この設定例では、Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Cisco Catalyst スイッチとワークステーションまたはサーバ間に EtherChannel を確立する方法について説明しています。
Catalyst OS が稼働する Cisco Catalyst スイッチについては、『CatOS が稼動する Catalyst スイッチとワークステーションまたはサーバ間の EtherChannel の設定』を参照してください。
EtherChannel では、複数の物理的なイーサネット リンクを 1 つの論理チャネルに統合できます。これにより、チャネル内のリンク間でのトラフィックのロード シェアリングや、チャネル内の 1 つか複数のリンクで障害が発生するようなイベントでの冗長構成が可能になります。
EtherChannel の使用により、Unshielded Twisted-Pair(UTP; シールドなしツイストペア線)による配線またはシングルモードおよびマルチモード ファイバを経由して、LAN スイッチ、ルータ、サーバ、およびクライアントを相互接続できます。このドキュメントでは、Fast EtherChannel、Gigabit EtherChannel、ポート チャネル、チャネル グループ、およびポート グループをすべて EtherChannel という 1 つの用語で呼んでいます。このドキュメントの情報は、これらすべての EtherChannel に当てはまります。
このドキュメントでは、Catalyst スイッチとサーバ間のレイヤ 2 EtherChannel の設定について説明します。
この設定を行う前に、次の要件が満たされていることを確認します。
EtherChannel を実装するためのシステム要件を満たす Cisco Catalyst スイッチ。詳細については、『Catalyst スイッチに EtherChannel を実装する場合のシステム要件』を参照してください。
次のコマンドを使用して、スイッチまたはモジュールが EtherChannel をサポートしているかどうかを判別します。
Switch#show interfaces Gi2/0/23 capabilities
GigabitEthernet2/0/23
Model: WS-C3750G-24T
Type: 10/100/1000BaseTX
Speed: 10,100,1000,auto
Duplex: half,full,auto
Trunk encap. type: 802.1Q,ISL
Trunk mode: on,off,desirable,nonegotiate
Channel: yes
Broadcast suppression: percentage(0-100)
Flowcontrol: rx-(off,on,desired),tx-(none)
Fast Start: yes
QoS scheduling: rx-(not configurable on per port basis),tx-(4q2t)
CoS rewrite: yes
ToS rewrite: yes
UDLD: yes
Inline power: no
SPAN: source/destination
PortSecure: yes
Dot1x: yes
Switch#
Cisco Catalyst スイッチと相互運用可能な NIC カードを装備したワークステーションまたはサーバ。詳細は、NIC ベンダーのドキュメントを参照してください。
このドキュメントの内容は、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
Cisco IOS ソフトウェア リリース 12.2(25) SEC2 が稼働する Cisco Catalyst 3750 シリーズ スイッチ
HP Dual Port ProLiant ネットワーク アダプタを搭載した、Windows OS バージョン 5.00.2195 が稼働する Windows 2000 Server
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
この設定例は、Cisco IOS ソフトウェアが稼働する Cisco Catalyst スイッチにも使用できます。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
EtherChannel は、1 つのデバイスから開始して、他の 1 つのデバイスで終了させる必要があります。このデバイスは、スイッチ、スイッチ スタック、ワークステーションやサーバの場合があります。
1 つのスイッチ シャーシ内で、異なるモジュール上での EtherChannel の開始や終了が可能です。この設定は、Cisco Catalyst 4000、4500、6000 および 6500 スイッチに適用されます。
1 つのスイッチ スタック内で、異なるスタック メンバ上での EtherChannel の開始や終了が可能です。詳細については、『Catalyst 3750 スイッチでのスタック間 EtherChannel の設定例』を参照してください。
PAgP(Cisco 独自の機能)
LACP(IEEE 802.3ad)
EtherChannel ネゴシエーション プロトコルのサポートの詳細については、NIC のマニュアルを参照してください。
スイッチでの EtherChannel モード:
モード | ネゴシエーション プロトコル | 説明 |
---|---|---|
日付: | なし | 無条件に EtherChannel をイネーブルに設定。ワークステーションやサーバで、どのネゴシエーション プロトコルもサポートされていない場合に推奨。 |
オフ | なし | 無条件に EtherChannel をディセーブルに設定。 |
active | LACP | LACP パケットの送信によってネゴシエーションを開始。ワークステーションやサーバで LACP がサポートされている場合に推奨。 |
受動的な | LACP | リモート エンドから LACP パケットが送信されると、ネゴシエーションを開始。 |
望ましい | PAgP | PAgP パケットの送信によってネゴシエーションを開始。ワークステーションやサーバで PAgP がサポートされている場合に推奨。 |
自動 | PAgP | リモート エンドから PAgP パケットが送信されると、ネゴシエーションを開始。 |
NIC アダプタでサポートされているネゴシエーション プロトコルに応じて、適切なモードを使用してください。
注:このドキュメントでは、LACPをサポートするNICアダプタを使用します。
このセクションでは、このドキュメントで説明する機能を設定するために必要な情報を提供しています。
注: このドキュメントで使用されているコマンドの詳細を調べるには、Command Lookup Tool(登録ユーザ専用)を使用してください。
このドキュメントでは、次のネットワーク セットアップを使用します。
スイッチを設定するには、次の手順を実行します。
ネットワーク ダイアグラムごとに、グループ化するポートを選択します。
Gi 2/0/23
Gi2/0/24
リストされた各ポートで、次の手順を実行します。
ポートをレイヤ 2 スイッチポートとして設定します。
注:この手順は、レイヤ2スイッチポートとレイヤ3インターフェイスの両方をサポートするスイッチでのみ必要です。
Switch#conf t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)#int Gi2/0/23
Switch(config-if)#switchport
Switch(config-if)#
ポートをアクセス ポートとして設定し、適切な VLAN を割り当てます。
Switch(config-if)#switchport mode access
Switch(config-if)#switchport access vlan 100
Switch(config-if)#
スパニングツリー PortFast にポートを設定します。
Switch(config-if)#spanning-tree portfast %Warning: portfast should only be enabled on ports connected to a single host. Connecting hubs, concentrators, switches, bridges, etc... to this interface when portfast is enabled, can cause temporary bridging loops. Use with CAUTION %Portfast has been configured on GigabitEthernet2/0/23 but will only have effect when the interface is in a non-trunking mode. Switch(config-if)#
適切なモードで、EtherChannel にポートを設定します。
Switch(config-if)#channel-group 1 mode active Creating a port-channel interface Port-channel 1 Switch(config-if)#
EtherChannel ロード バランシングを設定します。この設定は、このスイッチで設定されるすべての EtherChannel に適用されます。
Switch(config)#port-channel load-balance ?
dst-ip Dst IP Addr
dst-mac Dst Mac Addr
src-dst-ip Src XOR Dst IP Addr
src-dst-mac Src XOR Dst Mac Addr
src-ip Src IP Addr
src-mac Src Mac Addr
Switch(config)#port-channel load-balance src-mac
Switch(config)#
サーバを設定するには、次の手順を実行します。
NIC Configuration Utility を起動します。
注:この例では、HP Network Configuration Utility 7を使用しています。HP Network Configuration Utilityを使用するには、Windows 2000システムトレイでアイコンを見つけるか、[Start] > [Settings] > [Control Panel] > [HP Network]をクリックします。
両方の NIC を強調表示して、Team をクリックします。
NIC チームが作成されます。
[Properties] をクリックします。
Team Properties ウインドウでは、適切な Team Type Selection を選択します。
注:この例ではスイッチにLACPが設定されているため、IEEE 802.3adのオプションを選択します。
Transmit Load Balancing Method ドロップダウン リストから必要な方式を選択し、OK をクリックします。
Team Properties ウィンドウで OK をクリックし、確認のウィンドウが表示されたら、Yes をクリックして続行します。
プロセスのステータスを示すダイアログボックスが表示されます。
サーバをリブートするようにプロンプト表示されたら、Yes をクリックします。
サーバがリブートされたら、チーム ステータスを確認するために、Network Configuration Utility を開きます。
My Network Places を右クリックします。追加ネットワーク カードの Local Area Connection 3 がウィンドウに表示されます。
NIC アダプタがチームとして編成され、新しい接続が作成れると、個々の NIC アダプタはディセーブルになり、古い IP アドレスではアクセスできなくなります。スタティック IP アドレス、デフォルト ゲートウェイ、および DNS/WINS 設定で新しい接続を設定するか、またはダイナミック コンフィギュレーション用に接続を設定します。
ここでは、設定が正常に機能しているかどうかを確認します。
アウトプット インタープリタ ツール(登録ユーザ専用)(OIT)は、特定の show コマンドをサポートします。OIT を使用して、show コマンドの出力の分析を表示します。
show etherchannel summary:チャネルグループごとに1行の要約を表示します。
Switch#show etherchannel 1 summary
Flags: D - down P - in port-channel
I - stand-alone s - suspended
H - Hot-standby (LACP only)
R - Layer3 S - Layer2
U - in use f - failed to allocate aggregator
u - unsuitable for bundling
w - waiting to be aggregated
d - default port
Number of channel-groups in use: 1
Number of aggregators: 1
Group Port-channel Protocol Ports
------+-------------+-----------+-----------------------------
1 Po1(SU) LACP Gi2/0/23(P) Gi2/0/24(P)
Switch#
show spanningtree interface:指定したインターフェイスのスパニング ツリー情報を表示します。
Switch#show spanning-tree interface port-channel 1
Vlan Role Sts Cost Prio.Nbr Type
---------------- ---- --- --------- -------- ---------
VLAN0100 Desg FWD 3 128.616 P2p
Switch#
show etherchannel load-balance:ポート チャネル内のポート間のロード バランス方式、またはフレーム配布方式を表示します。
Switch#show etherchannel load-balance EtherChannel Load-Balancing Operational State (src-mac): Non-IP: Source MAC address IPv4: Source MAC address IPv6: Source IP address Switch#
現在、この設定に関する特定のトラブルシューティング情報はありません。