概要
このドキュメントでは、Customer Voice Portal(CVP)が着信コールから自動番号識別(ANI)を抽出する方法について説明します。
前提条件
要件
次の項目に関する知識があることが推奨されます。
- Cisco Unified Contact Center Enterprise(UCCE)
- Cisco Unified Customer Voice Portal(CVP)
使用するコンポーネント
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。本稼働中のネットワークでは、各コマンドによって起こる可能性がある影響を十分確認してください。
背景説明
設計上のCVPは、P-Asserted-Identityヘッダー(PAI)のユーザ部分または着信INVITEのFromヘッダーから、PAIヘッダーの後にFromヘッダー(PAIが存在しない場合)が続く順序でANIを抽出し、この情報をNEW-CALL要求に含めてUCCEに送信します。11.0より前のバージョンでは、CVPはFromヘッダーのみをチェックします。このロジックはバージョン11.6で無効になり、Engineering Special(ES)11の一部として扱われました。
問題:
Customer Voice Portal(CVP)が誤った自動番号識別(ANI)をUCCEに渡す理由
電気通信事業者がPAIヘッダーで追加情報を送信した場合、またはPAIヘッダーの実際のANIとは異なるANIを送信した場合、CVPは着信INVITEから正しいANIを抽出しません。これにより、CVPは誤ったANIをUCCEに送信し、ビジネスロジックが失敗する可能性があります。
例 1
PAIヘッダーには、ユーザ部分に追加情報が含まれています。
P-Asserted-Identity: "NETWORK" <sip:+13067890000;rn=303357;oli=00@192.168.1.1:5060;user=phone>
例 2
ANIはPAIヘッダーとFromヘッダーで異なります。
送信元: <sip:12567891234@192.168.1.1:5060;user=phone;isup-oli=00>;tag=a3df5c45
P-Asserted-Identity: "NETWORK" <sip:+13067890000@192.168.1.1:5060;user=phone>
解決方法
- コールがCisco Unified Border Element(CUBE)から発信される場合は、SIPプロファイルを使用して自動番号識別(ANI)をPAIまたはFromヘッダー内の実際のANIに変更し、CVP/Cisco Unified SIP Proxy Server(CUSP)への発信ダイヤルピアに適用します。
- Cisco Unified Communication Manager(CUCM)発信コールの場合は、CVP/CUSPに向かうSIPトランクにSIP正規化スクリプトを設定します。
- マイクロアプリケーションのExpanded Call Context(ECC)変数を使用
user.microapp.override_cli
CVPからのアウトバウンド転送でANIを上書きするUnified Contact Center Enterpriseスクリプト。
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