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このドキュメントでは、光ファイバ接続の検査プロセスとクリーニング プロセスについて説明します。ファイバ コネクタは、接続する前にすべて検査してクリーニングしておくことが重要です。
このドキュメントの手順では、光ファイバ接続で使用される、光ファイバ ケーブル、バルクヘッド、およびアダプタの基本的な検査技法とクリーニング方法について説明します。
注:このドキュメントは、保守担当者、サービス技術者、およびハードウェア設置者が使用するためのものです。
光ファイバ機器との高品質な接続には、汚れのない光ファイバ コンポーネントを使用する必要があります。光ファイバ システムのメンテナンスの最も基本的で重要な手順の 1 つは、光ファイバ機器のクリーニングです。
ファイバ接続に何らかの汚れがあると、コンポーネントの障害やシステム全体の障害を引き起こす可能性があります。光接続では、微細な塵の粒子でさえ、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。コアが微粒子によって部分的または全体的に覆われると、強い後方反射が生じ、レーザー システムを不安定にさせる場合があります。2 つのファイバの表面の間に塵の粒子が入り込むと、ガラスの表面を傷つける場合があります。クラッドや端面の端に粒子があるだけでも、ファイバ コアの接続部にエア ギャップやずれが生じて、光信号が大幅に劣化する場合があります。
1 マイクロメートルの塵の粒子がシングルモードのコア上にあると、光が最大 1 % ブロックされる可能性があります(0.05dB の損失)。
9 マイクロメートルの微小な汚れは、小さすぎてマイクロスコープなしでは見えませんが、そのような汚れでも、ファイバ コアが完全にブロックされる可能性があります。これらの汚染物は、塵の粒子よりも取り除くのが難しい場合があります。
人間の毛髪の直径は 50 ~ 75 マイクロメートルなので、塵はその 8 分の 1 ということになります。ですから、塵は目に見えないとしても、空中に存在し、コネクタに付着する可能性があります。塵に加えて、他の種類の汚染物も端面から除去する必要があります。たとえば、次のような物質があります。
油分(多くの場合、人間の手からのもの)
薄膜状残留物(空中の蒸気から凝結)
パウダー コーティング(水または他の溶剤が蒸発した後に残る物質)
これらの汚染物は塵の粒子よりも取り除くのが難しい場合がありますが、除去しなければ機器が損傷する可能性もあります。
注意:通信システムで現在使用されている高出力のレーザーでは、汚染物がファイバ コアをブロックしているときにレーザーをオンにすると、その汚染物がファイバの端面に焼き付けられる場合があります。このような焼き付けで光ファイバの表面が損傷してしまうと、クリーニングでは対処できません。
光ファイバ コンポーネントをクリーニングする場合は、必ず慎重に手順を実行してください。目標は、塵や汚染物を完全に除去して、光ファイバ接続のための汚れのない環境を実現することです。光ファイバを接続する前にはいつでも、重要な手順として、検査、クリーニング、および再検査を必ず実施する必要があることを忘れないでください。
光ファイバ接続を検査およびクリーニングする前に、次の注意と警告を確認してください。
ファイバ コネクタ、光コンポーネント、またはバルクヘッドを検査する前には、必ずすべてのレーザー発生源をオフにしてください。
ケーブルの両端が接続されていないこと、またはカードや差し込み式レシーバがシャーシから取り外されていることを必ず確認してください。
作業場所で着用が求められている場合には、適切な保護メガネを必ず着用してください。レーザー保護メガネが、国や地方自治体の安全基準を満たしており、設置環境で使用されているレーザーに適合したものであることを確認してください。
クリーニングの前には、必ずコネクタやアダプタを検査してください。
接続の前には、必ずコネクタの検査とクリーニングを行ってください。
ファイバの差し込みまたは引き抜きは、必ずコネクタ ハウジングを掴んで行ってください。
引き抜いたファイバ コネクタには、必ず保護キャップを装着しておいてください。
付着した塵が光ファイバに移る可能性を避けるために、未使用の保護キャップは必ず密閉容器に保管してください。この密閉容器は、すぐに使えるように、コネクタのそばに置いておいてください。
使用済みのティッシュや綿棒は、必ず適切に処分してください。
残留物が端面に確実に残らないようにできる方法でなければ、アルコールの使用またはウェット クリーニングは絶対にしないでください。機器が損傷する原因となる可能性があります。
システムのレーザーがオンのときには、ファイバを絶対にのぞき込まないでください。
バルクヘッドまたはレセプタクル デバイスを検査する方法がない場合には、絶対にクリーニングしないでください。
正しく接地されていない場合には、絶対に製品に触れないでください。
ファイバ コネクタの検査には、フィルタの付いていない手持ち式のルーペや集光型の光学機器を絶対に使用しないでください。
システムのレーザーがオンのときには、ファイバをファイバスコープに絶対に接続しないでください。
ファイバ コネクタの端面には、絶対に触れないでください。
ファイバ ケーブルは、絶対にねじったり無理に引っ張ったりしないでください。
ティッシュ、綿棒、またはクリーニング カセット リールは、絶対に再利用しないでください。
ティッシュ、綿棒、またはクリーニング布の未使用部分には、絶対に触れないでください。
ティッシュや綿棒のアルコールを染み込ませた部分には、絶対に触れないでください。
アルコール容器の注ぎ口には、絶対に触れないでください。
直火や火花が発生する場所の近くでは、絶対にアルコールを使用しないでください。アルコールは簡単に引火します。
すべてのクリーニング ツールは密閉容器に保存します。ただし、エンドキャップは別の密閉容器に保存します。これらの容器の内部は非常にきれいにしておく必要があり、光ファイバが接続されている間は、中にあるものに汚染物が付着しないように、ふたをきっちりと閉めておく必要があります。
クラッドとファイバ コアに残留物が残る可能性があるため、フェルールからクリーニング用のアルコールが徐々に蒸発するのを待つことは絶対にしないでください。このような残留物のクリーニングは、もう一度ウェット クリーニングをしないと除去するのが非常に困難であり、通常は、元の汚染物を取り除くよりも難しくなります。液体アルコールは、わずかな隙間や穴の中に残っていて、再び表面に出てくるという場合もあります。
ここでは、コネクタのクリーニング手順について説明します。検査とクリーニングの具体的な技法については、別のセクションで詳細に説明します。
次のステップを実行します。
ファイバ コネクタ、コンポーネント、またはバルクヘッドを、ファイバスコープを使用して検査します。
コネクタが汚れている場合は、ドライ クリーニングの技法でクリーニングします。
コネクタを検査します。
コネクタがまだ汚れている場合は、ドライ クリーニングの技法を繰り返します。
コネクタを検査します。
それでもコネクタが汚れている場合は、ウェット クリーニングの技法でクリーニングしますが、その直後にドライ クリーニングも行って、端面に残留物が残らないようにします。
注:バルクヘッドとレセプタクルには、ウェット クリーニングを行わないことをお勧めします。機器が損傷する可能性があります。
コネクタを再び検査します。
汚染物をまだ取り除くことができない場合は、端面がきれいになるまで、クリーニング手順を繰り返します。
図 1 は、コネクタのクリーニングのプロセス フローを示しています。
図 1:
注:残留物が端面に確実に残らないようにできる方法でなければ、アルコールの使用またはウェット クリーニングは絶対にしないでください。それにより機器が損傷する可能性があります。
この検査技法は、ファイバスコープを使用し、端面を確認するために行います。
ここでのファイバスコープとは、光ファイバ コンポーネントの検査用にカスタマイズされているマイクロスコープのことです。このファイバスコープには、少なくとも 200 倍の総合倍率が必要です。ほとんどのコネクタ タイプには、端面を正しく検査するための固有のアダプタが必要です。このコネクタ タイプには、1.25 mm、2.5 mm、APC コネクタなどがあります。
エンドキャップ用の清潔な密閉容器
ファイバスコープ
バルクヘッド プローブ
図 2 は、さまざまな種類のファイバスコープを示しています。
図 2
バルクヘッド プローブは、ハンドヘルド型のファイバスコープで、バルクヘッド、バックプレーン、またはレセプタクル ポート内のコネクタを検査するために使用します。バルクヘッド プローブは、少なくとも 200 倍の総合倍率で、ビデオ モニタに表示できることが必要です。ハンドヘルド型のポータブル モニタも使用できます。ほとんどのコネクタ タイプの端面を正しく検査するには、固有のアダプタが必要です。
図 3 は、プローブが付いたハンドヘルド型のファイバスコープと 1.25 mm コネクタ用のアダプタ ティップを示しています。
図 3
図 4 は、2 種類のハンドヘルド型ファイバスコープを示しています。
図 4
注意:この手順を開始する前に、「注意」と「警告」をお読みください。
コネクタを検査するには、次の手順を実行します。
検査を始める前に、レーザーがオフになっていることを確認します。
警告:接続されていない光ファイバ ケーブルやコネクタからは、目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。ビームを見つめたり、光学機器で直接見ないでください。
保護キャップを外して、清潔な密閉容器で保存します。
検査するコネクタの様式を確認して、適切な検査用アダプタまたはプローブを機器に装着します。
ファイバスコープのアダプタに光ファイバ コネクタを挿入して、端面の画像がはっきり表示されるように、フォーカス リングを調節します。図 5 は、シングルモード コネクタの、汚れがない端面を示しています。
図 5:
または、ハンドヘルド型のプローブのティップをバルクヘッド コネクタに差し込んで、フォーカスを調節します。
図 6 は、バルクヘッド コネクタに差し込まれたハンドヘルド型のプローブを示しています。
図 6
コネクタの端面に汚染物がないことを、ビデオ モニタ上で確認します。
ヒント:さまざまなタイプの汚染物の画像については、付録 B の「汚染状態のサンプル画像」を参照してください。
必要であれば、端面をクリーニングして再検査します。以下の該当するセクションを参照してください。
再び汚染物が付着するリスクを減らすために、クリーニング済みのコネクタは、クリーニング済みの対のコネクタにすぐに差し込んでください。
ここでは、ピグテールとパッチコードのクリーニング技法について説明します。
注:100% 有効であるという既知のクリーニング方法はありません。そのため、クリーニング プロセスの一部として、必ず検査が組み込まれることになります。不適切なクリーニングを行うと、機器が損傷する可能性があります。
ここでは、カートリッジ型とポケット型のクリーナを使ったドライ クリーニング技法について説明します。
カートリッジ型のクリーニング ツール:OPTIPOP および CLETOP
ポケット型のクリーニング ツール:CARDCLEANER
図7
注意:この手順を開始する前に、「注意」と「警告」をお読みください。
検査を始める前に、レーザーがオフになっていることを確認します。
警告:接続されていない光ファイバ ケーブルやコネクタからは、目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。ビームを見つめたり、光学機器で直接見ないでください。
保護キャップを外して、小型の密閉容器で保存します。
コネクタをファイバスコープで検査します。「コネクタの検査技法」のセクションを参照してください。
コネクタが汚れている場合は、カートリッジ型またはポケット型のクリーナを使用してクリーニングします。
カートリッジ型クリーナの場合は、親指レバーを押し下げたままにします。シャッタが後ろに下がって、新たなクリーニング エリアが現れたら、手順 5 に進みます。
ポケット型クリーナの場合は、1 つのクリーニング面の保護フィルムをはがしてから、手順 5 に進みます。
手で引き出すクリーナの場合は、装置の下部からクリーニング素材を引き出して、新しい部分がクリーニング ウィンドウに現れるようにしてから、手順 5 に進みます。
ファイバのティップをクリーニング エリアに軽く押し当てます。
シングル非 APC 光ファイバ コネクタの場合は、光ファイバを 90 °(1/4)回転させます。
APC コネクタの端面の場合は、クリーニング エリアが端面と同じ角度になるようにします。
露出しているクリーニング エリアにファイバのティップを押し当てて、矢印の方向または上から下に軽く引きます。
注意:布を光ファイバに強くこすり付けたり、同じ面で複数回クリーニングしたりしないでください。そのようにすると、コネクタを汚したり損傷したりする可能性があります。
ポケット型クリーナを使用する場合は、手順 8 に進みます。
A CLETOP タイプのシングル光ファイバ コネクタの場合は、2 つ目の汚れていないスロットでクリーニング手順(手順 5 と手順 6)を繰り返します。
カートリッジ型クリーナを使用している場合は、親指レバーを放して、クリーニング ウィンドウを閉じます。
コネクタをファイバスコープで再び検査します。「コネクタの検査技法」のセクションを参照してください。
必要であれば、検査とクリーニングの手順を繰り返します。
注意:使用後は、使用済みのクリーニング素材(カードまたは素材カートリッジ)は廃棄してください。
ここでは、リントフリー布を使用したドライ クリーニングの技法について説明します。
リントフリー布(クリーン ルーム品質のものが望ましい)
図 8
注意:この手順を開始する前に、「注意」と「警告」をお読みください。
検査を始める前に、レーザーがオフになっていることを確認します。
警告:接続されていない光ファイバ ケーブルやコネクタからは、目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。ビームを見つめたり、光学機器で直接見ないでください。
保護キャップを外して、小型の密閉容器で保存します。
布を四角く(4 層から 8 層くらいの厚さに)折りたたみます。図 8 を参照してください。
コネクタをファイバスコープで検査します。「コネクタの検査技法」のセクションを参照してください。
コネクタが汚れている場合は、リントフリー布を使用してクリーニングします。
注意:折りたたむときには、布のクリーニングに使用する部分を、手や折りたたむ作業台の表面で汚さないように注意してください。
図 8 に示す動作で、布の真ん中でフェルールの先端を軽く拭きます。
注意:布を光ファイバに強くこすり付けないでください。そのようにすると、傷が付いたり、汚れがひどくなったりする可能性があります。
布の他のきれいな部分を使って、図 8 の拭く動作を繰り返します。
布を適切に廃棄します。
コネクタをファイバスコープで再び検査します。
必要であれば、このプロセスを繰り返します。
ここでは、リントフリー綿棒を使用したドライ クリーニングの技法について説明します。
リントフリー綿棒(クリーン ルーム品質のものが望ましい)
図 9
注意:この手順を開始する前に、「注意」と「警告」をお読みください。
検査を始める前に、レーザーがオフになっていることを確認します。
警告:接続されていない光ファイバ ケーブルやコネクタからは、目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。ビームを見つめたり、光学機器で直接見ないでください。
保護キャップを外して、小型の密閉容器で保存します。
コネクタをファイバスコープで検査します。「コネクタの検査技法」のセクションを参照してください。
コネクタが汚れている場合は、リントフリー綿棒を使用してクリーニングします。
図 10
綿棒を軽く押し付けて回転させ、フェルールの表面をクリーニングします。
綿棒を適切に廃棄します。綿棒は絶対に再利用しないでください。
コネクタをファイバスコープで再び検査します。
必要であれば、このプロセスを繰り返します。
ドライ クリーニングの手順で光ファイバの端面から汚れを除去できなかった場合は、ウェット クリーニングの手法を試してみてください。
注意:不適切なクリーニングを行うと、機器が損傷する可能性があります。イソプロピル アルコールを使用するときには、コネクタやアダプタからアルコールを完全に除去できるように特に気をつけます。液体アルコールが残っていると、それにより、端面上にある固着していない塵が移動してしまいます。フェルールからアルコールが徐々に蒸発するのを待つと、クラッドとファイバ コアに残留物が残る可能性があります。このような残留物のクリーニングは、もう一度ウェット クリーニングをしないと除去するのが非常に困難であり、通常は、元の汚染物を取り除くよりも難しくなります。液体アルコールは、わずかな隙間や穴の中に残っていて、光ファイバの接続中に再び表面に出てくるという場合もあります。
99 % の濃度のイソプロピル アルコール
リントフリー(糸くずの出ない)布
注意:メスのマルチファイバ コネクタを扱う場合は、ガイド ピンの穴にアルコールが入らないようにしてください。嵌合時にアルコールが染み出て、接続部が汚れる可能性があります。
注意:コネクタにアルコールが入り込み、コネクタが再び汚れる可能性があるため、E-2000 または F-3000 コネクタではウェット クリーニングは行わないでください。
注意:この手順を開始する前に、「注意」と「警告」をお読みください。
検査を始める前に、レーザーがオフになっていることを確認します。
警告:接続されていない光ファイバ ケーブルやコネクタからは、目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。ビームを見つめたり、光学機器で直接見ないでください。
保護キャップを外して、小型の密閉容器で保存します。
コネクタをファイバスコープで検査します。「コネクタの検査技法」のセクションを参照してください。
布を四角く(4 層から 8 層くらいの厚さに)折りたたみます。図 11 を参照してください。
布の一部を 99 % 濃度のアルコール 1 滴で湿らせます。布は、必ず乾いたままの部分が存在するようにしておいてください。
図 8 に示す動作で、布のアルコールで湿らせた部分でフェルールの先端を軽く拭きます。その後すぐに、布の乾いた部分で、図 8 に示す拭き取り作業を繰り返して、残留アルコールをすべて除去します(注意を参照)。
注意:布を光ファイバに強くこすり付けないでください。そのようにすると傷が付く可能性があります。
布を適切に廃棄します。布は絶対に再利用しないでください。
コネクタをファイバスコープで再び検査します。
必要であれば、このプロセスを繰り返します。
レセプタクルとは、光ポートが搭載されたパッケージ型のデバイスのことです。多くのレセプタクル デバイスは、ファイバよりも汚染に強いレンズ ベースのシステムを使用していますが、正しくクリーニングしないと損傷する場合があります。レセプタクル デバイスの検査中に端面のクラッドに焦点を合わせられない場合には、レンズ付きデバイスを使用しているのであれば、クリーニングはしないでください。端面のコアとクラッドのサンプル画像は、図 14 と図 15 を参照してください。
熟練したオペレータでも、綿棒を使ったクリーニングでは、必ずしも効果的でないことがわかっています。コアをブロックして信号に影響を与えるような汚れが見られるのでない限り、光ポートはそのままにしておくことをお勧めします。綿棒を挿入する過程で、汚染物が端面上に押し出される場合があります。
注意:バルクヘッドとレセプタクルには、ウェット クリーニングを行わないことをお勧めします。機器が損傷する可能性があります。
レセプタクル側に汚れを広げないように、差し込みの対のコネクタが汚れていないことを必ず確認します。こすり付けられた汚染物は、固着していない塵よりもずっと除去が難しくなります。
まず検査をして、必要な場合にのみクリーニングするようにしください。
ここでは、リントフリー綿棒を使用したドライ クリーニングの技法について説明します。
リントフリー(糸くずの出ない)綿棒
図 12
注意:バルクヘッドまたはレセプタクルを後で検査する方法がない場合には、絶対にクリーニングしないでください。クリーニングしたために、端面が以前より悪い状態になる場合があります。
注意:この手順を開始する前に、「注意」と「警告」をお読みください。
検査を始める前に、レーザーがオフになっていることを確認します。
警告:接続されていない光ファイバ ケーブルやコネクタからは、目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。ビームを見つめたり、光学機器で直接見ないでください。
保護キャップを外して、小型の密閉容器で保存します。
アダプタ内のファイバ コネクタまたはバルクヘッドをファイバスコープのプローブを使用して検査します。「コネクタの検査技法」のセクションを参照してください。
アダプタが汚れている場合は、コネクタのフェルールのサイズに応じて、適切なリントフリー綿棒を選択します。
アダプタ内のコネクタを、ファイバスコープのプローブを使用して再び検査します。
汚れがないリントフリー綿棒をアダプタに挿入します。図 13 を参照してください。
図 13
同じ方向に、綿棒を数回完全に回転させます。
綿棒を適切に廃棄します。綿棒は絶対に再利用しないでください。
必要であれば、クリーニングのプロセスを繰り返します。
注意:不適切なクリーニングを行うと、機器が損傷する可能性があります。イソプロピル アルコールを使用するときには、コネクタやアダプタからアルコールを完全に除去できるように特に気をつけます。液体アルコールが残っていると、それにより、端面上にある固着していない塵が移動してしまいます。フェルールからアルコールが徐々に蒸発するのを待つと、クラッドとファイバ コアに残留物が残る可能性があります。このような残留物のクリーニングは、もう一度ウェット クリーニングをしないと除去するのが非常に困難であり、通常は、元の汚染物を取り除くよりも難しくなります。液体アルコールは、わずかな隙間や穴の中に残っていて、光ファイバの接続中に再び表面に出てくるという場合もあります。
注意:メスのマルチファイバ コネクタの場合は、ガイド ピンの穴にアルコールが入らないようにしてください。入ってしまうと、接続時にアルコールが出てきて、接続部分が汚染される可能性があります。
99 % の濃度のイソプロピル アルコール
リントフリー(糸くずの出ない)綿棒
注意:バルクヘッドまたはレセプタクルを後で検査する方法がない場合には、絶対にクリーニングしないでください。アルコールの残留物は最も除去が難しい汚染物の 1 つなので、クリーニングしたために、実際には端面が以前より悪い状態になる場合があります。
検査を始める前に、レーザーがオフになっていることを確認します。
警告:接続されていないファイバまたはコネクタから目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。ビームを見つめたり、光学機器で直接見ないでください。
保護キャップを外して、小型の密閉容器で保存します。
コネクタをファイバスコープで検査します。「コネクタの検査技法」のセクションを参照してください。
ドライ クリーニングの手順で光ファイバの端面から汚れを除去できない場合は、99 % 濃度のアルコール 1 滴で、新しいリントフリー綿棒を軽く湿らせます。綿棒を湿らせすぎないように注意してください。
ヒント:クリーニング直後に乾燥させるために、乾いたリントフリー綿棒を用意しておきます。乾燥用の綿棒は汚れないように注意してください。注意を参照してください。
湿らせた綿棒を軽く押し付けて回転させ、フェルールの表面をクリーニングします。
クリーニング直後に、2 本目の綿棒(乾燥用)を軽く押して付けて回転させ、フェルール表面に残っているアルコールを拭き取って乾燥させます。
湿った綿棒と乾いた綿棒を両方とも適切に廃棄します。綿棒は絶対に再利用しないでください。
コネクタを再び検査します。
クリーニング技法の多くは独自のものであり、このドキュメントも広く提供されるので、部品番号、ドキュメント番号、および適用方法のみをリストしています。詳細は、サプライヤに直接問い合わせてください。
連絡先情報については、「ツール」を参照してください。
3M OGIバルクヘッドクリーニングキット(ref.3M製品番号(FCCS-1020)
詳細については、『3M Worldwide』を参照してください。
次のいくつかの画像では、さまざまな汚染状態を示しています。
図 | 説明 |
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図 14:汚れのないコネクタ
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図 14 は、汚れのないシングルモードのセラミック端面を 200 倍の倍率で示しています。 注:コアが明るく表示されない場合もあります。 |
図 15:汚れのないマルチファイバ コネクタ(許容範囲内の影がある)
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図 15 は、汚れのないマルチモードの MT コネクタを示しています。クラッドの端に沿って、許容範囲内の少量の影があることに注意してください。 注:200 倍の倍率で、複数のファイバが見えています。コアが明るく表示されない場合もあります。 |
図 16:塵が付いたコネクタ
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図 16 は、塵の粒子が端面の表面全体に広がっていて、クリーニングが必要なコネクタを示しています。 |
図 17:液体で汚染されたコネクタ
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図 17 は、クリーニングが必要な、液体で汚染されたコネクタを示しています。 |
図 18:液体で汚染されたコネクタ
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図 18 は、クリーニングが必要な、液体で汚染されたコネクタを示しています。 |
図 19:アルコールの残留物で汚染されたコネクタ
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図 19 は、クリーニングが必要な、アルコールの残留物があるコネクタを示しています。 |
図 20:液体で汚染されたコネクタ
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図 20 は、クリーニングが必要な、液体の小さな飛沫で汚染されたコネクタを示しています。 |
図 21:乾燥した残留物があるコネクタ
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図 21 は、クリーニングが必要な、乾燥した残留物があるコネクタを示しています。 |
図 22:油性の残留物があるコネクタ
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図 22 は、クリーニングが必要な、油性の残留物があるコネクタを示しています。 |
図 23:傷が付いたコネクタ
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図 23 は、傷が付いたコネクタを示しています。このような傷は端面の損傷ではなく、クリーニングでは除去できません。ただし、光ファイバ コアを横切っているように見える深い傷は、信号損失の原因となる可能性があります。 |
図 24:クラッドが欠けて過剰なエポキシがあるコネクタ
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図 24 は、クラッドが損傷したコネクタを示しています。損傷したクラッドはクリーニングでは除去できません。クラッドの周りの少量のエポキシは許容できますが、この例では、クラッドの周りにエポキシが過剰にあり、クリーニングでは除去できません。このコネクタは、取り替える必要があります。 |
図 25:損傷したコネクタ
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図 25 は、面取りをしすぎた 1.25 mm のフェルールを示しています。このコネクタは、取り替える必要があります。 |
コネクタの部品またはタイプ | 説明 |
---|---|
APC(Angled Physical Contact) | これは、光ファイバの端面に 8 °の角度を付けた研磨様式です。通常、このタイプのコネクタは、コネクタ本体が緑になっているか、緑の断線保護ブーツが装着されているので識別できます。 |
バックプレーン コネクタ | これは、PCA の背面からシャーシ内部の背面壁に接続する光ファイバ コネクタです。 |
バルクヘッド アダプタ | これは、2 つの光ファイバ コネクタを嵌合させるためのプラスチック製または金属製のハウジングです。通常は、PCA の前面パネルまたはバックプレーンにあります。 |
コネクタ | これは、トランスミッタ、レシーバ、または別のケーブルに接続するために光ファイバ ケーブルの端にある、プラスチック製または金属製のハウジングです。 |
クラッド | これは、屈折率の低いガラスで作られた、光ファイバの端面の内側の領域です。この領域は、コアの外側の端から 125 ミクロンの直径の端の部分までを占めています。 |
コア | これは、光の大部分を伝送して導く、光ファイバの端面の最も中心部にある領域です。直径は、光ファイバの種類に応じて、9 ミクロン、50 ミクロン、62.5 ミクロンのいずれかになります。 注:コアは明るく表示されないため、クラッドと区別できない場合がよくあります。 |
E2000 | これは、シングルファイバの直径 2.5 mm のフェルールを使用するタイプの光ファイバ コネクタです。この特殊なコネクタには、金属性のフェルールが使用されており、バネ式の保護シャッタが付いています。Diamond, Inc.が独占提供しています。図29を参照してください。 |
端面 | これは、光ファイバ コネクタの接続面です。ガラス製のコアとクラッドで構成されており、セラミック製、プラスチック製、または金属製のフェルールが周りを覆う構造になっています。このエリア全体を損傷から常に保護しておくことが非常に重要です。 |
F3000 | これは、シングルファイバの直径 1.25 mm のフェルールを使用するタイプの光ファイバ コネクタです。この特殊なコネクタには、金属性のフェルールが使用されており、バネ式の保護シャッタが付いています。このコネクタは Diamond, Inc. が独占提供していますが、すべての LC ポートに適合するわけではありません。 |
FC | シングルファイバの直径 2.5 mm のフェルールを使用するタイプの光ファイバ コネクタ。コネクタの接続部には、適正な相手だけに適合する、ネジ山が切られたバレルが採用されています。図 28 を参照してください。 |
フェルール | ガラス製のクラッドとコアを保持して揃えるために正確に中ぐり加工が施された、光ファイバの端面の外側部分。通常は、セラミックやプラスチックなどの絶縁性の素材で作られています。シングルファイバとマルチファイバの両方のタイプがあります。 |
LC | これは、シングルファイバ用の直径のフェルールを使用する、光ファイバ コネクタの 1 タイプです。1.25 mm のコネクタ本体には、接続時に確実に連結するための、独特のプラスチック製ラッチが採用されています。図 26 を参照してください。 |
MPO(MTP とも呼ばれます) | これは、マルチファイバ用のプラスチック製フェルールを使用する、光ファイバ コネクタの 1 タイプです。図 31 を参照してください。 |
MU | これは、シングルファイバの直径 1.25 mm のフェルールを使用するタイプの光ファイバ コネクタです。図 30 を参照してください。 |
マルチモード ファイバ | これは、さまざまなモードの光を伝送または放射する光ファイバです。通常、これらのファイバには、大きなコア(一般的には 50 ミクロンまたは 62.5 ミクロン)が採用されています。 |
OGI | これは、マルチファイバ用のプラスチック製フェルールを使用する、光ファイバ コネクタの 1 タイプです。3M, Incのみが提供しています。図32を参照してください。 |
PC(Physical Contact) | これは、凸形またはドーム型の端面の光ファイバの研磨様式です。 |
ピグテール デバイス | これは、オス コネクタに一定の長さの光ファイバが取り付けられた、パッケージ型の光学コンポーネントです。 |
レセプタクル デバイス | これは、通常、前面パネルと同じ平面上に取り付けられるメスのポートが付いた、パッケージ型の光学コンポーネントです。設計やベンダーに応じて、光ファイバまたは光学レンズが内部的に使用されている場合があります。SFP、XFP、GBIC、XenPAK、および SFF が、レセプタクル トランシーバ デバイスのすべての例です。図 33 を参照してください。 |
リボン コネクタ | これは、マルチファイバ コネクタの別名です。 |
SC | これは、シングルファイバの直径 2.5 mm のフェルールを使用するタイプの光ファイバ コネクタです。図 27 を参照してください。 |
シングルモード光ファイバ | これは、光伝搬の 1 つの空間モードをサポートする光ファイバです。通常、これらのファイバには、9 ミクロンのコアが採用されています。 |
ST | これは、シングルファイバの直径 2.5 mm のフェルールを使用するタイプの光ファイバ コネクタです。 |
UPC(Ultra-polished physical contact) | これは、凸形またはドーム型の端面の光ファイバの研磨様式です。高度な研磨技術によって、パフォーマンスが向上しています。 |
注:Angled Physical Contact(APC; 斜め球面研磨)コネクタには、通常、緑のコネクタまたはブーツが付いています。青や他の色のコネクタは、平面または凸面の端面になっています。
図 26:LC タイプのコネクタとアクセサリ(1.25 mm フェルール)
図 27:SC タイプのコネクタとアクセサリ(2.5 mm フェルール)
図 28:FC タイプのコネクタとアクセサリ(2.5 mm フェルール)
図 29:E2000 タイプのコネクタとアクセサリ(2.5 mm フェルール)
図 30:MU タイプのコネクタとアクセサリ(1.25 mm フェルール)
図 31:MTP/MPO タイプのコネクタ(マルチファイバ フェルール)
図 32:OGI タイプ コネクタ(マルチファイバ)
図 33:レセプタクル デバイス
改定 | 発行日 | コメント |
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1.0 |
18-May-2004 |
初版 |