このドキュメントでは、Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチ上で Cisco NX-OS をアップグレードする詳しい手順を説明します。
次の項目に関する知識があることが推奨されます。
SCP およびこのプロトコルでファイルを転送する方法
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
Nexus 5020 シリーズ スイッチ
キックスタート イメージ n5000-uk9-kickstart.4.0.0.N1.2.bin
システム ソフトウェア n5000-uk9.4.0.0.N1.2.bin
ドキュメント表記の詳細については、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチには次のようなイメージがあります。
BIOS イメージおよびローダ イメージが 1 つに組み合わされたファイル
キックスタート イメージ
アップグレード可能な BIOS イメージを含むシステム イメージ
スイッチにはフラッシュ メモリがあり、次の 2 つのフラッシュ パーツから構成されています。
2 つの BIOS イメージおよびローダ イメージが含まれる 2 MB のフラッシュ パーツ
設定ファイル、キックスタート イメージ、システム イメージ、その他のファイルが含まれる 1 GB のフラッシュ パーツ
アップグレード可能な BIOS およびゴールデン BIOS は、2 MB のフラッシュ部分にプログラムされています。ゴールデン BIOS はアップグレードできません。
キックスタート イメージとシステム イメージの新しいペアをダウンロードすると、新しい BIOS イメージもダウンロードされます。これは、BIOS イメージがシステム イメージに含まれているためです。install all コマンドを使用すると、キックスタート イメージ、システム イメージ、アップグレード可能 なBIOS イメージをアップグレードできます。
Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチでは、電源コードを A/C 電源に差し込むとすぐにブート プロセスが始まります。このスイッチには電源スイッチがありません。
スイッチを起動すると、ゴールデン BIOS がアップグレード可能な BIOS のチェックサムを検証します。チェックサムが有効の場合、アップグレード可能な BIOS イメージにコントロールが移ります。アップグレード可能な BIOS はキックスタート イメージを開始し、次にそのキックスタート イメージはシステム イメージを開始します。アップグレード可能な BIOS のチェックサムが有効でない場合は、ゴールデン BIOS がキックスタート イメージを開始し、次にそのキックスタート イメージがシステム イメージを開始します。
スイッチで強制的にアップグレード可能な BIOS を迂回し、代わりにゴールデン BIOS を使用することができます。スイッチの電源を入れてから 2 秒以内に Ctrl + Shift + 6 を押すと、アップグレード可能な BIOS のチェックサムが有効であっても、ゴールデン BIOS を使用してキックスタート イメージが開始します。
注: Ctrl + Shift + 6 を押す場合、コンソール設定をデフォルトに設定する必要があります。デフォルトの設定は 9600 ボー、8 データ ビット、パリティなし、1 ストップ ビットです。
ブート シーケンスが始まる前に、BIOS はスイッチの内部テストを実行します。テストが不合格の場合、ローダにコントロールは移りません。その代わりに BIOS イメージがコントロールを保持し、30 秒ごとに 9600 ボーで、障害があることを示すメッセージをコンソールに出力します。
ローダ イメージ、キックスタート イメージ、システム イメージの工場出荷時のデフォルト コンソール設定は次のとおりです。
速度:9600 ボー
データ ビット:8 ビット/バイト
ストップ ビット:1 ビット
パリティ:なし
これらの設定はスイッチに保存されており、3 つすべてのイメージは、保存されているコンソール設定を使用します。
コンソール設定を変更するには、コンフィギュレーション モードで line console コマンドを使用します。次の例ではライン コンソールを設定し、その端末回線のオプションを設定します。
switch# configure terminal switch(config)# line console switch(config-console)# databits 7 switch(config-console)# exec-timeout 30 switch(config-console)# parity even switch(config-console)# stopbits 2
BIOS コンソール設定は変更できません。これらの設定は、デフォルトのコンソール設定と同じです。
注: ネットワーク管理者ロールを持つユーザは、スイッチのソフトウェア イメージをアップグレードできます。
次のステップを実行します。
コンソール ポート接続でスイッチにログインします。
http://www.cisco.com/に移動し、ページ上部の [Log In] をクリックして、シスコのユーザ名とパスワードを入力して Cisco.com にログインします。
注: Cisco.com に登録していないユーザは、このマニュアルに記載されているリンクにアクセスできません。
ソフトウェア ダウンロード センター(登録ユーザのみ)に移動します。
Cisco Nexus 5000 シリーズ スイッチのソフトウェア ダウンロードに移動します。スイッチのダウンロード イメージへのリンクが表示されます。
関連するイメージ ファイルのリリース ノートを参照します。
キックスタート ソフトウェア ファイルおよびシステム ソフトウェア ファイルを選択し、サーバにダウンロードします。
コピーするイメージ ファイルに必要な領域が、bootflash: ディレクトリにあることを確認します。
switch# dir bootflash: 5910 Jun 17 14:48:28 2008 config0617 453 Jan 01 00:12:13 2005 ent-fm.lic 453 Jan 01 20:50:55 2005 ent-fm123.lic 453 Jan 01 20:58:49 2005 ent-fm123456.lic 215 Jan 01 00:13:50 2005 enterprise.lic 221 Jan 01 04:25:43 2005 eth-mod.lic 219 Jan 01 04:26:14 2005 eth-port.lic 216 Jan 01 00:21:48 2005 fc-feature.lic 49152 Jul 28 09:42:51 2008 lost+found/ 21581824 Jul 08 10:11:14 2008 n5000-uk9-kickstart.4.0.0.N1.1.445.bin 21573632 Jul 28 09:38:33 2008 n5000-uk9-kickstart.4.0.0.N1.1.47.bin 20062208 Jul 28 09:43:05 2008 n5000-uk9-kickstart.4.0.0.N1.2.467.bin 77139580 Jul 08 10:10:45 2008 n5000-uk9.4.0.0.N1.1.445.bin 75270834 Jul 28 09:38:33 2008 n5000-uk9.4.0.0.N1.1.47.bin 76924383 Jul 28 09:44:01 2008 n5000-uk9.4.0.0.N1.2.467.bin 4096 Jan 01 00:07:37 2005 routing-sw/ 3697 Apr 30 14:53:07 2008 startup-config 4096 Aug 08 12:49:09 2008 test/ 0 Jan 03 04:19:13 2005 thttpd_output 782893 Jan 21 16:56:14 2005 zone-scale-config.out 126927 Jan 21 16:55:45 2005 zoneset-scale-config.out Usage for bootflash://sup-local 855547904 bytes used 6942613504 bytes free 7798161408 bytes total
アクティブなスーパーバイザ モジュールのブートフラッシュにさらに多くのスペースが必要な場合、不要なファイルを削除して、使用できる領域を確保します。
switch# delete bootflash:n5000-uk9-kickstart.4.0.0.N1.1.445.bin switch# delete bootflash:n5000-uk9.4.0.0.N1.1.445.bin
転送プロトコルを使って、キックスタート イメージおよびシステム イメージをスーパーバイザ モジュールのブートフラッシュにコピーします。ftp:、tftp:、scp:、sftp: を使用できます。この手順の例では scp: を使用します。
switch# copy scp://user@scpserver.cisco.com//downloads/n5000-uk9-kickstart.4.0.0.N1.2.bin bootflash:n5000-uk9-kickstart.4.0.0.N1.2.bin switch# copy scp://user@scpserver.cisco.com//downloads/n5000-uk9.4.0.0.N1.2.bin bootflash:n5000-uk9.4.0.0.N1.2.bin
ステップ 9 でダウンロードした新しいイメージ名を指定し、新しいイメージをインストールします。
switch(config)# install all kickstart bootflash:n5000-uk9-kickstart.4.0.0.N1.2.bin system bootflash:n5000-uk9.4.0.0.N1.2.bin
指定したイメージの互換性チェック(show incompatibility コマンドに相当)を実行します。互換性の問題がある場合はエラー メッセージが表示され、インストールは続行されません。
互換性チェックの結果を表示し、インストールを中断するかどうかを表示します。
プロンプトが表示され、インストールの継続または中断を選択できます。
注: インストールを中断すると、スイッチの再起動中にトラフィックが中断されます。
指定したイメージを参照するようにブート変数を更新し、スタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。
スイッチでインストールが完了したら、ログインして必要なソフトウェア バージョンがスイッチで実行されていることを確認します。
switch# show version Cisco Nexus Operating System (NX-OS) Software TAC support:http://www.cisco.com/tac Copyright ©) 2002-2008, Cisco Systems, Inc. All rights reserved. The copyrights to certain works contained herein are owned by other third parties and are used and distributed under license. Some parts of this software may be covered under the GNU Public License or the GNU Lesser General Public License. A copy of each such license is available at http://www.gnu.org/licenses/gpl.html and http://www.gnu.org/licenses/lgpl.html Software BIOS: version 1.2.0 kickstart: version 4.0(0)N1(2) system: version 4.0(0)N1(2) BIOS compile time: 06/19/08 kickstart image file is: bootflash:/n5000-uk9-kickstart.4.0.0.N1.2.467.bin kickstart compile time: 7/28/2008 2:00:00 [07/28/2008 09:41:24] system image file is: bootflash:/n5000-uk9.4.0.0.N1.2.467.bin system compile time: 7/28/2008 2:00:00 [07/28/2008 10:09:17] Hardware cisco Nexus5020 Chassis ("40x10GE/Supervisor") Intel®) Celeron®) M CPU with 2074164 kB of memory. Processor Board ID JAB120600AY bootflash: 7864320 kB nms-eugene-02 kernel uptime is 11 days 3 hours 15 minute(s) 19 second(s) Last reset at 63897 usecs after Mon Jul 28 09:46:39 2008 Reason: Reset by installer System version: 4.0(0)N1(1) Service:
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
12-Feb-2019 |
初版 |