このドキュメントでは、Catalyst OS(CatOS)および Cisco IOS(R) ソフトウェアが稼働する Catalyst 4500/4000、5500/5000、および 6500/6000 シリーズ スイッチでの管理 IP アドレスの設定方法について説明しています。このドキュメントでは、Cisco IOS ソフトウェアのみが稼働する Catalyst 固定構成スイッチと、2900/3500XL、2940、2950、2955、2970、3550、および 3750 シリーズ スイッチについても記述されています。TCP/IP 対応のリモートの管理ステーションからスイッチを管理する場合には、IP アドレスが必要です。コンソール ポートの VT100 ターミナルで管理されるスイッチでは、IP アドレスは不要です。
シスコでは、このセクション内の情報についての知識があることを推奨します。
CatOS のみが稼働する Catalyst 4500/4000、5500/5000、および 6500/6000 スイッチは Layer 2(L2)スイッチです。Catalyst 固定構成スイッチ 2900/3500XL、2940、2950、2955、および 2970 も L2 スイッチです。L2 上の TCP/IP プロトコルは管理の目的にのみ使用します。スイッチを通過するデータには、IP、Internetwork Packet Exchange(IPX)、AppleTalk などの Layer 3(L3)アドレスが含まれている場合があります。ところが、これらのスイッチでは、トラフィックの送信元とデータを受信するポートを判別するのにデータの MAC アドレスしか使用されません。L2 スイッチでは、データの転送時には L3 アドレスは無視されます。
Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Catalyst 3550/3750、4500/4000、および 6500/6000 シリーズ スイッチはスイッチ ルータまたは L3 スイッチで、管理には任意のインターフェイスを使用できます。管理インターフェイスは、次のいずれかの方法で設定できます。
ループバック インターフェイスのような、論理インターフェイスとして設定する
管理 VLAN で L2 アクセス ポートとして設定する
IP アドレスを持つ L3 インターフェイスとして設定する
注:これは、任意のCiscoルータでインターフェイスを設定する方法と同じです。
このドキュメントで説明する Catalyst スイッチには、次の管理インターフェイスが備わっています。
CatOS が稼働するスーパーバイザ エンジン搭載の Catalyst 5500/5000 および 6500/6000 シリーズ スイッチには、2 つの設定可能な IP 管理インターフェイスが備わっています。
インバンド(sc0)インターフェイス
Serial Line Internet Protocol(SLIP; シリアル ライン インターネット プロトコル)(sl0)インターフェイス
CatOS が稼働するスーパーバイザ エンジン搭載の Catalyst 4500/4000 スイッチには、3 つの設定可能な IP 管理インターフェイスが備わっています。sc0とsl0ともう 1 つのインターフェイスを、管理イーサネット(me1)インターフェイスと呼びます。
Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Catalyst L2 固定構成スイッチには、設定可能な IP 管理インターフェイスが 1 つだけ備わっており、デフォルトではインターフェイス VLAN 1 となっています。
純粋なレイヤ 2 スイッチでは、一時点でアップにできるインターフェイス VLAN は 1 つだけです。これは管理 VLAN(IOS の場合)、または sc0 インターフェイス(CatOS の場合)と呼ばれます。 このインターフェイスの主な目的は、(Telnet、SNMP などの)管理です。 スイッチがレイヤ 3 スイッチである場合、複数の VLAN とその間のルートを設定できます。L3 スイッチは複数の IP を処理できるため、スイッチには特定の管理 VLAN はありません。
Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Catalyst 3550/3750 シリーズ スイッチでは、どのインターフェイスも管理用に使用できます。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
sc0 インターフェイスは、スイッチング ファブリックに接続される内部管理インターフェイスです。sc0 インターフェイスは、以下を含む通常のスイッチ ポートのすべての機能に関与します。
スパニング ツリー プロトコル(STP)
シスコ検出プロトコル(CDP)
Virtual LAN(VLAN; 仮想 LAN)メンバシップ
me1 および sl0インターフェイスは、スイッチング ファブリックに接続されていないアウトバンド管理インターフェイスで、これらの機能には関与しません。
sc0 または me1 インターフェイスの IP アドレス、サブネット マスク、およびブロードキャスト アドレス(および sc0 インターフェイス上、VLAN メンバーシップ)を設定する場合は、Telnet または Simple Network Management Protocol(SNMP)でスイッチにアクセスできます。 SLIP (sl0) インターフェイスを設定すると、ワークステーションからコンソールポートを介してスイッチへのポイントツーポイント接続を開くことができます。
ご使用のシスコデバイスのshow interfaceコマンドの出力がある場合は、Output Interpreter (登録ユーザ専用)ツールを使用して、潜在的な問題と修正を表示できます。
sc0 には、直接接続用の外部ポートがありません。このインターフェイスはスイッチ内の論理インターフェイスとして存在し、そのスイッチ上のどの物理ポートからもアクセスできます。次にこれを図示します。
me1 は、Catalyst 4500/4000 シリーズ スイッチ上のスーパーバイザ エンジン モジュールの、実際の物理イーサネット ポートです。このインターフェイスはネットワーク管理にのみ使用し、ネットワーク スイッチングはサポートしません。
sl0 では、物理インターフェイスとして RS232 コンソール ポートを使用します。sl0 は SLIP モードの場合、VT100 コンソールとしては使用できません。次に、sl0 への SLIP 接続を図示します。
この項では、インバンド sc0 インターフェイス上の IP アドレスの設定方法を説明します。
端末をスイッチのコンソール ポートに接続します。
Catalyst スイッチのコンソール ポートに接続する方法についての詳細は、『Catalyst スイッチのコンソール ポートに端末を接続する方法』を参照してください。
管理インターフェイスのデフォルト ステータスを表示するには、スイッチのプロンプトで show interface コマンドを発行します。
Switch-A> (enable) show interface sl0: flags=51<DOWN,POINTOPOINT,RUNNING> slip 0.0.0.0 dest 0.0.0.0 sc0: flags=63<UP,BROADCAST,RUNNING> vlan 1 inet 0.0.0.0 netmask 0.0.0.0 broadcast 0.0.0.0 me1: flags=62<DOWN,BROADCAST,RUNNING> inet 0.0.0.0 netmask 0.0.0.0 broadcast 0.0.0.0 !--- Catalyst 5500/5000 and 6500/6000 series switches !--- do not display the me1 interface in the output. Switch-A> (enable)
set interface sc0 172.16.84.17 255.255.255.0 172.16.84.255コマンドを発行して、sc0のIPアドレスを設定します。
スイッチからは、どのパラメータが変更されたかを通知するメッセージが返されます。
注:set interface sc0コマンドを発行すると、IPアドレスのサブネットマスクを使用せずにブロードキャストアドレスを入力することはできません。
Switch-A> (enable) set interface sc0 172.16.84.17 255.255.255.0 172.16.84.255 Interface sc0 IP address, netmask, and broadcast set. Switch-A> (enable)
変更を表示するには、show interface コマンドを発行します。
Switch-A> (enable) show interface sl0: flags=51<DOWN,POINTOPOINT,RUNNING> slip 0.0.0.0 dest 0.0.0.0 sc0: flags=63<UP,BROADCAST,RUNNING> vlan 1 inet 172.16.84.17 netmask 255.255.255.0 broadcast 172.16.84.255 me1: flags=62<DOWN,BROADCAST,RUNNING> inet 0.0.0.0 netmask 0.0.0.0 broadcast 0.0.0.0 Switch-A> (enable)
set interface sc0 172.16.84.17 コマンドの後に IP アドレスだけを入力すると、そのアドレス クラスのデフォルト ブロードキャスト アドレスとデフォルト マスクが自動的に設定されます。以下が一例です。
Switch-A> (enable) set interface sc0 172.16.84.17 !--- Notice that neither the mask nor the broadcast address is specified. Interface sc0 IP address and netmask set. Switch-A> (enable) Switch-A> (enable) show interface sl0: flags=51<DOWN,POINTOPOINT,RUNNING> slip 0.0.0.0 dest 0.0.0.0 sc0: flags=63<UP,BROADCAST,RUNNING> vlan 1 inet 172.16.84.17 netmask 255.255.0.0 broadcast 172.16.255.255 !--- Notice that the switch took the default mask !--- and the broadcast address of class B. me1: flags=62<DOWN,BROADCAST,RUNNING> inet 0.0.0.0 netmask 0.0.0.0 broadcast 0.0.0.0 Switch-A> (enable)
set interface sc0 コマンドの後に IP アドレスとサブネット マスクを入力すると、特定のサブネットのブロードキャスト アドレスが自動的に設定されます。
sc0インターフェイスのVLANを変更するには、set interface sc0 vlan#コマンドを発行し、VLAN番号を指定します。
注:デフォルトでは、sc0インターフェイスはVLAN 1に属しています。
sc0 のメンバシップを VLAN 2 に変更する場合は、次のコマンドを発行してください。
Switch-A> (enable) set interface sc0 2 Interface sc0 vlan set. Switch-A> (enable)
注:このコマンドを発行する前に、スイッチにVLAN 2が設定されていることを確認してください。Catalyst スイッチでの VLAN の設定については、このドキュメントでは扱いません。詳細については、『Catalyst スイッチでのイーサネット VLAN の作成』を参照してください。
変更を表示するには、show interface コマンドを発行します。
Switch-A> (enable) show interface sl0: flags=51<DOWN,POINTOPOINT,RUNNING> slip 0.0.0.0 dest 0.0.0.0 sc0: flags=63<UP,BROADCAST,RUNNING> vlan 2 inet 172.16.84.17 netmask 255.255.255.0 broadcast 172.16.84.255 me1: flags=62<DOWN,BROADCAST,RUNNING> inet 0.0.0.0 netmask 0.0.0.0 broadcast 0.0.0.0 Switch-A> (enable)
show ip route コマンドを入力します。
注: ルータを経由してスイッチを管理する場合は、デフォルト ゲートウェイを設定する必要があります。スイッチは IP ルーティングに関与しません。そのため、スイッチではネットワークの L3 トポロジは認識されていません。
show ip route コマンドを発行する際には、サブネット sc0 のゲートウェイに自身のアドレスが割り当てられていることに注意してください。
Switch-A> (enable) show ip route Fragmentation Redirect Unreachable ------------- -------- ----------- enabled enabled enabled Destination Gateway RouteMask Flags Use Interface --------------- --------------- ---------- ----- -------- --------- 172.16.84.0 172.16.84.17 0xffffff00 U 395 sc0 default default 0xff000000 UH 0 sl0 Switch-A> (enable)
set ip route 0.0.0.0 172.16.84.1コマンドまたはset ip route default 172.16.84.1コマンドを発行して、デフォルトルートを確立します。
2 番目の IP アドレスはゲートウェイになるルータのアドレスです。この IP アドレスは、スイッチと同じ IP サブネットに属している必要があります。デフォルトの IP ゲートウェイは 3 つまで設定できます。ゲートウェイをプライマリ ゲートウェイにするには、set ip route コマンドで primary キーワードを使用します。プライマリ デフォルト ゲートウェイを指定しない場合は、最初に設定したゲートウェイがプライマリ ゲートウェイとなります。複数のゲートウェイをプライマリに指定すると、最後に設定したプライマリ ゲートウェイがプライマリ デフォルト ゲートウェイになります。
Switch-A> (enable) set ip route 0.0.0.0 172.16.84.1 Route added. Switch-A> (enable)
または
Switch-A> (enable) set ip route default 172.16.84.1 Route added. Switch-A> (enable)
変更を表示するには、show ip route コマンドを発行します。
Switch-A> (enable) show ip route Fragmentation Redirect Unreachable ------------- -------- ----------- enabled enabled enabled The primary gateway: 172.16.84.1 Destination Gateway RouteMask Flags Use Interface --------------- --------------- ---------- ----- -------- --------- default 172.16.84.1 0x0 UG 0 sc0 172.16.84.0 172.16.84.17 0xffffff00 U 525 sc0 default default 0xff000000 UH 0 sl0 Switch-A> (enable)
ルーティング テーブルからルートをクリアする必要がある場合は、clear ip route all コマンドを発行します。
注:別のサブネットからTelnetでスイッチに接続している場合、ルートをクリアすると接続が失われます。スイッチと同じサブネット上にある PC やターミナルまたは接続されているコンソールからゲートウェイ アドレスが再入力されるまで、再度、スイッチには到達できません。
Switch-A> (enable) clear ip route all All routes deleted. Switch-A> (enable)
そのルートだけを指定して、1 つのルートをクリアすることもできます。clear ip route 0.0.0.0 172.16.84.1 コマンドを発行します。
sl0 上の SLIP 接続を使用すると、コンソール ポート以外にスイッチへのパスがない環境で、TCP/IP 対応デバイスによりリモートでのスイッチのモニタや管理ができます。
ネットワーク マネージャは、リモート PC を使用して世界中のどこにあるスイッチにでもダイヤル アップし、SLIP 上で SNMP や Telnet を使用してスイッチを管理できます。また、TFTP を使用して sl0 インターフェイスでシステム ソフトウェアをアップロードすることもできます。SLIP を使用しない場合は、コンソール ポートは VT100 アクセス(TTY)または Kermit ファイル転送にのみ使用できます。Catalyst スイッチへのダイヤルアップ接続をイネーブルにする方法についての詳細は、『Catalyst スイッチのコンソール ポートへのモデムの接続』を参照してください。
この図は、sl0を使用したリモート端末によるスイッチの管理例を示しています。このタイプの管理は、アウトオブバンド管理と呼ばれることがあります。アウトオブバンドとは、スイッチが接続されているネットワークが含まれないパス経由で、管理ターミナルがデバイスにアクセスすることを意味します。
直接接続されたコンソール ターミナルから sl0 インターフェイスをセットアップしてアクティブにすると、コンソール接続が失われます。使用するターミナルが SLIP をサポートしている場合は、スイッチで SLIP セッションを確立します。完了したら SLIP 接続を無効にし、直接コンソール接続ができるようにします。SLIP をアクティブにしていながら、ターミナルで SLIP がサポートされていない場合は、コンソール ポートへのアクセスを回復するために、スイッチへの Telnet 接続を確立して sl0 を無効にするか、またはスイッチの電源を再投入します。
注:SLIPを実行できる端末があり、その使用方法がわかっている場合を除き、スイッチへのTelnet接続から次の手順を実行してください。
スイッチへの Telnet セッションを確立します。
スイッチのSLIPアドレスと宛先IPアドレスを設定するには、コマンドプロンプトでset interface sl0 1.1.1.1 1.1.1.2コマンドを発行します。
以下が一例です。
Switch-A> (enable) set interface sl0 1.1.1.1 1.1.1.2 Interface sl0 slip and destination address set. Switch-A> (enable)
SLIP モードをアクティブにするために、コマンド プロンプトで slip attach コマンドを発行します。
以下が一例です。
Switch-A> (enable) slip attach Console Port now running SLIP. Switch-A> (enable)
SLIP モードを無効にするために、コマンド プロンプトで slip detach コマンドを発行します。
以下が一例です。
Switch-A> (enable) slip detach SLIP detached on Console port. Switch-A> (enable)
このセクションでは、Catalyst 4500/4000 シリーズ スイッチ上に存在する me1 の IP アドレスを設定する方法について説明しています。me1 インターフェイスで受信されるパケットが、スイッチング ファブリックに到達することはありません。さらに、スーパーバイザ エンジン上のイーサネット ポートを介さなければ、me1 インターフェイスへはアクセスできません。
me1 インターフェイスのもう 1 つの特性は、スイッチが ROM monitor(ROMmon)にある場合、インターフェイス me1 が唯一のアクティブなインターフェイスであることです。ROMmon では、me1 を介してネットワークから起動したり、me1 を介して Cisco IOS ソフトウェアをアップグレードすることが可能です。ただし、直接コンソール ポートに接続する必要があります。このインターフェイスは、ソフトウェア イメージの破損または喪失やアップグレード障害から Catalyst 4500/4000 シリーズ スイッチを回復させる際に使用できます。詳細は、『CatOSが稼働するCatalystスイッチのブーティング障害からの回復』の「Catalyst 4000、Catalyst 2948G、Catalyst 2980G、およびCatalyst 4912Gの回復」セクションを参照してください。
me1 インターフェイスの IP アドレスの設定は、sc0 インターフェイスでの設定に類似した方法で行います。唯一の違いは、me1 インターフェイスは sc0 インターフェイスのようにはスイッチング ファブリックに到達しないため、me1 インターフェイスを VLAN に接続できないことです。
me1 インターフェイスの IP アドレスを設定するには、次の手順を実行します。
端末をスイッチのコンソール ポートに接続します。
show interfaceコマンドをスイッチのプロンプトで発行して、me1インターフェイスのデフォルトステータスを表示します。
以下が一例です。
Switch-A> (enable) show interface sl0: flags=51<DOWN,POINTOPOINT,RUNNING> slip 0.0.0.0 dest 0.0.0.0 sc0: flags=63<UP,BROADCAST,RUNNING> vlan 1 inet 0.0.0.0 netmask 0.0.0.0 broadcast 0.0.0.0 me1: flags=62inet 0.0.0.0 netmask 0.0.0.0 broadcast 0.0.0.0 Switch-A> (enable)
me1 用の IP アドレスを設定するには、set interface me1 10.1.1.2 255.255.255.0 10.1.1.255 コマンドを発行します。
スイッチからは、どのパラメータが変更されたかを通知するメッセージが返されます。
注:ブロードキャストアドレスを設定するには、ネットマスクを入力する必要があります。
Switch-A> (enable) set interface me1 10.1.1.2 255.255.255.0 10.1.1.255 Interface me1 IP address, netmask, and broadcast set. Switch-A> (enable)
行った変更を表示するには、show interface コマンドを発行します。
Switch-A> (enable) show interface sl0: flags=50 <DOWN,POINTOPOINT,RUNNING> slip 0.0.0.0 dest 0.0.0.0 sc0: flags=63 <UP,BROADCAST,RUNNING> vlan 1 inet 0.0.0.0 netmask 0.0.0.0 broadcast 0.0.0.0 me1: flags=63inet 10.1.1.2 netmask 255.255.255.0 broadcast 10.1.1.255 Switch-A> (enable)
set interface me1 10.1.1.2 コマンドの後に IP アドレスだけを入力すると、使用したアドレス クラスのデフォルト ブロードキャスト アドレスとデフォルト マスクが設定されます。以下が一例です。
Switch-A> (enable) set interface me1 10.1.1.2 !--- Notice that neither the mask nor the broadcast address is specified. Interface sc0 IP address and netmask set. Switch-A> (enable) Switch-A> (enable) show interface sl0: flags=50 <DOWN,POINTOPOINT,RUNNING> slip 0.0.0.0 dest 0.0.0.0 sc0: flags=63 <UP,BROADCAST,RUNNING> vlan 1 inet 0.0.0.0 netmask 0.0.0.0 broadcast 0.0.0.0 me1: flags=63 <UP,BROADCAST,RUNNING> inet 10.1.1.2 netmask 255.0.0.0 broadcast 10.255.255.255 !--- Notice that the switch took the !--- default mask and the broadcast address of class A. Switch-A> (enable)
注:通常は、me1インターフェイスはsc0インターフェイスとは異なるサブネットに設定されているため、両方のインターフェイスがアップしたままになります。両方のインターフェイスを同じサブネットまたは同じ IP アドレスで設定できますが、この場合、sc0 インターフェイスはシャットダウンされます。この場合、インターフェイス me1 が常に優先されます。たとえば、sc0 インターフェイスを 172.16.84.17 255.255.255.0 という IP アドレスで設定していて、me1 インターフェイスを同じサブネット(172.16.84.18 255.255.255.0)に設定する場合、次のメッセージが表示されます。
Switch-A> (enable) set interface me1 172.16.84.18 255.255.255.0 172.16.80.255 This command places me1 and sc0 into the same ip subnet. The sc0 interface will be automatically configured down if necessary to resolve the conflict. Do you want to continue (y/n) [n]?y Interface me1 IP address, netmask, and broadcast set. Interface sc0 administratively down due to conflict. Console> (enable) !--- Check the configuration. Switch-A> (enable) show interface sl0: flags=50 <DOWN,POINTOPOINT,RUNNING> slip 0.0.0.0 dest 0.0.0.0 sc0: flags=62 <DOWN,BROADCAST,RUNNING> vlan 1 inet 172.16.84.17 netmask 255.255.255.0 broadcast 172.16.84.255 me1: flags=63 <UP,BROADCAST,RUNNING> inet 172.16.84.18 netmask 255.255.255.0 broadcast 172.16.84.255 Switch-A> (enable)
ステップ 3 で me1 のステータスに「アップ」ではなく「ダウン」が通知された場合、手動で始動させるために、次のコマンドを発行します。
Switch-A> (enable) set interface me1 up Interface me1 administratively up. Switch-A> (enable)
show ip route コマンドを入力します。
注:ルータを介してスイッチを管理できるようにする場合は、スイッチがIPルーティングに参加しないため、デフォルトゲートウェイを設定する必要があります。そのため、スイッチではネットワークの L3 トポロジは認識されていません。
show ip routeコマンドを発行する場合は、サブネットme1のゲートウェイが自身のアドレスに割り当てられていることに注意してください。
Switch-A> (enable) show ip route Fragmentation Redirect Unreachable ------------- -------- ----------- enabled enabled enabled Destination Gateway RouteMask Flags Use Interface --------------- --------------- ---------- ----- -------- --------- 10.1.1.0 10.1.1.2 0xffffff00 U 0 me1 Switch-A> (enable)
デフォルト ルートを確立するには、set ip route 0.0.0.0 10.1.1.3 コマンドまたは set ip route default 10.1.1.3 コマンドを発行します。
2 番目の IP アドレスはゲートウェイになるルータのアドレスです。この IP アドレスは、スイッチと同じ IP サブネットに属している必要があります。
Switch-A> (enable)set ip route 0.0.0.0 10.1.1.3 Route added. Switch-A> (enable)
または
Switch-A> (enable) set ip route default 10.1.1.3 Route added. Switch-A> (enable)
変更を表示するには、show ip route コマンドを発行します。
Switch-A> (enable) show ip route Fragmentation Redirect Unreachable ------------- -------- ----------- enabled enabled enabled The primary gateway: 10.1.1.3 Destination Gateway RouteMask Flags Use Interface --------------- --------------- ---------- ----- -------- --------- default 10.1.1.3 0x0 UG 0 me1 10.1.1.0 10.1.1.2 0xffffff00 U 1 me1 Switch-A> (enable)
注:sc0とme1が異なるサブネットにある場合は、複数のデフォルトゲートウェイを設定できます。ただし、最初に定義したゲートウェイがプライマリ ゲートウェイとなります。これが意図したゲートウェイではない場合、プライマリ デフォルト ゲートウェイを変更するためには、コマンドの最後に primary というキーワードを使用する必要があります。たとえば、次の両方に該当する場合は、172.16.84.1 がプライマリ ゲートウェイになります。
172.16.84.1 のデフォルト ゲートウェイで、sc0 を IP アドレス 172.16.84.17 255.255.255.0 で最初に設定してある。
10.1.1.3 のデフォルト ゲートウェイで、me1 を IP アドレス 10.1.1.2 255.255.255.0 で設定する。
プライマリ ゲートウェイを 10.1.1.3 に変更するには、次のコマンドを発行できます。
Switch-A> (enable) show ip route Fragmentation Redirect Unreachable ------------- -------- ----------- enabled enabled enabled The primary gateway: 172.16.80.1 Destination Gateway RouteMask Flags Use Interface --------------- --------------- ---------- ----- -------- --------- default 10.1.1.3 0x0 G 0 me1 default 172.16.84.1 0x0 UG 11 sc0 172.16.80.0 172.16.84.17 0xffffff00 U 38 sc0 10.1.1.0 10.1.1.2 0xffffff00 U 4 me1 !--- Notice that 172.16.84.1 is the primary default gateway. Switch-A> (enable) !--- Change the primary default gateway to 10.1.1.3. Switch-A> (enable) set ip route default 10.1.1.3 primary Primary route changed Switch-A> (enable) !--- This message displays when the primary gateway is changed: %SYS-5-RTE_DEFGATEFROM:Default Gateway switching from 172.16.80.1 %SYS-5-RTE_DEFGATETO:Default Gateway switching to 10.1.1.3 !--- Verify the change. Switch-A> (enable) show ip route Fragmentation Redirect Unreachable ------------- -------- ----------- enabled enabled enabled The primary gateway: 10.1.1.3 Destination Gateway RouteMask Flags Use Interface --------------- --------------- ---------- ----- -------- --------- default 10.1.1.3 0x0 UG 0 me1 default 172.16.84.1 0x0 G 11 sc0 172.16.80.0 172.16.84.17 0xffffff00 U 38 sc0 10.1.1.0 10.1.1.2 0xffffff00 U 4 me1 !--- Notice that now the primary default gateway is 10.1.1.3.
ルーティング テーブルからルートをクリアする必要がある場合は、clear ip route all コマンドを発行します。
注:別のサブネットからTelnetでスイッチに接続している場合、ルートをクリアすると接続が失われます。他のユーザがゲートウェイ アドレスを再入力するまで、スイッチと同じサブネット上にある PC やターミナルまたは接続されているコンソールからスイッチに再接続できません。
Switch-A> (enable) clear ip route all All routes deleted. Switch-A> (enable)
そのルートだけを指定して、1 つのルートをクリアすることもできます。clear ip route 0.0.0.0 10.1.1.3 コマンドを発行します。
Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Catalyst 4500/4000 スーパーバイザ エンジン III/IV では、どのルーティング可能なインターフェイスも管理に使用できます。このインターフェイスを設定するには、3 つのオプションがあります。
注:スーパバイザーエンジンIII(WS-X4014)またはスーパバイザエンジンIV(WS-X4515)のイーサネット管理ポート(10/100 MGTとラベル付き)は、ROMmonモードでのみ使用使用使用されますソフトウェアイメージが見つからないか、破損しています。このポートは通常のスイッチ オペレーション中にはアクティブではなく、管理インターフェイスとして使用できません。
オプション1:スイッチ管理用にループバックインターフェイスを設定します。ループバック インターフェイスには利点がいくつかあります。ループバックは、常にアップしている仮想インターフェイスです。ループバック インターフェイスへルーティングされるパケットは、L3 スイッチまたはルータへ再ルーティングされて、ローカルで処理されます。ループバック インターフェイスからルーティングされて、ループバック インターフェイスを宛先としない IP パケットは、廃棄されます。これは、ループバック インターフェイスがヌル 0 インターフェイスとして機能していることも意味します。ループバック インターフェイスは、Open Shortest Path First(OSPF)などのルータ ID として機能しています。次の例では、ループバック 0 を使用しています。
Switch#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#interface loopback 0 Switch(config-if)#ip address 10.1.1.1 255.255.255.255 !--- The loopback interface should have a 32-bit subnet mask, which means that !--- the 10.1.1.1 address is the only destination address in this subnet. Switch(config-if)#end Switch#
ループバック アドレスに割り当てられるサブネットを配布するためのルーティング プロトコルを設定するか、またはスタティック ルートを作成する必要もあります。
オプション2:インターフェイスをIPアドレスを持つL3ルーテッドインターフェイスとして設定します。Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Catalyst 4500/4000 スイッチのすべてのインターフェイスは、デフォルトでは L2 です。そのため、他のネットワークに接続されたインターフェイスはすべて L3 ルーテッド インターフェイスにする必要があります。no switchport コマンドを発行して、必要な IP アドレスを設定します。これを例で説明します。すべてのインターフェイスはデフォルトでイネーブルになっているため、no shutdown コマンドを発行する必要はありません。次の例では、ファスト イーサネット 5/30 を使用しています。
Switch(config)#interface fastethernet 5/30 Switch(config-if)#no switchport Switch(config-if)#ip address 11.1.1.1 255.0.0.0
show running-config interface fastethernet 5/30 コマンドを発行すると、次の出力が表示されます。
Building configuration... Current configuration : 80 bytes ! interface FastEthernet5/30 no switchport ip address 11.1.1.1 255.0.0.0 end
オプション3:特定のVLANの一部としてL2インターフェイスを設定します。switchport mode access コマンドと switchport access vlan vlan-id コマンドを発行して、IP アドレスと対応する Switched Virtual Interface(SVI; スイッチ仮想インターフェイス)を使用します。
注:スイッチの管理に使用される管理VLANと、L2トラフィックの通過に使用されるデータVLANの違いを理解する必要があります。管理 VLAN は、interface vlan vlan-id グローバル コマンドを使用して作成する SVI です。このコマンドと、L2 トラフィックを通過させるためのデータ VLAN の作成に使用するコマンドを混同しないようにしてください。Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Catalyst 6500/6000 シリーズ スイッチでは、VLAN データベースからデータ VLAN を設定できます。あるいは vlan vlan-id グローバル コマンドを発行できます。
次のステップを実行します。
次のコマンドを発行します。
Switch(config)#interface vlan 1 Switch(config-if)#ip address 10.1.1.1 255.0.0.0 Switch(config-if)#no shut
注:この例では、管理VLANとしてVLAN 1を使用しています。VLAN 1 は、デフォルトでは VLAN データベースにあります。
インターフェイスがアクセス スイッチ ポートであることを確認する場合は、対象の物理インターフェイスで switchport mode access コマンドを発行します。
デフォルトでは、すべてのインターフェイスはL2インターフェイスで、VLAN 1のアクセススイッチポートです。管理VLANとしてVLAN 1を使用する場合、インターフェイスの下で設定は必要ありません。しかし、設定でインターフェイスが実際にアクセス スイッチ ポートになっていることを確認する場合は、switchport mode access コマンドを使用する必要があります。
次の例では、ファスト イーサネット 5/32 を使用しています。
Switch(config)#interface fastethernet 5/32 Switch(config-if)#switchport mode access
show run interface fastethernet 5/32 コマンドを発行すると、次の出力が表示されます。
Switch#show run interface fastethernet 5/32 Building configuration... Current configuration : 84 bytes ! interface FastEthernet5/32 switchport mode access no snmp trap link-status end
管理インターフェイスをデフォルトの VLAN 1 から別の VLAN に変更する場合は、新しい SVI を作成するために、interface vlan vlan-id コマンドを発行します。
次に、switchport access vlan vlan-idコマンドを発行して、L2インターフェイスを新しいVLANの一部として設定する必要があります。次の例で、このプロセスを示します。
Switch(config)#interface vlan 2 Switch(config-if)#ip address 20.1.1.1 255.0.0.0 Switch(config-if)#no shut !--- Configure an interface to access the new management VLAN. Switch(config)#interface fastethernet 5/32 Switch(config-if)#switchport mode access Switch(config-if)#switch access vlan 2
show run interface fastethernet 5/32 コマンドを発行すると、次の出力が表示されます。
Building configuration... Current configuration : 110 bytes ! interface FastEthernet5/32 switchport access vlan 2 switchport mode access end
スイッチがリモート ネットワークにアクセスするためには、次のいずれかが必要です。
スイッチに直接接続されているネクストホップ ルータに設定されているデフォルト ゲートウェイ
設定済みのダイナミック ルーティング プロトコル
IP ルーティングが有効でない場合、ゲートウェイ ルータ IP アドレスを設定するために ip default-gateway ip-address コマンドを発行します。ダイナミック ルーティングを設定するには、router routing_protocol コマンドを使用します。ルーティング テーブルのステータスを表示するには、show ip route コマンドを発行します。
Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Catalyst 6500/6000 シリーズ スイッチでは、ルーティング可能なインターフェイスはどれも管理に使用できます。このインターフェイスを設定するには、3 つのオプションがあります。
オプション1:スイッチ管理用にループバックインターフェイスを設定します。ループバック インターフェイスには利点がいくつかあります。ループバックは、常にアップしている仮想インターフェイスです。ループバック インターフェイスへルーティングされるパケットは、L3 スイッチまたはルータへ再ルーティングされて、ローカルで処理されます。ループバック インターフェイスからルーティングされて、ループバック インターフェイスを宛先としない IP パケットは、廃棄されます。これは、ループバック インターフェイスがヌル 0 インターフェイスとして機能していることも意味します。ループバック インターフェイスは、OSPF などのルータ ID として機能しています。次の例では、ループバック 0 を使用しています。
Switch#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#interface loopback 0 Switch(config-if)#ip address 10.1.1.1 255.255.255.255 !--- The loopback interface should have a 32-bit subnet mask, which means that !--- the 10.1.1.1 address is the only destination address in this subnet. Switch(config-if)#end Switch#
ループバック アドレスに割り当てられるサブネットを配布するためのルーティング プロトコルを設定するか、またはスタティック ルートを作成する必要もあります。
オプション2:インターフェイスをIPアドレスを持つL3ルーテッドインターフェイスとして設定します。Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Catalyst 6500/6000 スイッチのすべてのインターフェイスは、デフォルトでは L3 です。すべてのインターフェイスはデフォルトでイネーブルになっているため、no shutdown コマンドを発行する必要はありません。次の例では、ファスト イーサネット 5/30 を使用しています。
Switch(config)#interface fastethernet 5/30 Switch(config-if)#ip address 11.1.1.1 255.0.0.0
show running-config interface fastethernet 5/30 コマンドを発行すると、次の出力が表示されます。
Building configuration... Current configuration : 80 bytes ! interface FastEthernet5/30 no switchport ip address 11.1.1.1 255.0.0.0 end
オプション3:特定のVLANの一部としてL2インターフェイスを設定します。switchport mode access コマンドと switchport access vlan vlan-id コマンドを発行して、IP アドレスと対応する SVI を使用します。
注:スイッチの管理に使用される管理VLANと、L2トラフィックの通過に使用されるデータVLANの違いを理解する必要があります。管理 VLAN は、interface vlan vlan-id グローバル コマンドを使用して作成する SVI です。このコマンドと、L2 トラフィックを通過させるためのデータ VLAN の作成に使用するコマンドを混同しないようにしてください。Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Catalyst 6500/6000 シリーズ スイッチでは、VLAN データベースからデータ VLAN を設定できます。あるいは vlan vlan-id グローバル コマンドを発行できます。
次のステップを実行します。
次のコマンドを発行します。
Switch(config)#interface vlan 1 !--- Interface VLAN 1 is an SVI. Switch(config-if)#ip address 10.1.1.1 255.0.0.0 Switch(config-if)#no shut
注:この例では、管理VLANとしてVLAN 1を使用しています。VLAN 1 は、デフォルトでは VLAN データベースにあります。
デフォルトの VLAN 1 でインターフェイスを L2 インターフェイスにするには、対象の物理インターフェイスで switchport mode access コマンドを発行します。
注:デフォルトでは、すべてのインターフェイスはL3インターフェイスです。
次の例では、ファスト イーサネット 5/32 を使用しています。
Switch(config)#interface fastethernet 5/32 Switch(config-if)#switchport mode access
show run interface fastethernet 5/32 コマンドを発行すると、次の出力が表示されます。
Switch#show run interface fastethernet 5/32 Building configuration... Current configuration : 84 bytes ! interface FastEthernet5/32 switchport mode access no snmp trap link-status end
管理インターフェイスをデフォルトの VLAN 1 から別の VLAN に変更する場合は、新しい SVI を作成するために、interface vlan vlan-id コマンドを発行します。
次に、switchport access vlan vlan-idコマンドを発行して、L2インターフェイスを新しいVLANの一部として設定する必要があります。次の例で、このプロセスを示します。
Switch(config)#interface vlan 2 Switch(config-if)#ip address 20.1.1.1 255.0.0.0 Switch(config-if)#no shut !--- Configure an interface to access the new management VLAN. Switch(config)#interface fastethernet 5/32 Switch(config-if)#switchport mode access Switch(config-if)#switch access vlan 2
show run interface fastethernet 5/32 コマンドを発行すると、次の出力が表示されます。
Building configuration... Current configuration : 110 bytes ! interface FastEthernet5/32 switchport access vlan 2 switchport mode access end
スイッチがリモート ネットワークにアクセスするためには、次のいずれかが必要です。
スイッチに直接接続されているネクストホップ ルータに設定されているデフォルト ゲートウェイ
設定済みのダイナミック ルーティング プロトコル
IP ルーティングが有効でない場合、ゲートウェイ ルータ IP アドレスを設定するために ip default-gateway ip-address コマンドを発行します。ダイナミック ルーティングを設定するには、router routing_protocol コマンドを使用します。ルーティング テーブルのステータスを表示するには、show ip route コマンドを発行します。
Catalyst L2 固定構成スイッチでは、Cisco IOS ソフトウェアが稼働しますが、L2 対応スイッチ専用となります。これらのスイッチでは、一時点でアクティブにできる管理インターフェイスは 1 つだけです。デフォルトの管理インターフェイスはVLAN 1です。これらのスイッチのVLAN 1は削除できません。ただし、このセクションの例で示されている、管理用の別の VLAN インターフェイスを作成できます。
注:スイッチの管理に使用される管理VLANと、L2トラフィックの通過に使用されるVLANの違いを理解する必要があります。管理 VLAN は、interface vlan vlan-id グローバル コマンドを使用して作成する SVI です。このコマンドと、L2 トラフィックを通過させるためのデータ VLAN の作成に使用するコマンドを混同しないようにしてください。XL シリーズ スイッチでは、vlan database コマンドを使用してのみ、データ VLAN を作成できます。2950 用の Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.1(9)EA1 以降(および、2940、2955、と 2970 用のすべてのソフトウェア バージョン)では、データ VLAN の設定用の追加オプションがあります。この追加オプションは、vlan vlan-id グローバル コマンドです。
これらの例では、アクセス スイッチ ポートと管理 VLAN のメンバとしてファスト イーサネット 0/1 を使用します。デフォルトですべてのインターフェイスが VLAN 1 のアクセス スイッチ ポートであるため、インターフェイスを VLAN 1 のメンバにするための設定は不要です。
次は 1 番目の例です。
Switch(config)#interface vlan 1 Switch(config-if)#ip address 10.1.1.1 255.0.0.0 Switch(config-if)#end Switch# Switch#show run interface vlan 1 Building configuration... Current configuration: ! interface VLAN1 ip address 10.1.1.1 255.0.0.0 no ip directed-broadcast no ip route-cache end Switch#show run interface fastethernet 0/1 Building configuration... Current configuration: ! interface FastEthernet0/1 !--- All interfaces are access switch ports in VLAN 1 by default. end Switch#show ip interface brief Interface IP-Address OK? Method Status Protocol VLAN1 10.1.1.1 YES manual up up FastEthernet0/1 unassigned YES unset up up
VLAN 1 管理インターフェイスを削除できないことに注意してください。管理インターフェイスをデフォルトの VLAN 1 から別の VLAN に変更する場合は、新しい SVI を作成するために、interface vlan vlan-id コマンドを発行します。次に、switchport access vlan vlan-idコマンドを発行して、L2インターフェイスを新しいVLANの一部として設定する必要があります。次の例で、このプロセスを示します。
注:管理インターフェイスがVLAN 1のメンバでない場合、およびスイッチで次のいずれかのコマンドを設定している場合は、リロード後に管理インターフェイスがshut down状態になる可能性があります。
ip ftp source-interface vlan vlan-id
ip tftp source-interface vlan vlan-id
ip telnet source-interface vlan vlan-id
管理インターフェイスをVLAN 1のメンバにします。または、設定から次のコマンドを削除するか、スイッチソフトウェアを最新のイメージにアップグレードして、この問題を解決します。
注:XLシリーズスイッチでは、新しいSVIでオプションのmanagementコマンドを使用して、VLAN 1を自動的にシャットダウンし、IPアドレスを新しいVLANに転送できます。
Switch(config)#interface vlan 2 Switch(config-if)#ip address 20.1.1.1 255.0.0.0 Switch(config-if)#no shut !--- Configure an interface to access the new management VLAN. Switch(config)#interface fastethernet 0/1 Switch(config-if)#switchport access vlan 2 Switch(config-if)#end Switch#
show run interface fastethernet 0/1 コマンドを発行すると、次の出力が表示されます。
Switch#show run interface fastethernet 0/1 Building configuration... Current configuration : 85 bytes ! interface FastEthernet 0/1 switchport access vlan 2 switchport mode access end Switch#
スイッチがリモート ネットワークにアクセスするためには、スイッチに直接接続されているネクストホップ ルータにデフォルト ゲートウェイが設定されている必要があります。ゲートウェイ ルータ IP アドレスを設定するために、ip default-gateway ip-address コマンドを発行します。
Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Catalyst 3550 および 3750 シリーズ スイッチでは、ルーティング可能なインターフェイスはどれも管理に使用できます。このインターフェイスを設定するには、3 つのオプションがあります。
オプション1:スイッチ管理用にループバックインターフェイスを設定します。ループバック インターフェイスには利点がいくつかあります。ループバックは、常にアップしている仮想インターフェイスです。ループバック インターフェイスへルーティングされるパケットは、L3 スイッチまたはルータへ再ルーティングされて、ローカルで処理されます。ループバック インターフェイスからルーティングされて、ループバック インターフェイスを宛先としない IP パケットは、廃棄されます。これは、ループバック インターフェイスがヌル 0 インターフェイスとして機能していることも意味します。ループバック インターフェイスは、OSPF などのルータ ID として機能しています。次の例では、ループバック 0 を使用しています。
Switch#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#interface loopback 0 Switch(config-if)#ip address 10.1.1.1 255.255.255.255 !--- The loopback interface should have a 32-bit subnet mask, which means that !--- the 10.1.1.1 address is the only destination address in this subnet. Switch(config-if)#end Switch#
ループバック アドレスに割り当てられるサブネットを配布するためのルーティング プロトコルを設定するか、またはスタティック ルートを作成する必要もあります。
オプション2:インターフェイスをIPアドレスを持つL3ルーテッドインターフェイスとして設定します。Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Catalyst 3550 または 3750 スイッチのすべてのインターフェイスは、デフォルトでは L2 です。L2インターフェイスをL3インターフェイスにするには、no switchportコマンドを発行し、IPアドレスを設定します。すべてのインターフェイスはデフォルトでイネーブルになっているため、no shutdown コマンドを発行する必要はありません。次の例では、Catalyst 3750 でファスト イーサネット 2/0/1 を使用しています。
Switch#configure terminal Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. Switch(config)#interface fastethernet 2/0/1 Switch(config-if)#no switchport Switch(config-if)#ip address 11.1.1.1 255.0.0.0 Switch(config-if)#end Switch#
show running-config interface fastethernet 2/0/1 コマンドを発行すると、次の出力が表示されます。
Switch#show running-config interface fastethernet 2/0/1 Building configuration... Current configuration : 81 bytes ! interface FastEthernet2/0/1 no switchport ip address 11.1.1.1 255.0.0.0 end Switch#
オプション3:特定のVLANの一部としてL2インターフェイスを設定します。switchport mode access コマンドと switchport access vlan vlan-id コマンドを発行して、IP アドレスと対応する SVI を使用します。
次のステップを実行します。
次のコマンドを発行します。
Switch(config)#interface vlan 1 !--- Interface VLAN 1 is an SVI. Switch(config-if)#ip address 10.1.1.1 255.0.0.0 Switch(config-if)#no shut
注:この例では、管理VLANとしてVLAN 1を使用しています。VLAN 1 は、デフォルトでは VLAN データベースにあります。
インターフェイスがアクセス スイッチ ポートであることを確認する場合は、対象の物理インターフェイスで switchport mode access コマンドを発行します。
デフォルトでは、すべてのインターフェイスはL2インターフェイスで、VLAN 1のアクセススイッチポートです。管理VLANとしてVLAN 1を使用する場合、インターフェイスの下で設定は必要ありません。しかし、設定でインターフェイスが実際にアクセス スイッチ ポートになっていることを確認する場合は、switchport mode access コマンドを使用する必要があります。
次の例では、ファスト イーサネット 2/0/1 を使用しています。
Switch(config)#interface fastethernet 2/0/1 Switch(config-if)#switchport mode access Switch(config-if)#end
show run interface fastethernet 2/0/1 コマンドを発行すると、次の出力が表示されます。
Switch#show run interface fastethernet 2/0/1 Building configuration... Current configuration : 59 bytes ! interface FastEthernet2/0/1 switchport mode access end Switch#
管理インターフェイスをデフォルトの VLAN 1 から別の VLAN に変更する場合は、新しい SVI を作成するために、interface vlan vlan-id コマンドを発行します。
次に、switchport access vlan vlan-idコマンドを発行して、L2インターフェイスを新しいVLANの一部として設定する必要があります。次の例で、このプロセスを示します。
Switch(config)#interface vlan 2 Switch(config-if)#ip address 20.1.1.1 255.0.0.0 Switch(config-if)#no shut !--- Configure an interface to access the new management VLAN. Switch(config)#interface fastethernet 2/0/1 Switch(config-if)#switchport access vlan 2 Switch(config-if)#end Switch#
show run interface fastethernet 2/0/1 コマンドを発行すると、次の出力が表示されます。
Switch#show run interface fastethernet 2/0/1 Building configuration... Current configuration : 85 bytes ! interface FastEthernet2/0/1 switchport access vlan 2 switchport mode access end Switch#
スイッチがリモート ネットワークにアクセスするためには、次のいずれかが必要です。
スイッチに直接接続されているネクストホップ ルータに設定されているデフォルト ゲートウェイ
設定済みのダイナミック ルーティング プロトコル
IP ルーティングが有効でない場合、ゲートウェイ ルータ IP アドレスを設定するために ip default-gateway ip-address コマンドを発行します。
ダイナミック ルーティングの設定を計画する場合、デフォルトでは IP ルーティングがディセーブルになっていることに注意してください。IP ルーティングをイネーブルにするには、ip routing グローバル コマンドを発行する必要があります。Routing Information Protocol(RIP)は、Standard Multilayer Software Image(SMI; 標準マルチレイヤ ソフトウェア イメージ)を使用する場合にサポートされる唯一のダイナミック ルーティング プロトコルです。 Interior Gateway Routing Protocol(IGRP)、Enhanced IGRP(EIGRP)、OSPF、および Border Gateway Protocol(BGP; ボーダー ゲートウェイ プロトコル)のサポートには、Enhanced Multilayer Software Image(EMI; 拡張マルチレイヤ ソフトウェア イメージ)が必要です。ダイナミック ルーティングを設定するには、router routing_protocol コマンドを使用します。ルーティング テーブルのステータスを表示するには、show ip route コマンドを発行します。
改定 | 発行日 | コメント |
---|---|---|
1.0 |
15-Mar-2006 |
初版 |