この文書では、簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)を使用する隣接メモリのフリーおよび最大ブロックの取得方法について説明します。
このドキュメントに特有の要件はありません。
この文書の情報は、Cisco IOS ® デバイスで有効です。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
メモリ消費およびフラグメンテーションをモニタするおもな理由は、メモリリークおよび異常なネットワーク イベントの発生です。メモリリークは、プロセスがメモリ ブロックを要求し、終了した時にブロックを解放しない場合に発生します。最終的に、プロセスは利用可能なメモリをすべて使用します。これはバグとみなされ、結局はルータがクラッシュします。十分なメモリがないと、特にルータはより多くのバッファを作成できません。メモリ不足は、ルーティング テーブルなどのデータ構造を増大させるルータの能力に影響を及ぼす場合もあります。
Cisco IOS ソフトウェア デバイスのフリー メモリおよびメモリの最大フリー ブロックのモニタは、ルータ状態のすぐれたインジケータとなります。CISCO-MEMORY-POOL-MIB から検索する変数は、ciscoMemoryPoolFree(.1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.6) および ciscoMemoryPoolLargestFree(.1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.7) です。
.1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.6 ciscoMemoryPoolFree OBJECT-TYPE -- FROM CISCO-MEMORY-POOL-MIB SYNTAX Gauge MAX-ACCESS read-only STATUS Current DESCRIPTION "Indicates the number of bytes from the memory pool that are currently unused on the managed device. ::= { iso(1) org(3) dod(6) internet(1) private(4) enterprises(1) cisco(9) ciscoMgmt(9) ciscoMemoryPoolMIB(48) ciscoMemoryPoolObjects(1) ciscoMemoryPoolTable(1) ciscoMemoryPoolEntry(1) 6 }
注:ciscoMemoryPoolUsedとciscoMemoryPoolFreeの合計は、プール内のメモリの総量です。
.1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.7 ciscoMemoryPoolLargestFree OBJECT-TYPE -- FROM CISCO-MEMORY-POOL-MIB SYNTAX Gauge MAX-ACCESS read-only STATUS Current DESCRIPTION "Indicates the largest number of contiguous bytes from the memory pool that are currently unused on the managed device." ::= { iso(1) org(3) dod(6) internet(1) private(4) enterprises(1) cisco(9) ciscoMgmt(9) ciscoMemoryPoolMIB(48) ciscoMemoryPoolObjects(1) ciscoMemoryPoolTable(1) ciscoMemoryPoolEntry(1) 7 }
次の表に、ハイエンドとローエンドの両方のルータについて、show memory コマンドからの出力例を示します。
ハイエンド ルータ(7xxx シリーズ):
Router>show memory
Head | Total(b) | Used(b) | Free(b) | Lowest(b) | Largest(b) | |
---|---|---|---|---|---|---|
プロセッサ | 614708E0 | 112785184 A | 11720752 B | 101064432 C | 100574424 D | 100599288 E |
Fast | 614508E0 | 131072 A | 72664 B | 58408 C | 58408 D | 58364 E |
--その他--
ローエンド ルータ(4xxx、2500、3600 シリーズなど)
Router>show memory
Head | Total(b) | Used(b) | Free(b) | Lowest(b) | Largest(b) | |
---|---|---|---|---|---|---|
プロセッサ | 6291DE80 | 16654720 A | 11768556 B | 4886164 C | 4538264 D | 4772980 E |
I/O | 3900000 | 7340032 A | 4898680 B | 2441352 C | 2290528 D | 2441116 E |
--その他--
show memory の表では、以下の情報が強調表示されています。
A:"Total(b)" は、Cisco IOS ソフトウェアがロードされた後、プロセッサで利用可能なメモリ量の合計バイト数。Cisco IOS ソフトウェアがルータ上で使用しているメモリ量を知るには、ルータに搭載されているダイナミック RAM(DRAM)またはシステム メモリ(processorRam)の合計から、ここに示される合計バイト数を減算します。合計入出力(I/O)メモリまたはファースト メモリは、ローエンド ルータに搭載された物理 I/O メモリに基づいているか、またはシステム メモリからハイエンド ルータに割り振られたパケット メモリ量に基づいています(通常、Route/Switch Processor(RSP)プラットフォームでは 2 MB)。
.1.3.6.1.4.1.9.3.6.6 processorRam OBJECT-TYPE -- FROM OLD-CISCO-CHASSIS-MIB SYNTAX Integer MAX-ACCESS read-only STATUS Deprecated DESCRIPTION "Bytes of RAM available to CPU." ::= { iso(1) org(3) dod(6) internet(1) private(4) enterprises(1) cisco(9) temporary(3) chassis(6) 6 }
B:"Used(b)" は、現在ルータによって使用されているメモリの合計バイト数(ciscoMemoryPoolUsed)。
.1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.5 ciscoMemoryPoolUsed OBJECT-TYPE -- FROM CISCO-MEMORY-POOL-MIB SYNTAX Gauge MAX-ACCESS read-only STATUS Current DESCRIPTION "Indicates the number of bytes from the memory pool that are currently in use by applications on the managed device." ::= { iso(1) org(3) dod(6) internet(1) private(4) enterprises(1) cisco(9) ciscoMgmt(9) ciscoMemoryPoolMIB(48) ciscoMemoryPoolObjects(1) ciscoMemoryPoolTable(1) ciscoMemoryPoolEntry(1) 5 }
C:「Free(b)」は、ルータの現在の空きメモリ(ciscoMemoryPoolFree (.1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.6)またはfreeMem (.1.3.6.1.4.1.9.2.1.8)の合計バイト数です。
1.3.6.1.4.1.9.2.1.8 freeMem OBJECT-TYPE -- FROM OLD-CISCO-SYS-MIB SYNTAX Integer MAX-ACCESS read-only STATUS Obsolete DESCRIPTION "The freeMem mib object is obsolete as of IOS 11.1 It has been replaced with the cisco memory pool mib" ::= { iso(1) org(3) dod(6) internet(1) private(4) enterprises(1) cisco(9) local(2) lsystem(1) 8 }
D:"Lowest(b)" は、ルータの最新のリロード以降に、ある時点でフリーであったメモリの最少量。この値の等価 MIB はありません。
E:「Largest(b)」は、ルータ[ciscoMemoryPoolLargestFree .1.3.6.1.4.1.9.9.48.1.1.1.7]内の空きメモリの連続した最大ブロックです。これは、この出力で見る最も重要なフィールドです。