このドキュメントでは、Cisco UCS Manager で BIOS ポリシーを設定する方法について説明します。 Cisco UCS の BIOS ポリシー機能は、BIOS 設定プロセスを自動化します。
BIOS を設定する従来の方法は手動であり、エラーが発生しやすい場合があります。 BIOS ポリシーを作成してポリシーをサーバまたはサーバのグループに割り当てることで、BIOS 設定の透明性を得ることができます。
シスコでは次を推奨しています。
Cisco UCS サーバ ブレードのソフトウェアとハードウェアに関する実務知識があること。
Cisco UCS のコンポーネントとトポロジに精通していること。
Cisco UCS Manager バージョン 1.3 に精通していること。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づくものです。
Cisco UCS B440-M1 ブレード サーバ
Cisco UCS Manager バージョン 1.3
本書の情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。 このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。 稼働中のネットワークで作業を行う場合、コマンドの影響について十分に理解したうえで作業してください。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
BIOS ポリシーは、BIOS の設定を自動化するポリシーです。 1 つのサーバまたはサーバのセットのニーズに合致する特定の BIOS 設定のグループを含む 1 つ以上の BIOS ポリシーを作成することができます。 サーバの BIOS ポリシーを指定しない場合、デフォルトの BIOS 設定がサーバに適用されます。 ただし、これらのデフォルトの BIOS 設定それ自体を、必要に応じて設定することができます。 BIOS ポリシーが指定されると、ポリシーは BIOS のデフォルト設定に優先されます。
デフォルトの BIOS 設定に何らかの変更が加えられても、BIOS ポリシーがデフォルトの BIOS 設定に優先されるため、BIOS ポリシーが関連付けられているサーバには影響を及ぼしません。 ただし、ユーザが BIOS ポリシー内の値をプラットフォームのデフォルトのままにした場合、UCS Manager はその特定のプラットフォームの BIOS デフォルト([Servers] > [Policies] > [BIOS Defaults])を参照し、BIOS のデフォルトに指定されている値を使用します。
このような場合、ユーザは BIOS ポリシーと BIOS のデフォルト値の両方を使用することが可能です。 この用法が必要な理由は、あるユーザがポリシー内のいくつかの設定のみカスタマイズし、残りの設定については BIOS のデフォルト設定を使用する場合もあるためです。
たとえば、ユーザが BIOS ポリシー「test-policy」を作成し、次の値を指定したとします。
ターボ ブーストは「disabled」
ハイパー スレッディングは「platform-default」
一方、プラットフォームの BIOS デフォルトでは、値は次のようになっています。
ターボ ブーストは「enabled」
ハイパー スレッディングは「enabled」
この実質的な効果として、ターボ ブーストが「disabled」、ハイパー スレッディングが「enabled」に設定されます。
BIOS ポリシーまたはデフォルトの BIOS 設定を通じて設定変更が行われると、UCS Manager はすぐにこれらの変更を CIMC バッファに適用します。 これらの変更は、サーバがリブートされた後にのみ有効になります。
BIOS ポリシーを通じて設定できるのは、次の BIOS 設定です。
Quiet boot
Resume Ac on power loss
Front Panel Lockout
Turbo Boost
Enhanced Intel Speedstep
Hyper Threading
Virtulization Technology
Processor C3 Report
プロセッサC6のレポート
VT for Directed IO
Interrupt Remap
Coherency Support
ATS Support
Pass Through DMA Support
Memory RAS Config
NUMA
LV DDR Mode
Mirroring Mode(これは、Memory RAS Config が「mirroring-mode」に設定されたときに GUI に表示されます)
Console Redirection
BaudRate
注: BIOS ポリシー内のこれらの設定は、すべてのプラットフォームの設定のスーパーセットです。 したがって、これらの設定の中には特定のプラットフォームに該当しないものもあります。
このドキュメントでは、次のネットワーク構成を使用しています。
BIOS ポリシー設定を機能させるには、まず BIOS ポリシーを作成し、これをサービス プロファイルに関連付ける必要があります。サービス プロファイルは、後でサーバまたはサーバのグループに関連付けることができます。
次の手順を実行して、BIOS ポリシーを作成します。
UCS Manager にログインし、[Servers] タブに移動します。
[Policies] を開き、[BIOS Policies] を選択します。 [+] アイコンをクリックして新しい BIOS ポリシーを作成します。
注: Root の下にサブ組織が作成されている状態で、サブ組織の 1 つに BIOS ポリシーを作成する必要がある場合、そのサブ組織を選択してから [+] アイコンをクリックします。
[Main] セクションで新しい BIOS ポリシーの名前を指定し、BIOS 設定の値を指定するか、デフォルト値のままにします。 [Next] をクリックします。
[Processor] セクションで、BIOS 設定の値を指定するか、デフォルト値のままにします。 [Next] をクリックします。
[Intel Directed IO] セクションで、BIOS 設定の値を指定するか、デフォルト値のままにします。 [Next] をクリックします。
[RAS Memory] セクションで、BIOS 設定の値を指定するか、デフォルト値のままにします。 [Next] をクリックします。
[Server Management] セクションで、BIOS 設定の値を指定するか、デフォルト値のままにします。 [Finish] をクリックします。
新しい BIOS ポリシーを作成した後、BIOS ポリシーをサービス プロファイルに付加して、BIOS ポリシーをサーバまたはサーバのグループに適用します。 サービス プロファイルの作成方法については、『Cisco UCS ブレード用のサービス プロファイルの作成』を参照してください。 サービス プロファイルを作成したら、[Operational Policies] セクションで [BIOS Configuration] を導入し、新しく作成した BIOS ポリシーをサービス プロファイルに割り当てます。 [Finish] をクリックします。
現在のところ、この設定に関する特定のトラブルシューティング情報はありません。