このドキュメントでは、Cisco uBR72xx/uBR7246 VXR ユニバーサル ブロードバンド ルータで発生する最も一般的な障害のトラブルシューティングのガイドラインを示し、その障害の原因がハードウェアにあるのか、またはその他の問題にあるのかを見極めるための方法について説明します。 最初に、ユニバーサル ブロードバンド ルータで発生する最も一般的な問題をまとめたフローチャートを示し、続いて、フローチャートに沿って進みながら、障害の原因を絞り込みます。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
このドキュメントに関する固有の要件はありません。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。
Cisco uBR72xx/uBR7246 VXR ユニバーサル ブロードバンド ルータ
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。 このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。 対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのような作業についても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
以下のフローチャートに示すように、Cisco uBR72xx/uBR7246 VXR ユニバーサル ブロードバンド ルータに発生する障害としては、次の 5 つが一般的です。
該当するトラブルシューティング領域に素早く移動できるように、緑色のシンボルはすべて、この文書内の各セクションにリンクされています。
注: トラブルシューティング プロセスの一環として、Cisco uBR72xx/uBR7246 VXR ユニバーサル ブロードバンド ルータに影響する可能性がある既存の Field Notice がないか調べることが非常に重要です。 Cisco uBR7200 シリーズ ルータの Field Notice を参照してください。
uBR72xx/uBR7246 VXR で最も一般的に発生する障害の 1 つが、正常にブートアップしないことです。 最初に確認するステップは、I/O コントローラの enabled LED がオンになっているかどうかです。
ENABLED LED がオフの場合は、電源がオンであることを確認します。
ENABLED LED がオフのままである場合は、そのスロットのネットワーク プロセッシング エンジン(NPE)を装着し直してから、uBR72xx/uBR7246 VXR を再起動します。
それでも ENABLED LED がオンにならない場合は、NPE が故障しています。
これらのデバイスの詳細については Input/Output Controller にある図を参照してください。
次に確認するステップは、Cisco IOS® ソフトウェア バージョンと NPE の対応です。 NPE のドキュメント「Preparation for Installation」の項「Software and Hardware Requirements」を参照して、特定のプラットフォームで使用できる NPE のタイプと、必要な最小の Cisco IOS バージョンを確認してください。
コンソール ポートに端末を接続して、uBR72xx/uBR7246 VXR が正しいソフトウェアとハードウェアの組み合わせで動作していることを確認します。 次に示すのは show version の出力例です。
uBR7246vxr #show version Cisco Internetwork Operating System Software IOS (tm) 7200 Software (UBR7200-IK1S-M), Version 12.1(9)EC, EARLY DEPLOYMENT RE) (display text omitted) uBR7246vxr uptime is 3 weeks, 1 day, 9 hours, 9 minutes System returned to ROM by reload at 09:43:01 UTC Mon Jul 10 2000 System image file is "slot1:ubr7200-ik1s-mz_121-9_EC.bin" cisco uBR7246VXR (NPE400) processor (revision A) with 491520K/32768K bytes of m. Processor board ID SAB0350006Q R7000 CPU at 350Mhz, Implementation 39, Rev 3.2, 256KB L2, 4096KB L3 Cache 6 slot VXR midplane, Version 2.0 (display text omitted) 20480K bytes of Flash PCMCIA card at slot 0 (Sector size 128K). 16384K bytes of Flash PCMCIA card at slot 1 (Sector size 128K). 4096K bytes of Flash internal SIMM (Sector size 256K). Configuration register is 0x2102
上に太字で示すように、NPE400 を搭載した uBR7246VXR が Cisco IOS リリース 12.1(9) EC を実行しています。
注: uBR72xx/uBR7246 VXR がコンソール入力に応答しない場合は、「トラブルシューティング:ルータがハングする場合」を参照してください。
uBR72xx/uBR7246 VXR が ROM モニタ(ROMmon)モードから抜け出せない場合は、次に示すように、コンフィギュレーション レジスタを 0x2102 に設定してルータをリロードします。
rommon 1 > confreg 0x2102 rommon 2 > reset
ルータが ROMmon モードから抜け出せなくなる原因として最も可能性が高いのは、Cisco IOS イメージが破損しているか、フラッシュ カードが故障していることです。 「ROMmon Recovery Procedure」を参照してください。
ルータが [Router_name(boot)>] プロンプトのままでブートモードから抜け出せない場合は、上に太字で示すように、show version output コマンドでコンフィギュレーション レジスタが 0x2102 になっているかを確認します。 コンフィギュレーション レジスタの設定が 0x2102 以外である場合は、次の手順を実行してください。
Router_name(boot)#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Router_name(boot)(config)#config-register 0x2102 Router_name(boot)(config)#end Router_name(boot)#reload System configuration has been modified. Save? [yes/no]: no Proceed with reload? [confirm]
リロードする前に実行コンフィギュレーションを保存する必要はありません。
uBR72xx/uBR7246 VXR で上記の症状がいずれも発生していない場合は、追加調査が必要です。 手がかりがないかコンソール エラー メッセージを確認してください。エラーメッセージの説明は、Error Message Decoder(登録ユーザ専用)を参照してください。
uBR72xx/uBR7246 VXR でクラッシュやハングなどの問題が発生した場合は、「Troubleshooting Router Crashes」を参照してください。
コンソールにエラー メッセージが表示される場合は、それらのメッセージを最初からキャプチャします。 登録ユーザですでにログインしている場合は、エラー メッセージの説明として、最初に表示されたエラーをエラー メッセージ デコーダ(登録ユーザ専用)にカット アンド ペーストします。
注: 「%UBR7200-4-BADTXOFFSET」エラー メッセージが出た場合は、「The Problems Caused by an Invalid Time Offset」を参照してください。
uBR72xx/uBR7246 VXR ルータで故障する可能性のある主なハードウェア コンポーネントは次の 3 つです。
『Cisco uBR7200 Series トラブルシューティング』ガイドで「電源サブシステム」を参照してください。
『Cisco uBR7200 Series トラブルシューティング』ガイドで「冷却サブシステム」を参照してください。
プロセッサ サブシステムは次のコンポーネントから構成されています。
I/O コントローラについては、「Troubleshooting the I/O Controller」を参照してください。
NPE については、「Troubleshooting the Network Processing Engine」を参照してください。 次に確認するステップは、Cisco IOS バージョンと NPE タイプの対応です。 NPE のドキュメント「Preparation for Installation」の項「Software and Hardware Requirements」を参照して、特定のプラットフォームで使用できる NPE のタイプと、必要な最小の Cisco IOS バージョンを確認してください。
最初に確認するステップは、ポート アダプタの ENABLE LED のステータスです。 ポート アダプタのトラブルシューティングについては、「Troubleshooting Port Adapters」を参照してください。
ポート アダプタで最も一般的にみられる問題の 1 つが、uBR72xx/uBR7246 VXR ルータによって認識されないことです。 通常は、uBR72xx/uBR7246 VXR ルータで show diag コマンドを実行すれば、認識されていないポート アダプタがどのスロットに装着されているかがわかります。 以下の show diag の出力例では、認識されている 2 つのポート アダプタがスロット 1 とスロット 2 に装着されていることが示されています。
uBR7246vxr#show diag (display text omitted) Slot 1: Fast-ethernet (TX-ISL) Port adapter, 1 port Port adapter is analyzed Port adapter insertion time 3w2d ago EEPROM contents at hardware discovery: Hardware revision 1.0 Board revision A0 Serial number 3653723 Part number 73-1688-03 Test history 0x0 RMA number 00-00-00 EEPROM format version 1 EEPROM contents (hex): 0x20: 01 11 01 00 00 37 C0 5B 49 06 98 03 00 00 00 00 0x30: 50 00 00 00 00 00 00 00 FF FF FF FF FF FF FF FF Slot 2: ATM OC3 (MM) Port adapter, 1 port Port adapter is analyzed Port adapter insertion time 3w2d ago EEPROM contents at hardware discovery: Hardware revision 1.1 Board revision A0 Serial number 8529078 Part number 73-1843-03 Test history 0x0 RMA number 00-00-00 EEPROM format version 1 EEPROM contents (hex): 0x20: 01 17 01 01 00 82 24 B6 49 07 33 03 00 00 00 00 0x30: 50 00 00 00 98 05 07 00 FF FF FF FF FF FF FF FF (display text omitted)
カードがルータに認識されない場合は、シスコのポート アダプタ リリースのマトリックスで、使用しているポート アダプタが uBR72xx/uBR7246 VXR ルータでサポートされているかどうかを調べます。 また、「Software Advisor(登録ユーザ専用)」を参照してください。 ソフトウェアのアップグレードが必要な場合は、「Software Installation and Upgrade Procedures」を参照してください。
上記のすべてのステップを確認してもポート アダプタが uBR72xx/uBR7246 VXR ルータに認識されない場合は、シャーシの電源を切り、ポート アダプタを再装着してください。 問題が解決されない場合は、シャーシやスロットに問題がないことを確認するためにポート アダプタを別のスロットに装着します。 このステップの後もポート アダプタの ENABLE LED が点灯しない、あるいはポート アダプタがルータに認識されない場合、最も可能性が高いのは、ポート アダプタの故障です。
ケーブル クロック カードのトラブルシューティングの最初のステップとして、「Troubleshooting the Cisco Cable Clock Card 」を参照してください。 続いて、次の 2 個の重要な LED を確認します。
ENABLE LED
Fault LED
グリーンの ENABLE LED は、クロック カードが正しく装着され、ルータに認識されていることを意味します。 Fault LED がオレンジ色である場合は、クロック カードを交換する必要があります。 LED の詳細については、「Clock Card Overview」の「LEDs」の項を参照してください。
「Troubleshooting the Cisco Cable Clock Card」に概説されている手順に従ってもルータがクロック カードを認識しない場合は、使用している Cisco IOS バージョンが、サポートされている適切なバージョンであるか確認してください。 「Preparing for Installation manual」の「Software Requirements」の項を参照してください。 また、「Removing and Installing the Clock Card」マニュアルに従ってクロック カードが正しく装着されているかを確認します。 上記のすべてを試しても問題が解決しなければ、おそらくクロック カードかスロットに問題があります。
このトラブルシューティング プロセスの最初のステップとして、「Troubleshooting Cable Interface Cards」を参照してください。 ケーブル モデム カードの障害の原因として最も可能性が高いのは、サポートされていない Cisco IOS リリースが使用されていることです。
適切な Cisco IOS バージョンを使用している場合は、ケーブル インターフェイスのライン カードの装着手順に従って、カードがルータに正しく装着されているかを確認します。 最後は、シャーシやスロットに問題がないことを確認するためにケーブル モデム カードを別のスロットに装着します。 これでも問題が解決しない場合は、ケーブル モデム ライン カードを交換する必要があります。
uBR72xx/uBR7246 VXR ルータでクラッシュやハング、CPU 高用率が発生している場合は、「Troubleshooting High CPU Utilization on Cisco Routers」および「Troubleshooting Router Crashes」を参照し、これらの問題のトラブルシューティング方法を詳しく確認してください。
uBR72xx/uBR7246 VXR に接続されているケーブル モデムがオンラインにならない場合に、ケーブル モデム カードのハードウェア上の問題ではないことが確認されたのであれば、「トラブルシューティング:uBR ケーブル モデムがオンラインにならない場合」を参照してください。