このドキュメントでは、Catalyst 2900 XL および 3500 XL シリーズ スイッチの Quality of Service(QoS)機能に関するよくある質問(FAQ)について説明します。このドキュメントでは、新しい Catalyst 2940、2955/2950、2970、3550、3560、および 3750 シリーズ スイッチの QoS 機能については説明しません。
これらのスイッチの設定については、次の資料を参照してください。
ドキュメント表記の詳細は、「シスコ テクニカル ティップスの表記法」を参照してください。
A. 8 MBのDRAMを搭載したCatalyst 2900 XLおよび3500 XLスイッチは、IEEE 802.1pサービスクラス(CoS)値に基づくQoSを提供します。入力分類および出力スケジューリングがサポートされています。Catalyst 3524-PWR XL および 3548 XL スイッチは、ポート ベースの入力再分類機能もサポートしています。4 MB の DRAM を搭載したオリジナルの Catalyst 2900 XL と、WS-X2914-XL および WS-X2922-XL モジュールは QOS 機能をまったくサポートしていません。GigaStack デイジーチェーン構成はシェアド メディア アクセス モデルであるため、保証された音声 QOS を提供できません。
A. Catalyst 2900 XLおよび3500 XLシリーズスイッチでは、少なくともCisco IOS®ソフトウェアリリース12.0(5)XPが稼働している必要があります。Class of Service(CoS; クラス オブ サービス)値の再マーキングの入力再分類機能を利用できるのは、Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.0(5)XU 以降の Catalyst 3524-PWR XL および 3548 XL スイッチのみです。
A. Catalyst 2900 XLおよび3500 XLシリーズスイッチには、レート制限やポリシング機能はありません。bandwidth interface コマンドは QoS とは関係ありません。これらのスイッチではサポートされていないコマンドです。
A. Catalyst 2900 XLおよび3500 XLシリーズスイッチは、レイヤ2スイッチであるため、レイヤ3マーキングや書き換えは提供されません。レイヤ 2 サービス クラス(CoS)値をレイヤ 3 タイプ オブ サービス(ToS)情報に変換できません。スイッチに到着した ToS/Differentiated Services Code Point(DSCP)が設定済みのパケットは、スイッチを通過する間保持されます。ダウンストリーム スイッチはそれに従って動作することが可能です。
A. 802.1Q/p標準では、802.1Qタグの3ビットサービスクラス(CoS)フィールドを使用して、8つのクラス(優先順位)のトラフィックでフレームに優先順位を付けることを定義しています。Cisco InterSwitch Link(ISL)トランク モードは、CoS フィールド(4 ビットのユーザ フィールド内の最下位 3 ビット)を提供します。 Cisco 7960 などの Cisco IP Phone は、音声パケットに 5 という CoS 値のタグを付けます。タグが付けられたパケットは Catalyst XL スイッチで使用され、出力ポートのプライオリティ キューにキューイングすることで、音声トラフィックにプライオリティが設定されます。これにより、タイミングを重視する音声パケットに最高のプライオリティが保証されます。
A. Catalyst 2900 XLおよび3500 XLシリーズスイッチは、入力側でプライオリティスケジューリングを提供しません。ただし、出力ポートではプライオリティ スケジューリングを提供します。
A.あります。Catalyst 2900 XLおよび3500 XLシリーズスイッチでは、dot1qタグの着信Class of Service(CoS)値が使用されます。デフォルトで、すべてのポートが信頼できるポートと見なされます。dot1q はNative VLAN トラフィックにタグを付けないため、インターフェイス レベルの設定コマンド switchport priority default <0 ~ 7> を発行し、着信するタグなしのパケットを必要に応じて分類します。switchport priority default <0 ~ 7> コマンドを発行すると、CoS と同等の出力スケジューリングを提供します。出力ポートがトランク ポートの場合は、入力 CoS またはポートのデフォルト プライオリティ設定が発信フレームに CoS 値としてマークされ、遠端のデバイスがそれを希望どおりの高いプライオリティとして扱います。
A.スイッチに接続されているサーバ/IP電話/その他のデバイスがdot1pタギングをサポートしていない場合は、switchport priority default <0-7>インターフェイスコマンドを発行して、デバイスがCoS値を設定したかのように優先的にトラフィックを処理します。この機能はポートベースのプライオリティ設定と呼ばれます。たとえば、ポート プライオリティが 4 の場合は、CoS 値が 4 のタグが付けられたパケットと同様に、スイッチはそのパケットを高優先順位キューにキューイングします。発信ポートがトランク ポートの場合は、設定済みの入力ポート プライオリティ値でパケットにタグが付けられます。その結果、このようなパケットは接続されたスイッチで、分類および優先処理に使用できます。
A.はい。Cisco IP Phoneに接続されているPCによって設定されたCoS値を上書きし、設定されたポートプライオリティを代わりに使用できます。この機能はポートベースの再分類と呼ばれます。インターフェイス コマンド switchport priority extend cos <0-7> を発行すると、これが実行されます。この機能は、Catalyst 3524-PWR XL および 3548 XL スイッチのみでサポートされています。このコマンドは、Cisco IOS® ソフトウェア リリース 12.0(5)XU 以降で導入されました。この機能は、サポートされる Catalyst 2900 XL および 3500 XL シリーズ スイッチでタグなしパケットに対して利用可能な、ポート プライオリティ設定を補完することに注意してください。
A.はいえ、インターフェイスレベルのswitchport priority extend trustコマンドを設定できます。この機能によって、最初の Cisco IP Phone は、そのフォンの セカンダリ ポートに接続されたPhoneまたはその他のデバイスから受信した dot1p タグを信頼するよう指示されます。このコマンドの使用には注意が必要です。ユーザが、IP Phone にタグを設定可能なワークステーションを接続している場合、ユーザからのデータ トラフィックはそのユーザが設定したプライオリティを与えられます。これは音声の品質に悪影響を与える可能性があります。
A.はい。接続されたデバイスによって設定されたサービスクラス(CoS)値を上書きし、ポートに設定されたデフォルトのポートプライオリティを使用できます。インターフェイス コマンド witchport priority override を発行すると、これが実行されます。デフォルトのポート プライオリティを設定します。そうでない場合、スイッチはゼロのデフォルト ポート プライオリティに上書きされます。これは、低い優先順位で処理されているポート上のすべてのトラフィックで発生します。このコマンドは、Cisco IOS® ソフトウェア リリース 12.0(5)XU 以降の WS-C3524-PWR および WS-C3548-XL スイッチでサポートされています。
A. Catalyst 2900 XLおよび3500 XLシリーズスイッチは、10/100およびギガビットイーサネットインターフェイスのポートごとに2つのキューをサポートします。ポート プライオリティ値またはサービス クラス(CoS)値の 0-3 は、出力ポートの低プライオリティ キューにマップされます。ポート プライオリティ値またはサービス クラス(CoS)値の 4-7 は、出力ポートの高プライオリティ キューにマップされます。
CoS/ポート プライオリティ 選択されたキュー 0-3 Q1(低プライオリティ) 4 ~ 7 Q2(高プライオリティ) プライオリティ スケジューリングは、キュー間に適用されます。これは、低プライオリティ トラフィックをスケジューリングする前に、必ず高プライオリティ キューが処理されることを保証します。この機能によって、IP テレフォニーなどの成果重視のトラフィックを、FTP や一般的な Web などの通常のトラフィックよりも優先することができます。高プライオリティ キューにトラフィックがある場合、低プライオリティ キューでは輻輳時にテール ドロップが発生することがあります。
A.いいえ。Catalyst 2900 XLおよび3500 XLシリーズスイッチでは、対象トラフィックを定義するためのACLまたはクラスマップはサポートされていません。分類はポート単位で行われます。インターフェイス レベル コマンド switchport priority extend COs <0 ~ 7> を発行すると、データ VLAN 上のトラフィックに音声 VLAN 上と同じ CoS 値が与えられます。インターフェイス レベル コマンド switchport priority extend COs <0 ~ 7> を発行すると、タグなしのすべてのトラフィックにデフォルト CoS が割り当てられます。
A.設定例を表示するには、ドキュメント『スイッチポートの設定』の「音声ポートの設定」セクションを参照してください。
A. QoSの全体的な目的は、アップリンクポート/ルータポートで音声/ビデオトラフィックに優先順位を付けて、それらのパケットが遅延しないようにすることです。この目的を達成するためには、次のガイドラインを使用します。
PC ポートをアクセス ポートとして設定します。ポートのデフォルト プライオリティはゼロです。必要に応じて、switchport priority default <0 ~ 3> コマンドを発行してポートを明示的に設定し、これらのポートから到着するトラフィックが低プライオリティ キューにキューイングされるようにします。
switch priority override コマンドおよび switchport priority default <0 ~ 3> コマンドを発行して、タグ付きの低プライオリティ トラフィックを受信するポートを設定し、このトラフィックが低プライオリティ キューにキューイングされるようにします。この上書きオプションを使用できるのは、Cisco IOS® ソフトウェア リリース 12.0(5)XU 以降の WS-X3524-PWR-XL および WS-X3548-XL のみです。
Cisco IP Phone に接続されたポートを 802.1Q トランキング用に設定し、電話機からの dot1q/p に従ってスイッチが動作するようにします。その結果、スイッチはこれらのパケットを高プライオリティ キューにキューイングします。カプセル化をサポートしたスイッチ間リンク(ISL)トランクを、シスコのデバイスまたはサーバのネットワーク インターフェイス カード(NIC)に設定できます。そのスイッチは、ISL フレームに示されたサービス クラス(CoS)値に従って動作します。
セカンダリ ポートに PC が接続された Cisco IP Phone に接続しているポートを、拡張信頼設定コマンドの switchport priority extend cos <0-3> を発行して設定することで、これらのフレームが低プライオリティ キューにキューイングされるようにします。
セカンダリ ポートに他の Cisco IP Phone が接続された Cisco IP Phone に接続しているポートを、拡張信頼設定コマンドの switchport priority extend trust を発行して設定することで、これらのパケットが高プライオリティ キューにもキューイングされるようにします。
Cisco IP Phone 以外(dot1p 値のタグを付けられないもの)に接続しているポートを、switch priority default <4 ~ 7> コマンドを発行して設定することで、そのフレームが高プライオリティ キューにキューイングされるようにします。このポート上で受信されるすべてのトラフィックは優先順位付けされています。したがって、このポートには PC または他のデータ トラフィック デバイスを接続しないでください。
A. exec mode show interface <interface> switchportコマンドは、ポートの現在の設定を提供します。インターフェイスが要件に合わせて設定できているかどうかは、この設定を使用して確認します。
3548XL#show running-config interface FastEthernet 0/20 Building configuration... Current configuration: ! interface FastEthernet0/20 switchport trunk encapsulation dot1q switchport mode trunk switchport priority default 5 spanning-tree portfast end 3548XL#show interfaces FastEthernet 0/20 switchport Name: Fa0/20 Switchport: Enabled Administrative mode: trunk Operational Mode: trunk Administrative Trunking Encapsulation: dot1q Operational Trunking Encapsulation: dot1q Negotiation of Trunking: Disabled Access Mode VLAN: 0 ((Inactive)) Trunking Native Mode VLAN: 1 (default) Trunking VLANs Enabled: ALL Trunking VLANs Active: 1-22,29,231,651 Pruning VLANs Enabled: 2-1001 Priority for untagged frames: 5 Override vlan tag priority: FALSE Voice VLAN: none Appliance trust: none出力スケジューリングまたはキューイング統計情報に関する情報を提供するコマンドはありません。この文書で前述したとおり、このスケジューリングとはプライオリティ スケジューリングです。これは、パケットがQ2に存在する場合は、Q1のパケットよりも先にスケジュールされることを意味します。パケットがトランク出力ポートで期待どおりにタグ付けされているかどうかを確認するには、インラインスニファを使用して出力ポートから着信するフレームをキャプチャします。