このドキュメントでは、Cisco IOS® レイヤ 2 スイッチング設定を Cisco IOS XR レイヤ 2 バーチャル プライベート ネットワーク(L2VPN)の設定に変換する方法について説明します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
このドキュメントは、特定のソフトウェアに限定されるものではありませんが、L2VPN の設定にあたり、9000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータ(ASR)に関連するイーサネット仮想回線(EVC)モデルを使用するハードウェアのバージョンに限定されます。ASR 9000 シリーズ ルータは EVC モデルを使用し、Cisco IOS XR を実行する Carrier Routing System(CRS)ルータは使用しません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ASR 9000 シリーズ ルータは、レイヤ 2(L2)の設定、特に 802.1Q および 802.1AD の IEEE モデルに準拠していません。代わりに、EVC モデル を使用しています。EVC モデルによって、Cisco IOS XR は新しい方法で最新の 802.1Q VLAN タグを利用できます。従来は、分類、VLAN、転送、および、MAC アドレス ルックアップの実行にどの Content Addressable Memory(CAM)テーブルを使用するかを VLAN タグが定義しています。EVC モデルを使用すると、柔軟性が向上し、拡張性が高められ、このコンセプトから切り離されます。EVC モデルは Cisco IOS の最大で 4,096 という VLAN 数制限を取り除きます。
EVC が使用するビルディング ブロック:
ASR 9000 シリーズ ルータの Cisco IOS XR はイーサネット仮想回線(EVC)モデルを使用します。EVC モデルには、トランク、VLAN インターフェイス、またはスイッチ仮想インターフェイス(SVI)の概念はありません。Cisco IOS のトランク、VLAN インターフェイス、および SVI はサブインターフェイス、L2VPN BD、およびブリッジ仮想インターフェイス(BVI)で、Cisco IOS XR 設定に変換されます。初めて Cisco IOS XR に移行する際、Cisco IOS ユーザによっては EVC モデルはなじみがない場合があります。
Cisco IOS XR の設定には、次の 3 つの手順を実行します。
次に、Cisco IOS から Cisco IOS XR への設定変換方法の例を示します。
interface GigabitEthernet3/13
switchport
switchport access vlan 4
speed 1000
duplex full
!
interface GigabitEthernet3/14
switchport
switchport access vlan 130
speed 1000
duplex full
!
interface GigabitEthernet3/15
switchport
switchport access vlan 133
speed 1000
duplex full
!
interface TenGigabitEthernet13/3
description IOS Trunk
switchport
switchport trunk encapsulation dot1q
switchport trunk allowed vlan 1*,4,130,133
switchport mode trunk
no ip address
!
interface Vlan 4
ip address 10.10.4.1 255.255.255.0
interface Vlan 130
ip address 10.10.130.1 255.255.255.0
!
*Vlan 1 is the native vlan
EFP インターフェイスを作成します。Cisco IOS XR は、EFP および EVC 設定のための構造化 CLI を実装しています。EFP を設定するには、次のインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
interface GigabitEthernet 0/0/0/1
!
interface GigabitEthernet 0/0/0/1.1 l2transport
encapsulation dot1q untagged **
!
interface GigabitEthernet 0/0/0/1.4 l2transport
encapsulation dot1q 4
rewrite ingress tag pop 1 symmetric
interface GigabitEthernet 0/0/0/2
!
interface GigabitEthernet 0/0/0/2.130 l2transport
encapsulation dot1q 130
rewrite ingress tag pop 1 symmetric
!
interface GigabitEthernet 0/0/0/3
!
interface GigabitEthernet 0/0/0/3.133 l2transport
encapsulation dot1q 133
rewrite ingress tag pop 1 symmetric
!
interface tengig0/0/0/0
!
interface tengig0/0/0/0.4 l2transport
no ip address
encapsulation dot1q 4
rewrite ingress tag pop 1 symmetric
!
interface tengig0/0/0/0.130 l2transport
no ip address
encapsulation dot1q 130
rewrite ingress tag pop 1 symmetric
!
interface tengig0/0/0/0.133 l2transport
no ip address
encapsulation dot1q 133
rewrite ingress tag pop 1 symmetric
!
ネイティブ VLAN 1 を登録するには、トラフィックのタグ付けを解除し、dot1q タグなしカプセル化で l2transport サブインターフェイスを作成します。l2transport インターフェイスで、または IOS デバイスでポートがスイッチポート アクセスのポート設定に接続されている場合はサブインターフェイスで、encapsulation dot1q untagged コマンドを使用します。
以下が一例です。
IOS:
interface Gigabitethernet 1/1
switchport
switchport access vlan 3
IOSXR:
interfage GigabitEthernet 0/1/1/1.1 l2transport
encapsulation dot1q untagged
EFP を作成したら、BVI インターフェイスを作成して BD に追加できます。BVI インターフェイスは、Cisco IOS のインターフェイス VLAN に対応するために使用されます。
interface BVI4
ipv4 address 10.10.4.1 255.255.0.0
!
interface BVI130
ipv4 address 10.130.1.1 255.255.0.0
!
BVI インターフェイス番号は、VLAN ID と一致させる必要はありません。これは、L2 トランスポート インターフェイスのサブインターフェイス番号にも当てはまります。ただし、わかりやすくするために、この例では、BVI 番号は dot1q タグと一致し、EFP のサブインターフェイス番号とも一致します。
この例では、EFP および BVI を一緒にブリッジするように、l2-VPN BD が作成されます。
l2vpn
bridge group VLAN4
bridge-domain VLAN4
interface ten0/0/0/0.4
!
interface GigabitEthernet 0/0/0/1.4
!
routed interface bvi4
!
!
bridge-domain VLAN130
interface ten0/0/0/0.130
!
interface GigabitEthernet 0/0/0/2.130
!
routed interface bvi130
!
!
bridge-domain VLAN133
interface ten0/0/0/0.133
!
interface GigabitEthernet 0/0/0/3.133
!
!
!
!
ブリッジ グループ(BG)は、いくつかの BD を同じ機能グループに結合する非機能的設定階層です。これは、複数のドメインに対する 1 グループとは対照的に、ドメインに対する複数の個々のグループの作成として機能します。
次の表に、Cisco IOS で使用可能な他のコマンド、および BD で設定された Cisco IOS XR での同等のコマンドを記載します。
IOS | IOS XR |
---|---|
switchport block unicast} | flooding unknown-unicast disable |
switchport port-security maximum | mac limit maximum(範囲 5 ~ 512000) |
switchport port-security violation | mac limit action(flood、no-flood、shutdown)mac limit notification(both、none、trap) |
mac address-table notification mac-move | 次の設定が必要です。mac secure action none mac secure logging |
switchport port-security mac-address | interface x mac limit max y static-mac-address H.H.H |
改定 | 発行日 | コメント |
---|---|---|
1.0 |
14-Feb-2014 |
初版 |