概要
このドキュメントでは、Cisco TelePresence Video Communication Server(VCS)でエラー コード 483 が発生することを防ぐために、最大転送値(ホップ カウント)を調整する方法について説明します。
問題
最大転送ヘッダー(ホップ カウント)はパケットとともに移動するパラメータであり、パケットがネットワーク要素(ゲートウェイまたはプロキシ)を通過するたびに減少します。 パケットがゾーン経由で転送されると、低い方の 2 つの値(元のホップ カウントまたはそのゾーン用に設定されたホップ カウント)が使用されます。これは、パケットが通過するすべてのゾーンで発生します。
例:最大転送値 57 のパケットが Microsoft Lync 環境から送られてきます。このパケットはホップ カウントが 15 に設定されたネイバー ゾーンに入ってから(最大転送値は 15 に変わる)、ホップ カウントが 70 に設定された Cisco Unified Communications Manager のゾーンに進みます(最大転送値は 1 つ減り、14 になる)。
送信元から宛先までのホップ カウントが送信元で設定された最大転送値よりも大きく、宛先に到達する前に最大転送値が 0 になると、パケットはそれ以上進めなくなります。これが原因でエラーコード 483:Too many hops が発生します。
H.323 では、ホップ カウントは検索要求のみに適用されます。セッション開始プロトコル(SIP)では、ホップ カウントはゾーンに送信される要求すべてに適用され、要求内の [Max-Forwards] フィールドに影響を与えます。
ホップ カウントはゾーンごとに設定されます。ゾーンには主に 2 つのタイプがあります。Cisco Unified Communications Manager ノード、Microsoft Lync のバックツーバック ユーザ エージェント(B2BUA)、手動で作成したゾーンなどの自動生成されるタイプ。
- 自動生成されたゾーンは CLI インターフェイスを使用して編集する必要があります。
- 手動で設定されたゾーンは、Web インターフェイスまたは CLI を使用して編集できます。
手動で生成されたゾーンのホップ カウントはデフォルトで 15 に設定されています。これはトポロジが判明している場合のオンプレミス ネットワークに適しています。Business-to-Business(B2B)通信が必要で(パケットがクラウド ベースまたはインターネット サービスの外に移動する)、ネットワーク構造が不明な場合、ホップ カウント値を 70 に増やすことを推奨します。
注:ホップ カウント値が必要より高く設定されている場合、ネットワークのループに入ってしまうリスクがあります。このような状況では、ホップ カウントが 0 になるまで検索要求がネットワークに送信され、リソースが不必要に消費されます。これを防ぐために、コール ループ検出モードをオンに設定します。
解決方法
このセクションでは、自動および手動で生成されたゾーンのホップ カウント値を調整する方法を説明します。
ヒント:手動で設定されたゾーンのホップ カウントを設定するには、CLI または Web インターフェイスのいずれかを使用できます。
Web インターフェイスの使用
Web インターフェイス経由でホップ カウントを編集するには、次の手順を実行してください。
- 管理者アカウントを使用して、[Configuration] > [Zones] > [Zones] に移動します。
- 設定するゾーンの名前をクリックすると [Edit Zone] ページが開きます。
- このゾーンで使用するホップ カウントの値を [Configuration] セクションの [Hop count] フィールドに入力します。手動設定ゾーンのデフォルト値は 15 ですが、トラフィックがクラウドやインターネット サービスなどの未知のネットワークを越えて移動する場合は 70 を推奨します。
Microsoft Lync B2BUA 設定で Web インターフェイス内のホップ カウント値を編集するには、次の手順を実行してください。
- [Applications] > [B2BUA] > [Microsoft Lync] > [Configuration] に移動します。
- [Configuration] を [Enabled] に設定します。
- [Show advanced settings] をクリックします。
- ホップ カウントを必要に応じて変更します(デフォルトは 70)。
CLI の使用
自動的に生成された回線側のネイバー ゾーンにも調整が必要な可能性があります。これらの編集は CLI を介して行います。
CLI 経由でホップ カウントを編集するには、次の手順を実行してください。
- システムが生成したゾーンの ID を取得するため、CLI で次のコマンドを入力します。
xconfig zones zone // systemGenerated
- yes の値を持つ ID ごとに、CLI に次のコマンドを入力し、現在設定されているホップ カウント値を表示します。
xconfig zones zone HopCount
- ホップ値がデフォルト値(15)に設定されている場合、次のコマンドを CLI に入力して値を 70 に増やします。
xconfig zones zone HopCount: "70"