概要
このドキュメントでは、Cisco PGW プラットフォーム上に 2 つめのイーサネット インターフェイス(hme1)を追加する手順について説明します。
前提条件
要件
この設定を開始する前に、次の要件が満たされていることを確認してください。
使用するコンポーネント
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ネットワーク図
このドキュメントでは、次の図に示すネットワーク設定を使用します。
表記法
ドキュメント表記の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
背景理論
このサービス設定では、各イーサネット ネットワークに 2 つずつ、合計 4 つのバックホール セッションが作成されます。これらのうち一度に 1 つのセッションのみがアクティブで、SM_active または Sm_standby のいずれかの Cisco PGW の識別メッセージによって決まります。アクティブなCisco PGWとCisco SLTの間のセッションは、セッション0とセッション2です。セッション0とセッション2がインサービスの場合、一方はアクティブで、もう一方はスタンバイです。セッション 0 がアウトオブサービスになると、Cisco PGW によってセッション 2 がアクティブになります。これにより、セッション 2 は Cisco PGW と Cisco SLT 間のバックホール通信パスの冗長性を提供します。スタンバイ Cisco PGW は Cisco SLT でセッション 1 およびセッション 3 を確立しており、どちらのセッションもスタンバイ状態です。
アクティブとスタンバイの Cisco PGW 間でフェールオーバーが発生すると、スタンバイ Cisco PGW の 1 つのセッションがアクティブになります。アクティブ Cisco PGW のリカバリの際に、セッション 0 および 2 はスタンバイ状態になります。
PGW プラットフォームでのイーサネット インターフェイスの追加
手順ごとの説明
このセクションでは、このドキュメントで説明する機能を設定するために必要な情報を提供しています。
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スタンバイ Cisco PGW(PGW2)で、UNIX レベルで 2 つめのインターフェイスを追加します。
プライマリ イーサネット インターフェイスは、オペレーティング システムのインストール時に設定されます。すべての追加イーサネット インターフェイスを個別に設定する必要があります。
詳細については、『Sun Solaris 8 オペレーティング システムのインストール』の「追加のイーサネット インターフェイスの設定」のセクションを参照してください。
注:プラットフォームのタイプごとのイーサネットインターフェイス情報については、「表2-2:『Sun Solaris 8 オペレーティング システムのインストール』の「表 2-2:サポートされるプラットフォームのデバイス名」を参照してください。
追加のイーサネット インターフェイスを設定するには、次の手順を実行します。
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各イーサネット ポート用に追加のイーサネット インターフェイスの IP アドレスとホスト名を次のコマンドで /etc/hosts ファイルに追加します。
echo IP address <tab> Hostname-?>> /etc/hosts
注:サブステップAで、入力を指示されるコマンドの<tab>部分は、実際にTabキーを押すための参照です。
注:ホスト名-?の部分は hme0 とは異なります。たとえば、
既存の Cisco PGW のホスト名が通常は hme0 に関連する U60-1 の場合、hme1 用の入力は以下のようになります。
echo 10.10.10.132<tab>U60-2>>/etc/hosts
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/etc/hostname.devicex という名前のファイルを作成します。ここで、device はイーサネットのデバイスのタイプを表し、x はインターフェイスのインスタンスを表します。各イーサネット ポート用に、次のコマンドでファイルの唯一の行である 1 行目に追加のイーサネット インターフェイスの IP アドレスまたはホスト名を配置します。
echo 10.10.10.132 > /etc/hostname.hme1
注:この例は、hme1の2番目のイーサネットインターフェイスと10.10.10.132のIPアドレスに適用されます。
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追加するインターフェイスの一意のサブネットごとに /etc/netmasks ファイルに行を追加します。同じネットワーク アドレスの複数のサブネットは /etc/netmasks ファイルに個別の行が必要です。
echo subnet address subnet mask >> /etc/netmasks
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設定を完了するには、-r オプションでマシンを再起動する必要があります。reboot — -rコマンドを発行します。
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マシンの再起動が完了したら、root としてログインし、ifconfig -a コマンドを発行します。新しいイーサネット インターフェイスが出力に表示されることを確認します。
次のような画面が表示されます。
lo0: flags=849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST> mtu 8232
inet 127.0.0.1 netmask ff000000
hme0: flags=863<UP,BROADCAST,NOTRAILERS,RUNNING,MULTICAST> mtu 1500
inet 172.24.235.53 netmask ffffff00 broadcast 172.24.235.255
ether 8:0:20:9a:76:6c
hme1: flags=863<UP,BROADCAST,NOTRAILERS,RUNNING,MULTICAST> mtu 1500
inet 172.24.237.53 netmask ffffff00 broadcast 172.24.237.255
ether 8:0:20:9a:76:6c
注:IPアドレスはデモンストレーション専用です。実際のアドレスは各アプリケーションによって異なります。
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PGW2 の 2 つめのインターフェイスを確認します。
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次のコマンドを使用して、PGW2 がスタンバイ状態であることを確認します。
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rtrv-ne-health
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rtrv-alms
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rtrv-softw:all
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次に進む前に、問題がある場合は解消します。
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最初のインターフェイスから PGW2 の 2 つめのインターフェイスに ping を実行します。
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PGW1 から PGW2 の新しいイーサネット インターフェイス hme1 に ping を実行します。
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その他の装置(ゲートウェイや Cisco SLT など)が PGW2 の 2 つめのインターフェイスに ping を実行できることを確認します。
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ndd -getコマンドを使用して、hmeインターフェイスが全二重モードであることを確認します。
以下に、いくつかの例を示します。
/usr/sbin/ndd -get /dev/hme link_mode
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アクティブなCisco PGW(PGW1)で、sw-over::confirmコマンドを発行します。
前のスタンバイ PGW2 がアクティブ状態であり、前の PGW1 がスタンバイ状態であることを確認します。次に進む前に、両方の Cisco PGW で警告と問題を解消する必要があります。
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PGW1(スタンバイ)で、/etc/init.d/CiscoMGC stop コマンドを使って Cisco PGW のアプリケーション ソフトウェアをシャットダウンします。UNIX レベルで 2 つめのインターフェイスを追加します。
詳細については、『Sun Solaris 8 オペレーティング システムのインストール』の「追加のイーサネット インターフェイスの設定」のセクションを参照してください。
注:プラットフォームのタイプごとのイーサネットインターフェイス情報については、「表2-2:『Sun Solaris 8 オペレーティング システムのインストール』の「表 2-2:サポートされるプラットフォームのデバイス名」を参照してください。
追加のイーサネット インターフェイスを設定するには、次の手順を実行します。
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各イーサネット ポート用に追加のイーサネット インターフェイスの IP アドレスとホスト名を次のコマンドで /etc/hosts ファイルに追加します。
echo IP address <tab> Hostname-?>> /etc/hosts
注: hme1 の場合、Hostname-?の部分は hme0 とは異なります。たとえば、
既存の Cisco PGW のホスト名が通常は hme0 に関連する U61-1 の場合、hme1 用の入力は以下のようになります。
echo 10.10.10.133<tab>U61-2>>/etc/hosts
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/etc/hostname.devicex という名前のファイルを作成します。ここで、device はイーサネットのデバイスのタイプを表し、x はインターフェイスのインスタンスを表します。各イーサネット ポート用に、次のコマンドでファイルの唯一の行である 1 行目に追加のイーサネット インターフェイスの IP アドレスまたはホスト名を配置します。
echo 10.10.10.133> /etc/hostname.hme1
注:この例は、hme1の2番目のイーサネットインターフェイスと10.10.10.133のIPアドレスに適用されます。
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追加するインターフェイスの一意のサブネットごとに /etc/netmasks ファイルに行を追加します。同じネットワーク アドレスの複数のサブネットは /etc/netmasks ファイルに個別の行が必要です(必要に応じて)。
echo subnet address subnet mask >> /etc/netmasks
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設定を完了するには、-r オプションでマシンを再起動する必要があります。reboot — -rコマンドを発行します。
-
マシンの再起動が完了したら、root としてログインし、ifconfig -a コマンドを発行します。新しいイーサネット インターフェイスが出力に表示されることを確認します。
次のような画面が表示されます。
lo0: flags=849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST> mtu 8232
inet 127.0.0.1 netmask ff000000
hme0: flags=863<UP,BROADCAST,NOTRAILERS,RUNNING,MULTICAST> mtu 1500
inet 172.24.235.53 netmask ffffff00 broadcast 172.24.235.255
ether 8:0:20:9a:76:6c
hme1: flags=863<UP,BROADCAST,NOTRAILERS,RUNNING,MULTICAST> mtu 1500
inet 172.24.237.53 netmask ffffff00 broadcast 172.24.237.255
ether 8:0:20:9a:76:6c
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次の手順に従い、PGW1 の 2 つめのインターフェイスを検証します。
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最初のインターフェイスから PGW1 の 2 つめのインターフェイスに ping を実行します。
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PGW2 から PGW1 の新しいイーサネット インターフェイス hme1 に ping を実行します。
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その他の装置(ゲートウェイや Cisco SLT など)が 2 つめのインターフェイスに ping を実行できることを確認します。
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ndd -getコマンドを使用して、hmeインターフェイスが全二重モードであることを確認します。
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次に進む前に、問題がある場合は解消します。
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PGW1(スタンバイ)で XECfgParm.dat を入力します。
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以下のように、XECfgParm.dat の 2 つめの IP アドレス フィールドに入力します。
*.ipAddrLocalA = 10.10.10.100 # MIGRATED
*.ipAddrLocalB = 10.10.10.132 # MIGRATED
!--- Populate the field above.
*.ipAddrPeerA = 10.10.10.101 # MIGRATED
*.ipAddrPeerB = 10.10.10.133 # MIGRATED
!--- Populate the field above.
*.IP_Addr1 = 10.10.10.100 # MIGRATED
*.IP_Addr2 = 10.10.10.132 # MIGRATED
!--- Populate the field above.
*.IP_Addr3 = 0.0.0.0 # MIGRATED
*.IP_Addr4 = 0.0.0.0 # MIGRATED
foverd.ipLocalPortA = 1051 # MIGRATED
foverd.ipPeerPortA = 1052 # MIGRATED
foverd.ipLocalPortB = 1053 # MIGRATED
foverd.ipPeerPortB = 1054 # MIGRATED
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/etc/init.d/CiscoMGC start コマンドで PGW1 上の Cisco PGW のアプリケーションを再起動します。
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次のコマンドを使用して、PGW1 がスタンバイ状態であることを確認します。
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Rtrv-ne-health
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Rtrv-alms
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Rtrv-softw:all
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次に進む前に、問題がある場合は解消します。
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Sw-over::confirmコマンドを使用して、Cisco PGW1をアクティブにします。
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次のコマンドで、PGW1 がアクティブ状態で PGW2 がスタンバイ状態であることを確認します。
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Rtrv-ne-health
-
Rtrv-alms
-
Rtrv-softw:all
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次に進む前に、問題がある場合は解消します。
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PGW2(スタンバイ)で、/etc/init.d/CiscoMGC stop コマンドを使って Cisco PGW のアプリケーション ソフトウェアをシャットダウンします。
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PGW2(スタンバイ)で XECfgParm.dat を入力します。
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以下のように、XECfgParm.dat の 2 つめの IP アドレス フィールドに入力します。
*.ipAddrLocalA = 10.10.10.101 # MIGRATED
*.ipAddrLocalB = 10.10.10.133 # MIGRATED
!--- Populate the field above.
*.ipAddrPeerA = 10.10.10.100 # MIGRATED
*.ipAddrPeerB = 10.10.10.132 # MIGRATED
!--- Populate the field above.
*.IP_Addr1 = 10.10.10.101 # MIGRATED
*.IP_Addr2 = 10.10.10.133 # MIGRATED
!--- Populate the field above.
*.IP_Addr3 = 0.0.0.0 # MIGRATED
*.IP_Addr4 = 0.0.0.0 # MIGRATED
foverd.ipLocalPortA = 1051 # MIGRATED
foverd.ipPeerPortA = 1052 # MIGRATED
foverd.ipLocalPortB = 1053 # MIGRATED
foverd.ipPeerPortB = 1054 # MIGRATED
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/etc/init.d/CiscoMGC start コマンドで PGW2 上の Cisco PGW のアプリケーションを再起動します。
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PGW1 がアクティブ状態で PGW2 がスタンバイ状態であることを確認します。(この時点で IP インターフェイスが追加され、XECfgParm.dat が入力されています。)
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次のコマンドを発行します。
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Rtrv-ne-health
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Rtrv-alms
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Rtrv-softw:all
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次に進む前に、問題がある場合は解消します。
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Cisco SLT 上に追加のセッション セットを追加します。
次に例を示します。
ss7 session 2 address 10.10.10.132 7000 10.10.10.140 7000
session-set 0
ss7 session 3 address 10.10.10.133 7000 10.10.10.140 7000
session-set 0
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ゲートウェイで冗長リンク マネージャ(RLM)に変更を加えます。
1 つのゲートウェイの例を以下に示します(設定の追加は太字の箇所)。
rlm group 0
server netra1
link address 10.10.10.100 source Loopback0 weight 1
link address 10.10.10.132 source Loopback0 weight 1
server netra2
link address 10.10.10.101 source Loopback0 weight 1
link address 10.10.10.133 source Loopback0 weight 1
!
rlm group 1
protocol rlm port 3002
server netra1
link address 10.10.10.100 source Loopback0 weight 1
link address 10.10.10.132 source Loopback0 weight 1
server netra2
link address 10.10.10.101 source Loopback0 weight 1
link address 10.10.10.133 source Loopback0 weight 1
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PGW1(アクティブ)で設定に変更を加えます。
手順は以下のとおりです。
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アクティブな Cisco PGW 上で操作していることを確認します。
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スタンバイ ボックスがスタンバイ状態であることを確認します。
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すべての警告が解消されていること。
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mml>prov-sta::srcver="active",dstver="config_123"コマンドを使用してプロビジョニングセッションを開始します。
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イーサネット インターフェイス カードを追加します。
詳細については、『MML でのコンポーネントの追加』の「イーサネット インターフェイスの追加」のセクションを参照してください。
次に例を示します。
prov-add:ENETIF:NAME="eth-itf1",DESC="interface
for the 2nd ethernet card in sc2200",CARD="eth-card-1"
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セッション セットに IP_ADDR 2 の情報を追加します。
詳細については、『MML でのコンポーネントの追加』の「セッション セットの追加」を参照してください。
注:IP_ADDR 2のセッションセットの追加方法に関する注を参照してください。リンク内のマンマシン言語(MML)コマンドは、1つのIPアドレスに対してのみ使用できます。
次に例を示します。
prov-ed:SESSIONSET:Name="c7sset3",IPADDR2="IP_Addr2",PEERADDR2="10.10.10.140",
NEXTHOP2="0.0.0.0",NETMASK2="255.255.255.255"
prov-ed:SESSIONSET:Name="c7sset4",IPADDR2="IP_Addr2",PEERADDR2="10.10.10.141",
NEXTHOP2="0.0.0.0",NETMASK2="255.255.255.255"
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該当するすべてのゲートウェイ用に IP_ADDR 2 で 2 つめの IP リンクを追加します。
次に例を示します。
prov-add:IPLNK:NAME="iplk-csc504-origB",DESC="orig Link B between
csc504 and sc2200",SVC="csc504-rlm-orig",IF="eth-itf1",IPADDR="IP_Addr2",PORT=3001,
PEERADDR="10.10.11.4",PEERPORT=3001,PRI=2,NEXTHOP="0.0.0.0",NETMASK="255.255.255.255"
prov-add:IPLNK:NAME="iplk-csc504-termB",DESC="term Link B between
csc504 and sc2200",SVC="csc504-rlm-term",IF="eth-itf1",IPADDR="IP_Addr2",PORT=3003,PEERADDR="10.10.11.4",
PEERPORT=3003,PRI=2,NEXTHOP="0.0.0.0",NETMASK="255.255.255.255"
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prov-dply コマンドでプロビジョニング セッションを展開します。
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IP_Addr 2 で追加されたセッション セットと IPLNK が IS 状態になり、有効になっていることを MML で確認します。
C7IPLNK を IS に設定し、以下の MML コマンドで最終的な設定を確認します。
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Rtrv-ne-health
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Rtrv-softw:all
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Rtrv-alms
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Rtrv-c7lnk:all
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Rtrv-iplnk:all
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Rtrv-dest:all
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Rtrv-tc:all
確認
現在、この設定に使用できる確認手順はありません。
トラブルシュート
ここでは、設定のトラブルシューティングに使用できる情報を示します。
トラブルシューティング情報については、『ソリューション トラブルシューティング ガイド』を参照してください。
関連情報