VIC-2BRI-S/T-TE などの ISDN 音声インターフェイス カード(VIC)は、構内網と公衆網との接続がサポートされており、直接、PSTN(公衆電話交換網)および PBX、PABX(構内交換機)に接続できます。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントでは、下記の ISDN BRI VIC を取り上げています。
VIC-2BRI-S/T-TE
VIC-2BRI-NT/TE
VIC2-2BRI-NT/TE
ドキュメント表記の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
製品番号 | 説明 |
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VIC-2BRI-S/T-TE | 2 ポート ISDN BRI VIC、S/T インターフェイス、Terminal Equipment(TE) |
VIC-2BRI-NT/TE | 2 ポート ISDN BRI VIC、S/T インターフェイス、Network Termination(NT)または TE |
VIC2-2BRI-NT/TE | 2 ポート ISDN BRI VIC、S/T インターフェイス、NT あるいは TE |
次の表には、ISDN BRI VIC でサポートされている機能がリストされています。
機能 | 説明 |
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音声ポート | ISDN BRI x 2 ポート(B チャネル x 4)。VIC(Voice Interface Card)1 枚で、4 チャンネルの音声コールをサポート。 |
ISDN インターフェイス | ISDN BRI S/T RJ-45 |
接続 | VIC-2BRI-S/T-TE:TE ISDNインターフェイスを提供します。CO スイッチ(局用交換機)、または NT(Network Termination)を提供する PBX と接続可能。この VIC に ISDN 電話やファックスを接続することはできません(それには、NT を実装する必要があります)。VIC-2BRI-NT/TE:TEまたはNTを提供します。VIC2-2BRI-NT/TE:TEまたはNTを提供します。ネットワーク側あるいはユーザ側として、公衆網としての PBX やキー システムに接続(ISDN 音声 BRI)。 特許出願中のフレキシブルなレイヤ 2(L2)およびレイヤ 3(L3)コンフィギュレーションをサポート。 |
ISDN スイッチ タイプ | すべての Cisco IOS(R) でサポートされている、全てのISDN BRI Switch Type に対応。 |
VIC2-2BRI-NT/TE は同様の機能の古いカードを置き換えるハードウェアによる新世代の VIC であり、製造でのコンポーネントの問題が解消されています。これらの BRI カードでは新機能も導入されており、これにより、必要な Stock Keeping Unit(SKU)数が削減されています。
VIC2-2BRI-NT/TE は NM-HD-1V、NM-HD-2V、NM-HD-2VE でサポートされており、一方、VIC-2BRI-S/T-TE と VIC-2BRI-NT/TE は、現在、NM-1V/2V でサポートされています。
ISDN BRI VIC ではサポートされていない機能を次に示します。
ISDN 付加サービス
B チャネル上のデータ コール
Group 4(G4)ファックス(ISDN デジタル ファックス)
D チャネル上のコール
NM-1Vに VIC-2BRI-S/T-TE を搭載した場合、コールは2 チャンネルまでとなります。2 つ目の BRI ポートはシャットダウンされます。
NM-2V で VIC-2BRI-S/T-TE を使用する場合に発信できるのは、4 コールになります。2 つ目のスロットに別の VIC がある場合は、VIC-2BRI-S/T-TE の 2 つ目の BRI ポートはシャットダウンされます。
ISDN BRI の VIC は、別の交換機との接続に対してだけサポートされます。(例えば、PBX または PSTN など)。 ISDN BRI 電話との接続はサポートされていません。
ISDN パラメータは、データ用のISDN BRI インターフェイス と同じように設定します。
注:音声ネットワークモジュールのデジタル信号プロセッサ(DSP)に音声コールをルーティングするには、isdn incoming-voice modemコマンドが必要です。このコマンドの詳細は、『isdn incoming-voice modem』を参照してください。
Cisco IOS ソフトウェアの音声機能の設定については、『Cisco 3600 シリーズでの VoIP』を参照してください。
注:Cisco IOSソフトウェアでは、voice-port <slot>/<VIC slot>/<unit>グローバル設定コマンドを発行して、音声ポートパラメータを設定します。
Cisco ルータで VoIP の設定に使われるコマンドは、次の表に示されているルータ プラットフォームでほとんど共通です。
Catalyst 4000 で Catalyst OS(CatOS)の音声機能を設定するには、『音声インターフェイスの設定』を参照してください。
Cisco IOS サポート1 | 1751、17603 | 2600 | 2600XM/2650XM | 36204、3640 2 | 3660 2 | 2691、3725、3745 | VG200 |
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VIC-2BRI-S/T-TE 2 ポート ISDN BRI VIC、S/T インターフェイス、TE | Not Supported | 12.0(2)XD、12.0(3)T、12.0XK、12.1(1)、12.1(1)T、12.2(1)、12.2(2)T、12.2(2)XT、12.2(11)YT、12.3(1) | すべての Cisco IOS ソフトウェア バージョン | 12.0(7)XK、12.1(1)T、12.1(5)YB、12.1(5)YD、12.2(1)、12.2(2)T、12.2(2)XT、12.2(11)YT、12.2(15)ZJ、12.3(1)、12.3(2)T | すべてのバージョン | すべての Cisco IOS ソフトウェア バージョン | |
VIC-2BRI-NT-TE 2 ポート ISDN BRI VIC、S/T インターフェイス、NT、TE | すべてのバージョン | 12.1(3)XI、12.1(5)T、12.1(5)YB、12.1(5)YD、12.2(1)、12.2(2)T、12.2(2)XT、12.2(11)YT、12.3(1) | 12.2(8)T1、12.2(11)T、12.2(11)YT、12.2(12)、12.2(15)ZJ、12.3(1)、12.3(2)T | 12.1(3)XI、12.1(5)T、12.1(5)YB、12.1(5)YD、12.2(1)、12.2(2)T、12.2(2)XT、12.2(11)YT、12.2(15)ZJ、12.3(1) | 12.1(3)XI、12.1(5)T、12.1(5)YB、12.1(5)YD、12.2(1)、12.2(2)T、12.2(2)XT、12.2(11)YT、12.2(15)ZJ、12.3(1) | 12.2(11)YT、12.2(13)T、12.2(15)ZJ、12.3(1)、12.3(2)T、12.3(4)XD | 12.1(5)T、12.2(1)、12.2(2)T、12.3(1) |
VIC2-2BRI-NT-TE 2 ポート ISDN BRI VIC、S/T インターフェイス、NT、TE | 12.2(15)ZL、12.3(2)XA、12.3(2)XC、12.3(2)XE、12.3(4)T、12.3(5) | Not Supported | 12.2(15)ZJ、12.3(4)T | 12.2(15)ZJ, 12.3(4)T(Cisco 3620.4ではサポートされていません) | 12.2(15)ZJ、12.3(4)T | 12.2(15)ZJ、12.3(4)T、12.3(4)XD | Not Supported |
1 音声サポートには、1700 シリーズ ルータでは Cisco IOS ソフトウェア音声機能セット、2600/3600 シリーズ ルータでは Cisco IOS ソフトウェア PLUS 機能セットが必要です。
2 3631 ルータでは音声サポートはありません。
3Cisco 1750 ルータ プラットフォームでは BRI VIC はサポートされていません。
4Cisco 3620 シリーズ ルータでは VIC2-2BRI-NT-TE カードはサポートされていません。
このセクションでは、BRI VIC に関する既知の問題をいくつか取り上げています。
BRI 音声インターフェイスの設定時に、次のエラー メッセージを受け取ります。
%C542-1-INSUFFICIENT_DSPS: VNM(1), cannot support all voice channels on VICs.
VIC-2BRI-S/T-TE には音声ネットワーク モジュールが処理できるよりも多くの B チャネルを置けることが、この原因です。NM-1V には DSP が 2 つ備わっているので、2 つの音声コールを処理できます。 NM-2V には DSP が 4 つ備わっているので、4 つの音声コールを処理できます。 この詳細については、Error Message Decoder (登録ユーザ専用)のエラー メッセージ %C542-1-INSUFFICIENT_DSPS (登録ユーザ専用)を参照してください。
もう 1 つの既知の問題は、Cisco Bug ID CSCdv00152 (登録ユーザ専用)によるものです。
BRI ポートの CLI で compand-type a-law コマンドがありません。
このバグは、 の北米地域での使用を制限していました。誤ったコンパンド デコーディングが適用されて音声のひずみが発生するためです。この不具合は Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(2) と 12.2(3)T で発生し、12.2(5) と 12.2(8)T のリリースで解決されています。
次の例には、BRI VIC の応用例の 1 つが示されています。BRI VIC を直接 PSTN や ISDN PBX に接続できることを確認してください。
注:提供されているCisco IOSソフトウェアリリースは、通常、対象のプラットフォーム、モジュール、または機能をサポートするために必要な最低限のバージョンです。機能、モジュール、インターフェイス カード、またはシャーシをサポートする Cisco IOS ソフトウェアのリリースを網羅したリストは、Software Advisor (登録ユーザ専用)ツールを参照してください。
注:このドキュメントで提供されるコマンドの詳細については、Command Lookup Tool(登録ユーザ専用)を参照してください。