このドキュメントでは、ハイブリッド Mobile and Remote Access(MRA)導入環境を設定する方法と、この導入環境で発生する可能性のある問題のトラブルシューティング方法について説明します。
このドキュメントに関しては個別の要件はありません。
このドキュメントは、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
本書の情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。 このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。 稼働中のネットワークで作業を行う場合、コマンドの影響について十分に理解したうえで作業してください。
ここでは、このドキュメントで説明する手順で役立つ背景情報を説明します。
これは、『Cisco Jabber DNS 設定ガイド』で説明するハイブリッド サービス検出フローです。
Cisco Jabber は、Cisco WebEx Messenger for Instant Message and Phone(IM&P)サービスへのログインすると、ユーザが Cisco Unified Communications Manager(CUCM)クラスタに関連付けられているかどうかを確認します。 ユーザが CUCM クラスタに関連付けられており、voiceservicesdomain または WebEx Messenger ドメインの _collab-edge サービス(SRV)レコードが検出される場合、Jabber クライアントは、設定されている CUCM クラスタから _collab-edge クエリで示された Cisco Expressway を介して電話サービスを取得しようとします。
MRA ハイブリッド導入環境での唯一のドメイン ネーム システム(DNS)要件は、collab-edge._tls.<domain> SRV レコードが外部 DNS サーバで作成されており、ポート 8443 の Expressway-E 外部 IP アドレスを指し示していることです。
_cuplogin._tcp.<domain> SRV レコードを内部で作成する必要はありません。 _cisco-uds._tcp.<domain> を作成することをお勧めします。これにより、Expressway-C が、MRA を通じて登録された Jabber クライアントのホーム クラスタを検索できます。
「Cisco Jabber DNS 導入ガイド」には次のような説明があります。
ハイブリッド導入環境では、CAS ルックアップによる Cisco WebEx ドメインの検出で必要なドメインと、DNS レコードが配布されるドメインが異なる場合があります。 このような場合は、Cisco WebEx の検出に使用されるドメインとして ServicesDomain を設定し、DNS レコードが配布されるドメインとして VoiceServicesDomain を設定します。 音声サービス ドメインは、次のように設定されます。
- クライアントが、設定ファイルの VoiceServicesDomain パラメータを使用。 このオプションは、jabber-config.xml ファイルをサポートしているクライアントで使用できます。
- ユーザが、VoiceServicesDomain を含む構成 URL をクリック。 このオプションは、次のクライアントで使用できます。
- Cisco Jabber for Android バージョン 9.6 以降
- Cisco Jabber for Mac バージョン 9.6 以降
- Cisco Jabber for iPhone and iPad バージョン 9.6.1 以降
- クライアントが、ブートストラップ ファイルの Voice_Services_Domain インストール スイッチを使用。 このオプションは、次のバージョンのクライアントでのみ使用できます。
- Cisco Jabber for Windows バージョン 9.6 以降
詳細については、該当するバージョンの『インストールおよび設定ガイド』を参照してください。
Cisco Jabber はサービス ドメインを取得した後、クライアント コンピュータまたはデバイスに設定されているネーム サーバをクエリします。
ここでは、Expressway C および Expressway E の設定方法と、MRA ハイブリッド導入環境が適切に動作するように Cisco WebEx を設定する方法について説明します。
クラウド ハイブリッド導入環境では次のネットワーク トポロジが使用されます。
MRA ハイブリッド導入環境が適切に動作できるようにするため、Expressway-C および Expressway-E で次の項目を設定する必要があります。
Expressway を設定し、ハイブリッド MRA 電話サービスに対応するように準備するため、『Cisco Expressway 経由での Unified Communications Mobile and Remote Access の導入ガイド』で説明する手順を実行します。
WebEx Messenger Administration Tool の設定では、CUCM クラスタを作成し、その CUCM クラスタに各ユーザを割り当てる必要があります。
WebEx Messenger Administration Tool で CUCM クラスタを作成するため、次の手順を実行します。
CUCM クラスタが作成されたら、そのクラスタをユーザに割り当てる必要があります。 この操作は、カンマ区切り値(CSV)形式でのインポートとディレクトリの同期、または(ここで説明する)Web インターフェイスを使用して実行します。
Web インターフェイスでユーザを割り当てるには、次の手順を実行します。
現在、この設定に使用できる確認手順はありません。
このセクションでは、設定のトラブルシューティングに役立つ情報を提供します。
WebEx Messenger Jabber アカウントにサインインしても電話サービス アイコンが Jabber の下隅に表示されない場合、WebEx で CUCM クラスタがユーザ プロファイルに割り当てられていません。
この問題を解決するには、次の手順を実行します。
この問題が発生する場合は、「Collaboration Edge で最も頻繁に発生する問題」というシスコのドキュメントで、CUCM への電話機の登録が失敗する原因である同様の問題を確認してください。