監視シグナリングに 2 本のリード線、E および M を使用します。
非アクティブ時は、E リード線と M リード線がオープン状態になります。
PBX(トランク回線側として機能)は M リード線をアースに接続し、オフフック状態を示します。
シスコのルータ/ゲートウェイ(シグナリング ユニット)は E リード線をアースに接続してオフフック状態を示します。
音声インターフェイスには 2 つの異なるタイプ(2 線式と 4 線式)があります。 これらの実装で音声信号を送信するために使用するワイヤの数を示します。
2 線式の実装では、全二重音声信号が、チップ(T)リード線とリング(R)リード線から構成された単一のペア上に送信されます。
4 線式の実装では、T、R、および T1、R1 のリード線から構成される音声信号を送受信するために個別のパスが提供されます。
注:E&M回路は4線式E&M回路と呼ばれますが、使用する信号タイプと音声実装に基づいて、6 ~ 8本の物理配線が必要になる可能性があります。
ダイヤル開始監視とは、装置で E&M トランクを捕捉する方法や、デュアル トーン多重周波数(DTMF)ディジットなどのアドレス信号情報を渡す方法を定義する回線プロトコルです。E&M ダイヤル開始シグナリングには、主に 3 つの手法が使用されます。
イミディエート スタート:最も基本的なプロトコルです。この手法では、発信スイッチがオフフックになり、一定の時間(200 ms など)待機してから、ダイヤル ディジットを相手先に送信します。
ウィンク スタート:最も一般的に使用されているプロトコルです。この手法では、発信スイッチがオフフックになり、他方からの一時オフフックパルスを待機して(先に進む指示と解釈)、ダイヤル ディジットを送信します。
遅延ダイヤル:この手法では、発信側がオフフックになり、約 200 ms 待機してから、相手側がオンフックになっているかどうかを確認します。相手側がオンフックになっている場合は、ダイヤル ディジットを出力します。相手側がオフフックの場合は、オンフックになるまで待機してからダイヤル ディジットを出力します。
通常、シグナリング アドレスは、ダイヤルしたディジット(通話者の着信者番号)を表します。 アドレス情報を渡すために使用するオプションは 2 つあります。パルス ダイヤル(ロータリ ダイヤリング)またはトーン ダイヤル(DTMF)のいずれかを使用できます。シスコのルータおよびゲートウェイのデフォルトは DTMF です。