はじめに
この文書では、光ファイバの最大減衰量を計算する方法について説明します。この方法論はすべてのタイプの光ファイバに適用でき、光システムで使用される最大距離を計算するために使用できます。
前提条件
要件
このドキュメントに関する固有の要件はありません。
使用するコンポーネント
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。本稼働中のネットワークでは、各コマンドによって起こる可能性がある影響を十分確認してください。
減衰とは
減衰は、光パルスがマルチモードまたはシングルモード ファイバの配線を通って伝播するときに発生する信号強度や光パワーの損失の測定値です。この測定値は、通常、デシベルまたは dB/km で定義されます。
波長
最も一般的なピーク波長は、780nm、850nm、1310nm、1550nm、および 1625nm です。第一窓と呼ばれる 850 nm の領域は、オリジナルの LED 技術と検知器技術がサポートされていたために、最初から使用されていました。今日では損失と分散が非常に小さい 1310 nm の領域が一般的です。
また、1550 nm の領域を使用してリピータの必要性を回避することもできます。一般に、波長が長くなるほど性能が向上しますが、費用が高くなります。
マルチモード ファイバとシングルモード ファイバは別々のファイバ タイプまたはサイズを使用します。たとえば、シングル モード ファイバは 9/125 um を使用し、マルチ モード ファイバは 62.5/125 または 50/125 を使用します。ファイバのサイズが異なると光の損失量である dB/km の値も変わります。ファイバの損失は動作波長に大きく依存します。一般的に使用されるファイバでは、物理的なファイバのサイズ(たとえば、9/125 や 62.5/125)に関係なく、1,550 nm の波長で損失が最も低くなり、780 nm の波長で損失が最も高くなります。
光リンクの最大距離を計算するには、まず、表 1 と表 2 について確認します。
表1 – 波長1310 nmの場合
|
減衰/Km(dB/Km) |
減衰/光コネクタ(dB) |
減衰/接合(dB) |
|
最小 |
0.3 |
0.4 |
0.02 |
最良の状態 |
平均 |
0.38 |
0.6 |
0.1 |
Normal |
最大 VLAN |
0.5 |
1 |
0.2 |
最悪な状態 |
表2 – 波長1550 nmの場合
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減衰/Km(dB/Km) |
減衰/光コネクタ(dB) |
減衰/接合(dB) |
|
最小 |
0.17 |
0.2 |
0.01 |
最良の状態 |
平均 |
0.22 |
0.35 |
0.05 |
Normal |
最大 VLAN |
0.4 |
0.7 |
0.1 |
最悪な状態 |
ここで、現場の一般的な状況の例を示します。
光リンクの減衰の算定
これで、このリンクの減衰を計算する準備ができました。次の式で基本ケーブル断面の全減衰(TA)を算定できます。
TA = n x C + c x J + L x a + M
定義:
光カードに特定の値を仮定してこの式を例に適用すると、次のような結果が得られます。
波長1310 nmの場合:通常
TA = n x C + c x J + L x a + M = 2 x 0.6dB + 4x 0.1dB + 20.5Km x 0.38dB/Km + 3dB = 12.39dB
波長1310 nmの場合:最悪の状況
TA = n x C + c x J + L x a + M = 2 x 1dB + 4x 0.2dB + 20.5Km x 0.5dB/Km + 3dB = 16.05dB
波長1550 nmの場合:通常
TA = n x C + c x J + L x a + M = 2 x 0.35dB+ 4x 0.05dB+ 20.5Km x 0.22dB/Km+ 3dB = 8.41dB
波長1550 nmの場合:最悪の状況
TA = n x C + c x J + L x a + M = 2 x 0.7dB+ 4x 0.1dB+ 20.5Km x 0.4dB/Km+ 3dB = 13dB
光カードの次のような仕様を仮定します。
Tx = -3 dBm ~ 0dBm(1310 nmの場合)
Rx = -20 dBm ~ -27 dBm(1,310 nmの場合)
この場合は、電力バジェットが 27 dB ~ 17 dB になります。
パワーバジェットが1310 nmで17 dbである最悪のカードと、光リンクの最悪の状況が1310 nmで16.05 dBであると考えると、光リンクは問題なく動作すると推測できます。これを確認するには、リンクを測定する必要があります。