このページでは、ROMmon(rommon # > プロンプト)でスタックしてしまった Cisco 7200、7500、RSP7000、Catalyst 5500 RSM、uBR7100、uBR7200、uBR10000、および 12000 シリーズ ルータを回復する方法について説明します。
このドキュメントに関する固有の要件はありません。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このマニュアルの情報は、特定のラボ環境に置かれたデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、使用前にその潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
ルータの電源オンまたはリロードのたびにルータが ROM モニタ モードに入ってしまう場合、チェックすべき最初の設定はコンフィギュレーション レジスタの設定値です。
コンフィギュレーション レジスタの最初の 4 ビットは、ブート フィールドです。ブートフィールドの値は、ルータの実行に使用されるデフォルトのCisco IOS??ソフトウェアイメージのソースを定義します。起動時にブートフィールドの値が0???コンフィギュレーションレジスタの値がXXX0???ある場合、システムはROMモニタモード(rommon>)に入り、システムを手動でブートするユーザコマンドを待ちます。
ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタのビットの意味に関する詳細については、「ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定」を参照してください。コンフィギュレーション レジスタの設定値を確認するには、次のように confreg コマンドを使用します。
rommon 2 > confreg Configuration Summary enabled are: load rom after netboot fails console baud: 9600 boot: the ROM Monitor do you wish to change the configuration? y/n [n]:
上記の confreg コマンドの出力に示されるように、ルータのリロードか、電源オフ/オンのたびに、ROMmon モードに強制的に移行するように、コンフィギュレーション レジスタが設定されています。デフォルトの Cisco IOS ソフトウェア イメージからルータが自動起動するようにするには、コンフィギュレーション レジスタの値を次のように変更します。
rommon 2 > confreg Configuration Summary enabled are: load rom after netboot fails console baud: 9600 boot: the ROM Monitor do you wish to change the configuration? y/n [n]: y enable "diagnostic mode"? y/n [n]: enable "use net in IP bcast address"? y/n [n]: disable "load rom after netboot fails"? y/n [n]: enable "use all zero broadcast"? y/n [n]: disable "break/abort has effect"? y/n [n]: enable "ignore system config info"? y/n [n]: change console baud rate? y/n [n]: change the boot characteristics? y/n [n]: y enter to boot: 0 = ROM Monitor 1 = the boot helper image 2-15 = boot system [2]: 2 Configuration Summary enabled are: load rom after netboot fails console baud: 9600 boot: image specified by the boot system commands or default to: cisco2-C7200 do you wish to change the configuration? y/n [n]: n You must reset or power cycle for new config to take effect
この操作により、有効な Cisco IOS ソフトウェア イメージが起動時に検索され、そのイメージから起動するように、コンフィギュレーション レジスタの値が変更されました。ここで、ルータを次のようにリセットする必要があります。
rommon 3 > reset System Bootstrap, Version 11.1(10) [dschwart 10], RELEASE SOFTWARE (fc1) Copyright (c) 1994 by cisco Systems, Inc. C7200 processor with 65536 Kbytes of main memory CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC Self decompressing the image : ########################################### ################################ <SNIP>
これで、有効な Cisco IOS ソフトウェア イメージを使ってルータがリロードされます。
デフォルトの Cisco IOS ソフトウェア イメージからシステムが自動起動するようにコンフィギュレーション レジスタの値が設定されていて、起動中にブレーク信号が送信されない場合、ルータは正常に起動します。ただし、これでもルータが ROMmon モードに移行する場合は、ルータが有効な Cisco IOS ソフトウェア イメージを見つけられないためであると考えられます。
この場合、最初にやるべきことは、使用可能な各デバイスで有効な Cisco IOS ソフトウェア イメージを検索することです。dev コマンドを発行して、ルータ上で使用可能なデバイスを確認します。
rommon 1 > dev Devices in device table: id name bootflash: boot flash slot0: PCMCIA slot 0 slot1: PCMCIA slot 1 eprom: EPROM rommon 2 >
次に、使用可能な各デバイスに対してdir [device ID] コマンドを発行し、有効なCisco IOSソフトウェアイメージを探します(デバイスIDは、各スロットに挿入されているPCMCIAカードに対応するslot0:またはslot1:です)。
rommon 2 > dir slot0: File size Checksum File name 12566060 bytes (0xbfbe2c) 0x38d1c81b c7200-ik8s-mz.122-10b.bin rommon 3 >
ルータが「bad device name」というメッセージを返した場合は、指定したデバイスが存在しない可能性があることに注意してください。
上記のdir slot0:コマンドの出力は、有効なイメージがフラッシュ内に実際に存在することを示しています。boot コマンドを使用して、そのイメージからの起動を試みます。
rommon 3> boot slot0:c7200-ik8s-mz.122-10b.bin CCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCCC CCCCCCCCCCCCCCCCCC <SNIP>
これで、有効な Cisco IOS ソフトウェア イメージを使ってルータが起動されます。ただし、ルータの有効なイメージがどのデバイスにも存在しない場合があります。これには次の原因が考えられます。
すべてのデバイスが空である(「No files in directory」というシステム メッセージが表示される)
別のファイル システムに属しているルータ上でデバイスがフォーマットされた(システム メッセージ「device does not contain a valid magic number」によって示されます)。
デバイスが動作していない(システム メッセージ「trouble reading device magic number」によって示されます)。
Cisco IOS ソフトウェア イメージが破損している可能性がある。
このような場合は、Trivial File Transfer Protocol(TFTP)を使用して、または後述する PCMCIA カードを使用している別のルータから、有効なイメージをダウンロードする必要があります。
詳細な手順については、「ブート イメージの TFTP を使用して ROMmon からアップグレードを行う方法」を参照してください。
メイン イメージとブート イメージの両方が破損しているか削除されている場合、ルータを回復する唯一の方法は、PCMCIA カードを交換することです。
他に類似のルータがある、つまり、互換性のある PCMCIA フラッシュ カード システムを持つルータ(「PCMCIA ファイルシステム互換性マトリックス」を参照)が他に 1 台以上存在する場合、そのフラッシュ カードを使用してルータを回復できます。
2 つのルータが同じであれば(同じシリーズ)、回復しようとするルータをブートするのにもう一方のルータからのフラッシュ カードを用いることができます。その後、有効なイメージを通常の方法でダウンロードできます(「ソフトウェア インストレーションとアップグレード手順」を参照)。7500 ルータなどでは Cisco IOS ソフトウェアをダイナミック RAM(DRAM)で実行するため、ルータ稼動中に PCMCIA カードを取り除くことができます。
両ルータが異なるものであるが、互換性のある PCMCIA フラッシュ カード ファイルシステムがある場合には、もう一方のルータを使って Cisco IOS ソフトウェア イメージをフラッシュ カードにロードし、その後、そのフラッシュ カードを回復したいルータに差し替えることができます。
同様のルータ上に PCMCIA カードがない場合、唯一の手段は Return Materials Authorization(RMA)です。
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
30-Jan-2006 |
初版 |